【フォード フュージョン】その名は核融合!? 実際はそんなにコワくない一台です。

ミッドサイズセダンであるフォード フュージョンは、2006年に米国で販売が開始されたという、比較的新しいクルマです。他の車種に比べれば、投下した資金の回収性が高いと思われるのがこのセグメント。環境問題へも力を入れ始めた今のフォードモータースが、その姿勢を世界へアピールしているのも、このフュージョンでしょう。

マツダ製プラットフォームに載せた3兄弟の一台として登場

初代(前半)

個人的には、アメリカ製自動車が愛されるのも敬遠される理由も、いわゆる「アメ車」の濃ゆい雰囲気が発散されているからだと思います。そして、2006年にアメリカで発売されたフォード フュージョンの一代目は、デザイン的に見直してみると過渡期の不安定さが垣間見えるクルマに思えます。(と言うのも、後述する最新型のフュージョンが、世界中で訴求力を持てそうな洗練された外観の持主だからです。)
当時フォードが「ニュー・フェイス・オブ・フォード」と呼んで推していたという、3本バーのグリルを強調したデザイン(フュージョンが市販化第一号)は、少しやぼったい雰囲気を出していました。

とにかくこの時のフュージョンは、マツダが『アテンザ』用に設計したプラットフォームを、マーキュリー ミランおよびリンカーン MKZらと共同で使っているクルマでした。そのフロント部分に横置きされるのは、マツダ設計の直列4気筒(2.3Lで119kw)およびフォード製V型6気筒(3.0Lで165kw)の『フォードDuratec エンジン』。どちらも、「可変バルブタイミング機構」を備えたDOHCということで、21世紀の社会的な要求にもちゃんと答える動力源となっています。まぁ、米国内市場だけを見てみてもライバルとなる車には、トヨタ カムリやホンダ アコードなどが含まれます。そんなセグメントにあるセダンが、OHVのV8エンジンで煙もくもくでは、さすがに受け入れなかったのでしょう。

その動力源に組み合わされたのは、共にマツダ製の5速マニュアル&オートマチックトランスミッション、加えてアイシン製6速オートマチックでした。

マツダが設計したというこのシャーシは、エンジン横置きFFならびに4WDにも対応しつつ、フロントのサスペンションはダブルウィッシュボーン式にも対応していたそうです。加えて、リアサスペンションもマルチリンク式となっていて、なかなか隙のない作りでもありました。

グレード構成は、最廉価版の『S』から始まり、『SE』そして『SL』と続く、比較的シンプルなラインアップです。

初代(後半)

この一代目フォード フュージョン。7年間あるモデルライフの後期に、かなり大掛かりなフェイスリフトを受けます。そしてこの時の最大の変更点は、なんといってもフロントマスクでしょう。3本グリルの基本コンセプトは生かしたまま、両脇のヘッドライトを横長で異形のものとし、かなりモダンで洗練度合をたかめたカタチに変わりました。

またこの時、プラットフォームは同じものを継続仕様していますが、エンジンバリエーションも手が加えられています。ちょっと前に、フォード エスケープで発表済みであった、それらのエンジン。まず、マツダ設計の(2.3から排気量アップした)2.5L直列4気筒DOHC16バルブ(130kw)や継続仕様のV6排気量3.0L(179kw)に加え、新たに3.5LのV6DOHC24バルブ(196kw)が新設定されました。2.5Lと3.0Lのエンジンには、進んだノッキング制御と燃料カットを新装備して、燃費の向上が図られています。

グレード構成は、すでに存在した3つに加え、『Sport』が新設定。これには、リアスポイラーやスポーツチューンのサスペンションの他、レザーを使ったヒーター付きのシートやソニー製292Wのオーディオシステムが装備されていました。エンジンは、3.5LのV6です。

ハイブリッドの登場

2010年のマイナーチェンジ時に、我がフォード フュージョンも、ついにハイブリッド版を投入しました。アメリカ環境保護局(EPA)は、このモデルに約17.4km/Lの市街地走行燃費を認定。話によると、当時のトヨタ カムリやニッサン アルティマのハイブリッドより、良好な燃費評価だったそうです。この車には、使うガソリンの量をちょっと薄め(出力が116kw)にした2.5L直4エンジンを搭載、それを電気モーターでアシストするという一般的方式が採用されています。

まぁ、ハイテクをつかったエコカーでも、運転のしようによっては燃費はどんどん悪くなると思います。そして、2012年の『Consumer Reports誌』の評価において、フュージョン ハイブリッドの実燃費はEPA公表の推定値より2割も悪いという報告が出たというエピソードもあったりします。

反面、自動車の評価を行うカリフォルニアの企業『Kelley Blue Book』が、2009年において、フュージョン ハイブリッドを『Top 10 Green Cars』の一台に選んでいるのも事実です。

燃費問題…。結局曖昧な部分もあるので、ずっと以前から評価するのが難しい問題です。

スピードへの挑戦

自動車にとって燃費の競争は最も大切な要素の1つですが、スピードでの勝負も捨ててはいけない問題の1つであります。そして、フォード フュージョンは、発売当初からアメリカの人気レースシリーズ『NASCAR』へ参戦している一台でもあります。
そのデビュー戦は2006年の『デイトナ500』。そして初優勝は、その一週間後にカリフォルニアで開催されたレースでした。また、共に雨による影響を受けた2009年と2012年の『デイトナ500』(他)でも、見事に優勝を飾っています。

もう1つの挑戦が、燃料電池バージョンの『フォード フュージョン ハイドロジェン 999(Ford Fusion Hydrogen 999)』による、最高速度記録への挑戦です。これは、米国ユタ州にある『ボンネビル・ソルトフラッツ』で毎年行われる『ボンネビル・スピードウィーク』で、2007年に行われたもの。この時記録した最高時速は実に333.612 kmに到達したそうです。

【基本情報(スペック)】

名称:フォード フュージョン V6(初代前半)
エンジン排気量:2,967cc
エンジン出力:165kw(224ps)/6,250rpm
エンジントルク:278Nm(28.3kgm)/4,800rpm
全長:4,831mm
全幅:1,834mm
全高:1,453mm
重量:1,488kg
ホールベース:2,728mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ マルチリンク式(後)

ダウンサイズエンジンを得た2代目

2012年の北米自動車ショーにおいて、新世代のフォード フュージョンがお披露目されました。今回のデザイン変更では、今のフォード路線をはっきり反映させるフロントマスクとなっています。それは、アメリカンな濃さを維持しつつも、より洗練されたカタチを見せていると思います。セダンと言いつつも、ファストバックに近いくらい傾斜して一体感のあるリアまわりも、このフュージョンにとって美点の1つになっているでしょう。

基本ラインは5種類のグレード構成

現行の第2世代フォード フュージョンは、5つの基本的なグレードに分類されます。まず、最も廉価版のタイプは『S』で、これはガソリンエンジンとハイブリッドの2タイプが存在。そのすぐ上位にあるのが基本となる『SE』というグレード。このグレードより上は、ガソリンに加えてプラグインも含め2種類のハイブリッドが設定されています。
さらに上位には、『Titanium』そして『Platinum』と続き、ハイブリッド設定が無いスペシャルティ―仕様の『Sport』も存在します。

各グレードに設定されるエンジンは以下の通りです。まず『S』には、旧来通り直列4気筒DOHC16バルブから130.5kwを発揮するタイプ。『SE』にはそれに加えて、フォード自慢のダウンサイズエンジン『エコブースト(EcoBoost)』を装備した1.5L4気筒(135.0kw)と、2.0L4気筒(135.0kw)がオプションで選択可能です。
『Titanium』および『Platinum』では、その2.0L4気筒のダウンサイズエンジンが標準となります。そして、『Sport』には、排気量2.7LでV型6気筒の『エコブースト』、出力が242.4kwであるハイパワー版が用意されてもいます。

トランスミッションは、基本が6速のオートチックで、シフト設定はセンターコンソールのロータリースイッチで行うタイプです。またさらに、ステアリングホイールのパドルスイッチによる変速機能『6-Speed SelectShift』が、『エコブースト』エンジン搭載車全てに装備されます。

駆動は、前後のトルク配分を最適に制御してトラクションとハンドリング性能を確保する『Intelligent All-Wheel Drive(AWD)』が、『SE』以上でオプション(『Sport』は標準)設定されます。

装備類

安全性装備としては、フロントシートのサイドエアバッグとニーエアバッグ、さらにサイドカーテンエアバッグも全車に標準装備、リアビューカメラもグレード『S』から標準です。各車輪独立でセンサーがタイヤ内圧を監視する『Individual Tire Pressure Monitoring System』に、ジャイロ式のセンサーで車体の動きを監視し運転支援する『AdvanceTrac with ESC』も、全車標準。つまり、今時の、基本的な安全性能は揃っているということになるでしょう。エンジンが控えめだという点を除けば、ベーシックグレードを購入して乗り回したとしても、わびしい気持ちになることはなさそうです。

『SE』以上のグレードで選べる、さらに進んだ安全機能もあります。たとえば、カメラとレーダーで前方を監視し、衝突の危険を検知したら自動制動などをかける『Pre-Collision Assist』。そして、走行中に左右後方の死角に他車が居るかを監視する、『BLIS(Blind Spot Information System)』などなどです。

快適系の装備は、スマートフォンと連動して情報やエンタテイメントを提供する、『SYNC 3』もあります。

2種類のハイブリッド

現行のフォード フュージョンでも、『Sport』を除く各グレードに、ハイブリッドタイプが用意されています。しかも、エンジンをモーターでアシストする、基本的なハイブリッドに加え、バッテリーへの充電ソケットを持つプラグインハイブリッド(『SE』以上のグレード)まで用意。

ベーシックなハイブリッドは、1.4kWh(最大パワー35kW)のリチウムイオン電池を搭載し、 88kWの永久磁石同期モーターによりエンジンをアシストします。一方で、プラグインタイプの方は、バッテリーが7.6kWhに容量アップされます。EVモード時の最高時速は136kmだと言うことです。そして気になるのは燃費です。ハイブリッドとしてのEPA推定値は、市街地で18.3km/L、高速では17.4km/L。双方の混合走行モードでは、17.9km/Lということが公表されています。

どちらのハイブリッドにも、圧縮率より膨張率を大きく取れるアトキンソンサイクルを取り得れた、2.0Lの直列4気筒エンジンが専用に使用されています。

【基本情報(スペック)】

名称:フォード フュージョン Titanium 2.0L EcoBoost(2016)
エンジン排気量:1,999cc
エンジン出力:182.7kw(245hp)/5,500rpm
エンジントルク:372.8Nm(38.02kgm)/3,000rpm
全長:4,872mm
全幅:1,852mm
全高:1,480mm
ホールベース:2,850mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ マルチリンク式(後)

もう1つあった、フォード フュージョン

そうなんです。フォード フュージョンの流れは実は2つあって、上記のアメリカ版セダンとは別にヨーロッパではコンパクトカーとしても存在したのです。2012年まで製造されていた欧州版は、5ドアのSUV的なモデルで、フォード フィエスタの車高を高くしてユーティリティー性を高めたモデルだそうです。それに使用されたエンジンは、全て直列4気筒の1.4Lと1.6L。

こちらのフュージョン。2002年の登場後、一度だけ2005年にマイナーチェンジを受け、2012年に後継となるフォード Bマックスへ引き継がれました。

中古車を探す

本家本元が日本から手を引く位ですから、フォード車の日本における人気は相当かんばしくないのでしょう。ということは、このフュージョンも中古車市場には少ないことになりそうです。でも反面では、他であまり見ないクルマを乗り回すという、1つの楽しみ方もあります。良い品質のフ―ジョンが手に入れば、それはそれで面白いかもしれません。

しかし、さくっと調べてみても、やはり数は限定的です。2016年登録で排気量が2.0L、走行距離が0.2万kmという車体が、2,989,000円で出ています。あるいは、1.8万km走行の2013年登録車だと、1,980,000円(車検は2016年7月まで)というのも見られることは見られます。

一応フォードモータースは、メンテナンスのチャンネルを日本国内に残す、とアナウンスしているようです。と言うことはアフターケアの不安は減少する訳です。ショッピングモールの駐車場で隣と絶対に被らない「希少車」、フォード フュージョン。中古で見つけてみても悪くないのかもしれません…。

新車を輸入する

日本での需要が少ないとはいえ、世界中では未だにがんがん製造されている、フォード フュージョンです。日本販売のチャンネルがないということの方が、ちょっとおかしい気すらします。そして、どうせ購入するなら新車が良いに決まっていますよね。

株式会社ティムスターが展開する『トレンドオート』のチャンネルでは、フォードなどアメリカの新車を独自に輸入販売している会社です。また、そちらのサイトを見てみると、参考の価格が出ているので検討の役に立ちそうに思います。ちなみに、AWDの『SE』グレード(2.0L)の参考価格は、4,090,000円とのことです。意外に安い?

もう一社、株式会社マスターズでは、フュージョン ハイブリッドの新車を販売しているようです。価格は、3,798,000 円とのこと。

上記2社、リンクを下に張り付けておきます。

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@商品詳細 フォード フュージョン ハイブリッド

維持費などは?

『エコブースト(EcoBoost)』のおかげで、最近のフォード車の多くは排気量が小さくなっています。つまり、公称の燃費も良くなっている訳ですが、やはり気になるのが実燃費。例えば、『fuelly.com』などで2.5Lエンジンの『SE』を調べると、だいたい11.4km/Lということになっていますね。同様に『truedelta.com』という所で見てみると、14.3km/Lというのが代表的な結果となります。ミドルサイズのセダンとしては、さほど文句も出ない値でしょうか…。

日本国内の税金関係では、フュージョン標準の2.5Lエンジンでは、(いわゆる小型車より1ランク上がって)年額45,000円となります。とは言え、腹が立つという程の高額ではなさそう? また、上記モデルでも重量は1.5トンを超えるそうなので、減免のないプレーンな重量税では年額10,000円という事になりそうです。

Drivers share their Ford Fusion gas mileage--along with their driving habits and road conditions--so you can learn what MPG or L/KM to actually expect.

まとめ

『エコブースト』はフォードが熱心に推している技術で、今年のルマン24時間を走るフォード GTのフロント部にも、巨大なロゴがペイントされたりしています。そう言った、いわばモダンな技術を真剣に取り込んで、世界の市場で戦おうというミドルセダンが、このフォード フュージョン。実は、日本人が嫌う理由(?)はそれほどなかったろうとも思います。

好みはありますが、ルックスもモダンに洗練されてきた、日本では希少価値間違いなしとなるこの一台。車に個性を求める方には、検討の余地がありそうです。