【オペル ヴィータ】実はGMによる世界戦略の急先鋒、そんな元気なコンパクトです!故障や燃費、中古車情報まで!

その正式な名前は、『アダム・オペルAG』というのだそうですが、オペル社は19世紀に誕生した伝統ある自動車メーカーなのです。そして実は、米国ゼネラルモーターズの完全子会社でもあり、同社の世界戦略スキームでも大きな役割をになっています。そのオペルブランドが日本へ送り込んだのがオペル ヴィータですが、これも実は、世界的にはコルサの名前で親しまれているコンパクトカーなんです。

欧州仕様のコルサ

1982年に登場、今に続くモデルが、オペル コルサ

大GMの製造ラインからはこぼれ落ちる、ということなのかどうか分かりませんが、同社が、その製造を子会社のオペルに任せているのが、コルサというクルマ。そして、グループ内でもかなり小さいクラスに位置するのが、このモデルです。その誕生は1982年にさかのぼり、実は最新型も立派に製造されています。
とは言え、日本に入ってきたのはほんの一時期、1995年の当時のことでした。この頃日本では、トヨタ コルサがまだ頑張っていましたから、輸入車であるこのクルマはヴィータと改名する必要があったのです。

コルサの全体的な体系としては、ドア数が2ドアから5ドアまであり、ハッチバックが主流ではあるものの、ラテンアメリカ向けには4ドアセダンも作られました。

日本では、商標登録の関係で改名しましたが、他の地域でも名称を差し替えて販売しているのがこの車です。例えば、誕生当初の1983年に英国マーケットへ投入されるときは、ノバとなっています(ブランド名はボクスホール)。これは英語の「coarse(粗末な、みだらな)」と発音が似ているからという配慮でした。また、1994年から2005年の間はオーストラリアで『バリナ』の名称により販売されたり、他には『ビューイック セイル』などの名前も持っています。

いわゆる『Bセグメント』の自動車ですが、エンジンは1.0Lから1.8Lまでありディーゼルも用意。それらが販売する地域の性質に合わせて組み合わされています。

レア物の、コルサ

若干余談ですが、1985年にコルサAのバリエーションとして生産された、1.3Lのモデルがあります。これは、英国でのラリーへグループA規定の下参戦する目的で製造されました。エンジンはウェバー製キャブレターで武装し、排気系のサイレンサーを含めた快適装備は取り外したモデルです。パワーは69.3kw(94.3ps)まで高められ、最高時速は180km/L。0から60mphまでの加速は8.9秒という性能だったそうです。
全部固体数で500台のみの超レアなオペル コルサです。

日本に来たのはBとC

欧州仕様のコルサ

オペル コルサ自体は、第一世代の『A』から現行の『E』まで五世代が存在しますが、日本にヴィータとして来たのは1995年が最初で世代は『B』です。そして、その後の『C』まで輸入(2004年が最後)されました。基本的にはヤナセが販売していましたが、2001年から2003年は、GMも輸入・販売を行っていたとのことです。

日本向けのボディータイプ

欧州仕様のコルサ

日本市場でのオペル ヴィータ。ボディーはハッチバックのみで、基本的に3ドアのベーシックモデルを『スィング』、5ドアのものを『GLS』と呼称しました。加えて、3ドアにはスポーツモデルの『スポーツ』も存在しますが、これは国と地域によれば『GSi』と呼ばれていたようです。ホイールベースは全車種共通であり、ドアの枚数などで差をつけるコンセプトなのが、このヴィータです。ちなみに、2002年モデルから、日本向けには5ドアのみの販売となっているようです。

さて、1995年に登場した『コルサB』のタイプは車体の全幅が1,610mmですから、日本の小型車枠にすっぽり収まります。2,445mmというホイールベースは、2016年型の日産マーチ(2,450mm)とほぼ同等。全体像としてはそれよりも小さい、というイメージなのがこのヴィータということになりそう。これが『C』のタイプになった2001年には、幅が1、646mm&ホイールベースが2、491mmと、頑張って少し大きくなっています。

その走りを支えるのが、前にマクファーソンストラット式、後ろにトーションビーム&トレーリングアームというサスペンション。コンパクトFFとしては定石通りの設計でしょう。

ころころ転がってゆきそうな丸くてキュートなルックスと、150万円代から選べる輸入車ということの訴求力は、なかなか高かったようです。

エンジンとトランスミッション

欧州仕様のコルサ

オペル ヴィータの主力になるエンジンは1.4Lで、3ドアと5ドア両方のボディに搭載されていました。1995年の日本市場投入時から、このエンジンは直列4気筒DOHC16バルブのマルチポイントインジェクション仕様で、出力は66kw(90ps)のトルクは124.5Nm(12.7kgm)を発揮しています。そして、この時投入されたもう1つのエンジンが、排気量1.6LのDOHC16バルブで、出力は77kw(105ps)にトルクは147.1Nm(15.0kgm)という性能を発揮しました。
後の1998年になると、直列4気筒DOHC16バルブながら1.2Lのエンジンも追加され、その出力は48kw(65ps)にトルクは109.8Nm(11.2kgm)という性能。加えて2001年の後半(モデル切り替わり時期)には、同じ1.2Lながらスポーツ仕様のエンジンへと交換され、55kw(75ps)の出力と110Nm(11.2kgm)のトルクにアップされています。
最終的に投入された最も大きなエンジンは、1.8Lの排気量を持つ直列4気筒DOHC16バルブで、出力は92kw(125ps)&トルクは165Nm(16.8kgm)でした。

日本では、それらに組み合わされるトランスミッションは、4速のオートマチックが標準です。それに、スポーツタイプに5速のマニュアルが用意されていました。また2001年の後半から、マニュアルギアボックスをベースにした2ペダル車、『イージートロニック』が一部車種に使われるようになっています。

10・15モード燃費は、標準の1.4Lエンジン・3ドア車・4速AT(1995年)で、12.6km/L。1.6Lの3ドア(1996年型のスポーツ)では、13.6km/L。また、1.2L車に組み合わされた5速イージートロニックでは、16.6km/Lまで足を延ばしています。このセミオートマは、実燃費でいっても15km/L弱程度出るという話もあります。やはり、トルクコンバーターのない直結式の効率の高さが、証明されているのだと思います。

【基本情報】

名称:オペル ヴィータ 1.8 GSi(2003年)
型式:TA-XN180
エンジン排気量:1,795cc
エンジン出力:92kw(125ps)/6,000rpm
エンジントルク:165Nm(16.8kgm)/4,600rpm
全長:3,815mm
全幅:1,645mm
全高:1,440mm
重量:1,120kg
ホールベース:2,491mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ トレーリングアーム・トーションビーム式(後)
価格:2,320,000円

ヴィータは中古で探そう

欧州仕様の歴代コルサ

日本では、一応絶版車種なので、ヴィータに今乗りたいと思っても中古を探すしかありません。そうなると気になるのが、輸入車特有の故障やメンテの問題ですが、この車いかがなものなんんでしょうか?

ヴィータ、はやりメンテは必要

ドイツ由来のクルマであり、イメージ的にはカッチリしているヴィータです。オーナーさん達の印象も、自動車としての素性には満足されている声が多い様です。そんな中で、注意点として良く出てくるのが『タイミングベルト』の劣化でしょう。概ね、5万km程度走行したら交換を想定したほうが良いとの話を目にします。加えて、ウォーターポンプ周りやラジエーター周りも、意外と短い距離で水漏れなどの故障を起こす可能性は低くもないようです。

もう1つ、注意点でもあり、ある意味面白い話が『バッテリー交換』の作業です。ヴィータのボンネット内は、モノが結構きっちり詰まっているようで、バッテリーがワイパー直下の奥の方に入り込んでいるとのこと。バッテリーは、劣化させるために使っているような部品ですから、それの定期的な交換に余計な工賃がかかるということも、若干想定したようがよさそうですね。あるいは、それくらい自分でこなす、という選択肢もあるにはあるでしょう…

とは言うものの、総じてこれらはクルマであればかならず起きる交換作業であり、特別に信頼性が問題だとか故障が多いという話でもないような印象です。

というわけで、現存の車種を見てみると…

日本でも、それなりな人気を博したという、オペル ヴィータ。もともと、超高価な輸入車でもありませんから、ある程度の車体数が出回っていることも予想できます。

とりあえず探してみると、2001年登録で走行距離14万kmのGLS(1.4L)が、車検付きで本体価格150、000円と言うのがあります。あるいは、2002年登録で、走行が4.9万kmのGLSは、同じく車検がついて200,000円の本体価格で出ています。

折角なら、スポーツタイプのGSi(1.8L)も見てみましょう。登録が2002年で走行距離が6.7万kmの車体が、車検付きで本体価格350,000円で出ていますね。折角なら、こちらの方がお買い得かもしれません。

基本的に、各車とも修復歴はナシということなので、交換部品さえ気を付ければ安心して乗れそうでもあります。

ちなみに、最新のコルサとは?

日本からヴィータ(の新車)は消えてしまいましたが、本家のオペル コルサはいまだに健在です。となると、そちらの方にも興味が湧いてきますよね。2014年に登場した『E』世代のコルサ、どんなクルマであり、日本でも手に入るのでしょうか?

右ハンドルの英国バージョンが良い!

現在、UKの市場ではボクスホールのブランド名で販売される、オペル コルサ。ちょうど右ハンドルなので、日本人が手に入れるには都合も良いと言えそうです。

現在でも、3ドアと5ドアの2種類のボディーを持ちながら、その基本的なサイズは同じという戦略になっているコルサ。全長では4、021mmホイールベースでは2,510mmと、日本に入っていた2003年モデルより若干大柄になっています。とは言え、そのグレード設定はかなり大風呂敷。

もっともベーシックなエンジンは、排気量1.4L直列4気筒のもので、出力55kw(75ps)にトルクが13,3kgmです。そしてこの1.4Lには、トルクは同じまま出力が66kw(90ps)に高めたチューニングのタイプも用意されています。加えて、これをターボ加給した110kw(150ps)&220Nm(22.4kgm)もあります。
流行のダウンサイズ技術を用いて、リーズナブルなパワーを得たのが、1.0Lの排気量を持つ直列3気筒ターボです。そのタイプだと、出力85kw(115ps)にトルクは170Nm(17.3kgm)というなかなかの力持ちとなります。そしてシリーズ最強となるのが、排気量1.6Lの直列4気筒DOHCターボの、出力151kw(205ps)&トルク280Nm(29kgm)というスパルタン仕様です。

車体のグレード構成としては、基本タイプが『Sting』で、これにはエアコンが付いていません。これにスポーツペダル&スポーツサスペンションなどを付けたのが『Sting R』。また、『Sting』に、インフォテインメントの『IntelliLink』やエアコン、16インチホイールなどを加えたものが、『Energy A/C』というグレードです。また、基本グレードにエアコンの他、クルーズコントロールやインフォテインメントなどを加えたのが『Design』グレードになります。
『SRi』グレードは、ちょうど『Design』の装備を入れ替えるようにして、ややスポーティに振ったバージョン。そしてトップグレードとなるのが、レカロのスポーツシートやショートストロークのシフトレバー、さらに底辺を切り欠いた形状のステアリングホイールなどをそなえた『VXR』です。『VXR』は、エンジンが1.6Lターボで、6速MTのみと組み合わせになります。

日本に輸入しよう!

さて、その最も進化したヴィータ、ではなくてオペル コルサ。日本で手に入れるとしたら、一般的には個別輸入ということになるでしょう。しかし、ちょっと調べると輸入業者さんもしっかりあるようで、ちょっと想い切れば手に入れられなくもなさそうです。

たとえば、『有限会社ワイエムワークス』さんも欧州車輸入のノウハウがある業者ということ。ちなみに、最上位グレードの、コルサVXRを輸入した場合、機械式のLSDなどをオプション装備しても460万円程度とのことです。今どきの日本にはないハイパワーのホットハッチですから、意外と高くはないのかもしれません。下にリンクを張り付けておきます。

まとめ

欧州仕様のコルサ

日本のメーカーが最も得意とするセグメント。と言っても、効率と合理性にコミットしすぎた日本からは生まれそうにないのが、『オペル ヴィータ』だったでしょう。また、今の『コルサVXR』のようなスポーツバージョンでもあります。市場や自動車文化の多様性を思うと、国内で作れないのなら外から輸入するという回答も、合理性があると思います。

それでも、もう日本にはヴィータは戻って来ません、おそらく。

他の外国車と比べても、日本の世の中に適合度合が高いクルマなのに、これはもったいのないことだと思います。