フィスカー カルマってどんな車?不遇の高級車の実態を徹底解剖!中古車情報も!

フィスカーと聞いてすぐに自動車メーカーだとピンとくる方はかなり少ないのではないでしょうか。そのラインナップは「カルマ」1車種のみ。でもこの車がすごいんです。価格、性能、入手の困難さなどから世界のセレブを魅了し、業界を席巻しました。それなのにフィスカーの名はあまり知られていません。一体なぜ? フィスカー・オートモーティブ社に何が起こったのか、そしてカルマとはどんな車だったのか、まとめてみました!

フィスカー・オートモーティブ社とは?

出典:http://cartype.com/pages/6247/fisker_related_emblems

フィスカー・オートモーティブ社の創設者のひとり、ヘンリック・フィスカーは高級スポーツカーのアストンマーティンDB9やV8バンテージ、BMWのZ8などのデザインに関わり、アストンマーティンではデザインディレクターのポジションにいました。彼が設立したフィスカー・コーチビルドと、ハイブリッドの技術を持つクアンタム・テクノロジーが2007年、米国カリフォルニア州アナハイムに設立したのが「フィスカー・オートモーティブ」でした。

テスラ・モーターズとの関係

出典:http://www.bidnessetc.com/40026-could-tesla-motors-inc-sell-its-vehicles-directly-in-maryland/

テスラ・モーターズは米国カリフォルニア州にある先進的なEV(電気自動車)やその関連商品の開発・製造・販売を行っている自動車メーカー。日本でも、テスラ・モーターズ・ジャパンによって正規販売され希望者はその車を購入することが可能です。
フィスカー・オートモーティブが設立された当時、アメリカでは「技術のテスラ、デザインのフィスカー」と並び称されるほど、テスラとフィスカーはライバル視されていました。2008年1月の北米国際自動車ショーでフィスカーのプラグイン・ハイブリッド(PHV)第1号である「カルマ」が発表されると、同年4月にはフィスカーがテスラの技術を盗用したとして提訴されましたが、2009年はじめにはフィスカーが賠償金を支払うことで和解が成立しました。

フィスカー・カルマを手に入れた有名人たち

出典:http://miamicarblog.blogspot.jp/2013/10/fisker-karma-chrome-on-south-beach.html

フィスカーが鳴り物入りで開発した高級PHV「フィスカー・カルマ」は2011年に北米で販売が開始されました。その生産第1号はハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオ氏が手に入れたそうです。その後、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏や俳優のコリン・パウエル氏にもデリバリーされたという話もあります。アーティストのジャスティン・ビーバーさんがシルバーメッキ塗装されたフィスカー・カルマをプレゼントされたという話も有名ですね!

フィスカー・カルマとはどんな車なのか?

出典:http://www.autoevolution.com/news/fisker-could-start-production-of-the-new-glitch-free-karma-hybrid-in-2016-97951.html#

フィスカー・カルマは、低い車高、流麗なデザインが特徴的な高級スポーツPHVセダンです。北米の販売価格は約10万ドル。超高級とまでは行きませんが、環境保護志向が強いアメリカ西海岸を中心に、セレブたちの注目を集めたようです。トヨタのプリウスなどは現在でもアメリカ西海岸地方で高い人気を誇っていますが、プリウスとは全く異なる美しいデザインが人々を魅了したのでしょう。

出典:http://automotive99.com/blue-chrome-fisker-karma-by-metro-wrapz/

フィスカー・カルマのスペック

全長 x 全幅 x 全高(mm):4,998 x 2,133 x 1,330
ホイールベース(mm):3160
トレッド(フロント/リア mm):1,692/1,701
車両重量(kg):2,404
乗車定員:4名
最高出力:403ps
トルク:1,300Nm(モーターによる)
最高速度:200km/h
0-60マイル加速:6.3秒
EVモード走行距離:80km
総航続可能距離:483km
エンジン:直列4気筒2.0L直噴ターボ(GM製)
タイヤ/ホイール:フロント 255/35WR22 /リア 285/35WR22

ボディカラーは8色、インテリアカラーは6色が用意されていました。(グレードによって選択できる色が異なる)ルーフには太陽電池が埋め込まれ、バッテリーの充電をアシスト。全長5メートルに迫る大柄なボディ、車体の真ん中に設置された大容量のリチウムイオンバッテリーで、見た目に反し車重は2.4トンオーバー。加速性能や最高速も、決して目を見張るような数値ではありません。テスラ・モーターズのCEOが、「カルマは値段が高いだけの平凡な車」と強烈に皮肉ったのもうなずけます。ただ、スーパースポーツを彷彿とさせるデザインは、それだけで欲しくさせる力を持っていました。


出典:http://www.luxuriousmagazine.com/2011/12/the-range-extended-electric-fisker-karma-wins-bbc-top-gear-luxury-car-of-the-year/

室内はスポーツカーのようにタイトな感じがします。大柄なボディから想像するようなゆったり感はありません。高さのあるセンタートンネルはリアシートまで続き、後席も完全に2分割しています。先進性とどこか懐かしさが同居するデザインと感じます。奇をてらったのはシートの切り返しでしょうか。センターコンソールにインストールされた10.2インチのマルチファンクション・ディスプレイは、最近の日本車でも珍しくないタッチスクリーン式。2011年当時は革新的だったと思われます。

フィスカーを襲う不運の連続

北米で2011年、欧州で2012年から発売されたフィスカー・カルマですが、発売早々に2台のカルマが炎上する事件が起こり、1,400台のリコールを余儀なくされました。さらに、2012年にハリケーンがニューヨークを襲った際、欧州に輸送予定の338台のカルマがニューヨーク港で船積みを待っていたのですが、そのうちの1台から海水によるコントロールユニットのショートで火災が発生。強風によって合計16台のカルマが炎上してしまいました。この火災による損害の補てんを保険会社が拒否。また風評被害によって大打撃を被り、元々資金が潤沢でなかったフィスカー・オートモーティブは2013年に破産を申請したのです。

フィスカー・カルマの中古車は日本でも買える?

フィスカー・オートモーティブの経営が傾いたという噂が流れはじめると、オーナーたちはカルマを一斉に手放したらしいです。将来の値上がりを見越した投機的なオーナーもいたのでしょう。そうでなくても、メーカーがなくなると部品の供給がなくなってしまうのでメンテナンスも大変。だから手放す気持ちも十分理解できます。
日本にも、フィスカー・カルマは何台か現存しているようです。中古車情報検索サイトでは、2016年5月6日時点で1台のカルマが「価格応談」で掲載されています。元々流通台数の少ない車なので、購入後のメンテナンスを考えると日常使用は非現実的ですが、お金に糸目をつけないという方なら手に入れられるかもしれません。

まとめ:フィスカー・カルマ復活の兆し

破産の申請で、裁判所によって競争入札に付されたフィスカー・オートモーティブは、中国自動車部品最大手の万向グループが落札しました。万向グループによって再建されつつあるフィスカーは、車名を「カルマ・オートモーティブ」に変え、BMWからの部品供給も決定し、新たなカルマとして2016年にも発売されると言われています。第1号の発売時には、コンセプトとデザインで人々を魅了したカルマですから、新生カルマがどんな姿で登場するのか期待が高まります。
不運な事故が重なりましたが、ベンチャーとは言え自動車メーカーですから、車そのものの安全性に最大限配慮する責任があります。安心して乗れる車でなければどんなに優れた車でも買いたくありませんよね? そして願わくは、10万ドルという高価な車だけではなく、もっとお手頃な価格であのデザインの車をリリースして欲しいと願ってやみません!