【三菱 トライトン】世界で活躍するピックアップトラックの名車

ピックアップトラックといえばフォードなど北米市場の車がまず思い浮かびますが、日本にもピックアップトラックの実力者がいるのです。トライトンはサイズこそ北米市場で主流のピックアップトラックにくらべて小型ですが、北米と日本を除く全世界で累計120万台以上の販売台数を誇る三菱の世界戦略車です。今日はそんなトライトンの魅力を紹介していこうと思います。

三菱のピックアップトラック「トライトン」とは

トライトンについて

トライトンは北米を除くほぼ全世界で販売される三菱の世界戦略車です。日本でも2011年まで輸入販売されており、時折日本国内でも走っている姿を見かけることができます。
トライトンはピックアップトラックでして、元々はフォルテ、タイ市場においてはストラーダの後継車種という位置づけで販売が開始されました。クラブキャブ・シングルキャブ・ダブルキャブと3タイプのボディが選択できたのですが、日本市場ではシングルキャブのみの導入となっており、登録は全車1ナンバーの普通貨物車となっていました。
エンジンは3.5LV6ガソリンエンジン、2.5L直列4気筒ターボディーゼルエンジン、3.2L直列4気筒ターボディーゼルエンジンなどの選択肢があるが、日本では3.5LV6ガソリンエンジンのみのラインナップとなっていました。
パジェロにも搭載されるスーパーセレクト4WDを装備していることもトライトンの特徴です。このスーパーセレクト4WDは前後の駆動配分を必要におうじて 変更できることが特徴で、基本は50:50の配分から必要時には100:0まで駆動力の配分を変更することが可能となっています。
ビスカスLSDをセンターデフとして装備し、舗装路であっても十分な走行性能を確保しています。
スタビリティコントロールやトラクションコントロールのような電子制御も三菱らしく装備されており、急ハンドルなどによる車体の不安定な動きや坂道などでのタイヤの空転を抑え、スムーズな運転ができるよう車がドライバーをアシストしてくれる仕組みとなっています。
2010年にはオーバーフェンダーがボディ同色となりよりモダンでシティユースを想像できるデザインへとへんこうされました。16インチアルミホイールなどの装備も追加され、電子制御スロットルバルブを新たに搭載することで馬力・トルクを向上させています。

基本的には道具として使用するピックアップトラックですので内装の質感など気にしない人向けの車となります。エクステリアは好みが分かれる所ですが、個人的には愛嬌もあるフロントマスクや無骨さを感じられるフェンダーの処理などこのみな車に入ります。全体的に曲線を旨く取り入れており、サイドビューなどはスタイリッシュとまで感じられるほどスッキリとしていて、アメリカンなピックアップトラックが持つ野暮さが少ないように感じます。

ちなみにこのトライトン、日本では1ナンバー登録の車両となるため、高速道路では中型車扱いとなり、普通車に比べて料金が割高となってしまいます。こういったピックアップトラックが好きな方もおられると思いますが、こういった不利な点も購入前に押さえておいたほうが良いでしょう。購入してから出てくる不満って中々消えません。できれば不利な点も飲み込んで購入に踏み切りましょう。

諸元

三菱 トライトン(TRITON)ベースグレード

ボディタイプ:ピックアップトラック
ドア数:4ドア
乗員定員:5名
型式:ABF-KB9T
全長×全幅×全高:5,030×1,800×1,780mm
ホイールベース:3,000mm
トレッド前/後:1,520/1,515mm
室内長×室内幅×室内高:1,835×1,445×1,190mm
車両重量:1,850kg

エンジン・燃料系
エンジン型式:6G74 MPI
最高出力:186ps(137kW)/4,750rpm
最大トルク:30.9kg・m(303N・m)/3,750rpm
種類:V型6気筒SOHC24バルブ
総排気量:3,496cc
内径×行程:93.0mm×85.8mm
圧縮比:9.0
燃料供給装置:ECI-MULTI(電子制御燃料噴射)
燃料タンク容量:75リットル
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン

環境仕様
10モード/10・15モード燃費:7.8km/リットル

足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン
サスペンション形式(後):リーフスプリング
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ(前):245/70R16
タイヤサイズ(後):245/70R16
最小回転半径:5.9m

駆動系
駆動方式:パートタイム4WD
トランスミッション:4AT
LSD:標準
変速比 第1速:2.842
第2速:1.495
第3速:1.000
第4速:0.731
後退:2.720
最終減速比:4.272

レーシングトライトンエボリューション

出典:http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/e/08dakar/photo/presentation.html

三菱のスポーツカー開発を手掛けるラリーアートはトライトンを使用しパリダカールラリーに参戦しています。チーム三菱ラリーアートタイランドがトライトンをベースとした「三菱レーシングトライトンエボリューション」使用し参戦しています。ダカールラリーはサハラ砂漠などオフロードで過酷な環境を走破する世界一過酷なレースとして知られています。
この「三菱レーシングトライトンエボリューション」は三菱自動車のパジェロエボリューションをベースにトラック用の3.2Lエンジンを組み合わせ、トライトンの外装を被せたものなので、本質的にはトライトンではなくトラックのエンジンを搭載したパジェロエボリューションと言える車両なのですが、トライトンの外装を使っていますし、何よりかっこいいのでよしとしましょう。
ちなみにこの「三菱レーシングトライトンエボリューション」を使用するラリーアートタイランドはダカールラリーを完走しており、順位こそ総合67位ではあるがその性能は十二分に発揮し、パリダカールラリーの勝者チームの一つになっています。

パリダカールラリー

パリダカールラリーはフランス人が始めたラリーレースで、世界一過酷なモータースポーツと呼ばれるレースです。当初はパリをスタートしスペイン経由でアフリカ大陸へと上陸、その後救護施設など何もない広大なサハラ砂漠を経過してゴールであるセネガルの首都ダカールを目指す、総走行距離12,000キロメートルにも及ぶ気が遠くなるような距離を走破するレースです。
きつい日差しやサハラ砂漠を始めとした自然の猛威も過酷さの1つですが、政治的に不安定なアフリカ各国を通過する必要がある点も、世界一過酷と言われる要因の一つとなっています。
2009年からは南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスからチリを廻る周回コースとなるなど、レースコースは見直されることもあるようです。
かつてのサハラ砂漠を横断するレースでは出場者の5割がリタイアするというレースも珍しくなく、死傷者もでていたため、「完走したものは全て勝者である」という言葉が出場者全員が勝者という共通認識となっています。初めてこの言葉を聞いた時は「なんで負けた人も勝者なの」と子供心に思ったものですが、レースの過酷さを知るとなるほど納得できます。
ただがむしゃらに走れば良いというレースでもないのがパリダカールラリーの難しくもおもしろい所でもあります。マラソンステージといって通常なら一日の走行後メンテナンスを受けられるはずが、マラソンステージではメンテナンスが禁止されてしまうため、エンジンや駆動系に深刻なダメージを負ってしまうと即リタイアとなってしまう区間があるのです。このマラソンステージを無事に走破するためには車のコンディションを把握しながら走行する技術や感も求められるため、パリダカールラリーでは完走経験を持つドライバーは非常に重宝されることになります。

新型トライトン

2014年11月よりフルモデルチェンジを果たした2代目トライトンが販売を開始しています。
先代トライトンが世界累計販売台数126万台を記録し、三菱の世界戦略車となっているため、この2代目トライトンも世界戦略車としての責任を果たせるよう開発がすすめられました。
発表当時のプレスリリースでは、「働くクルマとしての機能性・信頼性を向上しながら、乗用車のように快適な移動空間を提供する"究極のスポーツ・ユーティリティ・トラック"」を目指して開発されたと発表されています。先代トライトンも2010年のマイナーチェンジでは日常ユース向けの装備などが充実されていたことから、実用的なトラックという用途以外にも日常での使用でトライトンを使用したいというニーズがあることが窺えます。
この2代目トライトンも先代同様ボディタイプはクラブキャブ・シングルキャブ・ダブルキャブの3種類、エンジンラインナップはLガソリンエンジン、2.5Lディーゼルターボエンジンに加えて、三菱の可変バルブタイミング機構「MIVEC」を搭載した2.4L MIVECディーゼルターボエンジンが新たにラインナップに登場しています。タイで生産され、販売もタイから開始されるなど、何かとタイと縁が深い車です。先代トライトンがデリバリーされていあに日本および北米市場へはこの2代目トライトンでも引き続きデリバリーがないようで、残念です。

トライトンの購入ついて

中古車相場

日本でも2010年まで販売されていましたので、中古車市場でも車両はありますが、日本ではマイナーな部類に入る車であるため、数は少なく、欲しい人も限定されるため価格は高値で推移しています。
中古車検索サイトGoo-netで調べてみると、2016年4月現在でトライトンは計17台登録されています。最も安い車両で総支払額143万円、走行距離が11.1万km走っていることを考えると中々高値だと言えます。
次に最も高額な車両だと3.6万km走行のベースグレードで車両本体価格278万円、新車価格が294万円だったという事を考えると、値落ちも少なく、新車で購入して良い車の好例と言えるかもしれません。
台数が少ないために価格もまちまちになってしまっていますが、基本的にはトライトンが好きで購入した方の車両がほとんどでしょうから、きちんとメンテナンスされた車両が多いのではないかと思われます。ですので、高ければ良い、走行距離が短ければ良いとは考えずに、安くてもコンディションの良好な車両を見つけることがトライトンの中古車選びでは重要となってくると思えます。
2016年4月現在の中古車情報をいくつか掲載しておきますので、参考にしてみて下さい。

まとめ:初代はフロントマスクが可愛いくて良い 

実際の所フロントマスク…顔がメチャクチャ筆者好みです、昔見た時はそんなに思わなかったのですが、初代トライトン可愛いですね。若干たれ目で困っているように見える所がメチャクチャキュートです。
さてさて、顔が好みではありますが、サイドや斜め後ろから車両を見てみるとそこはピックアップトラック、中々精悍なボディをしており迫力があります。日本の中古車市場に流れている車両は社外アルミホイールやルーフキャリアなど前オーナー好みにカスタマイズされた車両が多いので、車両価格が高く見えても装備品やメンテナンスの費用を考えれば総合的にお得な車両が多いように思えます。実際自分が購入するなら18インチ以上の大径アルミホイールを履かしてなんちゃってピックアップトラック仕様にして乗りまわしたいですね。実際の所この車で農業をやおろうなんて人はほとんどいないでしょうから、実用的なピックアップトラックというよりはSUVなどと同じ目線の高く日常の使い勝手の良い趣味車として乗られていた車がほとんどじゃないかと思います。
という訳で筆者が実際にトライトンの購入を考えてきた時に、一番頭を悩ませるのは、やはりインテリアじゃないかと思われます。革巻きのステアリングやシフトノブを備えているし、悪くないといえばないのですが、ハリアーなどの高級SUVなどと比べてしまうといかんせん実用車過ぎて、趣味車として乗るには若干もの足りない物があります。日本未発売の本革シートを装備した車両もあるにはあるのですが、やはりプラスチッキーなダッシュボードは若干気になる所ではあります。
逆にそういった実用車とした部分が気に入ってピックアップトラックを検討している方にはトライトンはまさにお勧めの一台です。
2代目トライトンに関しては顔こそ吊り目になってしまっているものの、三菱得意のMIVECエンジン搭載車両には興味があります。日本への導入がないのは残念ではありますが、もしかしたらということもあります。気長に待ってみるとしましょう。