ミニベロの選び方と代表的&おすすめメーカー

小さなタイヤで使いやすい自転車であるミニベロは、2000年代後半から日本でブームになりました。新進気鋭の新興メーカーも増えた一方で、ブームも一段落した2010年代になると、ニューモデルの発表などは落ち着き、定番のメーカーが明確になってきました。今回はミニベロの特徴と、代表的なミニベロのメーカーについてまとめました。

ミニベロの選び方のポイント

メーカーについて紹介する前に、まずはミニベロの選び方をチェック!ミニベロとは一体なんなのか、どんなものがあるのかを抑えておきましょう。

ミニベロって知ってますか。“ベロ”はフランス語で自転車のことです。それが小さいんですから、小さな自転車という意味です。全体に小さくては乗りにくいだけですよね。ちゃんと乗れる大きさでタイヤだけが小さいんです。実は街の中でもたくさん走ってますよね。おもちゃみたいに見えるかもしれませんが、馬鹿にしちゃいけませんよ。タイヤが小さいおかげでキビキビ走れるんです。街の中ではこの上なく速い乗り物かもしれません。

ミニベロって何?

ミニベロという言葉を見掛けて、想像される自転車は、人によってだいぶ違うかもしれません。折り畳み自転車を連想する方もいれば、本格的なロードバイクのパーツを持つ、タイヤが小さなスポーツタイプの自転車を連想する方もいるでしょう。

ミニベロには正確な定義はありませんが、一般にはタイヤが小さな自転車全般を指しています。日本語では小径車と呼ばれ、また古くからミニサイクルといった呼ばれ方をすることもありましたが、ブームにあわせてミニベロという言葉が広がりました。ちなみにベロとはVELOとつづり、フランス語で自転車のことを指します。そして小さなベロということで、ミニベロ。思い切り和製英語ですが、ちょっとおしゃれな響きが、ブームに一役買いました。

タイヤの大きさについては、多くの場合は20インチ以下のものを指すようです。20〜24インチを含める場合もありますが、24インチのシティサイクルなどがミニベロと呼ばれるかというと、ちょっと微妙なところ。またBMXについては、一般にはミニベロには分類されません。

折り畳めるもの、折り畳めないもの、どちらが良いの?

タイヤが小さなミニベロは全部折り畳めると思われている方もいるかもしれません。けれども上に書いたように、ミニベロの条件はタイヤが小さいこと。ですから、必ずしもミニベロが折り畳み自転車だというわけではありません。折り畳めないミニベロも、たくさんあるのです。

折り畳めるミニベロならば、家の中にも気軽に置くことができますし、それほどトランクが広くない自動車に載せることができるのがポイントです。一方で折り畳めないミニベロも、普通の車輪の大きな自転車に比べると、前後に短くて取り回しが良いというメリットがあります。

一口に折り畳みができるミニベロも、その折り畳みのしやすさは、まちまち。洗練された折り畳みができるミニベロは、ほんの数十秒で展開や折り畳みができてしまうものもありますが、やや高価なのが難点。もしも予算に限りがあって折り畳みの必要がないならば、折り畳めないミニベロにも目を向けた方が良いかもしれません。

ミニベロの長所と短所は何があるの?

ミニベロには、いくつかの長所があります。上にも書いたとおり、折り畳みができるもの、できないものを問わず、大きな自転車に比べて取り回しが良いのは一番の長所でしょう。そして、どこかおしゃれな雰囲気が感じられるのも、長所のひとつです。シティサイクルにありがちな日常感、本格的なスポーツサイクルから漂ってくる敷居の高さ、そういった部分を感じにくいということが、ミニベロの雰囲気を演出して、ブームに一役買いました。決してミニベロという造語の、言葉の響きの良さだけが理由ではないはずです。

一方でいくつかの短所もあります。小さなタイヤは段差などに弱く、車道の端を走ったり、必要に迫られて歩道に上がったりするときにハンドルを取られやすく、気を遣うことが多くなりがちです。16インチ程度が、不便を感じずに走れる下限だと感じる方が多いようです。それから自転車によっては独自の部品が多く、何かあったときの部品供給が限られてしまうこともあります。また小さなタイヤにあわせたギア比になっていないミニベロは、漕いでも漕いでも進まないという問題も。

こういった部分を頭に入れた上で、メーカーを選んでみてはいかがでしょうか。

メーカーも価格も種類もたっくさんあるミニベロ。そこで今回は分かりやすく価格別にまとめてご紹介していきます。

ミニベロの代表的なメーカーリスト

お待たせしました、いよいよここからはミニベロのメーカーについて紹介していきましょう。今回はミニベロブームの影響を受けていないメーカーや、ブームにあわせて誕生したものの、この先もしっかり生き残りそうなメーカーなどを選んでみました。折角ならば、長く乗れる方がいいですもんね。

ブロンプトン(BROMPTON)

ブロンプトンはイギリスで生まれた折り畳み自転車で、ケンブリッジ大卒のエンジニア、アンドリュー・リッチーが開発しました。日本でもミニベロブームの前から愛好家が多かったのですが、ミニベロブームを機に認知度が広がり、ユーザーが増えました。1986年に完成した試作車以来、ほとんどカタチを変えずに生産されているブロンプトンは(一時期台湾でも生産されたものの)現在では一貫してイギリス本国で生産されていて、折り畳めるミニベロの金字塔になっています。タイヤサイズは約16インチ、重さは仕様によって異なりますが、9kg〜13kg程度です。

出典:https://www.indiegogo.com/projects/going-to-work-by-kayak-and-brompton-folding-bike#/

ブロンプトンの生産は全て自社で行い、OEMによる外部での生産はおこなっていません。日々の暮らしの中で使われるまで、厳しく最後までしっかりと作り上げる。それがブロンプトンの考える責任と約束なのです。

圧倒的に優れた折り畳み機構

ブロンプトンの特徴は、なんといっても折り畳みのしやすさ。ミニベロブームの頃からYouTubeでは、ブロンプトンの折り畳み動画がたくさんアップロードされるようになりましたが、現在では2012年に投稿された人気のYouTubeチャンネル「カズチャンネル」の解説動画が一番分かりやすいかもしれません。細かい解説は横に置いて、動画をどうぞ。

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ブロンプトンの折り畳み解説動画

旅行から日常使いまでこなせる多彩なオプション群

折り畳み機構に目を奪われがちですが、ブロンプトンは多彩なメーカー純正オプションも魅力的。中でも一番の特徴がフロントキャリアシステムで、フレーム前部のアタッチメントに、さまざまなタイプのバッグを取り付けることができるのです。買い物に使えそうな折り畳みバスケット、オルトリーブ社とコラボした完全防水バッグ、長期の旅行にも耐えられる大型のバッグなど、選択肢はさまざまで、しかも着脱はワンタッチ。純正パーツを使ったサードパーティー製のバッグもあり、ラインアップを見ているだけで夢が膨らんできます。

そしてこのフロントキャリアシステム、フレーム側に取り付けられているので、一般的なシティサイクルの前カゴと違って荷物の重さでハンドルが取られることもありません。耐荷重は10kgですが、満載しても違和感をほとんど感じずに、快適に走ることができるのです。

ブロンプトンのフロントキャリアシステム

独自パーツの多さにメーカーとしての真摯な姿勢があらわれる

ブロンプトンは専用部品が多いことでも知られています。自転車部品で世界シェアナンバーワンの日本のシマノのパーツは、オプションのハブダイナモで選べるくらいで、標準では皆無。もちろん、スポーツサイクルでシマノと競合するカンパニョーロや、SRAMの部品も使われていません。SRAMの内装変速機が使われていたこともありましたが、これは元々使っていたザックスがSRAMに買収されたからでした。基本的には独自部品だらけ。ですから、例えばロードバイクのパーツを使ってカスタマイズするという楽しみ方は、ブロンプトンではできません。

けれどもこれは、ブロンプトンがあえてやっていること。独自部品を多用することで、サプライヤーの規格変更や他社の動向に振り回されず、自社で一貫して部品を供給することで、ブロンプトンのユーザーが長く乗れることを意図したものなのです。実際、ブロンプトンの部品は長い年数の割にはほとんど仕様が変更されておらず、変更があった場合も、基本的には互換性を維持しながらのアップデートとなっているのです。

また、ブロンプトンを整備しようとすると、ネジの規格の多さに驚いてしまいます。アーレンキー一本で整備が簡単なロードバイクなどとは対象的ですが、これは実は盗難対策。駐輪中にタイヤなどを持ち逃げされてしまうことを防ぐという算段なのです。ただしおかげで、出先でのパンク修理は相当に面倒です。折り畳んで公共交通で帰宅する方が無難かもしれません。

birdy(Riese und Müller)

ブロンプトンと並んでミニベロブームの以前から認知度が高かったのが、こちらのbirdyです。えっ、birdyなんて聞いたことないぞという方もいるかもしれません。この自転車、元々日本ではBD-1というモデル名で販売されていました。日常からロングツーリングまでそつなくこなすブロンプトンに対して、birdyは、よりスポーツ走行に向いたミニベロとして人気を集めています。タイヤサイズは18インチです。

birdyの日本公式ページ

ドイツでのアイディアを台湾のPacific Cycleが実現

birdyは、ムシュタット工科大学の学生として知り合ったハイコ・ミューラーとマーカス・リーズの2人が考案しました。サイクリストだった2人は、スポーティーな折り畳みのできるミニベロを考案し、2人の名前をとったRiese und Müller(r&m)社を起業、birdyを提案します。

その画期的なミニベロに目を留めたのが、台湾大手のPacific Cycleでした。1980年に創業して、ほかの台湾大手と同様にヨーロッパなどの名門メーカーの外注先として成長していたPacific Cycleですが、例えばタルタルーガなど、独自性の強い自転車にも積極的に関与する傾向があり、そんなこんなでbirdyは晴れて商品化に至ったのです。

日本では代理店などの絡みで1995年からr&mブランドのBD-1として販売されたほか、ビアンキブランドからフレッタ、プジョーブランドからパシフィック18としても販売されましたが、2014年からはブランドも含めてbirdyに一本化されています。

クラシックとモノコック、選べる2つのデザイン

デビュー時のbirdyは、ストレートなアルミパイプを溶接した直線的なフレームを持ち、ドイツデザインらしい質実剛健な雰囲気が人気を集めました。一方2006年には初のフルモデルチェンジが行われ、曲線的に成形された左右のアルミ板を、中央で溶接したモノコック構造へと進化しました。洗練されたモノコックデザインは当初は上級グレードとして登場、その後完全にこちらに移行しましたが、価格も上昇してしまい、旧来のストレートなデザインを求める声も多くありました。そこで現在ではクラシックとして、旧型フレームも復活しています。

カスタマイズして楽しめる高速折り畳みミニベロ

折り畳みできるミニベロとしては、birdyは比較的クロスバイクなどに使われる部品が多く使われていることで知られています。つまり、これらの部品を交換することでの性能向上をはかりやすいという特徴があります。そのためbirdyは、よりスポーティーな走りを楽しみたい方や、カスタム自体を楽しみたい方からも人気があります。

ストライダ

斬新な三角形が目を引くストライダは、1987年にイギリスで、マーク・サンダースによって考案されました。単純明快な折り畳み機構、ディスクブレーキの採用、ベルトドライブによるメンテナンスフリーなど、タウンユースでとても使いやすい自転車です。

登場時は変速なしの16インチモデルのみでしたが、近年は内装変速機を搭載したモデルや、18インチのタイヤで、より遠出に向いたスポーティーなモデルも追加されています。

ダホン(DAHON)

ダホンはアメリカのカリフォルニアに本拠地を置く、世界最大規模の折り畳みできるミニベロのメーカーで、台湾系のアメリカ人であるデヴィッド・ホン博士によって創業されました。ダホンは自社ブランドで、低価格帯のモデルから高価格帯のモデルに至るまで、多数の折り畳みミニベロを展開するほか、多くの特許を持ち、OEMモデルも生産しています。

折り畳み機構は中央から折るオーソドックスなタイプです。タイヤサイズは20インチを基本に、16インチのものなども展開されています。

KHS

1975年にアメリカで創業したKHSは、ロードバイクなどスポーツサイクル全般を手掛けているメーカーですが、ミニベロブームを機に日本ではスポーティーな折り畳みミニベロのメーカーとしても知られるようになりました。KHSの折り畳みミニベロはハンドルが折れるのではなく引き抜いて折り畳むようになっているなど、折り畳みの便利さを多少損ねても、剛性を重視した構造になっていることが特徴です。特に走行性能を重視するユーザーから支持されています。

またKHSは折り畳みができないミニベロも販売しており、これもスポーティーなミニベロを好むユーザーから支持されています。タイヤサイズは20インチが基本で、折り畳みの可否を問わず、上位モデルではリアにサスペンション機構が備わっていることもポイントです。

FIND YOURSELF ON A KHS.小径車からロードバイク、マウンテンバイク、ツーリングバイクまでラインナップしている、スポーツサイクルの総合メーカーです。

GIANT(ジャイアント)

台湾第一位の規模を誇り、アメリカやヨーロッパの有名メーカーからのOEM生産受注や提携を行っている自転車メーカーのジャイアントは、世界中で色々なジャンルの自転車を販売しています。ただし規模の大きいメーカーらしく仕向地によってラインアップには差異が大きく、ミニベロについてはアメリカやヨーロッパでHalfway、台湾でCHIRONと呼ばれる折り畳みができるものを販売していましたが、日本ではスポーツサイクルにほぼ特化したラインアップで、ミニベロブームには、すぐには追従しませんでした。

2010年に満を持して日本で発売されたidiom(イディオム)シリーズは、強固なアルミフレームに、剛性の面で不利になることを承知でハンドルのみが折り畳めるという、折り畳みミニベロながらスポーツサイクルに近い特徴的な構造で登場、その設計には賛否を呼びましたが、コストパフォーマンスの高さから、入門用モデルとして数えられる定番車種となりました。最上級のidiom0では折り畳みハンドルを廃して、よりスポーツ走行に特化したミニベロとなっています。

さらに2015年モデルとして、女性向けにGIANT日本法人が企画したモデルとして、AMICA(アミカ)という小型のミニベロが発売されています。タイヤサイズはidiom、AMICA、ともに20インチです。

momentum(モーメンタム)

大手ショッピングチェーンのイオングループが、自社独自のブランドとして、日本の老舗の丸金にルーツを持ち、現在はGIANT傘下であるホダカ自転車とタイアップして立ち上げた自転車メーカーがmomentumです。生産はGIANTの工場で行われており、GIANTの日本法人は関与していませんが、本家GIANTはmomentumを自社ブランドのひとつとしてアナウンスしているようです。

momentumの自転車はiWantというシリーズ名で展開されていて、iWant miniというモデルが、idiomに近いモデルとして販売されていたことがありました。残念ながら現在は廃盤のようですが、その素性から、今後の部品供給などは安定しているかもしれません。

出典:http://www.logsoku.com/r/2ch.net/bicycle/1381590364/

GIOS(ジオス)

GIOSはイタリアの老舗ですが、日本の代理店のジョブインターナショナルが積極的に企画開発しているうちに、こちらが本国で本家に取って代わったというエピソードを持つ自転車メーカーです。

日本企画の商品では積極的にスポーツタイプのミニベロを展開していますが、廉価なモデルでも他社のアルミに対して、柔軟性の高いクロモリフレームを採用していることから乗り心地などで優位性があり、最近ではスポーツミニベロの入門用として、しばしばGIANTのidiomの対抗馬として引き合いに出されます。

Tyrell(タイレル)

2004年に日本は香川県で創業したタイレルですが、当初は特徴的なフレームを持つ20インチのスポーツミニベロで注目を集め、現在は従来のラインアップに加えて折り畳みミニベロでも積極的な攻勢を仕掛けています。新興メーカーではありましたが、ミニベロの選択肢として、また憧れとして名前が挙げられるようになりました。これからも注目のジャパンブランドです。

Bike Friday

グリーンギアサイクリング社が展開するミニベロがBike Fridayです。古くから折り畳みではなく、フレームを分解してスーツケースに入れることができる、オーダーメイドのミニベロ作りで知られてきました。近年は完全な折り畳みミニベロであるtikitの発売で注目を浴びました。

時代に流されない質実剛健としたモデル群は、この先も長く生産されることでしょう。

モールトン

現在のBMWミニのデザインの原型となった自動車、BMCミニ(後にローバーブランドからローバー・ミニとして販売されました)のサスペンション開発を行った、アレックス・モールトンが作ったミニベロがモールトンです。フレームを分解して、自動車のトランクに積めるサイズのミニベロとして、1962年から製造されています。また優れたサスペンション機構でも知られています。

モールトンの権利関係は色々と変遷しましたが、現在は「アレックス・モールトン」として、後年設計された複雑なトラスフレームを持つミニベロが生産・販売されているほか、また初期の直線的なフレームを継承した「ブリヂストン・モールトン」を日本のブリヂストンがライセンス生産しています。

アレックス・モールトンのうち、廉価版はバシュレ―社がライセンス生産していますが、一方でアレックス氏が所有していた17世紀建築の邸宅を工場とした"The Hall"で製造された高価格版は、日本では「お城製」と呼ばれており、フレームだけで最低でも約80万円、高いものは200万円を超えるものの、ミニベロのみならず、自転車の究極系のひとつとして知られています。

英国アレックス・モールトン自転車総代理店他、趣味に徹した製品を取扱っています。

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まとめ

ミニベロブームは終わってしまったと言われることもありますが、ブーム以前から続くメーカーは、この先もしっかりと生き残っていくでしょう。またブームの最中にミニベロで有名になったメーカーも、開発コンセプトなどが明確化されていたところは、これから新たなスタンダードのひとつとなり、成長が期待できます。

色々なミニベロがありますが、購入される際は、ご自身の用途を見極めながら、長く乗れるメーカーを探されてみてはいかがでしょうか?