【シボレー クルーズ】最も身近でちょっと豪華なアメ車

時々街中でシボレーエンブレムを付けた初代スイフトを見かけたら、それはほぼ間違いなくシボレークルーズです。初代スイフトがOEM供給されシボレーブランドで販売されている訳ですが、実はこのシボレークルーズ、2代目・3代目が存在し、現在は世界戦略車として立派に世界で戦える車として販売されているのです。

スズキとゼネラルモーターズが生み出したコラボカー

初代シボレークルーズ

ゼネラルモーターズとスズキの業務提携が生み出したコラボレーションモデルがシボレークルーズです。スズキとゼネラルモーターズのコラボレーションモデルとしては先にシボレーMWがありますので、ここで紹介するシボレークルーズはコラボレーション第二弾のモデルということになります。
初代シボレークルーズはスズキのコンパクトカーである初代スイフトをベースに各種変更を加えて製作されました。主な変更点としては、フロントエンブレムがシボレーのものになりグリルも形状も変更、ホイールが15インチのものに大径化、テールランプがシボレーのスポーツカー「コルベット」を思わせる丸目4灯のものへと変更され、ベースとなる初代スイフトに比べてスタイリッシュに仕上がっています。
エンジンも初代スイフトと同じ1,300ccDOHC直列4気筒エンジンを搭載するモデルに加えて、1,500ccのモデルも存在しました。駆動方式に関しても基本はFFという点は初代スイフトと共通ですが、4WD仕様に関しては初代スイフトが全車フルタイム4WDであたのに対し、シボレークルーズは2WDと4WDを任意に切り替えられるパートタイム4WDを搭載し、差別化が図られています。
このシボレークルーズは主に日本限定のモデルとして販売されていましたが、オーストラリアのゼネラルモーターズのブランドであるホールデンからも「ホールデンクルーズ」という名称で販売されていました。
2001年から販売が開始され。2008年6月に生産終了となっています。

諸元

シボレー シボレークルーズ(CHEVROLET_CRUSE)1.3LS

ボディタイプ:SUV・クロスカントリー・ライトクロカン
ドア数:5ドア
乗員定員:5名
型式:DBA-HR52S
全長×全幅×全高:3,625×1,610×1,545mm
ホイールベース:2,360mm
トレッド前/後:1,410/1,405mm
室内長×室内幅×室内高:1,745×1,385×1,250mm
車両重量:940kg

エンジン・燃料系
エンジン型式:M13A
最高出力:88ps(65kW)/6,000rpm
最大トルク:12.0kg・m(118N・m)/3,400rpm
種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1,328cc
内径×行程:78.0mm×69.5mm
圧縮比:9.5
燃料供給装置:EPI(電子制御燃料噴射装置)
燃料タンク容量:41リットル
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費:18.0km/リットル

足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):マクファーソンストラット式コイルスプリング
サスペンション形式(後):I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリング
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ(前):165/65R15 81S
タイヤサイズ(後):165/65R15 81S
最小回転半径:5.0m

駆動系
駆動方式:FF
トランスミッション:4AT
変速比
第1速:2.875
第2速:1.568
第3速:1.000
第4速:0.697
後退:2.300
最終減速比:4.144

2代目シボレークルーズ

初代シボレークルーズがほぼ日本限定モデルと言ってよい車だったのに対し、2代目シボレークルーズでは全く逆の日本を除く世界戦略車として発表されました。車としてはシボレー・オプトラ、シボレー・コバルトの後継車種となり、シボレークルーズとは名前以外に共通点はありません。
ボディ形状は5ドアハッチバックと4ドアセダンが用意され、プラットフォームもスズキのものではなくゼネラルモーターズのデルタプラットフォームが採用されています。オペル・アストラなどと共通のプラットフォームです。
デザイン自体はアメリカ車というよりは欧州車を思わせるスタイリングを採用し、初代では特徴的だった丸目4灯のテールランプでなく車全体のスタイリングに踏襲されるデザインの物が採用され、二代目シボレークルーズからはエンブレム以外でアメ車の雰囲気は全くと言ってよいほどなくなっています。
エンジンは直列4気筒エンジンのみですが1.6L、1.8L、1.4Lターボ、1.7Lディーゼル、2.0Lディーゼルが用意され、トランスミッションも6速ATおよび6速MTの二種類が選択できます。
オーストラリアのホールデンからは初代同様「ホールデンクルーズ」の名称で販売されています。

3代目シボレークルーズ

2代目シボレークルーズの後継車種として軽量化、サイズの大型化、ダウンサイジングターボエンジンの採用と正常に進化を遂げているのが3代目シボレークルーズです。日本とオーストラリアを除く自動車市場では先に紹介した2代目シボレークルーズが実質的には初代となるため、2代目シボレークルーズとして紹介されることがほとんどですが、ここではあくまでも3代目シボレークルーズとして紹介していきます。
2016年に4ドアセダンモデルが公開されたこの3代目シボレークルーズはシボレーのEV(電気自動車)「ボルト」と共通のプラットフォームが採用されています。デザイン自体も2代目シボレークルーズから現代風にリファインされ、中々カッコ良く仕上がっています。搭載される1.4Lターボエンジンは排気量こそ少なくなったものの最大トルクが24.5kgmと引き上げられており、100kgにも及ぶ軽量化も相まって基本的な走行性能自体が向上しています。
軽量化されているにも関わらずボディサイズは大型化され、全高が日クック押さえられたため2代目と比較してワイド&ローなスポーティなスタイリングを手に入れています。
おもしろい機能としては、車内をWi-Fiスポットとして利用できる「4G-LTE」サービスを受けられる他、ワイヤレスの携帯充電器を装備するなど、今の時代に合った装備が充実しています。特に「4G-LTE」サービスはSIMフリースマホ等を利用することに比べてどのようなメリットがあるのかなど、実際に使用してみたい機能です。他にもぜんせきだけでなく後席にもシートヒーターを装備し、安全装備としてレーンキーピングアシストなども導入されています。
インテリアデザインは黒を基調とした落ち着いたデザインが採用されています。インパネ廻りのデザインはBMWやフォルクスワーゲン由来のものではなく、どこか日本車を思わせるキープコンセプトなものとなっていますが、構成する素材自体の質が良いためチープ感などはなく、世界を見据えた戦略車としては十分なものに仕上がっています。
4ドアセダンだけでなく5ドアハッチバックの導入も決まっており、そちらのスタイリングも悪くありません。日本に是非導入して欲しい1台です。

シボレーMW

スズキとゼネラルモーターズの業務提携強化記念モデル第一弾となったのがシボレーMWです。シボレークルーズと車としての繋がりはブランドくらいなものですが、こちらはスズキとゼネラルモーターズの関係を示す車としてはシボレークルーズの先輩に当たる車ですので、紹介しておこうかと思います。
ワゴンRに普通車サイズの1,300cc4気筒エンジンを搭載するワゴンRソリオにシボレーエンブレムを付けたのがシボレーMWでして、実質ワゴンRソリオのOEMモデルとなっています。エンブレムの他外装のエアロパーツ、内装にベージュの本革シートや木目調インテリアを採用、ワゴンRソリオと差別化が図られています。2008年にはアルカンターラシートを採用するモデルも販売され、ワゴンRソリオにも関わらず豪華な車となっていました。
初代シボレークルーズと同様こちらも日本市場のみの限定販売となっており、2010年に日本での生産が終了しています。

シボレークルーズを購入するなら

初代シボレークルーズに関しては生産も終了していますが日本の中古車市場では多くの車両が流通していますので、うまくいけば新車同様のコンディションを維持している車も見つけることができるでしょう。
日本での所有が難しくなるのが2代目以降のシボレークルーズです。日本で導入されていないモデルですので、手に入れるには並行輸入されたモデルが中古車市場に出てくるのを待つか、もしくは並行輸入業者を通して探す、もしくは個人輸入を行うなど、初代シボレークルーズとは比較にならないほど入手が困難となってしまうでしょう。

初代シボレークルーズの中古車について

2016年4月時点で100台程の中古車が流通しています。コンディションを気にしないなら総額30万円程で購入できてしまいますが、走行距離5万キロ以下の程度の良いモデルとなると、50万円程予算を用意しておいた方がよさそうです。4WDモデルの低走行車が最高値で車両価格69万円程となっていますが、リセールバリューなどを考えると購入価格は50万円までに抑えて、予算内で程度の良い車両を見つけるほうが現実的と言えるでしょう。

2代目・3代目シボレークルーズの購入はかなり難しい

日本の中古車相場に車両が入ってきていないため、2代目以降のシボレークルーズがどうしても欲しいというマニアックな方は並行輸入業者に依頼するか、個人輸入を検討する必要があります。
個人輸入をする場合に気をつけなければいけないのが、アメリカなどの仕様のままでは日本での安全基準を満たせないということです。ヘッドライトなどで日本とアメリカでは基準が違うため、個人輸入や並行輸入で導入した自動車を車検に通そうと思うと、ヘッドライトなど一部の仕様を日本に導入してから変更する必要があります。個人でそういった仕様変更を行うのはかなり難しいと思われますので、現実的には並行輸入業者を探して依頼した方が現実的はあります。
ただ、個人輸入にしろ並行輸入にしろ関税や円安の影響による導入費の上昇が予想される、つまり現地で購入するよりも費用が余計にかかってしまう事が考えられます。
現在日本の外国為替相場は一時に比べれば円安も落ち着いてきましたが、まだまだこれから円高に振れる可能性も十分にあります。ですのでどうしても2代目・3代目のシボレークルーズの購入をお考えの場合には、少し円高に為替相場が振れている時に並行輸入業者に導入を依頼するのが良いと思われます。
実績のある並行輸入業者さんなら灯火類の変更や車検などにもノウハウをお持ちだと思いますので、そのあたりと手数料などを確認した上で依頼するのがポイントです。

シボレーの正規代理店について

並行輸入で輸入車を購入する場合、現地で買い付けを行う並行輸入業者とは別に、日本で展開しているメーカーの場合には日本の正規ディーラーから購入するという手もあります。シボレーブランドを取り扱うゼネラルモーターズの正規代理店は日本にもありますが、ホームぺージなどのラインナップを見ると2016年4月現在では「コルベット」「カマロ」「キャプティバ」といった車種のみがラインナップされており、シボレークルーズは日本に正規で導入さrていないため当然ラインナップされていません。
しかしながら、こういった正規ディーラーは当然本国のメーカーともパイプがあるので、正規ディーラーにシボレークルーズの並行輸入を依頼するというルートも、検討の余地があるかと思います。
実際に並行輸入に応じてくれるかは実際にディーラーに問い合わせてみる必要がありますが、どうしても並行輸入車が欲しい方には正規ディーラー経由での入手を検討するほうが敷居が低いかもしれません。

アメ車っぽく仕上げられたちょっと豪華な初代スイフト

初代シボレークルーズに関して言えば、ちょっと豪華な装備をした初代スイフトです。スタイリングや装備が気に入った場合には十分検討する価値があるでしょう。悪い車ではありません。
気になるのは日本に導入されていない2代目以降のシボレークルーズです。世界戦略車というだけあり中々魅力的なスタイリングをしています。特に3代目シボレークルーズはWI-FIスポットなどに代表される最新装備を取り入れており、正直ちょっと乗ってみたいと思わせるものがあります。スタイリングもワイド&ローでかっこ良いですし、サイズも欧州のCセグメント車ですので大きすぎることはないでしょう。
日本への導入が待ち遠しい一台です。