【日産 ラティオ】5ナンバーを持つ経済的なコンパクトセダンを徹底解剖!

日産のセダンラインナップの中で唯一の5ナンバーを持つラティオ。コンパクトさとリーズナブルさが魅力的で日本国内よりも海外で人気を誇るラティオですが、その他の性能や機能はどうなっているのか。今回はラティオの詳細をどんどんご紹介していきます。

日産 ラティオとは

日産の貴重な5ナンバーセダン!

ラティオは現在の日産車で唯一の5ナンバーセダンであり、ラインナップの中でも最も小さいコンパクトセダンとなっています。ラティオの始まりはもともと日産が2004年から2012年の間に販売・製造していたハッチバック、ティーダの派生モデルとして2004年10月に発表されたセダンだったため当時は「ティーダラティオ」という名称で販売がされていました。ちなみにこのティーダラティオの登場により、それまで日産のラインナップに並んでいたコンパクトセダン、サニーはティーダラティオとマーケットが同じだったため販売中止が決定し、そのポジションをティーダラティオが引き継ぐ形となりました。ラティオという現在の名称に変更されたのは2012年。ティーダラティオがフルモデルチェンジを行い第2世代となり、ティーダが販売を中止されるという区切りで、ティーダを冠した名前からラティオとして独立し、また、プラットフォームは日産のハッチバックであるノートと共有することとなり、内装や装備は同じような仕様となっています。そして現在は日産のコンパクトセダンとしての認識も広まり、上位モデルのティアナ、シルフィと共に日頃から気軽に使える乗りやすいクルマとして女性にも人気で幅広い層に受け入れられているセダンとなっています。

海外での人気ぶりがすごいグローバルモデル!

ラティオは日本国内だけじゃなく海外でも販売されているグローバルセダンです。それどころか、現行型のラティオ第2世代は製造はタイの日産工場で行われており、それを日本に逆輸入して販売するという異例の販売形態が取られています。ラティオの年間販売台数はピーク時だった3年前でおよそ50万台。その販売台数の95%以上は海外での売り上げでした。海外では主にアメリカやアジアを主な販売国としています。アメリカでは、まだティーダラティオの名称だった2006年より販売が開始されており、アメリカ市場における最もリーズナブルなセダンとして人気を集めました。その価格は$9,990(110万円ほど)でした。このようにラティオはグローバルセダンとして海外での評価を得ることができたのは、コンパクトでも実用性を重視したラティオの仕様が受け入れられた証拠でしょう。

グレードや価格は?

ラティオ G

グレードラインナップと価格一覧

S

メーカー希望小売価格:1,460,160円
駆動方式:FF
燃料消費率:22.6km/L
主な装備:アイドリングストップ機能、リモートコントロールエントリーシステム、ダイヤル式マニュアルエアコン、後部座席ピロー、アナログメーターなど

X

ラティオ X

メーカー希望小売価格:1,554,120円
駆動方式:FF
燃料消費率:22.6km/L
主な装備:アイドリングストップ機能、メッキ加飾ドアハンドル、後部座席ヘッドレスト、ファインビジョンメーター、リアセンターアームレスト(カップホルダー2個付)など

G

ラティオ G

メーカー希望小売価格:1,789,560円
駆動方式:FF
燃料消費率:22.6km/L
主な装備:アイドリングストップ機能、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター、プッシュ式フルオートエアコン(デジタル表示)、ファインビジョンメーターなど

エクステリアやインテリアは?

小さいながらも新世代日産車であることを誇示するエクステリア

ラティオ G

ボディは5ナンバーのコンパクトセダンらしく全長は4.5m以下、横幅も1.7m以下に抑えられています。エクステリアはラティオの上位モデルとなるティアナ系統のデザインを踏襲していて、シャープなエッジのヘッドライトに2段構成のグリルといい、日産の新世代セダンのフロントマスクをしています。デザイン自体はなかなかスポーティなのですが、それでもサイズがコンパクトなので全てのパーツが小ぶりになって少しずんぐりむっくりした印象のあるラティオは愛嬌があります。それに意外にも、ボディは空力に優れたフォルムをしていて空気抵抗が少ないため、走行安定性は高く、高速走行中の風切り音も軽減されています。

外観からは想像できなかった室内空間

ラティオ G

ラティオの居住空間は外観から想像するよりも広く、5ナンバーセダンにしてはトップレベルの余裕を持った空間だと思います。乗車人数は5人となっているものの、大人がフルで乗るには4人までというのが適切ではないかなというところもあります。もちろんそういった点はセダンであればよくあることですから、ラティオに特別当てはまることではありません。現に室内長は2,120mmとなっており、3ナンバーセダンと遜色ありません。後部座席の膝周り空間もしっかり確保され、大人の男性が乗っても前部座席との間にはかなりのスペースがあります。ラゲッジルームも490Lの容量があり、通常使いには重宝する大容量なトランクルームとなっています。

内装はノートと似通った仕様

ラティオ G

インテリアはプラットフォームを共有するノートのインテリアと似ています。特にインパネ周りはディスプレイやスイッチの配置といいノートとほぼ同じで違うのはエアコンの送風口くらいです。エアコンは最上級グレードとなる「G」でフルオートエアコン、それ以外のグレードではマニュアル式のエアコンとなっています。どちらもインパネの下部に設置されており、エアコンを含めたインパネ周りの機能の操作自体は直感的に操作でき、運転しながらでも手がすぐ届きます。シートはトリコットを使用した柔らかすぎず気持ち硬めの感触が心地いい仕上がりで、この価格帯のコンパクトセダンとしてはかなり良好な座り心地を実現していると思います。腰が落ち込むことなく楽な体勢で座ることができるので長時間のドライブでも疲労がたまりにくいようになっています。後部座席には最安価グレードの「S」以外にはヘッドレストも装着されていて、コンパクトセダンとしてラティオは居住空間といい内装装備といい快適性にかなり力が入れられたモデルです。海外で受け入れられているのは頷けることですが、ラティオの詳細を見ていると日本でももっと評価を得てもいいのでは、と思えてくるほどです。

ラティオの性能面は?

出典:http://www2.nissan.co.jp/LATIO/point_gallery.html

運転性がなかなかでも小型エンジンが動力面では不利となるか

ラティオに搭載されているエンジンは「HR12DE」と呼ばれる小型・軽量エンジンです。スペックは1.2L 直列3気筒エンジンで、燃焼効率性が高いため燃費性能に優れるほか、小型エンジンながら低速のトルクもある程度発揮するエンジン特性を持っています。これにトランスミッションとしてCVTが組み合わせられたドライブトレインがラティオの動力となっています。サスペンションはフロントがスラット式、リアがトーションビーム式となっていて、旋回能力は日産のセダンらしくかなり限界の高いコーナリングが可能です。と言っても、スポーツ走行を楽しめるようなセダンではないので普通に公道を走行するのがこのクルマのスタイルではありますが。ところで、「HR12DE」の最高出力はわずか79ps。これが1,040kgある車両を動かしているわけですから、高いパフォーマンスは望めません。単純にパワーウエイトレシオを算出すると13.2kg/psとなります。一概にパワーウエイトレシオの数値をそのクルマの加速力の物差しとしてそのまま鵜呑みにすることはできませんが、それでも13.2kg/psという数値から期待できるものは少ないように思います。CVTのチューニングのおかげかエンジン特性か、停止状態からの加速で低速は予想以上に頑張ってくれるのですが、中速の”伸び”でエンジンの限界が見えてしまっているのが現状です。ノートには同じ型のエンジンでもエコ スーパーチャージャーを搭載するモデルもラインナップに存在し、力不足を補うどころか、より燃費性能も向上させるユニットを導入しており一石二鳥の工夫がされているところを見ると、プラットフォームを共有するラティオにも同じユニットを採用してもよかったのではないかと思うところがあります。まあ、日産は日本での人気がいまひとつなこのクルマをそこまで高額にしたくないという思いがあったのかもしれませんが。

エコ スーパーチャージャーに頼らずとも十分な低燃費を実現!

とにかく動力性能が他のセダンに劣ることは現実問題として目を瞑れないところではありますが、通常そのようなクルマだと、十分なパワーを得るために余分にアクセルを開けることとなり、その結果燃料消費の悪化を招く事態になることが当然なのですが、ラティオはそれでも22.6km/Lというかなりの低燃費っぷりを発揮しています。その背景には「HR12DE」というエンジンの燃焼効率性のよさのほかにも、搭載されているCVTの性能やアイドリングストップ機能が大きな貢献をしています。ただ、日産はラティオに次世代環境技術をもつエンジン搭載車を表す称号「PURE DRIVE」を与えています。ハイブリッドモデルを作ればいいとまでは言いませんが、欲を言えばせめてアイドリングストップ機能はノートにも装備されている”停車前アイドリングストップ機能”を採用して欲しかったというのが本音です。そっちのほうがより低い燃料消費率を実現できる最新の技術です。

安全性にはもっと気を配って欲しいところ

これは今後ラティオがマイナーチェンジなりフルモデルチェンジなり、何らかの変更がされるタイミングでここをもっと改善して欲しい、という部分なのですが、現在販売されているクルマとしてラティオには安全性を考慮した装備・機能が少なすぎると思うのが正直なところです。ラティオに標準搭載されているのはABSやEBDなどのごく一般的な機能のみです。今や、軽自動車でもブレーキアシストや前方の障害物を察知するレーダーシステムを搭載するのが定石とされつつある中で、ラティオのこの装備・機能は乏しすぎます。オプションでもいいので、そういったドライバーサポート系のシステムを用意しておいたほうがよかったでしょう。

ラティオ スペック

出典:http://www2.nissan.co.jp/LATIO/point_gallery.html

スペック詳細

寸法・車両重量

全長:4,455mm
全幅:1,695mm
全高:1,495mm
ホイールベース:2,600mm

室内長:2,120mm
室内幅:1,390mm
室内高:1,215mm

車両重量:1,030kg~1,040kg

ドライブトレイン

駆動方式:FF
エンジン:直列3気筒
排気量:1,198cc
最高出力:79ps/6,000rpm
最大トルク:106Nm/4,400rpm
トランスミッション:エクストロニックCVT
燃料タンク容量:41L

ラティオの中古車情報

出典:http://kakaku.com/kuruma/used/item/12528879/

中古車価格も安い!?

最上級グレードの「G」以外は140万円~150万円ほどの価格のため、中古車になると100万円は切ってくるだろうと予想されるラティオですが、その価格幅は意外にも最安値でも87万円で最高値が151万円となってて、試乗平均価格は110万円となっています。あまり人気が高いクルマではないし、元値がかなり安価なため平均価格はもっと安いのかと思いきや、案外高価格です。年式が新しく走行距離も少ない第2世代ばかりが売り出されているのも大きな理由の一つですが、それでも少しお高いかなという印象です。

まとめ

いかがでしたでしょうか? ラティオは日産が製造する唯一の5ナンバーセダンであり、そのコンパクトなサイズと見かけによらない広々とした快適な居住空間で、街乗りやデイリーユーズに焦点を合わせたセダンとなっています。ですが、今回ご紹介したように各部の性能をじっくり見ていくと、弱点もチラホラあります。エンジン性能は1トンを越える車体を動かすのには不十分だし、安全面にももっと気を配った装備を欲しています。この2つの項目は大きなポイントなので、これらを改善できれば非常に完成度の高い5ナンバーセダンとなるし、ライバル車たちにも大きく水をあけることが可能だと思います。今現在の時点では、日産がラティオにこの先どういう進化を持たらせるのか、わからないところではありますが変更しだいでは日産のセダンの主戦力になりうるポテンシャルもあるのではないかと思います。もちろんそれには「改善+α」が必要になってくるとは思いますが、新型が開発されるのであればそんな期待を込めたいところです。