【フォルクスワーゲン ビートルカブリオレ】ちょー気持ちのいいカブト虫

フォルクスワーゲンビートルのカブリオレならドライバーを含めて大人4人がそれなりの荷物を収納した状態でゆったりと乗れて、オープンエアドライブを好きなだけ楽しむことができます。もちろん雨が降ったら自動で幌を閉じることができるし晴れたらまた開けばいい。カブリオレと呼ばれるオープンカーには色んな車種があるけど、こんなクルマは他には見当たりません。

由緒正しき三世代の系譜

ビートルと呼ばれたType1

フォルクスワーゲンビートルといえば、「あ、あの可愛いやつ」って頭の中にイメージできる人がほとんどだと思います。でもこの「ビートル」Beetleという名前は実は通称で、正しい名前はタイプ1(Type1)であり、当時、日本では「カブトムシ」とも呼ばれたようです。このType1は1938年から生産が開始されていますが、このType1は非常に長命な車種で、2003年まで半世紀以上も生産が続いた結果、四輪自動車としては世界最多の累計生産台数「21,529,464台」の大記録を打ち立てた伝説的な大衆車です。

出典:http://www.type-1-beetle.com/

このType1はヒトラーの構想の元に、ポルシェ社の創業者であるフェルディナント・ポルシェ博士に設計を依頼して開発されたのは非常に有名な話ですが、第二次大戦やその大戦でのドイツ敗戦を挟みながらも、半世紀も生産が続いたのは、優れた基本設計とシンプルな構造による部分が大きいと思います。

さすがに1960年代以降は設計の古さによるスペース効率の悪さや、RR(リアエンジン・リアドライブ)レレイアウトであるが故の高速走行時の不安定さ、空冷エンジンの騒音などが課題となってしまいましたが、1974年に「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がデビューするまではフォルクスワーゲンを代表する車種として扱われていました。

1938年の生産開始から2003年メキシコの生産終了まで、累計21,529,464台、四輪世界最多の記録を打ち立てました。世界中の市場で愛された、まさに伝説の大衆車です。今回はその魅力について迫りたいとおもいます。

→ → ビートルについてもっと知りたいあなたはこれを読んでみてください。

新しいビートル、ニュービートル

そして1998年に製造が開始され、1999年から日本にも輸入されるようになったのがニュービートルです。Type1の最大の特徴であった「円弧」をイメージしたしたデザインを現代風にアレンジするなど、Type1をモチーフとしていますが、直接の後継車種ではないためType1の通称であった「ビートル」に「ニュー」が付いた「ニュービートル」と名付けられたそうです。室内のデザインも大きな円形メータークラスターや、ステアリングホイール脇に設けられた「一輪挿し」など、徹底してType1にこだわったデザインとなっています。

出典:http://ism.excite.co.jp/car/rid_Original_00389/

RR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトであったType1のデザインにこだわっているものの、ニュービートルはゴルフをベースとしたFF(フロントエンジン・フロントドライブ)レイアウトの車体であるため、後席を中心としてスペースユーティリティはデザインの犠牲となってしまっています。日本では2005年に大きなフェイスリフトを行った後、2008年には搭載するエンジンやトランスミッションに関するマイナーチェンジが行なわれた後、2010年まで販売されていました。

蝉は地下で7年、地上で7日とか申します、昆虫のライフというのは人とは相当違うものなんですね。カブト虫には、1930年代に生まれて21世紀の今も生きている、という種類もあるんだそうです。あぁ、これは自動車の話でしたね。誕生以来の数十年間、微妙に変化し骨格すらも別物に進化しつつ、相変わらず多くに愛され続けるバグ、今回はその一世代であるフォルクスワーゲン ニュービートルについて、ちょっと見てみます。

→ → ニュービートルについての詳しい解説はこちら。

これぞ! ザ・ビートル

ニュービートルがディスコンになった翌年の2011年に発表され、2012年から販売が開始されたのがザ・ビートルです。ニュービートルより車庫が低くなりよりType1に似たプロフィールになっています。スリーサイズは全長:4,270mm×全幅:1,815mm×全高:1,485mmとかなり拡大しておりType1のような可愛らしさとは無縁に思えます。実際にType1とサイズを比べると、長さが+130mm、幅は+230mm、高さはマイナス15mmと大きく(特に幅広く)そして低くなっているのがよくわかります。見た目もかなりスポーティですよね?

出典:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20140508_646935.html

ザ・ビートルは様々なバリエーションモデルを発表しており、エレキギターで有名なフェンダーとコラボした「Fender Edition」('13年)、イエローのボディにブラックの太いストライプが特徴である「ザ・ビートル・レーサー」('13年)、それぞれの年代をモチーフとした「50's」、「60's」、「70's」(いずれも'13年)、食べ物をモチーフとしたオシャレな「Choco」、「Milk」、「Bitter」(いずれも'14年)、お買い得車である「ザ・ビートル・ジャーニー」('14年)、1982年に発売されたType1の限定車スペシャル・バグをオマージュとした「ザ・ビートル・スペシャルバグ」('14年)と枚挙に暇がないほどたくさんの特別仕様車が発売されました。

その後、2015年に一部改良が施されていますが2015年5月現在も販売が継続されているのが、ザ・ビートルです。

バリエーションとしてのカブリオレ

欧州は冬の日照時間が極端に短く、逆に夏は夜の10時なっても明るいといった季節の差が極端であることから、中でも特にドイツの人はオープンモデルへの志向が強く、夏シーズンはあちこちでオープンで走り去るクルマを見ることができます。そのためドイツで生産される乗用車であれば、あらゆる車種にオープンモデルが存在しているといっても過言ではありません。そして今回のType1、ニュービートル、ザ・ビートルも例外ではなく、いずれの世代のモデルにもカブリオレと呼ぶオープンモデルが存在しておりもちろん日本でも販売されていました。

以下に各世代別のオープンモデルを紹介します。

Type1

出典:http://bluemeanie.cocolog-nifty.com/

50年以上前に基本設計されたクルマにカブリオレがあって、人乗車でオープンカーライフが楽しめるなんてすごいですよね?当時の仕組みなので幌の開閉は完全手動です。(笑) 収納した状態でもかなり大きく場所をとりますがボディの上にチョコンと載ったような状態で収納されるのは昔も今も同じスタイルです。

Type1から既にカブリオレがラインナップされていることにも驚きますが、日本国内でもまだまだ当時のカブリオレが多数、現役で走っているのも凄いことだと思いました。古いクルマはパーツの供給がネックになったりしますが、やっぱり「数はチカラ」の言葉通り、例えば供給が終了したパーツがあってもファンが多くニーズがたくさんあれば有志が集まってパーツをリメイクしてしまうこともあるようです。それぐらいビートルを愛し続けている人が多いのはとても素晴らしいことですよね。

ニュービートル

出典:http://www.libertywalk.co.jp/rentcar/html2/pay/03.htm

沖縄(宮古島)にあるレンタカー屋さんにあるニュービートルの赤いカブリオレ。これで宮古島を走ったら気持ちよさそうだ。

ニュービートルカブリオレのルーフは電動で開閉(アクションはZ字型)します。開閉に必要な時間は約13秒と素早く開閉が可能です。このカブリオレの架装設計は同じドイツの(あのカルマンギアで有名な)カルマン社です。安全装置としては、万が一車体が転倒した時に瞬時にバーが飛び出るロールオーバープロテクションが座席後ろに装備されているので、転倒時にも乗員の頭部が車体と路面により潰されることを防いでいます。無骨なデザインとなりがちな単純なロールバーとは異なり、デザイン面では非常に洗練されているのが特徴です。

オープン時の幌は車内に格納しないで画像のように車体後方に載せるような形で自動的に畳まれます。実はこれってType1のカブリオレと同じ方法になっています。また車内に格納しないため車内やトランクスペースを有効に使用できるといったメリットもあります。オープンボディを持つ4人乗車が可能な車種は非常に貴重だと思います。

ザ・ビートル

出典:http://bluemeanie.cocolog-nifty.com/ogawa/2013/06/post-ec7a.html

ザ・ビートルのカブリオレではフルオート電動ソフトトップを装備していますので、時速50km以下であれば走行中でも開けたり閉めたりすることができます。さらに開閉時間も開くのが9.5秒で、閉じるのは11秒とあっという間。これって、街乗りならいつでも開閉動作が可能ということ。これなら急なにわか雨にもすぐ対応できますから、一年中いつもオープン状態で走ることができそうですね。

オープン状態での安全性が気になるあなた。ザ・ビートルのカブリオレには通常の4つのエアバッグに加えてセンサーが横転の危険を感知した瞬間、リアシートヘッドレストに内蔵された2本のロールオーバーバーが瞬時に飛び出して、エアバッグの制御システムと連動して車両転覆時における安全確保を行うことが可能な「ロールオーバープロテクションシステム」が装備されていますので何の心配も不要です。

ビートルのカブリオレ〜その魅力は

三世代にわたり脈々と生き続けているなんとも愛くるしいファニーなスタイルと4人がしっかりと座れる車体。特にニュービートルやザ・ビートルは車体サイズの拡大も伴い、カブリオレですら4人乗車が当たり前となっています。このあたりの実用性とオープンにしたときの非日常性といった全く異なる二つの特性を持ちながらそれが完全に共存しているのがビートルのカブリオレの魅力だと思います。

いつでも、どこでも、どんなときでも、ワンタッチでオープンにしたり閉じたりすることができ、家族で乗ることも含めた、日々の生活の中での普段使いが可能なカブリオレはほとんどありません。2年ほど前にザ・ビートルのカブリオレに試乗したことがありますが、サイドウィンドウを閉めればある程度の速度まで走行風の巻き込みもほとんど気になりませんでしたし、幌を閉じてしまえば静粛性も十分満足できる状態でした。

もちろん新車価格は決して安くはありませんが、そろそろザ・ビートルのカブリオレでさえ中古車も出てきています。何よりオープンとしたときの爽快さは他に比べるものがないぐらい気持ちのいい空間を享受することができますので、ぜひ一度、ビートルカブリオレのオーナーになることを考えてみませんか?