【日産・バネット】ビジネス・レジャーと縁の下の力持ち!最新モデルや中古、燃費は?

「日産・バネット」は、当初は商用モデルとしてデビューしたものの、その人気から乗用モデルや派生モデルが誕生していった日産を支えたモデルです。過去のモデルから現在の最新モデルまでをチェックしてみましょう。

「バネット(VANETTE)」

日産が、乗用タイプ、商用タイプを誰もが手頃に所有できることもコンセプトに開発が進められたのが、「日産・バネット(VANETTE)」です。初期モデルには、商用車の「ライトバン」モデルと「トラック」モデルと、現在でいう「ミニバン」タイプのワゴンモデル「コーチ」という「ワンボックス」モデルも存在していました。

1thモデル(1978年-1988年)

日産の大衆モデルの「サニー/チェリー」をベースに開発され、「サニーキャブ/チェリーキャブ」の後継モデルとして登場しました。そのために1thモデルの型式は、「サニー」が「B型」という型式を採用していたために「C型」となり「C120型」として「バネット」は、1978年の11月に「サニーバネット/チェリーバネット」というモデル名で発売されました。また、国内生産のみにとどまらず、台湾の「裕隆汽車」によって「BOBBY」というモデル名で「バン」タイプと「トラック」タイプがライセンス生産されていました。

初期型

初期型は、1978年11月から1979年の6月までのモデルで、ボディスタイルは「バン」タイプ、「トラック」タイプ、そして商用モデルの「バン」タイプを乗用モデルに仕立て上げた「コーチ」タイプ(現在のミニバン)のワンボックスの3タイプを設定していました。

エクステリア

「バネット」は、「サニーキャブ」と「チェリーキャブ」の後継モデルでしたので、それぞれに差別化を図ることが求められていました。そのために「サニーバネット」には、左右のヘッドライトベゼルをモデル名のロゴを入れてバーでつないでいます。またBピラーには、「サニー」の象徴である「S」マークのステッカーをセットし、「チェリーバネット」は、フロントセンター部分に「NISSAN」のエンブレムをセットし、フロントドアに「Cherry」のエンブレムをセットしていました。このエンブレムとステッカーが差別化のポイントで、その他のボディエクステリアやインテリアデザインなどは、同じです。

グレード設定・パワーユニット

グレード設定もシンプルなものでした。最上級グレードを「GL」、スタンダードを「DX」、ベースグレードを「CT」と3グレードでした。パワーユニットは、「サニー/チェリー」がベースということもあり、堅実な「A型」エンジンを搭載し、排気量は、1,200cc「A12型」と1,400cc「A14型」でした。

中期型

デビューから翌年の1979年の7月にマイナーチェンジが施されます。このモデルは、昭和54年排出ガス規制適合させるためにリセッティングされて「バン」タイプと「トラック」タイプの型式が「C121型」となっています。またこのモデルには、「ハイルーフ」タイプや「ロングボディ」タイプ(4列シート/10人乗り)も追加されバリエーションが増え、リアクーラーがオプション設定されるなどモデル内容を充実させています。またエクステリアも「バン」タイプの乗用モデルの1,400ccの「コーチ」タイプは、丸形2灯式ヘッドライトに変更されました。

「ダットサン/バネット」

1980年の3月に「ダットサン/バネット」が追加され、「サニー/バネット」「チェリー/バネット」と3モデルになります。しかし、「ダットサン/バネット」には、「トラック」タイプが存在しておらず、パワーユニットも1,400ccの「A14型」エンジンのみを搭載していました。エクステリアの違いは、フロントセンターに「NISSANN」のエンブレムがセットされ、ドアのウィンドウ下部にブラックストライプが配されていました。そしてインテリアは、カラーをグレー系で統一していました。「サニー/チェリーバネット」は、ブラウン系のカラーでまとめていましたので、こうした点で差別化を図っていました。

後期型

1980年6月のマイナーチェンジによって「コーチ」モデルは、パワーユニットを1,500ccの「A15型」エンジンへ変更し、商用モデルに味付けしたモデルではなく、乗用モデルのしっかりと作りこまれた「コーチSGL」「コーチSGLサンルーフ」をデビューさせています。このモデルは、エクステリアにおいてヘッドライトを角型4灯式とし、インテリアも「屋内収納式サンルーフ」「回転対座シート」を装備していました。また1984年にはガラスサンルーフ仕様に「パノラマルーフ」が追加され、居住性の向上が図られました。

ディーゼルモデル

後期型の特徴の一つにディーゼルモデルの追加があります。1980年6月に追加されましたが、搭載ユニットは「LD20型」ディーゼルエンジンで、先代ディーゼルエンジンの「SD20型」に比べて出力、トルクなど性能が向上していたモデルです。さらに追加設定されていた「SGX」グレードには、「Z20型」ディーゼルエンジンを搭載しており、ディーゼルエンジン搭載モデルは、フロアシフト設定となっていました。

派生モデル

のちに「ラルゴ」として登場することになる、「バネット」の派生モデルの「バネットラルゴ」が1982年の2月に登場しています。ベースモデルの「バネット」の車幅を900mm拡大し、大型化しています。加えてパワーユニットも「Z20型」「LD20型」「LD20T型」を搭載しており3タイプの設定でした。またエアコンを装備し、空調操作パネルがエアミックスタイプとしていました。

2thモデル(1985年-1994年)

モデルチェンジを行ない「C22型」となったのは、1985年の9月です。この2thモデルとなったのは「バネットコーチ」と「バネットバン」のみで、「バネットトラック」と派生モデルとして登場した「バネットラルゴ」は、先代モデルが継続生産されました。また1986年の11月にモデル名が「バネット」に統一されています。1987年5月では、韓国の「大字(GM大字)」がバネットトラックをライセンス生産し販売しています。

3車種の違い

「サニーバネット」は、ヘッドライトの枠の部分をシルバーカラーに「チェリーバネット」は、ヘッドライトの枠をブラックカラー、「ダットサンバネット」はヘッドライトの枠をシルバーとし「DATSUN」のエンブレムがセットされたガーニッシュが装着されることで、それぞれを差別化していました。

パワーユニット

「C22型」となった2thモデルには、新開発の1,973ccの「CA20型」エンジンと、日産の名機と言われる1,487ccの「A15型」のガソリンエンジンと1,952ccの「LD20型」ディーゼルエンジンの3タイプを設定していました。

バリエーションが増えたマイナーチェンジ

大幅な変更を伴うマイナーチェンジが1988年の9月に施されています。この時に「トラック」タイプも2thモデルに変更されました。また、この時の主な変更点となったのは、パワーウィンドウ、ストップランプガーニッシュの装備、フロンカードバー、サイドステップを装着した4WDモデルを追加した「EXCEL」グレードシリーズを追加しています。また全車フロアシフトに変更しフルレンジ電子制御4速ATも設定され、ディーゼルターボエンジンの「LD20II」も追加されました。こうした変更によってパワーユニットは、全モデルを含めると「A12型」「A15型」「LD20型」「LD20II型」「LD20TII型」「CA20S型」と豊富な設定となりました。

分岐点となる後期型

1990年になるとマイナーチェンジとともに独立化が進みました。仕様変更は、サードシートが5:5分割の左右跳ね上げタイプが「SGL」グレード、「EXCEL」グレードに採用され、リモコン付きのツインオートエアコンの装備の設定も追加しました。しかし、1991年の6月には、「コーチ」タイプが「バネットセレナ」として独立モデルチェンジを行なっています。そして、1993年の5月には「バネットラルゴ」が「ラルゴ」としてモデルチェンジするなど独立モデルとして、開発が進んでいきました。

3thモデル(1994年-1999年)

3thモデルになると、日産の自社生産ではなくなりました。1993年10月に「マツダ社」と相互供給契約を締結し「マツダ・ボンゴ」のOEMモデルとなります。そして、翌年の1994年の4月より供給が開始されることになりました。そして、モデルのグレードとしての位置は、「ワゴン」タイプが先代モデルで「セレナ」として独立しており、また「日産・キャラバン/ホーミー」も存在していたために「バン」タイプと「トラック」タイプのみとしました。型式は、「バン」が「SS20型」、「トラック」が「SE20型」となりました。

「マツダ・ボンゴ」との違い

商用モデルのみとなった「マツダOEM」の「バネット」と「マツダ・ボンゴ」との違いは、「トラック」タイプがシングルタイヤ装着モデルは、「マツダ・ボンゴ」では、「高床」なのに対して、「バネット」では、「スーパーローシングル」としています。

4thモデル(1999年-)

3thモデルから4thモデルとなった1999年の6月のモデルチェンジでは、やはり「マツダ・ボンゴ」のOEMモデルではありましたが、細部の変更がなされています。

エクステリア

エクステリアにおける変更点は、ウィンドウのデザイン変更程度の小さなものでしたが、インテリアにおいては、メーターパネルを一新し、現代的なデザインとなり質感も向上しています。また衝突安全規制の基準を満たすためにシャシーフレームを延長しています。それに伴ってフロントのノーズ部分を長くし衝突時の安全を確保しています。

パワーユニット

パワーユニットにおいて大きな変更は、それまでキャブレター仕様の機械式の燃料噴射装置でしたが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに電子制御の燃料噴射装置に変更しています。またエンジンが1,800ccの「F8型」のSOHC 3バルブ仕様となり、それまでの76PSから90PSへと最高出力が向上しています。ディーゼルエンジンも2,200ccの「R2型」の電子制御燃料噴射ポンプとなったために76PSから最高出力79PSへと向上しています。さらに、このもでるでは、「ディアルエアバッグ」、「ABS」も装備も設定しています。そして、「トラック」タイプには、ロング荷台モデルと4WDシングルタイヤモデルを追加しバリエーションを充実させています。

2000年以降の変更点

平成12年の騒音規制に伴って、2002年の8月にリセッティングを施し適合させ、ガソリンモデルは平成12年基準の排出ガス25%低減レベルの認定を受けています。同時に運転席エアバッグを標準装備としました。また「バン」タイプは、パワーウィンドウや集中ドアロックを標準装備としています。

2003年モデル

2003年モデルは、「新短期規制」、「首都高ディーゼル車規制条例」、「自動車Nox・PM法」が厳しく制定されましたが、「RF型」の2,000ccディーゼルエンジンターボモデルの設定により適合しています。またこの年のガソリンモデルは、最大出力や最大トルクを向上させ、シート生地を変更するなどのインテリアも変更しています。

2005年-2007年モデル

2005年モデルから2007年モデルは、主に安全基準や排ガス規制に伴う変更が行われたモデルです。まず、2005年の11月においては、フロントドアにターンシグナルランプを装着し灯火器安全基準に適合させています。そして2007年の8月でディーゼルエンジンの変更です。主にディーゼル・パティキュレート・フィルターを採用し、新長期規制に適合させたり、ガソリンエンジンも平成17年排出ガス規制に適合させるために排ガスのクリーン化のためにリセッティングしています。

「NV200バネット」

「バン」タイプは、2009年の5月に後継車の「NV200バネット」が発売しました。1994年以来15年ぶりに自社生産の「バン」タイプが復活となりました。ただし、「バネットバン」の1,800ccガソリンエンジン搭載4WDモデル、2,000ccディーゼルターボエンジン搭載モデルは、継続販売されています。「NV200バネット」は2010年モデルから1,800cc DOHCエンジンとなり、最大出力、最大トルクの向上を図っています。またこの時に大型のコンソールボックスを装着し居住性の向上と電動リモコンドアミラー、助手席SRSエアバッグシステムを標準装備し、安全性も向上しました。さらに「トラック」タイプは、荷台のアオリの高さを45mmも大型化し、積載性の向上を図っています。

2016年モデル

2016年モデルは、グレードが「バン」タイプには、4タイプあり「DX」「VX」「GX」「プレミアムGX」を設定しており、「ワゴン」タイプは、「16X-2R」「16X-3R」「プレミアムGX-2R」「プレミアムGX-3R」の設定となっています。

「バン」タイプ

「DX」は、ベースグレードとして「VX」グレードは、カラードバンパー、フルホイールキャップ、フロントパワーウィンドウを標準装備、「GX」グレードは、「VX」の装備にラゲッジフロアカーペット、ラゲッジサイドボックスを標準装備しています。そして「プレミアムGX」は、専用フロントグリル、組み込みタイプのフォグランプ搭載専用カラードバンパー、専用エンブレム、フルホイールキャップ、電動リモコンドアミラー、UVカット断熱プライバシーガラス、インテリジェントキーなどが標準装備となっています。

「ワゴン」タイプ

乗用モデルの5人「ワゴン」タイプの「16X-2R」グレードには、「GX」の装備にカップホルダー、可動式ヘッドレスト、カラードアミラーを追加した装備となっており、「16X-3R」は、「16X-2R」の装備にCD一体型ステレオを追加した標準装備です。「プレミアム16X-2R/プレミアム16X-3R」は、「プレミアムGX」の乗用モデルとなっており、装備も同様で違いとしては、ラゲッジサイドボックスが「GX」では、左側のみですが、「16x-2R/16X-3R」では、両側装備となっています。

燃費

燃費は、どのグレードも13.2km/L~14.0km/Lが平均燃費となっていますが、「16X-3R」「プレミアム16X-2R/プレミアム16X-3R」のみ平均燃費が12.8km/Lとなっています。

新車価格

価格設定は、「バン」タイプは200万円以下からの設定となっています。
ベースモデルの「DX」は、1,734,480円からで、「VX」は、1,847,880円からの設定とし「GX」を1,955,880円からとなって170万円からの価格設定です。
特別仕様の「プレミアムGX」のみ2,181,600円からを設定しています。
「ワゴン」タイプは、「16X-2R」を1,937,520円から「16X-3R」を2,045,520円からとしています。
「プレミアムGX-2R」は、2,223,720円からとなっています。
「プレミアムGX-3R」が、2,331,270円からとなっています。

主要諸元

エンジン:1,597cc 水冷直列4気筒 DOHC「HR16DE型」
最大出力:109PS/6,000rpm
最大トルク:15.5kgm/4,400rpm
トランスミッション:4AT
駆動方式:FF
サスペンション:F マクファーソンストラット R リーフリジット
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R リーディングトレーディング
全長:4,430mm
全幅:1,695mm
全高:1,850mm

中古車相場

ベースが商用モデルということもあり「1thモデル」「2thモデル」は、流通していることはめったにありません。中古車相場として探すことができるのは、「3thモデル」であれば30万円台から探すことができます。「NV200バネット」は最低価格75万から探すことができ、平均141万円となっています。

まとめ

商用モデルとして日産を支えてきた「バネット」は、一時OEMモデルとなったものの4thモデルから自社生産となり、ビジネスとレジャーなどに快適なモデルとして活躍しています。