【ベントレー ミュルザンヌ】高級車の最高峰スポーツブランドのフラッグシップモデル!

「ル・マン時間耐久レース」が名称の由来となっている「ベントレー・ミュルザンヌ」は、圧倒的な存在感と走行性能を持つ高級車です。その魅力に迫ってみたいと思います。

「ベントレー ミュルザンヌ(Mulsanne)」

イギリスの高級自動車メーカー「ベントレーモーターズ」から1980年に送り出されたのが「ベントレー・ミュルザンヌ(Mulsanne)」です。第一世代のモデルは、1992年までの12年間にわたって生産されました。また派生モデルにあたる「コンチネンタルT」、「アズール」などは、「ミュルザンヌ」の生産終了後も2000年代まで生産が続けられていました。

モデル名の由来

モデル名の「ミュルザンヌ」とは、世界3大自動車レースの一つ「ル・マン24時間耐久レース」で使用される「サルト・サーキット」の最も長いストレートの名前(ミュルザンヌストレート)が由来と言われています。これは、「ベントレーモーターズ」が、「ル・マン24時間耐久レース」で、5勝した活躍をもつモータースポーツの歴史をもとにしています。

1th「ミュルザンヌ」(1980-1987)

1980年に登場した1thモデルの「ミュルザンヌ」は、「ロールスロイス・シルバースピリット」のグリルを「ベントレー」に変更しただけの形にもとられるものでした。全長5,280mm、全幅1,890mm、全高1,480mm、ホイールベース3,061mm、重量2,250kgのボディサイズで、その「ミュルザンヌ」に搭載されていたパワーユニットは、ロールスロイス製の排気量6,747cc V型8気筒 OHVのアルミニウム合金製のシリンダーヘッド搭載のエンジンでした。当初は、SU型ツインキャブレター仕様でしたが、1986年からはボッシュ製の電子制御燃料噴射装置に変更されています。このエンジンに組み合わされたトランスミッションは、3速ATでした。

「ミュルザンヌ・ターボ」(1980-1987)

デビューから2年後の1982年に発表されたのが、「ミュルザンヌ・ターボ」です。モデル名としては1985年まで生産された「ミュルザンヌ・ターボ」は、ターボチャージャーはギャレット・エアリサーチ製が採用されて250PS以上の最大出力へと向上しました。インテリアは、豪華な仕様で光沢のあるウォルナット、ウールのカーペット、選り抜きの全く傷のないレザーが使用されたヘッドランニングが装着され高級感が漂う雰囲気でした。しかし1985年になると、「ミュルザンヌ・ターボ」は、電子制御燃料噴射装置を搭載することによって「ベントレー・ターボR(TURBO R)」にモデル名を変更しています。この変更によって最大出力は、295PSへ向上し、最大トルクも660N・mに向上しています。しかもモータースポーツで栄冠を手にしているベントレーは、サスペンションもリセッティングし、スタビライザーのレートを変更しフロントで60%、リアで80%アップされ、それに合わせてショックアブソーバも強化され、ラテラルロッドを追加装備しワイドタイヤを装着しコーナリング性能が大幅に向上しています。

「ミュルザンヌ・S」(1987-1992)

マイナーチェンジともいえるモデルが「ミュルザンヌ・S」で1987年に登場しています。このモデルは1985年に登場した「ターボR」のNAバージョンといえる仕様でした。サスペンションやホイール、インテリアも同様に仕上げられていました。1990年には、「オートライド」と呼ばれる自動車高調整機能(サスペンションに取り付けられた「オートライド」が100分の1秒で車高の傾きやスピードを検出し、車高を調整)が搭載されました。このモデルにモデル名の変更はありませんがイギリスでは「シリーズII」と呼ばれています。

2thモデル「ベントレー・ミュルザンヌ」(2010-)

新しい「ベントレー・ミュルザンヌ」は、2010年に「ベントレー・アルナージ」の後継モデルとしてデビューしました。この「ミュルザンヌ」は、1930年の8Lモデル以来、80年ぶりにベントレーが独自設計したフラッグシップモデルでもあります。そしてベントレーの最高峰モデルにふさわしい価格は3,380万円です。

エクステリアデザイン

エクステリアデザインは、「Sタイプ」、「S2サルーン」といった1950年代に生産されたモデルをモチーフとしてデザインされています。ボディワークは、ベントレー自社デザインで「スーパーフォーミング工法」という1枚のアルミ板を加熱し空気圧によって形成する工法が用いられ、ベントレーの伝統的なスタイルを継承しながらも先進的なデザインとなっています。ボディサイズは、全長5,575mm、全幅1,925mm、全高1,530mm、ホイールベース3,270mmという大きなボディで車両重量は、2,710kgとなっています。

ボディシルエット

個性的なヘッドライトを持つフロントマスクがデザインされた伝統的なベントレースタイルのフロントから優雅で流れるようなシルエットを持つサイドライン、そしてリアエンドでは、ボディ全体を絞り込むラインで描くことによってリアフェンダーを大きく見せ、スポーツ性を強調しているのが特徴です。

こだわりのボディ

アルミ合金製のボディ工程は、80から90時間がかかっており、ボディカラーは114色のバリエーション、塗装も職人が5日間かけて塗装しています。

インテリア

インテリアは、贅沢極まりない仕様となっています。室内を取り囲むように使用されているウッドの種類は9種類の木材を使用し、「ミュルザンヌ」1台に使用される最高級レザーは16頭分の牛の皮の量にあたります。しかもレザーは専門職人の手作業でレザー張りが行われ、スタンダードで24色が使用されています。さらに工程時間を考慮すると、ステアリングのレザーステッチの工程は15時間、クロスステッチ仕様は45時間の手縫いの時間がかかっています。

パワーユニット

搭載されているパワーユニットは、1958年「S2」からのエンジンをチューンし排気量6,752ccで可変バルブタイミングシステム搭載のV型8気筒DOHCヘッドにインタークーラーツインターボ搭載で最大出力512PS/4,200rpm、最大トルク102kgm/1,750rpmを発生します。また「ミュルザンヌ」のエンジンは可変排気量システムを装備しており、低負荷時には4気筒を休止することによって燃費の向上と環境性能を改善しているエンジンに仕上がっていました。このエンジンに組み合わされたトランスミッションは、ZF製の8速ATが搭載されています。ポテンシャルは、最高速度296km/h、0-100km/h加速5.3秒を発揮しています。しかも、このパワーユニットは、1日に3から4基しか製造されない代物です。

主要諸元

エンジン:6,752cc V型8気筒 DOHC インタークーラー付ツインターボ
最大出力:512PS/4,200rpm
最大トルク:102kgm/1,750rpm
駆動方式:FR
トランスミッション:8AT
全長:5,575mm
全幅:1,926mm
全高:1,521mm
ホイールベース:3,270mm
車両重量:2,710mm

2016年モデル

「ベントレー・ミュルザンヌ」は、それまでの2モデル、「ミュルザンヌ」と「ミュルザンヌ・スピード」に加えて「エクステンテド・ホイールベース」をそれぞれのモデルに設定し4タイプをなりました。

エクステリアデザイン

変更された点は、随所にわたります。フロントセクションは、バンパー、ボンネット、ラジエーター、フロントグリル、ヘッドライトなどすべて見直され、デザインが一新しています。中でもフロントグリルは、左右に80mmも拡大されており明らかなデザイン変化を見ることができます。リアデザインもリアバンパーのロワ・エッジを26mm拡大しており迫力を増しています。

インテリア

インテリアは、「Apple Car Play」、「Android Auto」、「Mirror Link」と連携できる8.0インチのインフォテインメント・システムが搭載されています。オーディオは、60GBのハードディスクを装備し、2200Wのアンプ、スーパー・ツイーターが搭載され、スピーカーも18個も装備されています。リア・シートも4G、Wi-Fi、Blue tooth接続可能の2つの10.2インチのタブレットを装備しています。

パワーユニット

パワーユニットは、手直しが行われた6,752ccの排気量を持つV型8気筒DOHCヘッドエンジンは、IC付ツインターボのリセッティングなどで最大出力512PS、最大トルク104kgmを発生し、0-100km/h加速5.1秒、最高速度296km/hへと向上しています。また燃費も向上しており、5.7km/Lだったものが6.8km/LへCO2排出ガスの量も393g/kmから342g/kmに減少することに成功しています。シャシーの変更については、「アクティブ・エンジン・マウント」と、サスペンションシステムのブッシュ類が見直されリセッティングされています。エアサスペンションシステムは、「連蔵可変式ダンピングコントロール(CDC)」の搭載によって、高速走行時に車高を自動的に下げてダウンフォースを増加させ走行安定性を向上させるとともに、低速走行時も柔らかくしなやかな快適な走行を確保できるようになっています。また、走行シーンに合わせてセッティングを選べる「ドライブ・ダイナミクス・コントロール」を搭載しています。これは、「ベントレー(Bentley)」、「スポーツ(Sport)」、「コンフォート(Comfort)」、「カスタム(Custom)」の4つのモードにセレクト可能となっています。高級「スポーツ・サルーン」として走行性能が向上しただけでなく静寂性も求められる「ミュルザンヌ」は、4dBもロードノイズの低減に成功した「ダンロップ社」と共同開発された専用タイヤが装着されています。

「ミュルザンヌ・スピード(Mulsanne Speed)」

「ミュルザンヌ・スピード」は、ドライバー重視に設計開発されたモデルです。このモデルにも「エクステンテド・ホイールベース」モデルが設定されています。

主な変更点

スタンダードモデルの可変バルブタイミングシステム搭載のツインターボ DOHC 6.75L V型8気筒エンジンをチューンし、最大出力は、537PS、最大トルクは112.1kgmに向上しています。ポテンシャルも0-100km/h加速は4.9秒、最高速度306km/hに向上しています。エクステリアデザインは、21インチの専用ホイール、クロームパーツがダークカラー仕上げとされています。またバンパーも専用デザインとなり、エキゾーストもスポーツタイプが装着され、明確な区別ができます。

主要諸元

エンジン:6.752cc V型8気筒 DOHC インタークーラー付ツインターボ
最大出力:537PS/6,000rpm
最大トルク:112.1kgm/1,750rpm
圧縮比:8.9対1
駆動方式:FR
トランスミッション:8AT(エレクトロニックインターシフトフェイス)
全長:5,575mm
全幅:1,926mm
全高:1,521mm
ホイールベース:3,256mm
車両重量:2,685mm
0-100km/h加速:4.9秒
最高速度:305km/h
新車価格:38,350,000円

「エクステンテド・ホイールベース(Extended Wheelbase)」

「ミュルザンヌ」に新たなモデルとして加わったのが「エクステンテド・ホイールベース」と呼ばれる航空機のファーストクラス同等のリクライニング・リア・シートが装備された豪華仕様です。

主な変更点

スタンダードの「ミュルザンヌ」よりリアのスペースが250mm拡大されています。これによってリアのコンパーメントがガラスによって仕切られフロント・シートから全く隔離された空間となります。オーダーとして専用のサンルーフ、格納式テーブルを設定することができます。

まとめ

伝統と歴史を持つ「ベントレー・ミュルザンヌ」は、そのモデル名の由来がモータースポーツにちなんでいること、ベントレー社自体がモータースポーツと深くかかわってきたことから高級スポーツ・サルーンという、「より速く、より快適、そして最高級のデザインとパーツ」を兼ね備えたモデルです。その存在感は他の車を圧倒する名車といえます。