【スバル レックス】王様の意味を持つモデル名はスバル独自の技術に溢れてた軽自動車だった!レックスコンビや中古車情報も!

スバル独自の技術がどのモデルにも投入された「スバル・レックス」は、当初から四輪独立懸架システムなど画期的な装備を盛り込んだ贅沢な軽自動車でした。その魅力に迫ってみたいと思います。

「スバル レックス(REX)」

テントウムシの愛称で親しまれた「スバル・360」、ヨーロッパスタイルで人気となった「スバル・R-2」に続くモデルとして登場したのが「レックス(REX)」です。スバルが生産した軽自動車の中で「スバル・サンバー」とともにモデルチェンジをしながら長年にわたって、同社の経営を支えたモデルでもあります。

1thモデル(1972年-1981年)

1thモデルは、1972年7月に発表されました。先代モデルの「R-2」の1971年に追加搭載されていた水冷型エンジンをリアに搭載しRR駆動方式でデビューしています。

車体デザイン

エクステリアデザインは、シャープな曲面、角張ったシルエットを複雑に取り入れたものでした。と丸目2灯式のヘッドライトに逆スラントノーズに逆台形型のグリルを装備したフロントマスク、ウェッジシェイプを強調したサイドからリアに描くライン、リアサイドのガラスは、斜めにカットされたタイプのデザインし、リアのフェンダーに膨らみを持たせ軽自動車を大きく、そしてアグレッシブなエクステリアデザインとしていました。またアウターハンドルもヒドゥンタイプを採用し、スポーティさを演出し若者層をターゲットにしたものでした。

インテリア

スポーツモデルのツインキャブレター仕様の「GSR」になるとタコメーターが装着され4連メーターとなり、上級グレードの「カスタム・L」になるとフロア全体にカーペットが敷き詰められていたり、シートやドア内貼りの合成レザーが、マーブル柄で個性的なおかつ豪華な印象を受ける仕様になっていました。

グレード設定・パワートレイン

搭載されるエンジンは、空冷エンジンの設定はなく、先代モデルの「R-2」の水冷2サイクル2気筒エンジンを継承していたものの、キャブレターの仕様に3タイプ設定することによってグレードの差別化を図っていました。シングルキャブレター仕様の「カスタム・L」、「スーパーL」、「ラグジュアリー」、「デラックス」、「スタンダード」は、32PS仕様に設定されており、「TS(ツーリング・スポーツ)」はシングルキャブレター仕様であるものの35PS、スポーツモデルの「GSR」は、SOLEX製のツインキャブレター仕様で37PSの出力が発生するようにセッティングされていました。これらのエンジンをリアに搭載し後輪駆動を採用したRRで、トランスミッションは、4MT、5MTを組み合わせていました。またサスペンションシステムは、スタビライザー付きの四輪独立懸架、上級モデルは、フロントディスクブレーキを装備していました。そして、「カスタム・L」、「スーパー・L」には、「スバルISV(アイドル・サイレンス・バルブ)」という2サイクルエンジンのアイドリング時の音を抑える装備が施されていました。

主なマイナーチェンジ

1973年の10月のマイナーチェンジで、初期型に搭載されていた2サイクルエンジンの「EK34型」から排気ガス規制に対応するために4サイクルエンジンの「EK21型」に変更され、「カスタム・L」のフロントブレーキがディスクブレーキに変更されています。1974年の9月には、軽自動車初となる「ブレーキモニター」を採用しています。1975年の3月のマイナーチェンジでは、「ハイルーフ」を採用しています。これは、乗用車、商用車を兼ねてボンネットタイプの車両としては、国産初でした。1976年の5月においては、軽自動車の規格改定が実施され、「レックス」もエンジンを排気量アップし500ccとし「EK22型」エンジンに変更、ボディサイズも拡大しモデル名称が「レックス・550」となりました。しかし、その後1977年の5月に排気ガス規制に適合させるとともに排気量も550ccにアップさせることとなりました。1980年の3月には、クラッチペダルレスとするAT、「オートクラッチ」という電磁粉体クラッチを採用しました。

2thモデル(1981年-1986年)

2thモデルとなる「レックス」がデビューしたのは、1981年の10月です。大きな変更点は、駆動方式です。初代がRR方式の後輪駆動を採用していたのに対して、前輪駆動のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式になりました。これは、時代の流れでもありましたが「スバル・360」からRR方式を貫いていたスバルにとっては、大きな転換点となりました。キャッチコピーは「ビッグミニ」でした。

車体デザイン

2thモデルとなってエクステリアデザインは、初代のデザインを残しつつもスクエアな2BOXスタイルとなりました。ウィンドウも大きく、平面を多用したデザインとなり視界も向上したデザインとなりました。実用性を重視したデザインを採用することによって乗用モデルの軽自動車クラスでは、最大レベルの室内長とトランク容量を確保していました。そして、特筆すべきはクラス最長のホイールベースによってボディ全体を大きく見せることができるとともに直進安定性の向上にも貢献したデザインとなっていました。

エンジン

搭載されていたエンジンは、初代の「EK23型」の550cc 水冷直列2気筒 SOHCを改良し2バランサーシャフトをとうさいしたエンジンでした。最大出力は31PS/6,000rpm、最大トルク4.4kgm/3,500rpmを発生し、カタログデータの燃費は、「レックス・コンビ」で29.0km/L、「レックス・5ドアセダン」で21.0km/Lでした。このエンジンにトランスミッションは、4MTと電磁オートクラッチATの組み合わせでした。そして、サスペンションシステムは、スバル伝統の四輪独立懸架を採用し、乗り心地と走行安定性を向上させていました。

ホットモデル「レックス・コンビ 4WD TURBO」

1983年12月にホットモデルの「レックス・コンビ 4WD TURBO」が登場しました。1980年代は自動車業界においてパワーウォーズが巻き起こり、各社ターボチャージャーやスーパーチャージャーを搭載したモデルを発表していました。この現象は、軽自動車業界においても同様で、まず「三菱・ミニカ」がターボを搭載、そして「スズキ・セルボ」に続いて「スバル・レックス」がターボを搭載したのでした。

パワーユニット

ベースエンジンの「EK23型」に日立製の36mmターボチャージャーを搭載し、最大出力41PS/6,000rpm、最大トルク5.9kgm/3,500rpmを発生しながら、カタログ表記の燃費は、27.6km/Lとなっています。組み合わされたトランスミッションは、専用チューンが施された5MTでした。しかも、シフトレバーに装着されたスイッチで2WDと4WDを切り替えることができるパートタイム電子制御4WDシステムを採用し、スバル伝統の四輪独立懸架のサスペンションシステム(F ストラット/コイル、R セミトレーリングアーム/コイル)を採用し、最小回転半径は、4.5mとベースモデルと、さほど変わらない小回りの良さです。そして、ブレーキシステムは、軽自動車初のフロントにベンチレーテッドディスクを採用していました。

エクステリア/インテリア デザイン

走りを意識したエクステリアデザインは、ブラックカラーにオレンジのピンストライプが入り、フロントのスポイラー風になったデザインとなっています。リアもリアハッチにスポイラーが装着されホットモデルらしいデザインとなっていました。またサンルーフも装着されており豪華な仕様でした。インテリアは、レッド/ブラックの2トーンカラーのバケットシート、インパネはタコメーターに加えて、ステアリングホイールにステアリング蛇角を表示する「ステアリングガイド」と呼ばれる装備もありました。

3thモデル(1986年-1992年)

1983年の11月フルモデルチェンジを行ない3thモデルの「レックス」が登場しています。先代モデルのデザインを継承し、大きなキャビンが特徴でした。

車体デザイン

シンプルなデザインでショートノーズ・ビッグキャビンを持つ3thモデルは「ビッグキャビン&ストリームデザイン」と呼ばれ、室内空間のスペース効率の向上が図られるだけでなく、フロントウィンドウの傾斜角度を強く傾け、フロントバンパーをエアダム効果が向上させ、ドリップレールを廃止し徹底したエアロダイナミクスが図られたデザインでもありました。このデザインによって軽自動車クラスでは、トップのキャビンの広さを与えられていました。またホイールベースを先代モデルより、さらに拡大させ走行安定性を向上させている点も特筆すべきデザインといえます。

エンジン

搭載されていたエンジンは、2thモデルに引き続き「EK23型」エンジンだったものの細かな点まで改良がくわえられ熟成されたエンジンに変わっていました。ベースモデルのエンジンは、最大出力30PSでしたが、新たに3バルブ仕様(1気筒にインテークバルブ2本、エキゾーストバルブ1本)のエンジンは、NA仕様でも最大出力36PS/7,000rpm、最大トルク4.4kgm/4,400rpmを発生していました。このエンジンは、スポーツモデルの「R」、「SR」に搭載されていました。組み合わされたトランスミッションは、4MT、5MTに加えて、アイシン精機製のトルクコンバーター式の2ATを設定していました。また4WDモデルは、先代モデルのパートタイム方式を継承し、サスペンションシステムも四輪独立懸架の前後ストラット式を採用していました。ブレーキシステムは、フロントにディスクブレーキを採用していました。

スバルならではの独自モデル

「スバル・レックス ECVT is」

1987年に「レックス ECVT is」を発表しています。「ECVT(Electro-Continuously Variable Transmission)」は、電子制御電磁クラッチ式自動無段変速機で、特殊ベルトとプーリーによって、ローからオーバードライブまで、全く変速ショックを感じることをさせない滑らかな走行を可能としていました。

「フルタイム4WD」

1987年「フルタイム4WD」を発表していますが、この4WDシステムは、「ツインビスコ」と呼ばれるフルタイム・ビスカストランスファー機能、マルチディファレンシャル機能、リミテッド・スリップ・ディファレンシャル機能という3つの機能を備え、前後輪の駆動力配分と後左右輪のLSDを同時に兼ね備えたシステムでした。

「スーパーチャージャー」

1988年には、「レックス・スーパーチャージャー」が登場しました。3バルブの「EK23型」エンジンにインタークーラー付きスーパーチャージャーを搭載し、電子制御燃料噴射装置のEGIによって最大出力55PS/6,400rpm、最大トルク7.4kgm/4,400rpmを発生させ、ターボラグなしの加速フィールを味わうことができる仕様となっていました。またエクステリアデザインもフロント、サイド、リアとフルエアロを装着、専用アルミホイールで武装し、インテリアもバケットシートになっていました。そして、屋根が開くオープントップモデルまで設定されていました。

「EN05型」仕様

1989年モデルになるとエンジンをクラス唯一の直列4気筒のクローバー4と呼ばれる「EN05型」に変更し、スーパーチャージャーモデルは、最大出力61PS/6,400rpm、最大トルク7.6kgm/4,400rpmへとパワーアップし、スーパーチャージャーは4WDモデルにも搭載されました。

「EN07型」仕様

1990年になると軽自動車の規格に変更が施され、「レックス」は660ccエンジンへと排気量を引き上げ「EN07型」エンジンを搭載しました。最大出力64PS/6,400rpm、最大トルク8.6kgm/4,400rpmとなり「スズキ・アルトワークス」や「ダイハツ・ミラターボ」と並び規制枠のフルパワーとなりました。フルエアロやデュアルエキゾースト、オープントップに加えてボンネットにエアスクープ、空力性能を向上させたフロントグリルやフロントバンパーが装着されていました。1993年の3月に「レックス」は、生産を終了し後継モデルの「ヴィヴィオ」が登場します。

中古車相場は?

「レックス」の中古車相場は、1thモデルは現存する個体が非常に少なく「ASK」の価格応談となっています。中古車で出回ることは滅多にないのが現状です。2thモデルは、20万円から探すことができますが、このモデルもレアでターボモデルなどは市場に出回ることは非常に少ないです。3thモデルも20年以上も前のモデルのためにスーパーチャージャーを搭載モデルなどは見かけることは、ほぼありません。NAモデルですと平均相場は16万円となっています。低価格で見つけることができます。

まとめ

「スバル・レックス」は、スバルの中の軽自動車でモデルチェンジを行ないシリーズ化した珍しいモデルで、どのモデルもスバルらしさが随所に投入された名車といえるクルマです。