【ボクサー】マツダ初のトラック!短命な歴史&特徴紹介

現在のトラックメーカーと言えば「いすゞ」「日野」「UD」「三菱扶桑」と言ったように確立されています。しかし、1960年代後半に「マツダ」はそれらの中の1つに入ろうと「ボクサー」と呼ばれるトラックを製造・販売していたのです。ではどのようなトラックか? 早速皆さんも一緒に見ていきましょう。

【ボクサー】マツダ渾身のトラックが辿った歴史

1968年にマツダ初めてのトラックとしてデビュー!

1960年代当時は高度経済成長期の真っ只中。1964年の東京オリンピックの開幕に始まり、1970年には大阪万博と言った大イベントも目白押し。そして首都高だけではなく「東名高速道路」「東海道新幹線」と言った大々的な道路・路線開発まで行っていた時代です。(今では考えられないほどの規模で建設・工事が進んでいました)

そこで必要となるのが工事現場の土砂や荷物を運ぶために必要な3.5~4tの中型トラックだったのです。そこに目を付けたマツダは1968年に「ボクサー」の販売をスタートしたのです。ボクサーは中型トラックを求める方々のニーズに応え、3.5t・4tのように別々のサイズを揃える。またクレーン・タンクローリー等のような特殊車両としても販売を行い、様々なニーズに応えていったのです。

マツダ タイタンのために3tの座を明け渡す

4代目タイタン(1989年発売)ワイドキャビン2t積み

1970年代半ばに入るまで、マツダのボクサーは数々の改良を施されてきました。タンクローリー・ショベルカーだけではなく、より幅広いニーズに応えるため「ダンプ」「バキュームカー」の特殊車両を用意する。またエンジンを発売当初の「直列6気筒 YA型ディーゼルエンジン(3,783cc・110PS)」から1972年~1973年にかけて「YA」から「ZA」に変更しました。これにより最高出力が「115PS」に向上したのです。

その一方、徐々に高度経済成長期が落ち着いてきますと中型トラックのニーズよりも1,5t~2tの中型トラックよりも小型のニーズが高まってきたのです。そこでマツダはボクサーの他に「タイタン」と呼ばれるボクサーよりもコンパクトなトラックの販売をスタートしたのです。その発売と同時に「タイタンはコンパクト」「ボクサーは中型~大型」と言う差別化を図るために、ボクサーが抱えていた「3.5t」の座をタイタンに明け渡すことになったのです。

そしてボクサーは4~4.5tトラックと言う分野で固定されることになりました。

改良を重ねたエンジン!しかしボクサーにも終わりが見えてきました…

マツダの中型トラック部門を支えるべくボクサーは1975年、大々的な改良が施されました。特にエンジン部分には力を注いでいたのが良く分かります。当初のボクサーのエンジンを共同開発していたイギリスの「パーキンス社」そのパーキンス社と再び手を組み「直列6気筒 ZC型ディーゼルエンジン(5,500cc・145PS)」を開発したのです。1975年にはこのエンジンを搭載した「ボクサー5500」が販売されたのです。

エンジン以外にも改良を施され、その中の例を挙げると「パワーステアリングの追加」「4~4.5tにオプションではなく標準でロングボディにすることも可能」「外装の一部変更」が行われていました。しかし、ボクサーにも終わりの時が近づいてきたのです。

競合他社の存在、特にトヨタの存在が大きく例えば「トヨエース」「ダイナ」と言った中型トラックに市場を取られていきます。そして一番厄介な「1979年 排出ガス規制実施」にクリアできなかったのも痛いところ。そこでマツダは現在発売しているタイタンにボクサーで扱っていた「4t」の分野を追加することで難を逃れたのです。しかし、タイタンに4tの追加がきたことでボクサーの存在意義がなくなり1980年にひっそりと姿を消したのです。

マツダ ボクサーはここがすごい!他のトラックに見られない特徴とは?

ヘッドランプ上部に設けられたコーナーウィンドウ

他のトラックと違う部分として最も特徴的なのが、ヘッドランプ上部に設けられた「コーナーウィンドウ」です。写真でも見えると思いますが、両端に設けられており「前方の視界をより広げることで安全性を高める」と言った狙いから設けられたようです。確かに一部分を窓にすることで視界を確保するのは素晴らしいと思います。しかし、コーナーウィンドウを確認するには運転中視線を反らさなければいけません。これでは危険運転になりかねません! その影響もあったからか当時はあまり人気のあるものではなかったようです。

キャビンがベッドになる変わった設計

ボクサーの特徴的な部分として忘れてはならないのがキャビンがベッドになることです。写真の席を倒せば開放的な空間の下、体をゆっくり休ませることができるのです。これはボクサー独自の設計であり、他メーカーではなかなか見られない仕組みです。

最後に

いかがでしたか? マツダのボクサーの名称は当初「ボクサーエンジン?」のことかと思われていたようですが、実際は異なり「たくましく俊敏な犬」として知られる「ボクサー犬」から名前をいただいたようです。歴史を辿りますと約10年間と言う短い期間ではありましたが、その10年間で大きくマツダのトラック技術が世に知れ渡ったと思います。現在あるタイタンには頑張ってもらいたいところです!