【MINI クーパー・コンバーチブル試乗】非日常が楽しめるファッショナブルなクルマ!

発表と同時に でも紹介したMINIクーパー・コンバーチブル。今回は試乗する機会を得ることができました。MINIというのは、スポーティカーともファミリーカーとも言えるスタンスです。さらにコンバーチブルとなると、今度はお洒落なクルマとなります。ソフトトップの開閉もスイッチ一つで短時間でできるということで、走りと同時にその使い勝手なども見ていきましょう。(飯嶋洋治/RJC会員)

MINI クーパー・コンバーチブルとは?

photo by iijima

2016年3月2日にリリースされた新型MINIクーパー・コンバーチブル。 でもその概要はお伝えしていますが、ここで、もう一度簡単に紹介しておきましょう。

同車は、MINI3ドアをベースとしたコンバーチブルです。Convertibleは「変えられる」という意味があります。つまりオープンにもクローズドボディにもなる仕様ということです。MINIの軽快は走りはそのままに、電動ソフトトップによって、爽快なオープンエアドライビングを楽しめることを意図したクルマと言っていいでしょう。

さらに、コンパクトセグメントでありながら、大人4人が余裕を持って乗車できることに配慮し、コンバーチブルという「ファッションアイテム」ともなることから、後に解説するオリジナルの一台を作ることができるともいえる「MINI Yours デザイン・プログラム」の採用など、ユーザーの好みにより合わせる配慮がなされています。

エクステリアは?

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基本はMINI 3ドアですのでエクステリアで目新しい部分は、ルーフ(ソフトトップ)を閉じている分にはありません。クラシックミニのオーマージュともいえる丸型のヘッドライトやフロントグリル、そしてボディ全体のシルエットなどは、いわゆる“ニューミニ”のそれとなっています。試乗車のボディカラーはエレクトリック・ブルー・メタリックと呼ばれるもので、これはこれで爽やかでいい色ですが、MINIコンバーチブル専用の外装色として、カリビアン・アクアも設定しているそうです。

ポイントの電動ソフトトップは、閉じた状態でもロールーフな感じがしてなかなかスマートで引き締まった感じがします。MINIの定番とも言えるルーフのユニオンジャック模様もソフトトップの生地に織り込むなどのこだわりを見せるものとなっています。

ソフトトップを開けたスタイルの変化は、別のクルマになったかのように大きい!

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後にも解説しますが電動ルーフを開けると、このクルマの本来の? スタイルが現れます。ルーフが元から無かったかのような、スパっと上部を切り取ったようなシルエットは「これぞオープン!」と主張してきます。もちろんかっこいいのは異論はないのですが、そのかっこよさをドライバーにも要求してくる感じで、(私には)ちょっとハードルが高いかもしれません……。

この電動ソフトトップは30km/hまでなら走行中に開閉可能となっています。にわか雨などに見舞われた時も、停車させることなく閉じることができるのは、ありがたい機能です。スライディングルーフも装備していますから、それだけ開けても開放感が味わえます。そういう面では「高機能ソフトトップ」と言えるでしょう。

インテリアは?

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MINIは新型となり、センターメーターがセンターディスプレイになりましたが、基本的には円を基調とした統一感のあるデザインとなっています。こうしたクルマは自己主張のためのクルマでもあることから、質感、高級感には相当にこだわったものと感じました。実用面でも先代から改善され、特に後席空間は、先代のMINIから、横方向に約30mm、前席との足元スペースを約40mm拡大して余裕をもたせています。
 また、発表会のレポートでも紹介していますが、トランク容量は先代から40リットル拡大し、スルー・ローディング・システムの開口部も広げて、より使い勝手を良くしています。

「MINI Yours デザイン・プログラム」でお気に入りの一台を作り出せる。

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また、エクステリアとも関連しますが、新しいオプションプログラムとして「MINI Yours デザイン・プログラム」が採用されていることもポイントです。これは気に入った装備を一品ずつ選択できるとともに、従来のオプション装備品と組み合わせることができ、その組合せでオリジナルのMINIが出来上がるといったものです。ユニオン・ジャックのソフトトップも「MINI Yours デザイン・プログラム」の一環ですし、カフスボタンのようなバッジ、エンボス加工を施されたレザーによるエンブレムなどをあしらったレザー・シートなどなど、好みに応じて選べるようになっています。

乗り心地は?

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今回試乗したのはMINIクーバー・コンバーチブルです。すでにMINIクーパー・クラブマンには何度か試乗しているので、センターコンソールのスタータースイッチを探すこともなく、スムーズに? 走りだします。私の場合、比較対象がクラブマンとなってしまいますが、感じるのは適度な足の硬さで、いわゆるMINIの「ゴーカートフィーリング」と言っていいものでしょう。

以前乗ったクラブマンの試乗記にも書きましたが、その時は「ゴーカートフィーリング」と謳ってはいても、私にはあまりそれが感じられず「けっこう普通」というイメージでした。これは車集やコンバーチブルのホイールベースが2,495mm、クラブマンのホイールベースが2,670mmなので、ピッチング方向の動きとも関係しているだろうと思います。言ってみればようやく「ミニの本来の足」を実感したということでもあります。

ステアリングフィール、ブレーキフィールの上質感こそ真骨頂!

試乗したのは海沿いの一般道で、スピード領域も高いものではありませんが、ステアリングフィールは常に適度なフィードバックを与えてくれます。現代の感覚でいうとちょっと重い部類なのかもしれませんが、私にはちょうど良いという感じでした。また、ブレーキフィーリングも、踏力に応じて効く感じで非常に使いやすいと思いました。特に外国車びいきのつもりはないのですが、総じて国産車のブレーキは軽い踏力で強く効く感じのものが多く、この辺はブレーキに対する考え方やユーザーの求めるものの違いなのか? などと深読みしてしまいます。

エンジンフィールや静粛性は?

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試乗車のエンジンは1.5リッター直列3気筒をツインパワーターボで過給したもので、トランスミッションは6速ATとなります。これはBMWのダウンサイジングターボの最先端エンジンとも言え、アクセルを踏み込めばリニアに反応して1.3トンのボディを引っ張るパワフルなものですが、当然ながら、かつてのターボエンジンような過給でパワーを絞り出すという過激さはありません。

静粛性がクローズドボディに比べて下がるのは、ソフトトップの宿命か?

このエンジンはMINIクーパー・クラブマンでも何度か試乗しているので、ある程度慣れているつもりだったのですが、今回はエンジン音が気になるなと感じました。それまでは3気筒エンジンを意識させなかったのが、やっぱり3気筒らしく? アクセルを踏み込むと振動音が聞こえる感じです。そこはコンバーチブルということで、静粛性に制限がある性質上いたしかたない部分だろうと思います。そういうことでは、アイドリングストップからのエンジン始動もやはりクローズドボディに比べれば目立つという感はありました。

6速ATはステアリングにパドルシフトこそないものの、左側に倒してマニュアルモードを使えば、セレクターレバーの操作でシーケンシャルシフトが可能です。もちろんこの辺は好みの問題ですが、パドルシフトだけで、セレクターレバーで操作できないよりも、パドルシフトがなくてセレクターレバーで操作できた方が違和感なく操作できるように思います。

オープントップでの走行感は?

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しばらくソフトトップを閉じたまま走って、試乗の折り返し地点で停車してソフトトップを開けます。スイッチを手前に引くとまずサンルーフが開きはじめます。続いてソフトトップ全体が開きはじめ、リアエンドの部分に幌が折りたたまれた状態で収納されます。「幌がたたまれてここにありますよ」と主張しているようで、これはこれでファッショナブルな感じもします。

当日は、あいにくの曇り空となってしまいましたが、クローズドからオープンでの走行に切り替わると、全く違うクルマになったかのような感覚を味わえます。それは風が当たるからとか、景色が広がるからといった物理的なものではないような気もします。精神的な要素も多いのでしょう。

スイッチひとつで日常と非日常を切り替えられる利便性を持つ!

大げさかもしれませんが、クローズとオープンというのは「ハレとケ」関係にも似ているのではと思いました。もちろんクローズドは日常で、オープンというのが非日常。オープンではある種の覚悟も必要になりますが、日々の「けがれ」を落として、晴れ晴れとした気持ちでドライビングするのも、日常に追われる現代人にこそ必要なのかもしれません。

現実的な話に戻りますが、こうなると、風切り音も含め、周囲からの雑音が多くなるために、エンジン音が全く気にならなくなります。ルーフが無い状態で走るということは、転倒時などに頭部を保護する必要が出てくるわけですが、それを含めた安全装備にも触れておきましょう。万が一の車両横転などの時には、ロールオーバー・プロテクション・システムが設置されています。これは、旧来から装着されている安全装備で、センサーで横転の危険を感知したときに展開するもの。新型MINIでは、安全性はもちろん、よりボディデザインと同一化して、スタイリングの一部を担っています。

現代的な安全装備の充実も抜かり無く行っている。

他にも現代的な安全装備が採用されています。前走車や歩行者との距離が縮まって、衝突の恐れがあると警告音を発して、ブレーキ操作のアシストの準備をする「歩行者検知機能付前車接近警告」、衝突が不可避となった場合に自動ブレーキをかける「衝突被害軽減ブレーキ」、クルーズコントロールを使用中、前走車の減速に合わせて、自車のスピードを調節し車間距離を保つ「アクティブ・クルーズ・コントロール」、運転中に必要な情報を、電動でダッシュボード上に現れる透明のブレートに映し出し、ドライバーの視線を動かすことなく、運転をサポートする「ヘッドアップ・ディスプレイ」他、の装備品が設定されています(一部はオプション)。

主要諸元

【「MINIクーパーコンバーチブル」主要諸元】カッコ内は「MINIクーパーSコンバーチブル」
型式 DBA-WG15(DBA-WG20)
ステアリングホイール位置 右
定員 4名

【エンジン】

型式 B38A15A(B38A20A)
種類 3気筒DOHC(4気筒DOHC)
総排気量 1,498cc(1,998cc)
ストローク☓ボア 94.6mm☓82.0mm
最高出力 100kW/136PS/4,400rpm(141kW/192PS/5,000rpm)
圧縮比 11.0
燃料供給装置 電子燃料噴射装置
燃料タンク容量 40L(44L)
過給装置 MINIツインパワー・ターボ
燃料消費率 JC08モード 16.7km/L(16.3km/L)

【サイズ】

全長 3,835mm(3,860mm)
全幅 1,725mm
全高 1,415mm
ホイールベース 2,495mm
車両重量 1,320kg(1,360kg)
トランク容量 215L/オープン時は160L
最小回転半径 5.15mm

【タイヤ/ホイール】

タイヤサイズ F/R 195/55R16(205/45R17)
ホイールサイズ F/R 6.5J☓16(7J☓17)
ホイール材質 アロイ
※「MINIクーパー・コンバーチブル」は、エコカー減税対象モデルとなり、自動車取得税が20%減税、重量税が25%減税。

まとめ

当日はあいにくの雨が振ったり止んだりの天候でした。オープンにしたときはちょうど晴れ間も見え、「このまま回復するかな?」とも思ったのですが、怪しい雲行きにルーフを閉じると、また雨が……。でもやはり私にはルーフを閉じて走るほうがしっくりくるようにも思いました。ただ、そのルーフの綴じ方ひとつにしても、ソフトトップであるにもかかわらず、フロントウインドウの上部にかっちりとハマる感覚は、ありていなイメージですが「これぞドイツ車」と言う感じを持たせるものでした。

さて国産でコンバーチブル(オープン)車を考えてみると、マツダロードスター、ホンダS660、ダイハツ コペンあたりがぱっと思いつくところで、どれもスポーツ路線。なかなか気持ちよくオープンエアを楽しむ季節が少ない日本だからという面もあるにせよ、こうした、コンパクトでお洒落で、普段使いもできるという車種はあまり思い当たりません。そういう意味ではMINIクーパー・コンバーチブルはかなりいい位置をキープしているように思います。

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