【日産 キューブキュービック】日産のミニバンにおける隠れた”名車”を振り返る

日産のお手頃なクルマとして人気を獲得したキューブから派生して登場したキューブキュービック。ミニバンながらも扱いやすいサイズであることと、親しみやすいデザインだったためファミリーカーとして女性からも男性からも支持を得ました。今一度、その魅力を振り返ってみたいと思います。

キューブキュービックとは?

画期的な3列シーターコンパクトミニバン!

キューブキュービックは日産が2003年より製造・販売していたコンパクトサイズのミニバンです。2008年に生産が中止され、5年間という短い歴史に幕を閉じましたが、その間キューブキュービックはカスタマーから高い人気と支持を受け続け、今でもコンパクトミニバンとして”名車”だったと大変高い評価を受けることもあります。キューブキュービックの最大の特徴でありセールスポイントだったのは、全長が4mにも満たないボディに1.4Lしかないエンジンを搭載する完全コンパクトカーであったにも関わらず、3列シートを採用しており乗車定員は7人という、意外性のある実用的なクルマだったということです。キューブキュービックの誕生には日産 キューブの存在が大きく関係しています。名前からも察することができますが、キューブキュービックはキューブ第2世代の派生モデルとして登場したクルマです。ベースとなっているキューブとの外観上の違いはほとんどなく、全長、フロントグリル、リアエンブレムくらいしか相違点がありません。

キューブをちょっとおさらい!

キューブキュービックが生まれる元となったキューブはどんなクルマなのかを軽くお話します。キューブは1998年より日産のトールワゴンの主戦力として展開しているクルマで現在に至るまで、幅広い層のユーザーに愛されている、ドライバーフレンドリーなワゴンです。1998年~2002年まで生産されていた初代キューブはかなりスポーティさ溢れるエクステリアデザインをするヤンチャなモデルでしたが、2002年にフルモデルチェンジを施し、第2世代となったキューブは方向性が180°変わったようなオシャレで可愛らしいデザインとなり、女性からの支持を意識したモデルとなりました。実際このモデルチェンジ以降、キューブの女性ファンは増え、キューブは新たなユーザーを獲得しました。そして、キューブキュービックのベースとなったのもこのキューブ第2世代。2002年の販売からちょうど1年後の2003年9月にキューブキュービックの販売が始まりました。キューブキュービックは前述の通り2008年で日産のラインナップから姿を消す形となりましたが、キューブはその年にフルモデルチェンジが行われ第3世代となり、現在でも製造・販売されており、日産の主戦力となるトールワゴンとして活躍しています。

キューブキュービックのグレードラインナップは?

主なグレード

「EX」
駆動方式:FF
エンジン:CR14DE
トランスミッション:4速オートマティック/CVT-M6(6速マニュアルモード付)
主な装備:CD一体AM/FM 電子チューナーラジオ、UVカット断熱機能付プライバシーガラス、インテリジェントキー、オゾンセーフフルオートエアコン(デジタル表示)、オートライトシステムなど

「SX」
駆動方式:FF
エンジン:CR14DE
トランスミッション:4速オートマティック/CVT-M6(6速マニュアルモード付)
主な装備:CD一体AM/FM 電子チューナーラジオ、UVカット断熱グリーンガラス、リモートコントロールエントリーシステム、オゾンセーフマニュアルエアコン、14インチフルホイールカバーなど

「Agiactive」
駆動方式:FF
エンジン:CR14DE
トランスミッション:4速オートマティック/CVT-M6(6速マニュアルモード付)
主な装備:専用フロントバンパー、専用フロントグリル、専用サイドシルプロテクター、15インチアルミロードホイール、フロントフォグランプなど

追加グレード

「14S」
概要:「SX」に変わって登場した新ベーシックモデル。

「15M」
概要:「SX」に変わって「14S」と共に新しい標準モデルとなったグレード。

「14RS」、「15RX」
概要:スポーツ仕様モデル。

「15S FOUR」
概要:エンジンに「HR15DE」を搭載した、フルタイム4WDモデル。トランスミッションは4速オートマティック

キューブキュービックのエクステリア・インテリアは?

可愛くてオシャレなキューブそのままなエクステリア

ここでキューブキュービックのエクステリアについて触れようと思いますが、そもそもキューブとの外観上の違いがほとんどないため、見分けがつきにくいというのが事実。3列シーターなので横から見ると、確かにキューブより長いということがわかる程度です。キューブキュービックのデザインがほとんどベースとなったキューブのデザインから変えられずに採用されたことは、キューブのデザインがいかに支持されていて人気があったかを裏付けています。ボディ自体も全長は4mにも満たないため、キューブと比べれば大きくなりましたが、それでもコンパクトと言えるサイズだし、何よりこのキューブデザインと見事にマッチしたボディサイズになっています。これ以上大きなボディをしていれば全体的なバランスが崩れていたでしょう。

7人乗りが可能な車内空間と質感のいいインテリア

3列シート搭載で7人が乗車可能というのが特徴的なキューブキュービックですが、まずハッキリさせておきたいのは、この車内空間を大型SUVと同じような感覚で見てはいけないということ。ミドルサイズの3列シーターSUVでさえ、3列目シートの十分な空間確保は難しい課題であるというのに、このコンパクトミニバンでそれが実現可能なわけがないということです。3列目のシートはあくまでも補助的な役割であり、ちょっとしたときには使えても、基本的には折りたたんでおいたほうが車内空間を有効に使えるでしょう。ですが、いざというときには案外役に立つ3列シートなので、決して無駄ではなく使い道次第で重宝します。キューブキュービックはミニバンながら、少し背の高い人なら頭上に少し圧迫感を感じるほど車内は余裕のない空間になっていますので、居住スペースという意味ではかなりギリギリまで切り詰めた設計であると言わざるを得ません。一方で座り心地や内装ですが、シートの感触はかなりよくて乗り心地もかなりいい仕上がりになっています。インテリア自体もこの手のクルマとしてはデザインもよく、質のいいマテリアルは使っていないものの、チープさは感じられずこの時代の200万円以下のクルマとしては十分な内装だと思います。運転席周りやインパネのちょっとしたところに”キューブ型”のデザインが取り入れられていて、インテリアのデザイン性は高いです。そしてキューブキュービックの最大のアドバンテージとも言えるのがラゲッジルーム。シートアレンジが多彩なおかげで、乗員の数や荷物の大きさに応じてスペースを作ることができます。2列目と3列目のシートを収納する「フルラゲッジモード」では奥行が1,390mmあるラゲッジスペースを活用できます。

走り、燃費性能、その機能性は?

キューブキュービックの優れた運転性

キューブキュービックはキューブから大型化に伴い約100kg増量しましたが、使用されるエンジンはキューブと同じものとなっています。キューブに採用されているCR14DEとHR15DEエンジンは可変バルブタイミング機構を採用しているため、環境性能とトルクに優れたエンジンとなっています。トランスミッションには6速を搭載するCVTと4速オートマティックを採用しています。さて、そのキューブキュービックのドライビングフィールですが、やっぱり100kgの増量はキューブに比べれば加速に鈍さを感じさせます。4速オートマティック仕様のモデルではそれが顕著に現れています。CVT-M6搭載車ではギア数が多く、回転数を高く維持して加速できるため、キューブキュービックでも街乗りや普段使いには不備のない十分な加速を得ることができます。ただ、加速時のエンジン音が車内にかなり響くので、これは少しマイナス点かもしれません。また、ハンドリングは機敏性と操作性に定評のあったキューブの特性を引き継いでいて、スイスイ曲がってくれます。キューブからホイールベースは170mm延長されているため、直進安定性にも優れますが、最小回転半径はなんと4.7m。キューブが4.4mということを差し引いて考えても、7人乗りのミニバンが4.7mを実現させたのはすごいことだと思います。乗り心地にしても同じ価格帯のミニバンやワゴンよりも1ランク上のレベルを実現していて、地面からの衝撃をうまく調和し、変な柔らかさのない快適な仕上がりになっているためロングライドにも適しています。ブレーキの効きや感触も良好で、車両重量+7人の重量をしっかり短時間で制動することを目的として開発されているため信頼性も抜群です。燃費性能に関してもこの年代のガソリンエンジン車としてはなかなかにいい出来で、「CR14DE」型エンジン搭載車が16.0km/L、「HR15DE」型エンジン搭載のFF仕様車が19.2km/L、4WD仕様車が14.6km/Lとなっています。まさに、買い物に出かけて街中を軽やかに走るのには実用性と運転性の面からして最適なクルマでしょう。

キューブキュービックのスペックは?

スペック詳細

寸法

全長:3,900mm/3,920mm
全幅:1,670mm
全高:1,645mm/1,650mm
ホイールベース:2,600mm
トレッド前:1,460mm/1,470mm
トレッド後:1,445mm/1,455mm

室内長:2,360mm
室内幅:1,340mm
室内高:1,250mm/1,265mm

車両重量:1,160kg~1,280kg

ドライブトレイン

「CR14DE」
駆動方式:FF
種類:直列4気筒エンジン
排気量:1,386cc
最高出力:98ps/5,600rpm
最大トルク:137Nm/3,200rpm
トランスミッション:4速オートマティック/CVT-M6
燃費性能:16.0km/L

「HR15DE」
駆動方式:FF/4WD
種類:直列4気筒エンジン
排気量:1,498cc
最高出力:109ps/6,000rpm
最大トルク:148Nm/4,400rpm
トランスミッション:4速オートマティック/CVT-M6
燃費性能:19.2km/L(FF)/14.6km/L(4WD)

キューブキュービックの中古車事情!

出典:http://kakaku.com/kuruma/used/item/12506331/

中古車価格はおいくら?

キューブキュービックは需要も高かったし、ミニバンとして値段は非常にリーズナブルで当時の新車価格でも150万円~180万円ほど、リミテッドエディションで200万円超えくらいであったため、現在では安くて買い求めしやすいキューブキュービックが市場にたくさん出回っています。その価格帯のスタート値はなんと15万円から! その15万円の最安値車は2003年式の「EX」モデルで、走行距離は12.5万kmとなっており、もちろん無事故車。修復暦は一切ないため、そろそろタイミングベルトの交換やトランスミッションにガタが来はじめるころではありますが、それでも総額15万円で購入できる7人乗りミニバンなんてのはそうそうないでしょう。価格帯の1番上まで行っても89万円となっていて、中古車はすべて100万円を切ります。相場の平均価格も30万円と手軽に購入できる価格なため、1家に1台あっても便利ではないかと思います。

まとめ

キューブキュービック、いかがでしたでしょうか? コンパクトサイズでありながらも3列シートを擁する7人乗り用ミニバンとして話題を集めたキューブキュービック。その話題性だけで終わらず、きっちりユーザーのニーズに応えて評価を得てきましたし、その実用性という点においてはベースとなったキューブを凌ぐことは間違いありません。確かに3列シーターミニバンとなったことで、100kgほど重くなった車両重量はキューブに比べてパワー不足や加速不足を感じることは否めませんが、そこがキューブ系のクルマのセールスポイントではないし、ハンドリングや乗り心地を含めてドライビングフィールは決してキューブに負けずとも劣らないモノをキューブキュービックは持っていると思います。エクステリアやインテリアも現在の同価格帯のクルマに引けを取らないような、衰えづらいデザインをしていますし、燃費も決して悪くありません。販売中止から8年が経った今でもバリバリ活躍できるポテンシャルを持ったこのキューブキュービックは、日産のファミリーカーにおける隠れた”名車”と言えるのではないでしょうか。