【アテンザの燃費まとめ】マツダ・スカイアクティブテクノロジーに秘められた底力!マツダのディーゼルエンジンの情報も!

2015年2月、大幅なマイナーチェンジをやってのけたマツダ・アテンザ。しかしその改良は、パワーユニットにではなく、エクステリアなどでした。逆に言うと、パワーユニットのポテンシャルが非常に高いことを示しています。欧州では「マツダ6」としてBMWなどとしのぎを削るアテンザの、クリーンディーゼル車、ガソリン車の燃費をご紹介しましょう。SKYACTIVEテクノロジーとはどういうものなのかも合わせてどうぞ。

ディーゼルエンジンの歴史をみてみよう

ディーゼルエンジンというと、長い間日本ではクリーンなイメージではありませんでした。かつて創業者本田宗一郎氏率いるホンダが並々ならぬ努力をして、アメリカの厳しい排ガス規制であるマスキー法をクリアしたあと、日本国内でも排ガス規制に乗り出したのです。でも、トラック業界の反対があり、あまり規制を厳しくすると経済活動が鈍るということで、トラックの排ガス規制をあまくしたのです。その結果、厳しい規制のガソリンエンジンだけが次々と性能を向上させてクリーンになっていき、ディーゼルエンジンは取り残されていってしまったのです。たしかにあのころ、トラックの出す黒煙のような排気ガスに辟易していたものです。それで日本では、ディーゼルエンジンのイメージは惨憺たるものでした。
そこに日の光を当てたのが、石原元都知事の「ディーゼル車にNO!宣言」です。それから急速にディーゼルエンジンにも排ガス規制がきびしくなり、技術開発も進んだのです。黒煤の原因である軽油に含まれる硫黄分を、石油業界も頑張って50分の1にまで大幅低減しました。これにより、現在のディーゼル車の黒煙は当時の200分の1にもなったといいます。東京環状8号線の、あのどんよりとした空気もなくなりました。

SKYACTIV テクノロジーとは?

現在のマツダの提唱するSKYACTIVテクノロジーとは、トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)と同様にメーカーとしての大戦略です。トヨタのHPを見ると、TNGAはより具体的な技術的革新と勘違いしてしまいがちです。単に新世代のプラットフォームを開発したとしか捉えられていない人も多いことも確かです。しかし、マツダのSKYACTIVテクノロジーも、トヨタのTNGAも、世界企業としての生き残りのための大戦略なのです。
具体的には、車の作り方や仕事の方針の大幅な改革です。それによって経営(経理)的には固定費を削減し投資資金の劇的な削減をすることが出来、これからいつなんどき、例えばリーマンショックの様なことが起きようとも、企業として持ちこたえられるようにしているのです。マツダもHPで、「世界一の機能を最も効率的につくる」と言っています。ラインを統合し多くの車種を同一の車種とみなして、効率的に車をつくったり、販売と直結してサービス向上を目指すのがSKYACTIVテクノロジーなのです。
それが、マツダのディーゼルエンジンをつくり、ユーザーの私たちにも省燃費と言う形になって、恩恵をもたらしてくれます。

SKYACTIV-D ディーゼルエンジンとは?

欧米各国をみてみると、日本国内ほどハイブリッド信奉の様相はなく、ディーゼル車がメジャーとなっています。フォルクスワーゲンの排ガス不正問題がありましたが、それでも欧州はディーゼル車の歴史が長いので、多少打撃があってもすぐには変化はなさそうです。そんな中、日本のマツダはわが道を行き、BMWなどとしのぎを削る世界戦略車としての位置を確立させています。アテンザもそのひとつで、海外向けの名前は「マツダ6」です。
また、日本でも、ディーゼルエンジンの悪いイメージが払しょくされつつあり、販売台数も増加しています。ディーゼルエンジンにこだわったマツダの戦略が功を奏しています。現在は原油安でガソリンは安くはなりましたが、それでも安い軽油で動くディーゼルエンジンは、ユーザーにとってもメリットの大きいものになります。現在でも軽油は、レギュラーガソリンに比べて2割ほど安くなっています。(2016年4月現在、レギュラーガソリン約108円、軽油約87円)

さらにこれから、欧米での燃費規制がいっそう厳しくなります。特に、欧州では地球規模での気象変動対策に積極的であり、CO2の主要な排出元であるクルマに対して、世界で最も厳しい排出量の削減を求めてきます。それは、2013年にEU欧州会議で決まった「2021年までに新車のCO2排出量を1キロあたり95グラム以下にする」というもの。単純に言うと、今よりさらに40%は削減せよ、というとんでもない厳しい目標なのです。もちろん、日本のJC08モードよりも厳しいものです。なので、各自動車メーカーは、ガソリン車よりもCO2排出量の少ないディーゼルエンジンに着目し始めているのです。ですので、日本のメーカーの中では、ディーゼルエンジン開発で1歩前に出ているマツダは有利と言え、期待の星なのです。
ちなみに、燃費とCO2排出量は比例するので、燃費がいいと言うことはCO2排出量も少ないということになります。日本やアメリカはその単位をkm/Lとしますが、欧州ではg/kmとしています。

出典:http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/skyactiv/

SKYACYIV-D

マツダのディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dは2015年大幅なマイナーチェンジがあった時も変わらず前の仕様と同じでした。それは、マツダの自信の現れでもあるでしょう。ディーゼルとしては圧倒的に低い14.0という圧縮比を実現しています。それにより、NOxの生成を低減させ、触媒や尿素SCRなどの後処理をせずに、日本と欧米の最新排ガス規制をパスしています。最大トルク420Nmは、大小2つのターボで過給することで実現できています。
また特筆すべきは、低温時のアイドリング維持性能を確保していることです。普通ディーゼルは、軽油を使っていることで低温に弱く(凍結しやすい)、燃料が詰まってエンジンがかかりにくくなったり、たとえかかっても吹けが悪くなり、止まってしまいます。それをマツダのSKYACTIV-Dは、低い圧縮率であるにもかかわらず、その低温始動性を確保する工夫がされているのです。これは、寒冷地の多いヨーロッパではとても有効な性能なので、マツダのディーゼルエンジンが支持される理由の一つなのかもしれません。

SKYACTIV-D ディーゼルエンジンの諸元

排気量:2,188cc
種類・シリンダー数:直列4気筒・横置き
弁機構:DOHC 16バルブ
ボア×ストローク(mm):86.0×94.2
最高出力(kW[ps])/rpm:129[175]/4,500
最大トルク(Nm[kgm]/rpm:420[42.8]/2,000
使用燃料:軽油
燃料タンク容量:62L

マツダ・アテンザの実燃費

by shutyo (※馬力当たり重量、トルク当たり重量、100kmのエンジン回転/毎分)は独自計算です。)

ディーゼル車で比べてみると?

上表で、アテンザとBMWはディーゼル車、レガシーはガソリン車です。JC08モード燃費に対して実燃費はおよそ8割程度になっています。日本のJC08モードは100km/h巡航を想定していませんので、アテンザとBMWを比べた場合、80km/h最高速でのテストに合わせた日本車が若干ではありますが、有利となっています。でも実燃費では、高速走行が2割ほど入っているので、高速モードに強いBMWなど外国車が本領を発揮してきます。
逆に、アテンザが欧米に行くと、交通状況が違うので不利になると思うのですが、クリーンディーゼルに特化したアテンザでは、システム全体を変えなければならないハイブリッド車に比べると、ギア比のセットを変えるだけで対応できるものと考えられます。
しかし、アテンザとBMWのディーゼル車同士で比べると、排気量が多いのにもかかわらず、引けを取っていないのがよくわかりますね。
実際のアテンザXDユーザーの燃費口コミで、走行距離500km(高速道路なし)で16.3km/Lとありました。また、走行距離3,000km(高速道路なし、田舎道)で21.1km/Lというのもあります。実燃費は運転の仕方によりますが、一般道だけで16km/Lでも優秀なのに、21km/Lというのには恐れ入ります。とにかく、マツダ・ディーゼルの底力を見る気がしますね。ただ皆さん、あまりに燃費を気にしすぎて、周りに迷惑がかかるほどのトロトロ運転は控えましょう。特に追い越し車線では絶対にしないでください。一方、高速走行だけでは、燃費16~17km/Lというのは当たり前で、例えば1回の給油で東京ー京都間は軽く行って帰ってくることができるくらいの計算になります。
また、アテンザにはワゴンタイプもあります。セダン、ワゴンそれぞれのディーゼル車には4WDの仕様もあります。ワゴンタイプになること、そして4WD仕様になることで、車両重量が重くなるので、燃費も多少悪くなることがあるでしょう。

ガソリン車で比べてみると?

出典:http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/skyactiv/

SKYACTIV-G

上表には、アテンザのガソリン車が表記されていませんが、JC08モードは16~17.4km/L、実燃費は10~15km/Lです。表記のあるレガシーB4に比べると、格段に燃費がいいのがわかりますね。これもSKYACTIVの威力でしょうか。
マツダのガソリンエンジンSKYACTIVーGも、2015年大幅マイナーチェンジで仕様変更はありませんでした。2.0Lと2.5Lがありますが、どちらも効率の高い直噴エンジンとなっており、13.0という高圧縮比です。2.0Lと2.5Lも基本的なコンセプト、仕様技術は同じで、レギュラーガソリン仕様です。ただ、2.5Lエンジンはオイルパン内にカセット式のバランサーシャフトを設けていて、2次的な振動の抑制を図っているようです。
実際のユーザーの口コミでは、走行状況の詳細は分かりませんが、2.0Lエンジンでは13.5km/L程度、2.5Lエンジンでは12km/L程度となっています。車両重量が2.5Lだと20kgほど思いため、差が出ているのかもしれません。2.0Lエンジンの方がやはり燃費には優しいようです。

SKYACTIV-G ガソリンエンジンの諸元

排気量:2,488cc
種類・シリンダー数:直列4気筒・横置き
弁機構:DOHC 16バルブ
ボア×ストローク(mm):89.1×100.0
最高出力(kW[ps])/rpm:138[188]/5,700
最大トルク(Nm[kgm]/rpm:250[25.5]/3,250
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量:62L

燃費では、ディーゼルエンジンに軍配!

見てきたとおり、アテンザXD、つまりガソリン車と比べてディーゼル車が実燃費で上回っています。また、燃料の軽油がレギュラーガソリンに比べて2割ほど安い状態が続いています。結果、このクラスの車を買うとしたら、アテンザXDを買わない手はないと言えるでしょう。でも本体価格を見ると、例えばアテンザセダンXDが317万円、アテンザ20Sが276万円なので、40万円ほどディーゼル車が高く、初期投資は多くかかります。それを軽油が安い分で取り戻すとしても、年間3万キロ以上を走らなければならない計算になってしまうのです。
でも、もうちょっと考えてみましょう。時代はもはや、NA・高回転型エンジンの時代ではなくなってきています。そして、アテンザXDのエンジンは上表を見て分かる通り、圧倒的低速トルクのエンジン特性で、ガソリンNA車では太刀打ちできないほどのものです。この特性は、日常使用では「使いやすい」の一言で、例えば坂道からバックで発進する時も、ちょっとアクセルを開けるだけでトラックのように楽々発進です。これは、ガソリン車では味わえない使い心地だと言って、ユーザーが喜んでいました。
排気ガス規制も手伝って、これからディーゼル車が台頭する時代に入るかもしれません。その先駆けに乗っているという満足感を、皆さんも味わってみませんか?

まとめ、さらに燃費が向上する可能性

前述した通り、これから欧米での排出ガス規制がますます厳しくなります。その中で、マツダのディーゼルエンジンはさらなる高みを目指していかなければなりません。SKYACTIV-D2.2エンジン完成の後、SKYACTIV-D1.5を2014年10月から量産に入っています。まだまだ内燃機関に伸びしろもあると言っていて、2020年までに世界で販売するマツダ車の平均燃費を、2008年比で50%向上させるという計画を持っていると言います。
アテンザは、2017年に2回目の大幅なマイナーチェンジ、2019年にはフルモデルチェンジがなされるとうわさされていますね。「2021年までに新車のCO2排出量を1キロあたり95グラム以下にする」という厳しい規制に向かって、アテンザはそれらの改良を経ながら、さらなる完成形に持っていくのではないかと考えられます。もちろん、燃費もさらに向上していることは間違いないでしょう。
この様な大幅なチェンジを次々に出来るのは、SKYACTIVテクノロジーによる造り方の改革で、部品を変化させることのできる幅が大きくなっているのです。これが他社に差をつける商品となってユーザーに提供される仕組みなのです。ユーザーにとっても、嬉しい話です。