【シボレー カプリス】これぞアメ車のフルサイズカー、パトカー仕様もある、おもしろい車!中古車情報や燃費まで!

1965年初代「カプリス」が登場し、1996年に一旦生産終了した時までと、その後1999年オーストラリアで生産され復活したホールデン・カプルスとは別の車と考えたほうがいいですね。豪快そのもの、古き良き時代の「アメ車」を代表するパッケージは、現代の若者たちにも訴えかける何かがあるようです。意外と人気のある、カプリスのパトカー仕様もご紹介します!

※現在の6代目カプリスから、ポリスパッケージ。現在、公式輸入はありません。

シボレー・カプリス・フルサイズカー

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Chevrolet_Caprice

※初代シボレー・カプリス・2ドアコンバーチブル

初代カプリスが、1965年シボレーの最上級車種としてフルサイズで登場した時、それはやはりアメリカを象徴する車の姿でした。全長は、なんと5mを超えて最大5.66mもあり、全幅は2mに達していました。車両重量は2.18tもあり、車両総重量としては2.5tと考えて運転しなければなりませんでした。昔は日本の小さな橋を渡るとき、重量制限を気にしなければならないほどでした。およそ2tトラックのサイズと思って、その大きな車体を取り回していたのです。すべてが大きすぎて、日本の道路には規格外と言えます。

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Chevrolet_Caprice

※2代目シボレー・カプリス・4ドアハードトップ

4ドアハードトップには木目張りのダッシュボードなどがあって、GMの車種ではキャデラックに次ぐ豪華な装備で登場していました。すぐに、エステート・ワゴン、2ドアハードトップなどが追加され、当時の日本車では考えられない、パワーステアリング・パワーウィンドウ・パワーシートなど豪華な装備で彩られていたのです。レザートップ、エアコンなどあこがれの的でありました。7.4L V8エンジンは、400馬力を超えていて、白煙を上げて発進する姿は迫力どころか、そばで見ていると恐怖感さえ覚えるものでした。

サスペンションはいわゆるアメ車と言われるもので、リアサスペンションはリジットアクスルに板バネで、現在だと、まさに2トントラック仕様といえるものでした。皆さんもご存じのとおりの柔らかすぎるサスペンションで、デフの付いた重いリジットアクスルと太いタイヤを吊るのですから、ばね下重量は巨大で、バタバタと踊るような動きになっていました。
強大な低速トルクのエンジンは、発進のとき、当時の日本車とは比べ物にならないくらい太いタイヤでも、抑えきれずにホイルスピンを起こし、白煙をはいてドタバタと上下左右に暴れまわっていました。まるでアニメのようでした。ホワイトリボンの入ったタイヤは、外見からはおしゃれな装いでしたが、あり余るパワーと重量を支える力持ちのタイヤでした。
半世紀も昔だったわけですが、現在では日本車が誇る豪華装備の仕様を、すでに当然のものとしていたアメリカ社会の豊かさは、底知れぬ富と力の強大さを示していて、あこがれと同時に恐ろしさも感じていました。

安全性能と環境性能に対応する動き

1970年代に入ってすぐに、カプリスにも衝突安全性の要求が強くなってきます。象徴的なのが、「5マイルバンパー」の義務化でした。その後日本でも義務化され、今日まで進化し続けてきたバンパーの初期の姿です。アメリカの車では、現在の日本車のようにクッション性のある素材で、ぶつかったら原型に戻るのではなく、サスペンション方式が始まりで、すごく重いものでした。また、転倒時の安全性確保のために2ドア・コンバーチブルは廃止となって、4ドア・ハードトップも転倒時の強度を保証できずにピラード・ハードトップとなってしまいました。
5マイルバンパーとは、時速5マイル(約8km/h)以内での衝突した場合、ボディにダメージを与えずに、バンパー自身も復元する衝撃吸収能力を備えたバンパーのことです。当時の重くて大きな、5マイルバンパーが前後に装着を義務づけられると、スタイルはかなりスポイルされてしまった時代が続きました。その当時の自動車デザインにも大きな影響を与えました。

3代目カプリスでは、第一次オイルショックの影響で、エンジン排気量は5.7Lに縮小、155馬力になってしまい、性能的には最悪の時期を迎えます。これほどエンジン出力が低かったのは、安いガソリン価格を背景に、アメリカらしく「馬力がほしけりゃ、でかくすればよい」とばかりに排気量の拡大で大馬力を得ていたため、エンジンの構造自体は、欧州車や日本車でもすでにDOHCやSOHCターボなどになっていたのにもかかわらず、OHVの状態が続いていためでした。そのため、排気量当たり馬力はたいへん低く、排気量が制限されると2トンを超える車重をどうすることもできない時代がやってきたのでした。
2代目カプルスで、最大5.66m、車両重量で2.18tに達していたボディーは縮小されて、アメリカ自動車産業苦難の時代になっていくのです。
エンジンは、4L直列6気筒110馬力と5L V8気筒145馬力になり、ボディーの軽量化が求められていました。でも、ムダの象徴のような作りは簡単には改善できずに、アメリカ国内で日本車の台頭を許してしまいました。それが日米貿易摩擦となり、激しい日本車バッシングとなっていたのです。
ついには、トヨタがGMにその生産技術のノウハウ(トヨタ生産方式)を教えに行く始末となり、最近、シャープや東芝など日本家電メーカーが、韓国や台湾、中国などの企業に追い上げられているよりも、さらに激しい競争にさらされたのでした。

カプリス・クラッシックの登場

1977に登場し、1990年まで生産が続けられた3代目カプリス・クラシックは、インパラを改名、カプリスとして下位の車種を従え、共に次第に改善されたエンジンを積み好評であったといえます。改良が続けられた5L V8エンジンは170馬力まで回復して、豪華な装備も継続し、1980年代を乗り越えてきたのです。
2ドアクーペは廃止されてしまいましたが、その巨大なドアは、当時の日本の駐車場では、車から降りるにも長大すぎて、また厚く重いので困り果てました。ダウンサイジングされてきたとは言え、フルサイズアメ車の典型であったカプリス・クラシックでは、その大きすぎるボンネットとトランクと比較して、室内は、現代プリウスなどと比較すると、驚くほど狭かったのです。後部座席は「+2ではないの?」と思わせるほど、アメリカ人だけでなく日本人にとっても狭すぎました。灰皿も外から見ると巨大なのですが、開けてみてびっくり! 日本車よりも小さいと感じるほどスペースありませんでした。これが現在の日本市場だったら、きっとあきれられてしまうでしょう。
でも、この3代目カプリス・クラッシックで良い状態の中古車が残っていたら、ねらい目だと思います。「古き良きアメリカ」の匂いが最も感じられる1台だからです。

カプリス、歴代サイズの移り変わり

※シボレー・カプリスのサイズ変遷  by shutyopark

カプリスは、セダンよりステーションワゴンのほうが若干大きく、数値は最大を記していますので、上表の数字はほとんどがワゴンです。今日本では車中泊が流行っていますが、カプリス・ワゴンの荷室での車中泊は、段差さえマットで調整すれば手足を伸ばして悠然と眠れます。でも背丈は低いので、ミニバンのように動き回るのはきついでしょう。
ワゴンで気を付けなければならないのは、後部ゲートはハッチバックのようにではなく、ガラス部分は上に、ボディー部分は横に開くものがあります。重すぎて跳ね上げでは実用的でないのでしょうね。でも下にも開きますので不便はありません。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%B9

※3代目カプリスクラシック・ワゴン

そして、4代目のカプリスとカプリス・クラッシックが登場します。ボディーサイズは3代目をほぼ継承して、セダンでは全長5.438m、全幅1.969m、全高1.415mで、エンジンは4.3L V8・200馬力~5.7L V8・260馬力となり、まだまだ巨大でした。そして世界最大の企業GMが、省エネの時代に苦悶する中で、シボレー・カプリスは1996年をもって生産中止になってしまいます。

カプリスにみるアメリカ人気質のなせる業

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Chevrolet_Caprice_(second_generation)

※2代目カプリス・2ドアコンバーチブル

「大きいことは良いことだ!」「小さなことは気にしない」というのがアメリカン気質。省エネの時代には、日本人のように繊細に軽量化を図り、細かい工夫で小排気量で高出力のエンジンを造り、繊細な足回りを造り上げるのは苦手でした。どうしても大雑把に取り組んでしまい、「小型化するのだけれどもスペースを有効利用できない」、そんな時代がその後しばらく続くのでした。大胆に困難な仕事をやり抜く「フロンティア精神」がかえって仇となり、日本車にしてやられていくのです。

ベースシャーシをいくつかに絞り、1つのベースシャーシから数種類の車種を生み出す手法は、アメリカのGMがとった手法でした。現在、トヨタ・TNGA、マツダ・スカイアクティブ・テクノロジー、スバル・グローバルプラットフォームなど日本勢が掲げる共用シャーシ戦略では、その基礎に「多種少量生産の」生産技術の進歩があり、ラインの共用化を図り、工数の平準化を可能として、固定費の削減と投資資金の劇的な削減を可能として、大変有効な世界戦略の展開技術となています。
「陽気なヤンキー」というアメリカ人気質のもっともよい部分を感じさせるのは、1996年までのカプリスであるといえるでしょう。

1999から再登場して現在に続くオーストラリアのホールデン・カプリスは、中東輸出のための車であり、本質的には、これまでのカプリスとは違ったものと考えるべきです。

新車の稼ぎ頭「カプリス・パトカー」

※6代目ホールデン・カプリスPPV(ポリスパッケージ)

現在、中東向けのホールデン・カプリスは、2009年から北米でも警察用車両として販売されるようになっています。元々カプリスは、パトカーとして使用されてきた経緯があり、1990年に近づくころからフルサイズカーの生産が中止となっていき、3代目カプリスもパトカーやタクシーとして使われることが多くなっていきました。アメリカの刑事もの映画の中で何度も見かけたのが、パトカーとタクシーのカプリスでした。
現在でも、パトカー仕様はカプリスの稼ぎ頭で、6L V8で360馬力を発生します。一回り小さくなったサイズ(でも十分に大きいです)で十分な馬力のエンジンを積み、現代的な足回りを装備した6代目シボレー・カプリスはホールデン生産のようです。オーストラリアのホールデン・ステーツマンと共通の車体なのですが、中東輸出のために5代目カプリスとネーミングされたホールデン・ステーツマンのモデルチェンジに伴い、6代目カプリスを名乗ったようです。

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カプリスPPVの全貌

州警察への納入など数多くの役所への納入では、GMの巨大な政治力を感じさせるものです。トヨタ・プリウスの欠陥車問題での連邦議会での追及などを見ると、現在でもアメリカ国内での巨大な政治力は健在で、アメリカ社会独特の利権構造を連想させます。

※シボレー・カプリスのサイズ変遷2  by shutyopark

シボレー・カプリスの中古車市場

カプリスの中古車市場で、警察車両(ポリスパッケージ)を狙うことは、大変整備が行き届いているので賢明なことだと思います。一般的には、ポリスパッケージは走行距離が嵩んでいてかなり傷んでいると思ってしまいますが、整備は行き届いているので、サスペンションや、ブッシュ類の交換でよみがえることがあるのです。日本でも、ポリス仕様を所有するマニアたちがいて、ツーリングなどを催しているくらいです。
1994~1996年ポリスパッケージ(9C1)のキャンセル分が出て、それに本革シートなどを加えたインパラSSと呼ばれたタイプでは、コラムシフトとフロアシフトがあります。これが走行距離が一般車と同等で、ねらい目ですよ。逆に、タクシー上がりには手を出さないほうが良いでしょう。

中古市場での価格で、4代目までのカプリスは年代も年代なので、100万円を超えるものについてはほとんどが改造車です。ほぼオーディオやサスペンションの値段とみてよいでしょう。古い車両は、中古車の見立てのできる信頼できる人に見てもらうことをおすすめします。
一般的に、古い中古車は思わぬところが傷んでいることが多いので、カプリスの改造を専門に手掛ける工場の人などに頼んで、ベースになる車から探してもらい、自分が希望する改造ができるように頼むと、その後の修理も手掛けてくれるので安心ですね。
4代目カプリスの5.7L、LT-1エンジンを探すのであれば、ぜひとも修理、改造の出来る工場に頼むことをおすすめします。また、自分で修理や改造を手掛けるぐらいでないと、古いアメ車を乗るのは難しいと思いますよ。

シボレー・カプリスのドライビング

出典:https://commons.wikimedia.org/

3代目カプリス・2ドアクーペ

これは試乗ではなく、実際に所有して日常の足として乗っていた時の話です。もう昔のことですが、若かったのでアメ車が面白くて、中古でフルサイズカーを探していたのです。知り合いのセールスマンから「程度の良いものが入った」という知らせで見に行ってみると、それは3代目カプリス・クラッシックの2ドア・クーペでした。カラーはブラウンで、3/4黒のレザートップにフロントフェンダーに細い白いストライプがありました。その頃はまだオリジナルの中古車が出回っており、さすがに安く手に入りました。
内装はブラウンベースで、エアコンの効きはドイツ車と違い、アメリカ製オリジナルでも十分な効きでした。前席は十分な広さでしたが、後席は子供がまだ小さかったので十分であると思ったのですが、夜に走るときなど寝てしまうので使うことはありませんでした。子供が少し育つと、前席ベンチシートの中央に座りたがり、結局後ろの席はだれも使わない状態でした。そこはアメ車のこと、後席は大人には狭すぎて実用にはなりませんでした。
乗り心地はソフトの一言で、馬力は落ちていたころのものですが、トルクが強く、日常の運転に不便は感じませんでした。パワーハンドルは指先で操作できるほどの軽さで、大きな車体だったのに案外取り回しが良かった印象です。女性でも大きさに慣れれば十分実用になります。でも故障でもしたら、パンクでも誰かに「お願い」となりますが…!? そのころからスペアタイヤにプラスして、パンク修理材を持ち歩くようになりました。

シボレー・カプリスの実走行燃費・日常整備費

これはもう走り方ひとつで変わります。静かに後輪が暴れない程度に発進している限り、なんとか4~5km/Lは走ります。高速であっても10km/Lは無理です。そして、数年所有していましたが、日常使用で故障はしませんでした。修理費については、日本車のコンパクトカーと比較すると2倍以上は覚悟すべきだろうと思います。定期整備だけで、事故修理しなくとも覚悟して乗るほうが良いと思います。板金などは日本車とあまり変わらないはずですが、引き受けてくれる工場が限られますので、購入からお世話になる工場を決めて整備するとよいでしょう。

まとめ「私のカプリス」

カプリスは彼の趣味でしたが、女性でもフルサイズのアメ車に乗れることを実感できて、そのアメ車独特の乗り味は、ぜひ皆さんに一度は味わってほしいと思います。ドイツ車、日本車にないおおらかなアメリカ気質を味わって、日常でも細かいことを気にしない生活が楽しく感じられます。荷物の置き場所なんかないのですが、長大なベンチシートとダッシュボードがあれば困ることはありません。何より家族みんなで前席に乗って、一緒に走る景色を見て、好奇心いっぱいの子供の表情を見れただけで幸せでした。もう市場にあるのは古い車ばかりですが、皆さんも慎重に選んでシボレー・カプリスに乗ってみてください。