【トヨタ ポルテ】ミニバンより小さく、軽自動車よりも大きい。「プチサイズ」のポルテの燃費や中古車情報、評価まで!

過去に何度も軽自動車の規格と言うのは変更され、その都度大型化していきました。そして現在も軽自動車規格大型化の話題は幾度と無くありましたし、軽自動車と小型車の違いと言うのは曖昧に。トヨタはそんな小型車ポルテを自社生。小さなクルマを作るのであればダイハツ工場があるはずなのに何故? そこには日本の「ミニバン人気」と「軽自動車人気」の両方を取り込む「プチバン戦略」がありました。

ポルテとは?

もしかしたら「これぐらいがちょうど良い」大きさなのかも?

日本での売れ筋のクルマはどんなクルマか? 一概には言えませんが、ファミリーカーとしての要素が強い物ほど売れる傾向があるように思えます。それを満たすタイプといえば「ミニバン」「軽自動車(軽ハイトワゴン)」となります。
ミニバンは日本の道路事情に合わせてより小型になり、軽自動車は車内空間を求めて大型化しています。

しかし、疑問があります。
「ミニバン」「軽自動車」というクルマの大きさとしては対照的なジャンルながら、ミニバンには小型化を求め、軽自動車には大型化が求められているという矛盾。それなら最初からその中間に位置する小型車ではダメなのでしょうか?

そんな矛盾にトヨタが出したひとつの答えが

「ミニバンが何と比較してミニなのかよく分かんないけど…とりあえず、そのミニバンより小さいから プチバン ってことで」

と開発された「トヨタ ポルテ」です。自社でも大型ミニバンを製造しているトヨタが考える「プチ」戦略と合わせて見ていきましょう。

ポルテのグレードと車両価格

ポルテには基本5種類のグレードと1種類の特別仕様車が用意されています。特別仕様車を除いて外装面での違いと言うのほとんどありません。

ポルテ V

全てのポルテのベースグレードです。
・駆動方式は2WDのFFのみ
・マニュアルエアコン
・スチールホイール
・ウレタンステアリング
・フロントセパレートシート

車両価格(税込み)は
2WD 1,635,709円

ポルテ X

中間グレードに相当します。
・前列シートがベンチシート化
・前列シートの材質がジャージからトリコットへ
・後列シートが一体可倒式リヤシートから6:4分割可倒式リヤシートに変更
ポルテYとしては最大の特徴は前列シートと言えます。ベンチシートはこのモデルのみだからです。

車両価格(税込み)は
2WD 1,769,237円
4WD 1,920,437円

ポルテ F および 特別仕様車 F“a la mode Deux”

上位グレードになります。このポルテFには特別仕様車が用意されています。
・前列シートはセパレート化
・前列シートに撥水加工
・内装・シート色にフロマージュが標準装備。選択色としてプラム&ブラックの選択も可能

車両価格(税込み)は
2WD 1,758,437円
4WD 1,909,637円

特別仕様車 のF“a la mode Deux”は
・選択できるボディカラーは4色
・特別仕様のシートカバー
・内外装部品にメッキやブラウン塗装
・ホイールキャップがパールホワイト塗装に
・スマートエントリー
・前部ガラスにスーパーUVカット、撥水加工等

車両価格(税込み)は
2WD 1,884,109円
4WD 2,035,309円

ポルテ G

ポルテの最上位グレードになります。ただし、下位のポルテFには特別仕様車がありますので、それを踏まえての変更点は
・オートエアコン
・本皮巻きステアリング
・前列シートは起毛タイプに
・運転席が快適温熱シート

車両価格(税込み)は
2WD 1,861,527円
4WD 2,012,727円

「プチバン」ポルテの特徴

ポルテの評価や燃費、特徴は?

ポルテのカタログ上の燃費は

2WD 22.2km/L
4WD 16.0km/L

グレード毎での違いなどは無く、全てこの数値になっています。燃費にかかわるであろう車両重量を比べても重量の違いは10kg程度であったりするなど、ポルテはグレードの差はあれども、その性能を大きく左右するほどの装備の優劣は付けられていないようです。
燃費の優劣が無いなら、ユーザーとしてはグレード選びが楽になります。将来的な燃費にによる維持費も考えて、各グレードを見比べて…そのようなことはしなくても、本当に欲しい機能を備えたグレードを選ぶだけです。

車名の由来ですが、ポルテはフランス語で「扉」の意味です(ただし、実際の発音は異なるとの事)。つまりはドア。
クルマにドアが付いている。当たり前のことです。
そんな付いていて当たり前のドアですが、時として話題になることもあります。

スライドドアによってピラーレスとなった「ダイハツ タント」もそうです。こちらは「ミラクルオープンドア」と名づけられ、タントの利便性の良さのをアピールポイントでもあります。
人の乗り降りが楽になるのはもちろん、荷物の積み下ろしも楽になります。自転車を積むぐらいは当たり前。大きなソファーを買って積み込んで帰ってくるなんてことも出来ます。そんなときに苦労するのは、むしろ家の中にある柱や扉の存在かもしれません。

では、ポルテはどうなのか?
車名からして「扉」とまで言い切っているのですから…ただのドアではないはず。ポルテは4ドアのクルマで…ん? 4ドア?

足りない! 通常ならば5ドアのはず!

ポルテの最大の特徴はこの左側の大型スライドドア。ピラーレスどころかドアレスという大胆な作りとなっています。
ポルテは左側の2枚のドアを1枚の大型スライドドアとしています。そして、この2枚分を兼ねるスライドドアは全てのグレードにおいて「電動パワースライド」となっています。各グレードに重量の差が見られないのもこのためです。

仮に電動パワースライドでないモデルがあれば、この大きなドアを動かすためのシステム一式で車両重量で10kgぐらいの差が出たことでしょう。しかし、その重量物がポルテから無くなる分は、使うユーザーの腕力で補うこととなります。お子さまはもちろん、大人でもこの大型スライドドアを手動で開閉させるのは一苦労となることでしょう。しかし、全てのグレードで電動となっているので心配は無用。

言うまでも無くこの大型スライドドアは「人の乗り降り」「荷物の積み下ろし」には便利なものであり、ポルテのアピールポイント。このドアを最大限活用できるように背もたれが折りたためる助手席は大きくスライドし、後部座席の座面は跳ね上げることが可能です。
シートアレンジはそのクルマの使い方を大きく左右する要素でもあります。ポルテに興味がある方は必ず大型スライドドアと併せて覚えておいてください。

ポルテの中古車事情

2代目ともなる現行モデルが販売されたのは2012年からです。
中古車市場には既に多くのポルテが流通しており、探すのも比較的容易です。姉妹車であるスペイドと合わせて探すことも可能。走行距離の少ない状態のよい物も多数見られます。

探す上での注意点としては
・初代モデルの存在。
・2015年7月に一部改良が行われている。
初代モデルに関しては、見た目が違うので見分けるのは簡単です。一部改良モデルではエンジンそのものが「1NZ-FE型」から「2NR-FKE型」へと変更されています。これによって1.3Lモデルが廃止されたと同時に燃費向上されています。中古車市場において探す場合はエンジン型式を確認することが重要となります。

ミニバンと軽自動車の間 ポルテ以外のトヨタの「プチ」

ミニバンはかつてのものと比べると、車高が低いモデルが増えたように感じます。一方で軽自動車は軽ハイトワゴンが人気となり、ミニバンとは対照的に大型化していく傾向が見られます。

これに対して日産の場合は「デイズ ルークス」および、先代の「ルークス」に対して、日産ミニバンのグレードである「ハイウェイスター」を与えています。つまり、日産の見解としては「軽ハイトワゴンはミニバンを軽自動車化したもの」としているのでしょう。

トヨタの場合は、その「ミニバン」と「軽自動車」の間を埋める「小型車」に力を入れている傾向があります。今回紹介しているポルテもそんなクルマのうちのひとつです。ミニバンとは違う「プチバン」という考えで作られています。
では、トヨタには他にどんな小型車があるのか? ここからはポルテと購入時の比較対象にもなりやすいトヨタの小型車を紹介。トヨタの「プチ戦略」を見てみましょう。

トヨタ ヴィッツ

トヨタの小型車の代名詞とも言えるクルマです。海外では「ヤリス」の車名で販売される世界戦略車でもあります。かつては価格面が重視されていた小型車ですが、そこにデザイン性・安全性を重視する販売戦略をとったことで国内外を問わずに大ヒットしました。
軽自動車規格の大型化が求められることがありますが、あれもデザイン性・安全性を確保しやすくなるという自動車メーカー側の考えがあっての物です。もちろん軽自動車という枠から外れたヴィッツの場合は、より自由な設計が可能でした。
そんなヴィッツも初代と比べるとやや大型化している傾向があり、エンジンの排気量も1.5Lのモデルが登場しています。

余談ではありますが、ヴィッツよりも小さな小型車として、プジョー・シトロエンと共同開発されたクルマとして「トヨタ アイゴ」「プジョー 107/108」「シトロエン C1」があります。車両重量が1トン未満という、更なるコンパクトカーとなりました。
残念ながら、こちらのアイゴは日本国内での販売予定は現在のところなし。EU諸国向けの販売のみとなっています。

トヨタ パッソ

トヨタのプチ戦略の要がこのパッソ。別名「プチトヨタ」。
初代ではCMで盛んにプチトマトをもじって「プチトヨタ」と叫ばれ、ついにはプチトマトをモチーフにした特別仕様車が登場しました。
ヴィッツでは5MTを搭載したスポーティーモデルの「RS」グレードがありますが、こちらはそのヴィッツよりも小さいながら、車内空間を確保しつつ小物を置くポケットなどが多くなるなど女性向けの作りとなっています。最小回転半径も軽自動車並となっており、軽自動車から1ランクアップさせたような小型車です。自前では軽自動車の生産ラインを持たないトヨタとしては、「軽自動車の代わり=プチトヨタ=パッソ」となるわけです。
かつてはパッソの名を冠した「パッソセッテ」という7人乗りのミニバンもありましたが、現在は生産終了となっています。当時のエコカー減税の対象外であったということと、パッソと同様に後部ドアがヒンジドアであったことが販売でのマイナス材料になったと言われています。

トヨタ シエンタ

パッソセッテでは後部ドアがヒンジドアでしたが、このシエンタはスライドドアであったことから現在も販売が続けられています。
乗車定員が6-7名なので、ポルテの5名よりは大きなミニバンと言えます。しかし、搭載されているエンジンは1.5Lと小型車のエンジンそのもの。他の7人乗りミニバンと比べたら実にコンパクトな仕上がりです。

燃費も良好です。通常のガソリンエンジンとハイブリッド搭載モデルがありますが
ガソリンエンジン 20.6km/L(2WD X“V Package”)
ハイブリッド   27.2km/L(HYBRID G/HYBRID X)
ハイブリッドモデルには残念ながら4WDモデルはありませんが、ガソリンエンジンには4WDの選択が可能。また2-3列目シートは簡単に折り畳みが可能。軽自動車同様のシートアレンジをシエンタに搭載することで、「人が乗るための座席」と「荷物を載せるためのラゲージ」の使い分けが出来ます。

トヨタ アクア

シエンタも比較的小型。ただし、それは「ミニバンとして見た場合において比較的」という話。シエンタにはハイブリッドモデルがありましたが、それよりも小さなハイブリッドといえばこのアクアになります。
シエンタのようにただハイブリッドシステムを搭載したのではなく、空力特性なども考慮した燃費追求の純粋なハイブリッドカーとしての一面もあり、その燃費は37.0km/L(X-URBANは33.8km/L)となり、コンパクトカーとしての経済性が更に高まっています。

ポルテを基準に見ると全長・全幅はポルテと変わりがありませんが、全高はポルテのほうが上です。ポルテと乗り比べるとやや天井の低さに圧迫感を覚えるかもしれません。また、アクアには4WDの設定はありません。プリウスで搭載された4WDがフィードバックされることを期待したいところです。

トヨタ スペイド

この左側のドアを見て気づかれる方も居るかもしれません。スペイドはポルテの姉妹車となります。ただし、取り扱いチャンネルが違います。(トヨタとしては実質全チャンネルにおいて同一車種を販売する形になっています)
デザインが異なるほかにボディカラーもスペイド専用のカラーが容易されています。またレンズ部分にトランプのスペードマークがあしらわれています。ポルテにあった丸さは薄れ、ややシャープな印象となっています。ポルテを選ぶかスペイドを選ぶかは、ユーザーの好みとなるでしょう。

トヨタ ラクティス

ラクティスはポルテとほぼ同じサイズ。5人乗り、5ドアのコンパクトカーです。全体的な性能としては姉妹車であるスペイドを除いて、もっともポルテに近いクルマとなり、比較対象とも言えます。
ポルテのように特別変わった構造をしているわけではなく、他の5ドアのコンパクトカーと同じです。しかし、「ラクティス G」とその特別仕様車である「ラクティス G“PRIME STYLE”」にはメーカーオプションとしてあるものが用意されています。

それがこの「パノラマルーフ」です。日差しを取り入れるサンルーフというのはよくありますが、オープンカー並みの開放感を演出するラクティスのものは別格と言えます。ガラスそのものは外からは見えにくいプライバシー仕様となっていますので、周りの目を気にすることなくその開放感を味わうことが出来ます。

まとめ

いかがでしたか?

近年の日本を走る自動車において軽自動車がその割合を大きく占めるようになりました。軽自動車で大抵のニーズに答えらるようになり、それ以上を求めるユーザーは余裕のあるミニバンという構図になりがちです。
そんな中でスルーされがちな小型車ですが、二極化する日本の自動車市場でトヨタは個性ある小型車に力を入れています。今回のポルテもそのうちのひとつです。姉妹車であるスペイドも含めればトヨタの販売チャンネル全てにおいて取り扱うという力の入れようです。それだけトヨタとしてはポルテを世に広めることに価値があるという考えなのでしょう。
「大は小を兼ねる」というのが一概に通用しないのがクルマです。そんなクルマ選びで話題になってくるのがミニバンか軽自動車だけというのはユーザーにとっても好ましくないはず。でも、ただの小型車ではつまらない。そんなときにポルテの個性的で大きなスライドドアに注目してみると良いのではないでしょうか。