【マツダ フレアクロスオーバー】マツダからの軽自動車SUV!フレアクロスオーバーとは?ハスラーとの違いやグレードも!

日本の国内自動車メーカーは世界レベルで見てもトップクラスばかり。日本国内外を問わずに市場で競争を続けているわけですが、全てのメーカーが全てのタイプのクルマを作っていると言うわけではありません。今回紹介するマツダもそうです。なぜフレアクロスオーバーは誕生したのでしょうか?

「OEM車」という存在

世界には様々な自動車メーカーがありますが、その中でも日本はかなり異質と言えます。
大手自動車メーカーと言えば…「トヨタ」「スバル」「ダイハツ」のグループに、「ホンダ」「日産」「三菱」「スズキ」「マツダ」…それ以外にも「日野」「いすゞ」「光岡」もあります。乗用車を国内外で生産・販売をする大手メーカーだけでも8社。世界市場でもシェアを奪い合うようなメーカーが、日本と言う島国にこれだけ集中して日本国内でもシェア争いしているのです。
普通なら競争の末に共倒れしそうなものですが、ここでライバル同士でありながら手を取り合うような関係と言うのも生まれます。企業で言えば「提携関係」と言うヤツです。

今回紹介する「マツダ フレアクロスオーバー」もそんな中で生まれたクルマです。「コイツどこかで見たことあるなぁ?」と思われた方もいるかと思います。単刀直入に言えばコイツは「スズキ ハスラー」のエンブレムをマツダのものにしただけです。
なんでそんなことをする必要があるのか? それは後ほどご説明します。

フレアクロスオーバーのグレードと車両価格

元はスズキのハスラーなわけですが、マツダでの販売時のグレード体系は異なります。
スズキでは下位・中位・上位の3種の区分けや駆動方式の他に「CVT・MTの選択」「ターボの有無」などの組み合わせにより、非常に多くの種類が存在します。
一方のマツダでのフレアクロスオーバーは「トランスミッションはCVTのみ」「ターボ搭載グレードは1つのみ」などとなっており、非常にシンプルです。

※紹介する車両価格は基本価格です。ボディカラーには特別塗装色が存在し
・2トーンカラー メーカー希望小売価格43,200円(消費税抜き価格40,000円)高
・クリスタルホワイトパール メーカー希望小売価格21,600円(消費税抜き価格20,000円)高
となります。

フレアクロスオーバー XG

フレアクロスオーバー内でのベーシックモデルと位置付けされています。
・レーダーブレーキサポート
・スチールホイールタイヤ
という装備から、ハスラーGに相当するモデルです。フレアクロスオーバーではベーシックモデルですが、ハスラーGと言えば中位モデルに相当します。ただし、ハスラーGで選択可能であったターボモデルは存在しません。

車両価格(税込み)は
2WD 1,338,120円
4WD 1,464,480円

フレアクロスオーバー XS

フレアクロスオーバーにおける中位のスポーティモデルに位置付けされています。
・デュアルカメラブレーキサポート
・アルミホイールタイヤ
以上の装備から、ハスラーXに相当するものです。

車両価格(税込み)は
2WD 1,472,040円
4WD 1,598,400円

フレアクロスオーバー XT

最上位にしてフレアクロスオーバー唯一のターボ搭載モデルです。
・デュラルカメラブレーキサポート
・アルミホイールタイヤ
・ターボ
以上の装備からハスラーXターボに相当します。

車両価格(税込み)は
2WD 1,558,440円
4WD 1,684,800円

ハスラーとフレアクロスオーバーでの違いはなんなのか?

価格面での差は?

スズキとマツダから同じクルマが違う名前で売られているというのは事実です。では、そこに差はあるのでしょうか?
一番気になる値段での違いはどうか? フレアクロスオーバーのベースとなった ハスラーG・ハスラーX・ハスラーXターボと比べてみましょう。

まずは「フレアクロスオーバーXG」と「ハスラーG」です
2WD 1,338,120円に対してハスラーGは 1,273,320円(-64,800円)
4WD 1,464,480円に対してハスラーGは 1,399,680円(-64,800円)

「フレアクロスオーバーXS」と「ハスラーX」
2WD 1,472,040円に対してハスラーXは 1,461,240円(-10,800円)
4WD 1,598,400円に対してハスラーXは 1,587,600円(-10,800円)

「フレアクロスオーバーXT」と「ハスラーXターボ」
2WD 1,558,440円に対してハスラーXターボは 1,547,640円(-10,800円)
4WD 1,684,800円に対してハスラーXターボは 1,674,000円(-10,800円)

以上の差額になりました。

では 装備面 での違いはあるのか?

ブレーキサポートシステムやタイヤも同じ。じゃあ他の所での違いはあるのか? 答えはNOです。
大きな違いは見られず、エンブレムだけの違いです。S-エネチャージなんかもバッチリ装備されています。グリップコントロールも搭載されています。ボンネットを開けて「コーションプレート」を見ようものなら、そこにはハスラーと同じように「スズキ株式会社」と記名されています。

大きな違いとなりそうなのは、外装を飾るアクセサリーであるデカールです。このデカールはフレアクロスオーバーオリジナルとなります。ただし、逆にハスラーにもオリジナルデカールは存在しますし、内装にもデカールが用意されており種類も豊富です。ボディカラーもハスラーのほうが豊富です。

またアクセサリーを選ぶにしても、元々同じ車両です。エンブレム関係を気にしなければ互換性があるわけです。つまりマツダのフレアクロスオーバーに対して、スズキのハスラーのアイテムを装備するのは可能。両者を比較する上では、ボディカラーやデカールぐらいしか違いを見出すことはできません。

「ハスラーを知ること=フレアクロスオーバーを知ること」
個別にハスラーに関してはまとめてありますので、こちらの記事を参考にされるとより理解が深まるかと思います。

なぜ OEM車 が必要なのか?

マツダは軽自動車を作らないのか?

今はスズキからOEM車を提供してもらって販売しているマツダですが、以前は自社で軽自動車を作っていました。

360cc時代の軽自動車であるR360です。この時代と言えば「てんとう虫」の愛称もある「スバル360」なんかが走っていた時代です。

また「スズキ キャラ」はスズキが製造したものではありません。元は「マツダ オートザムAZ-1」です。以前は逆にOEM供給することもあったわけです。

バブルでの失敗 5チャンネル化

自動車メーカーが製造したクルマを販売するのがディーラーなわけですが、同じメーカーが作ったクルマでも取り扱うディーラーまでが同じと言うわけではありません。
例えば、現在も多チャンネル販売を行っているのが「トヨタ」です。トヨタが販売したクルマを「トヨタ」「トヨペット」「カローラ」「ネッツ」「レクサス」と分けて販売しています。
日産も「ブルーステージ」「レッドステージ」で販売されています。それ以前は「日産」「モーター」「プリンス」「サティオ」「チェリー」…色々入り混じっていました。

マツダもバブル期はそうだったんです。
・マツダ
・アンフィニ
・ユーノス
・オートザム
・オートラマ(フォード系)
さて、このチャンネルを見ると…その昔のマツダ車を思い出す人もいるでしょう。既に紹介した「オートザムAZ-1」がオートザム店から販売されていました。オートザムは軽自動車を専門的に扱う店舗として展開しました。

アンフィニといえばこの「サバンナ RX-7」です。アンフィニはスポーツカーを扱う店舗です。

ユーノスといえば初代ロードスターこと「ユーノス ロードスター」です。ヨーロッパをイメージしたクルマを扱うのがユーノス店です。

さて、ここでよく見てください。よく見るとマツダのエンブレムじゃないですよね? これは当時マツダのブランドイメージが芳しくない…という理由で、あえて付けず、取り扱い店舗からもマツダのイメージを消してたからです。

ここで現在のトヨタ車を扱うディーラーを思い出してください。
例えばプリウスなんかはレクサスを除く全ての店舗で扱ってます。アルファードとヴェルファイアは姉妹関係ですし、ヴォクシー・ノア・エクスファイアも姉妹。それぞれ扱うチャンネルは違えども、クルマそのものはベースが同じです。こうすれば、各チャンネルに対して実質同じクルマをラインアップできて、このような姉妹車なんかを増やしたりすることで、各チャンネルの品揃えを確保できるわけです。

が、マツダの場合は「軽自動車=オートザム」「スポーツ=アンフィニ」「ヨーロッパ=ユーノス」と分けたために、それぞれのブランドイメージに合わせたクルマを作る必要があります。姉妹車にしたくても元々の志向が違うのでそれもできない。まったく違うクルマを作り、それぞれの店舗の品揃えのために多くの車種の生産ラインを確保しなければならない…生産ラインの数を増やすには、それだけ投資して工場を作る必要があります。

そんなこんなで「マツダブランド」を薄めて、店舗と車種を作って、製造ラインのコストに見合わない販売台数…ついでにブランドイメージそのものもお互いに薄めあうことで、市場での存在感が薄くなりました。これがマツダ経営危機へと発展していきます。

OEM だとなにか良い事があるの?

多チャンネル化の失敗により、経営危機に陥ったマツダ。当然の事ながら新規車両の開発をする資金繰りにも困ります。リストラが必要なぐらいなのですから当然です。しかし、いつまでも新規車両を開発・販売しないというわけにもいきません。

これを期に自社での新たな軽自動車開発は行わずにOEMという形で、スズキから軽自動車を調達することになります。マツダが販売する軽自動車はスズキが開発・製造してくれるのですから、マツダ自身は開発コスト・製造コストに対する投資は不要です。
スズキとしては、別に自社ブランドのディーラーにこだわらなくても、とにかく販売してくれる店舗が増えてくれれば、その分クルマが売れます。というより、展示車両なんかは事前にマツダが買い取ってくれているようなものです。

マツダは自社での軽自動車の開発・製造を行わない分、別の分野への投資を行う資金を調達しやすくなります。その結果が今日の「SKYACTIVE TECHNOLOGY」につながります。

ハスラーではなくフレアクロスオーバーを選ぶ

同じクルマなのに「選択肢が狭い」「値段も高い」と言うのはどうなのか?

話をフレアクロスオーバーに戻しましょう。

ハスラーとフレアクロスオーバーを見比べていくとこう思われるのではないでしょうか?
「ハスラーと同じクルマでも、バリエーションが少ない。特別仕様車もない」
「車両価格が最大で64,800円も高く付くのにフレアクロスオーバーを選ぶ理由なんてあるの?」

確かにボディカラーは少ないですし、CVTしか選べないし、ターボモデルは1つだけ…とはいえ、フレアクロスオーバーは売れ筋をしっかり押さえてるわけです。「運転免許でMT乗れるから、ハスラーのMTにしか乗れないわ」なんて事を言う人がいるでしょうか? 現代のクルマは殆どがATやCVTが用意され、スポーツカーですらセミAT化されるのが当たり前と言う時代です。

特に冒険するつもりがないのであればフレアクロスオーバーで十分だと言えます。トランスミッションやターボの有無、アクセサリーによるデカールの選択肢も、ハスラーに比べれば少ないです。逆に言えば「選ぶ上ではこの上なくシンプルである」と言えます。
選択肢が多くて複雑化すればするほど、ユーザーは選択肢の中から選んで決定すると言うことができなくなります。後々に「あの時にこっちのモデルにするべきだったな~」なんて事につながりかねません。

カタログだけじゃクルマは買えない。

「車両価格が最大で64,800円も高く付くのにフレアクロスオーバーを選ぶ理由なんてあるの?」

これが一番気になってる人多いのではないでしょうか。何を買うにしても最終的には値段を知りたいはずです。これが通販であれば「このお値段!」と言うことで即決です。値段が安いハスラーを買うほうがお得でしょう。

しかし、クルマというのはそんな買い方ではありません。実際には取り扱っている販売店。つまりディーラーに足を運ぶわけです。
そこでこの「フレアクロスオーバー」という存在が大きくなります。だって、「ハスラー」にとっては姉妹車であり、比較対象になりません。同じクルマなんですから。
これが他社メーカーの違うクルマであれば、ユーザーからの質問に対して「例えば○○に関しては、こういうところが違って~」などと、長所短所をセールストークで説明してくれるでしょう。
でも、今回のように姉妹車を引き合いに出されると迂闊な事が言えません。自社でも取り扱ってるクルマを悪く言うなんて事は絶対に出来ませんし、かと言って良い所を羅列しても「どっちも同じクルマ」である以上、そのクルマに対する評価は高まれど、自社での商談成立とはならない…。

ディーラーとして欲しいのは「自社での販売実績」です。この様な決定的な違いが無い姉妹車を対抗馬にされたときにやることはひとつです。

ズバリ! 「値引き」「サービス」「特典」です!

もうディーラーとしてはこれ以外に方法がありません。同じクルマなんですから、買われるのはお得である方です。ユーザーとすればこれ以上に無い「値引き交渉の材料」と言うわけです。

実際の「値引き交渉」の結果はどうか?

では、ハスラーとフレアクロスオーバーをお互いに値引き交渉の材料にして商談した場合、どちらがお得なのか? ちなみにフレアクロスオーバーには最低でも10,800円のハンデがある状態です。
ここからはネット上での口コミなどからの憶測ではありますが…以外にも、フレアクロスオーバーのほうがトータルでは安値を勝ち取ってるという情報が多々見られます。考えられる理由として

・現在売れ行き好調のハスラーとしては無理な値引きをする必要が無いが、知名度で劣るフレアクロスオーバーは値引きを商談成立の手段とされることが多い。
・製造ラインを持つスズキのほうが投資した製造ラインのコスト回収のために価格設定がシビア=値引きも渋め。対するマツダは多少の薄利多売を行っても良い。
・売れ筋以外のバリエーションも用意しなければならない分、更にスズキとしては価格設定がシビアになる。

OEM車であるが故の利点が生きていると言えます。もちろんスズキとしても、マツダ側でフレアクロスオーバーが売れてくれれば、合算での販売台数は伸びます。製造メーカーとしてはwin-winです。
ただし、実際の販売窓口であるディーラーは、自社で売らないと利益は出ません。買う側であるユーザーとなるからには、是非とも良い条件を引き出したいところです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は既に販売されているハスラーのOEM車であるということもあり、深く探る点はなかったと言えます。既にハスラーがある以上、同じ内容を説明するのもどうかと思いましたし。
しかし「マツダから販売されている」という、この事実を知らないというのは損! 値引き交渉の材料としてもそうですが、「マツダというブランド」をフレアクロスオーバーなら付与できるのです。
かつてのマツダと違い、現在はマツダに対する世間の評価は高くなっています。近年ではトヨタとの技術提携、優れた「SKYACTIVE ディーゼルエンジン」、ロータリースポーツの復活などで話題となることが多くなりました。その話題のエンブレムをつけてみるのはどうでしょうか。

元は同じクルマ。されど、ユーザーが実際に購入する過程は人それぞれにして、愛車となるクルマはこの世にはその1台のみ。もしかしたら、フレアクロスオーバーというハスラーの姉妹車こそがベストな選択であるということも大いにあるのではないでしょうか。