【マツダ ペルソナ】バブルの申し子 ネーミングセンスに座布団1枚

バブル期の日本ではその潤沢な資金を基に数々の個性的な車が世に出され、そしてバブルの崩壊とともに消えて行きました。そんなバブル期の申し子の1台がマツダ ペルソナです。カペラという内面を「インテリアイズム」という仮面(ペルソナ)で覆い隠したようにも見えるペルソナですが、実際のところはどうなのか、見ていきましょう。

バブルの申し子 マツダ ペルソナ

ペルソナについて

1988年から1992年に掛けてマツダから販売されました。ペルソナという車は同社の主力4ドアセダン「カペラ」をベース車両として、「インテリアイズム」という設計思想のもと開発された車です。ベース車両のカペラにラウンジソファー型のリアシート、七宝焼きのエンブレム、グローブボックスなし(デザインのため)、持ち運び可能なアームレスト、灰皿・ライターのオプション化(つまり禁煙車前提)といった数々の装備品が奢られていました。1988年度のベストカーのインテリアカーオブザイヤーにも選ばれるなどそのインテリアデザインは高く評価されています。

バブルという時代

著者である私自身はバブル時代を経験せず、その後の衰退もしくはゼロ成長の時代(と個人的には思う)に生まれた人間ですので、肌身でバブルの空気を味わったことはありません。テレビや書籍で当時の株式・土地の値上がりを背景に贅沢な暮らしを誰もがしていた時代なんだなーと、感じる程度です。
個人であってもお金に余裕が生まれると贅沢になったりするものです、私自信だとスーパーで値引き品しか買わない時期がありましたら、仕事が落ち着いてきたことから敢えて値引き品やセール品を狙うことはなくなったり、WIMAXだった自宅のネット環境をSIMフリースマホと光ファイバーに変更してみようと画策してみたり、軽自動車から普通車に乗り換えてみたりと、考えてみると、日々の収入に余裕ができることで身の回りのものが徐々に贅沢になっていったことがよくわかります。
バブルという時代に生まれたペルソナも、今の車では考えられないような部分にお金が使われていて驚かされます。七宝焼きのエンブレム、灰皿・ライターがオプション装備、グローブボックスがない(デザイン優先のため)、リアシートが一体型のソファー、と数々の贅沢装備が標準で装備されているんですね。現代でもインテリアに豪華な装備を施した車種は数多くありますが、マセラティやメルセデス・ベンツのSクラス、レクサスなどのブランドが確立している車ばかりです。しかしペルソナは見た目がほとんどベースとなったカペラと変わりありません。特にプレミアがある車種として設計・販売をしていないカペラという車種にソファーなど、今ではほとんど見ることのない豪華な装備を標準で装備させ販売しているのに驚かされます。今現在の自動車市場でプレミア路線を取っている車種は、どんな車種にも緻密に計算されたブランド戦略があり、それに準じて販売される車に相応の装備が与えられていると思うのですが、ペルソナには緻密なブランド戦略というより、バブル経済の金余りを想定した戦略しかなかったのではないかと感じるのです。マツダはその後販売チャネルを多様化し、カペラもMS-8と名を変えて「アンフィニ」ブランドから販売されることになりますが、バブル経済の崩壊とともにMS-8もアンフィニというブランドも綺麗に消えてしまいました。
バブル当時は皆お金に余裕があったので、インテリアイズムというわかり易く、よくよく考えると少し安易にも感じる車にも、お金をだすことができたのでしょう。

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バブルについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

販売サイトへ

最大の特徴 ソファのようなリアシート

出典:http://minkara.carview.co.jp/userid/1536912/blog/31668223/

マツダ ペルソナ最大の特徴といっても良いのがこの、バーのラウンジと揶揄やれることが多いリアシートです。写真ではアームレストがありませんが、シート独立した持ち運び可能なアームレストが付属しています。発売当時は女優のイングリッド・バーグマン氏を起用し、助手席に女性を乗せてなんぼともまで言われたそうです。
ロールスロイスなど超の付く高級車もリアシートは非常に快適ですが、それは会社の役員など特別な人が移動中にゆったりとした時間を過ごすためのものです。それに対してこのペルソナは、車を停め、男性と女性が二人でゆったりとくつろぐために作られていると思われます。
バブル期には他にもホンダのプレリュードのようなデートカーと呼ばれる車があり、ペルソナもそうしたデートカーの1台と言えるでしょう。

七宝焼きで仮面(ペルソナ)型のエンブレム

出典:http://minkara.carview.co.jp/userid/1536912/blog/31668223/

舞踏会で使用されるような仮面型のエンブレムもペルソナの特徴の1つです。
ペルソナというのはそもそも心理用語でして、簡単に言うと人が人と接する時に作っている顔です。心理学上は対外的に出している表情(つまり仮面)としてペルソナ、隠されている内側の顔としてアニマ・アニムスという表情があるとされています。自分の内面とは違う表情を対外的に出しているという考え方から、ペルソナ=仮面という表現がされる訳ですね。
マツダ・ペルソナを見てみると、見事に仮面型のエンブレムを付けていますので、心理学用語のペルソナが名前の基であることは間違いないでしょう。車自身を見てみても、表面的にはインテリアイズムと銘打った非常に質感の高いインテリアを持ちながら、内面つまり車の機能としてはカペラなので、この名前を付けた方は結構いいセンスをされています。
七宝焼きのエンブレムはインフィニティ(日産の北米向け高級車ブランド)・アルファロメオ・フェラーリ・トミーカイラ(日本の自動車チューニングメーカー)などでも採用されており、ヤフーオークションなどで検索するとエンブレム単体で出品されていたりします。独特の光沢と高級感がありエンブレムが違うだけでもオーナーの車に対する所有満足度が意外に高まります、たかがエンブレムとあなどれません。簡単なモディファイとして七宝焼きエンブレムが設定されている車種のオーナーさんが、エンブレムだけ七宝焼きの物に変える場合もあります、わかる人にはわかるこだわりですね。

高級路線の車とは思えないリーズナブルな価格設定

ちなみにこのペルソナ、新車価格だと最安グレードの車でなんと150万円台と今の新車価格からは考えられないくらいリーズナブルな価格設定となっています。販売後期に設定された特別仕様車でも225万円、今時フル装備の軽自動車なら200万円台になってくることを考えると、これだけ高級感を売りにした車がこれだけ安いのだから、そら販売台数も落ちるでしょう。
現在マツダを代表する4ドアセダンとしてアテンザがありますが、新車価格だと安くて279万円から、最上級グレードにオプションフル装備だと400万円に届いてしまいます。衝突安全性の基準が引き上げられ、自動車に求められる基本性能が高まっている、円安による材料調達コスト・製造コストの上昇など値段が上昇している原因はいろいろ考えられ仕方のない面もあるのでしょう。軽自動車でこれだけ費用が掛かるのですから、価格が上昇し続けている4ドアセダンは中々売れないのは仕方がないとは思います。
そうなると4ドアセダンはより高付加価値を付けた趣味性の高い車種がメインとなるのだから当然セダンは一部の高所得者の乗り物へとシフトしていく、セダン離れなんて言葉も聞いたことがありますが、そらそうでしょう、昔に比べてセダンは高いのですから。

スペック

ボディタイプ:ハードトップ
ドア数:4ドア
乗員定員:5名
型式:E-MAEP
全長×全幅×全高:4,550×1,695×1,335mm
ホイールベース:2,575mm
トレッド前/後:1,460/1,465mm
室内長×室内幅×室内高:1,760×1,350×1,090mm
車両重量:1,250kg

燃費・性能・詳細スペック

エンジン・燃料系
エンジン型式:FE
最高出力:140ps(103kW)/6,000rpm
最大トルク:19.0kg・m(186.3N・m)/4,000rpm
種類:水冷直列4気筒DOHC
総排気量:1,998cc
内径×行程:86.0mm×86.0mm
圧縮比:10.0
過給機:なし
燃料供給装置:電子制御燃料噴射式
燃料タンク容量:60リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

環境仕様
10モード/10・15モード燃費:9.8km/リットル

足回り:ステアリング形式 パワーアシストなしラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ストラット式
サスペンション形式(後):ストラット式
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
タイヤサイズ(前):185/70R14 87S
タイヤサイズ(後):185/70R14 87S
最小回転半径:5.4m

駆動系
駆動方式:FF
トランスミッション:4AT

中古車について

マツダ ペルソナに乗るとなると、今では中古車しか選択肢がありません。という訳でペルソナの中古車をネットから検索してみたのですが、なんと一台も登録されていません! 価格.com・goo自動車・カーセンサー・ヤフーオークションと調べてみたのですが、一台もヒットしませんでした。販売していた年数も短いため日本に現存している車両自体も少ないということがよくわかります。中古車業者のオークションでは姿を見せることもあるのかもしれませんが、少なくとも一般で流通している車両は2016年3月現在は皆無という状況です。ペルソナが是非欲しいというかたには非常に厳しい現状ですが、どうしても欲しいという方はガリバーなどの中古車販売サイトで車両を探してもらうよう依頼するしか方法がないように思います。

中古車が見つからない時はまず検索

余談ではありますが、欲しい中古車が見つからない時について少し小話を。
ネットが普及している今では、欲しい中古車がある時はカーセンサーやgoo自動車などを使用してまず検索するのが一般的で、実はこの方法が一番安く中古車を手に入れらる可能性が高くなります。
ネットにうとい方なんどは自宅の近くにある中古車販売業者などに欲しい中古車の内容を伝え、その内容にあった中古車を探してもらうことになるかと思うのですが、問題はその業者がどこから中古車の情報をもってkるのかという事です。実は小さな中古車販売業者のほとんどはカーセンサーなどのサイトから顧客の要望に沿った中古車を検索し、見つかればその中古車を販売している業者と交渉し、顧客に中古車を販売することになるのです。自分でも検索しようと思えばできるので、間に別業者が入る分だけ中間マージンが発生する場合もあり(特に中間マージンとらない業者もあるし、正直にネットで調べたと言ってくれる業者もいます)基本的には自分でサイトを検索して中古車を探す方が安く挙がります。
ですが、中古車検索サイトで見つからないとなると、以下の方法を検討する必要があるでしょう。



独自の中古車流通経路や在庫を持つ業者に探してもらう。

ガリバーや多くの車内在庫を持ち、それを自社ネットワークで共有しています。ですのでガリバーで中古車を探してもらうと、ガリバーの自社サイトから案外あっさり見つかることがあります。
10年ほど以前ガリバーは自動車買取交渉で数時間も交渉するなど、あまり良いイメージを持たれていない人がたまにいるのですが、中古車の購入や車検といった内容だけで話を持っていけば、缶詰にされることはまずありません、大手ですのでアフターフォローや接客も標準的なサービスが受けられますので、中古車の購入だけで見ると結構悪くありません。現在の買取姿勢については、あまり悪い噂は利かなくなりましので、もしかしたら改善されているのかもしれません。
アップルは自社で中古車オークションを主催しているため、ガリバー同様アップル系列の店舗で中古車を探してもらうことも有効です。
各自動車ディーラーもそれぞれ独自にネットワークを持っているようで、ディーラーに依頼してみるのも一つです。欲しい中古車のメーカー、ペルソナならマツダ系のディーラーに依頼するのが基本です。

ペルソナというネーミングに座布団1枚

カペラというベース車が基本的にはある上で、そこに「インテリアイズム」というキャッチコピーの基ラウンジをイメージした豪華な室内空間を乗せたのがカペラなのでしょう。他のサイトや意見などを見ていて思うのが、この車の評価はどこまでいっても豪華な内装や女性を乗せてなんぼの車という部分ばかりで、走行性能にフォーカスされた評価がほとんど見受けられないのがある意味特徴的だと思えます。まあ、この車に対する評価を今の時代ネットに乗せるような人はよっぽどペルソナのことをわかっている方でしょうから、当然カペラがベースであることもわかっているため、敢えて走行性能には言及されていないということだと思われます。カペラという内面をインテリアイズムという仮面(ペルソナ)で覆い隠し、見事にその仮面だけが評価されていますので、なんともうまい名前を付けたものだとうならされます。