【スズキ カルタス】モンスターを生み出した小型車 モデル情報・中古車・ラリーなど

軽自動車が得意なイメージのあるスズキ自動車ですが、小型乗用車にも力を注いでいます。そのルーツをたどっていくと軽自動車から発展した“フロンテ”というクルマにいきあたります。その後継車として、軽自動車をベースにすることなく独立した小型車として開発されたのがカルタスです。モデルバリエーションが豊富で、スズキの腰の入れようが伺える1台です。モータースポーツでの活躍や、中古車情報も交えてご紹介します。

スズキ カルタスというクルマ

スズキ カルタスは、1983年から2002年にかけてスズキ自動車が製造・販売していた乗用車です。スズキが送り出した小型乗用車は、1965年から1969年にかけて製造・販売されたフロンテ 800以来2車種目です。

車名“カルタス”について

“スズキ四輪車 車名の由来”によれば、“崇拝”を意味するラテン語が語源の英語“CULT(カルト)”は“CULTURE(カルチャー:文化)”につながる接頭辞で、文化・教養に関係が深く“思想のあるクルマは文化だ”という主張と、現代のクルマ文化に貢献したいというスズキの願いを込めたもの。とされています。

スズキ スイフトの前身

スズキ スイフト2000年モデル

カルタスは車重が軽いこともあり、当時の乗用車の中では省燃費の筆頭格でした。質実剛健で販売価格が軽自動車並みなことから世界各国へ輸出され、欧州市場では“スズキ スイフト”の車名が付けられました。その他にもシボレー スプリント(北米)、ポンティアック ファイヤーフライ(カナダ)、ホールデン バリーナ(オーストラリア)などの名称でも販売されました。日本国内では軽自動車の存在によって販売台数は伸びませんでしたが、日本国外、特にアメリカ市場でヒットし、バジェットカーとして親しまれました。

初代モデル

1983年10月、提携先であるGMとの共同開発によって誕生しました。エンジンは当初直列3気筒の1.0Lで、前輪駆動の3ドアハッチバックのみでした。製造コストを下げるために、同社のアルト等の軽自動車用のコンポーネント(特にサスペンション関係)を一部に流用しています。同社はカルタス生産開始のために湖西第二工場を新設しています。
1984年、直列4気筒の1.3Lモデルの追加と、スズキが元々企画していた5ドアが登場しました。また、ターボモデルと3速A/Tを追加しました。

スペック

乗車定員:5名
ボディタイプ:3ドアハッチバック
全長:3,585mm
全幅:1,530mm
全高:1,350mm
ホイールベース:2,245mm
車両重量:620kg
エンジン:G10 直列3SOHC
総排気量:1.0L
最高出力:60PS/5,500rpm
最大トルク:8.5kgf·m/3,500rpm
変速機:4速M/T
駆動方式:FF
サスペンション(前):ストラット式独立
サスペンション(後):リーフリジッド

マイナーチェンジ

1986年の大規模なマイナーチェンジでフロント回りのデザインが変更になり、ヘッドランプが異型ハロゲンタイプになりました。リアサスペンションがこれまでのリーフリジッドに代わってアイソレーテッド・トレーリング・リンク(略称I.T.L。車軸懸架ながらコイルスプリング化)に変更されました。他外装、内装等も多少変更されています。

カルタスGT-i

GT-iはクラストップの出力(初期モデル97 PS・後期モデル110 PS)を誇るホットモデルで、レースやダートトライアルなど当時の国内モータースポーツでは小排気量クラスの主力になっていました。

2台目モデル

1988年9月、フルモデルチェンジを実施して製造開始しました。廉価な世界戦略車というコンセプトは先代から引き継がれています。ゲタ代わりだった初代モデルに高級感が加わり価格帯が上昇したことから、しばらくの間は初代モデルも並行して販売されていました。日本国外市場では引き続き主に“スイフト”の名で販売されましたが、北米ではGMの“キャプティバ インポートモデル”として、意匠を変更したジオ メトロとポンティアック ファイアーフライが販売されました。日本国内向けは1.0Lがメトロ コンバーチブルと同じフロントデザインでフロントグリルなし、1.3Lはフロントグリル付きでヘッドランプなどフロント回りが別意匠のなっていました。両方に3ドアと5ドアのハッチバックモデルがあります。

スペック

ボディタイプ:ハッチバック
ドア数:3ドア
乗員定員:5名
型式:E-AA44S
全長×全幅×全高:3,710×1,575×1,350mm
ホイールベース:2,265mm
トレッド前/後:1,365/1,340mm
室内長×室内幅×室内高:1,680×1,335×1,110mm
車両重量:710kg
エンジン型式:G10
最高出力:58ps(43kW)/6,000rpm
最大トルク:8.0kg・m(78N・m)/3,500rpm
種類:水冷直列3気筒SOHC
総排気量:993cc
内径×行程:74.0mm×77.0mm
圧縮比:9.5
過給機:なし
燃料供給装置:キャブレター式
燃料タンク容量:40L
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費:18.2km/L
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ストラット式四輪独立懸架
サスペンション形式(後):ストラット式四輪独立懸架
ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ:155/70R13 75S
最小回転半径:4.6m
駆動方式:FF
トランスミッション:5M/T

2代目GT-i

1.3L DOHC搭載のホットモデル“GTi”は3ドアのみの設定で純正エアロが標準で付いていました。

エスティーム

1989年6月、スズキとしては1965年から1969年まで販売されていたフロンテ800以来30年ぶりのノッチバックセダン(3ボックススタイル)となる“エスティーム”を1.3Lと1.6Lの設定で販売開始しました。フロントグリル付きで、特別仕様車では“コシノヒロコリミテッド(1.3L)”があり、彼女がデザインしたシート表皮が採用されていました。

マイナーチェンジ

1991年、マイナーチェンジを受けて内外装の変更があり、リアコンビネーションランプが当時のアメリカ車によく見られたグリッドモールド(格子柄)から日本車風の上下2分割レンズの水平基調になりました。リアナンバー位置もリア・ガーニシュからバンパー下部に変更されています。内装は一新され、アメリカ車風の独特のダッシュボードがこの当時の一般的な日本車風になりました。1.6Lモデルは自動車税の区分に合わせた1.5Lへ変更されました。

コンバーチブルの登場

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%B9

コンバーチブルが設定され、北米市場ではコンバーチブルだけでも1万台を超える販売台数となる大ヒットモデルになりました。日本国内向けは1992年2月に登場しています。オートマチックはスズキ初のCVT(SCVT・湿式多板クラッチ+サイレントチェーン式CVT・ボルグワーナー製)が採用されました。純正車体色は青メタリックと赤の2色のみの設定でした。

3代目モデル

1998年5月、カルタスの上位機種としてカルタス・クレセントの販売を開始しました。ボディタイプは当初3ドアハッチバック(1.3L、1.5L)と4ドアセダン(1.5L、1.6L)の2種類です。

スペック

ボディタイプ:ハッチバック
ドア数:3ドア
乗員定員:5名
型式:GF-GA11S
全長×全幅×全高:3,900×1,680×1,395mm
ホイールベース:2,380mm
トレッド前/後:1,440/1,435mm
室内長×室内幅×室内高:1,690×1,380×1,160mm
車両重量:900kg
最高出力:85ps(63kW)/6,000rpm
最大トルク:11.3kg・m(110.8N・m)/3,000rpm
種類:水冷直列4気筒SOHC16バルブ
総排気量:1,298cc
内径×行程:74.0mm×75.5mm
圧縮比:9.5
過給機:なし
燃料供給装置:EPI(電子制御燃料噴射)
燃料タンク容量:51L
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費:20.0km/L
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ストラット式4輪独立懸架
サスペンション形式(後):ストラット式4輪独立懸架
ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ:175/70R13 82S
最小回転半径:4.7m
駆動方式:FF
トランスミッション:5M/T

ワゴンモデル

1996年2月、ワゴン(1.5L、1.8L、4WD専用の1.6L)を追加しました。ワゴンの目標月間販売は500台と発表されました。

モデルの統廃合

3ドア1.5L車を廃止して、3ドアハッチバック&4ドアセダン1.6L(4WD専用)を追加しました。日本国外の一部の地域(北米等)では、車名が“スイフト”から2代目セダンのサブネームである“エスティーム”に変更されました。欧州では“バレーノ”の名称で販売されていて、3ドア・セダンにも1.8L搭載車が存在します。上位機種ではない従来モデルは、日本国内向けは1999年まで併売されました。北米向けのスズキ スイフトはジオ メトロをベースとしたハッチバックのみがモデルチェンジされ、日本国外専売車種になりました。

マイナーチェンジ

1997年(平成9年)5月、マイナーチェンジ。内装変更。ワゴンに1.8 L エアロ設定。3ドア1.3 Lに無段変速機専用グレード「G」設定。搭載のCVTは富士重工業のECVTである。
1998年(平成10年)5月、マイナーチェンジ。同時に「カルタス・クレセント」を「カルタス」に、従来のカルタスを「カルタス Mシリーズ」に名称変更。この時一部グレードに標準装備だったエアバッグ、ABSがオプション設定となった。

モデル終焉

1999年8月、ハッチバックの生産を終了しました。同じ頃、旧カルタスも生産を終了しています。後継車はスイフトです。2001年11月、エリオセダンの登場によりセダンの生産も終了しました。2002年8月、ワゴンの生産を終了しました。これで全てのモデルが生産を終え、19年続いたカルタスの車名に終止符が打たれました。後継車種はエリオ及びGM大宇が製造しスズキが輸入販売するシボレー・オプトラです。

モータースポーツでの活躍

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0

アメリカ、コロラド州で毎年アメリカ独立記念日の前後に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(アメリカ、コロラド州で毎年アメリカ独立記念日前後に行われる自動車と二輪車のレース。別名“雲へ向かうレース(The Race to the Clouds)”と言われています)に1989年及び1991年~1993年までの間、2代目カルタスをベースにしたスペシャルマシン“スズキスポーツ・ツインエンジン・カルタス”が参戦しています。もっとも、ベースと言ってもそれは外観だけの話で、軽量なパイプフレームのシャシに400psを発生する直列4気筒1.6Lエンジンを前後に搭載し、合計800ps・92.3kgf·mに達するという、オリジナルとは似ても似つかないモンスターマシンなんです。この2基のエンジンは電子制御とEMCDと呼ばれる電磁クラッチ式センターデフで制御されていました。当時のスズキは大排気量エンジンを開発・製造していなかったので、エンジン2基搭載という破天荒な発想は適当なエンジンがないが故の苦肉の策でもありました。また極端とも言える馬力設定は、パイクスピーク山頂付近では空気が薄く高度が上がるにつれてエンジンパワーが低下していくため、予め高めの設定としたものです。

モンスター田嶋の存在

このマシンの開発には、レーシングドライバーである田嶋伸博氏の多大なる協力がありました。田嶋氏は自らドライバーとして乗り込み、パイクスピークに挑みました。初参加の1989年はリタイアを喫しましたが、改良を加えTYPE2となって2年越しの1991年に12分34秒51で完走を果たし、パイクスピークオープンクラスで3位という好成績を挙げたのです。1992年、1993年共にアンリミテッドクラス(改造無制限)で完走し、1993年は総合2位の成績を獲得しています。

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株式会社 タジマ モーターコーポレーション

中古車はまだある?

ちょっと厳しいですね。某中古車サイトで2台みつけました。1台はとんでもないカスタムを受けたコンバーチブルです。GT-i系があれば楽しいのですが残念です。

全国のカルタスの中古車情報(1〜2件)はGoo-net(グーネット)。価格・年式・走行距離からご希望の車を検索・見積りできます。中古車物件情報が30万台!全国のスズキ(カルタス)の中古車検索・見積りなら日本最大級の中古車情報サイトGoo-net!

最後にまとめ

いかがでしたか。スズキ カルタス。日本においてはリッターカーの走りのようなクルマです。特にGT-iはキビキビ走るとても楽しいクルマでした。通勤快速にするならこれくらいのサイズの方が向いていると思います。田嶋氏の活躍もこのクルマを有名にしたと言えるでしょう。今またクルマが小さくなりつつありますよね。四半世紀で戻る流れの中にいるのかもしれませんね。