2016 SUPER GT:富士スピードウェイ公式合同テストデーレポート

日本で数々行われているプロスポーツの中でも、しっかりとした道具を手に入れなければ勝てないという意味において、モータースポーツは特異な存在と言えるでしょう。ですので毎年春先になると、各チーム&自動車メーカーのマシンテストに熱が入るのは当然のことです。そんな中でも今回、開幕直SUPER GT(スーパーGT)シリーズ公式のテストイベントを見てきましたので、ちょっとレポートさせていただきます。

シーズン前、最後の準備は富士で

当日朝、走行開始前の電光表示(photo by dkikuchi)

年度末も押し迫った2016年3月の最後の週末。2016年のSUPER GT公式合同テストが、静岡県駿東郡にある富士スピードウェイで開催されました。その前週、岡山国際サーキットで同様のイベントが開催されており、2週間連続の濃密テストスケジュールです。各チームおよびマシンにとっては、前回とは性格の違うこのサーキットにおいて、今シーズンにむけた準備の最終確認となります。
実は、GT500が現行のターボ車になってから現物を見るのは、個人的にはこれがはじめてです。現在最先端のレーシングマシンが、屈指の高速サーキットをどのように走行するか、非常に楽しみなところでもあります。

冬が逆戻りしたような寒さです(photo by dkikuchi)

GTマシンがコース上に姿を現すのは10時からですが、東ゲートのオープンは7時ということなので、念のため早めにサーキット入りします。現地の気温は予想を超えて寒く、金曜日にサーキットは雨だったそうですが、近くの山間の方へ眼をやるとうっすらと雪化粧すら見えます。富士スピードウェイのメインストレートは、標高が500メートル位だという話を聞いたことがありますが、レーシングカーが走行するには若干気温が低すぎるかもしれません。

実は、富士山の影響があるこのサーキットでは、想定外の天候に驚かされることも少なくありません。何年か前の4月に、若手育成フォーミュラーレースのFJ1600&Super-FJがスタートする直前、雪がちらつきはじめたことなどを思い出します。
しかし、天気予報によれば日中の雨の心配はなさそうです。なにはともあれ走行開始時刻まで、下見をかねて場内を視察します。

ニスモのファンの方は瞳うるうる? (photo by dkikuchi)

通常のレースデーと違って、場内の交通規制が少ないというのも、こういったテストデーのありがたいところです。この日、グランドスタンド裏のイベント広場が駐車場として開放されていましたのでとりあえずそこへ車を持って行き、朝一のストレートを見ておくことにします。すると、コントロールライン付近にならぶ4台のGTカーを発見(上の写真)、どうやら今年向けのGTRがプレス向け撮影会をしていたようですね。TOYOTAの看板の前に堂々とならぶニスモの車達、2年連続チャンピオンを獲得したメーカーとして、その自信の程がうかがえる姿とも言えそうです。

新規投入のアウディR8 LMS(photo by dkikuchi)

さらに目を移すと、そのすぐ脇のピットガレージ前ではアウディチーム(Hitotsuyama Audi R8 LMS)が念入りにタイヤ交換の練習中です。ピット作業メカニックの方達の高度な技術と体力が、SGTのレースを盛り上げる大きな要素であることは言うまでもありませんよね。走行中のバトルとは一味違う緊張感がある、もう一つのレース、それがピットでの給油およびタイヤ交換作業だと思います。
アウディ以外でも、今年クルマが新車に入れ替わったチームが複数あります。ですからチームのみなさん、マシンのみならずメカニックやスタッフのパフォーマンス的にも、準備に大忙しというところでしょうか。

なにやら新しい設備が作られています(photo by dkikuchi)

そうそう、グランドスタンドには上の写真のような新しい設備、ウッドデッキみたいなものが新設工事中でした。これはひょっとして、いわゆるボックス席になるのでしょうか? ほかにもちょくちょく手が入っていて、依然進化中であるのが富士スピードウェイです。

各コーナーを移動しながらの見物

走行開始はパドック側から

パドックからピットビルの屋上まで出入りが自由!(photo by dkikuchi)

さて、一日歩き回ることを想定してたんまりと朝食も取り終えたころには、走行開始の時刻が迫っています。そして、富士でのテストデーの一番おいしい点は、パドックまで無料で入れることでもあります。私も、マシンがコースインする瞬間を見ようと思いピットビルBの屋上へ向かいます。長いピットビルの脇を最終コーナー側から歩いてゆけば、すでにエンジンの暖気をはじめているマシンのエキゾーストノートや、地面にならべられた多くのスリックタイヤなど、レースの雰囲気が全開で発散中です。この時間帯なら、ドライバーの人に出会った幸運なお客さんもいたかもしれませんね。

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2016年SGT富士公式テストデーいよいよスタートです(video by dkikuchi)

とにかくピットの屋上へ到着すると、そこはもう人だかり、誰も考えることは同じなんですねぇ。しばらく歩いて適当な隙間をみつけ、手すりに張り付いて走行開始時刻を待ちます。そして午前10時ジャストのオンタイムでSUPER GT富士テストがスタートです。見下ろせばそこには、ピットロードを出てゆくレーシングマシン達の雄姿。

ピットビルBはかなり第1コーナーに近いので、車があったまってくれば最高に加速がついた状態で走行するマシンが間近にみられる、知る人ぞしる富士スピードウェイのおすすめスポットの一つです。(アマチュアレース以外の大きなイベントでは、よく入場が規制されてしまうエリアでもあります)

SGTのマシンでは、レギュレーション上でデザインラインと定義される車体を取り巻くラインより下が、自由な設計を許されている範囲です。したがって、各メーカーその範囲にさまざまな空力パーツを取り付けることになる訳ですね。しかし同時に、基本となる空力パッケージは年に2セットだけという制限もあります。そういった絡みから結局そのセッティングは、ダウンフォースを求める通常サーキット向けと、ダウンフォースとドラッグを減らす高速サーキット向けの2種類に大別されるらしいです。そして今年は、高速仕様の空力が使えるのは富士スピードウェイのみと規則上明記されました。
1.5キロメートルとも言われる世界屈指の長いストレートが、レースの戦略上で絶対に無視できないのが、この富士スピードウェイです。しかしその反面、セクター3と呼ばれる最終セクションに待ち構えるクネクネの上り坂では、できるだけダウンフォースが欲しくなるところ。コーナーのフィーリングを追及するとストレートが遅くなり、最高速度ばかり稼いでもコーナーでマシンが滑ってしまう。レースの駆け引きを含めて、そのあたりのバランスを見るのも、富士でのレース観戦の面白みだと思います。

なんと言っても第1コーナー

1コーナーでM6をインから抜き去る新型プリウス!(photo by dkikuchi)

例の30度バンクがなくなって以来、一般的に言われる富士スピードウェイ最大の注目ポイントは、やはりこの第1コーナーなのでしょう。場内でちゃんとした座席が常設されているのも、グランドスタンドとここだけで、レースイベントの時は特別料金のスポットとなります。まぁ、テストデーならそのVIP観覧エリアも完全に開放状態。客席の背後には大きな駐車場がありますし、結構観戦は快適な場所となっており、最高速が出てからフルブレーキングするマシンが間近に堪能できます。

レースの時の第1コーナーは、長いストレートを走る間スリップストリームで前車の後方へ接近し、隙を見つけたらブレーキングを遅らせてマシンをねじ込むというオーバーテイクポイント。したがって、各マシンがどれだけ遅くブレーキを踏めるかという点も、ここでの注目ポイントではないでしょうか。よくブレーキングの目安と言われる150mの看板も、この観覧席からよく見えます。

また、このスタンドからですと、続くセクター2へ入り左右と曲がってゆくマシンを遠くに望めます。本番を観戦のおりは、双眼鏡があったほうがベストかもしれませんね。

高速コースの由来はセクター2にあり?

GT500が現行のターボ車になった頃、ダウンフォースが格段にアップしたような話をよく耳にしていたので、連続する富士の高速コーナーをどう走るかも楽しみなところです。富士では、第3コーナーからダンロップコーナーの手前(旧ヘアピンであるアドバンコーナーも含め)までが、できるだけ速度に乗ったままうまく抜けてゆくセクションと言われています。これらのコーナーでは、車とドライバーの強さが試される訳ですが、同時にいろいろな角度からマシンの挙動を見ることができる観戦ポイントになっています。

急な下り坂の次は高速コーナー(photo by dkikuchi)

富士のコースで3つめのコカ・コーラ コーナーは、第1コーナーを脱出し急な坂道をフル加速で下った後、ちょっとの減速&1段か2段のダウンシフトをして突入する高速コーナーのこと。たしかに今のGTマシンは、ちょっと前のフォーミュラーカーくらいの自信をもって、ここからの連続コーナーに入っていっている気がします。エンジン音を聞いていると、マシンによっては一瞬トップギヤに入ってから、「ばんばんっ」とダウンシフトしている場合もあるようですね。
コカ・コーラ コーナーは、ターンインしてくるマシンを正面もしくは右側から見たり、パドックにつながる坂道を上ると見下ろす形で見物できるスポットです。角度によると、このコーナーの立ち上がりでほとんど縁石をまたぐくらい膨らんで加速してゆく、そんなマシンの挙動も見られてエキサイティングです。

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セクター2を爆走するGTマシン達(video by dkikuchi)

そして、富士スピードウェイにおける影の主役ともいえるのが、100Rコーナーでしょう。旧レイアウトの頃はランオフエリアがほとんどなくて、正直言っても危険な感じのコーナーでしたが、現行のコースではとてつもなく広い逃げ場所ができて安全になりました。
100Rの観覧エリアは、ちょうどコースが丸く囲む内側にある芝生の場所で、真夏には木陰もありピクニック気分にもなれる場所です。レースデーでは、通の人たちのテントが散見されるものの、意外と混みあわないのもメリットかもしれません。
そして、この富士で最も横Gがかかる高速コーナーを、今のGTマシンは猛然とつっきて行ってしまうんですねぇ。ここでの横Gが車体に残ったまま、次のアドバン ヘヤピンへのアプローチがありますから、運転する人は腕の見せ所です。また見物人としても、臨場感あるレーシングマシンが意外と近くで見られる、良い観戦スポット場所だと思います。

レストランからも見られるアドバン コーナー、以前はヘヤピンと呼ばれていました(photo by dkikuchi)

実は、レーシングカーのサウンドの面白みは、スロットル踏みっきりのストレートの爆音より、コーナーへアプローチする時のシフトダウンにあると思うのです。そして、ツイスティな高速コーナーを出来るだけ速く抜けてきたマシンが適度に減速する様子と、そこから再びフル加速する姿の両方が楽しめるのが、このアドバン コーナーと言うことになるでしょう。
100R立ち上がりのエキゾースト音から、「ばんっばんっ」と2段シフトを落とすときの音はしびれます。その後のスロットルの開度が小さい瞬間では、ターボのアンチラグ システムが作動して、「ぶぱぱぱぱ」っと独特の音がします。このエリアでは、入ってくるところから次の高速300Rへ突入するまでが、広く見渡せるのもメリットです。また、パドック横にあるレストランの座席からも、このコーナーを見物できるようになっています。比較的低速になるので、上の写真の様にマシン同士が接近しあう姿も見られるのが、この旧ヘヤピンコーナーのエキサイティングな点でしょう。

セクター3はテクニカル

レースの時はオーバーテイクポイントにもなる、シケイン状のダンロップコーナー(photo by dkikuchi)

富士のいわゆる最終セクションが、ダンロップコーナーを入り口にしてはじまる上り坂の部分です。ちなみに、このダンロップコーナーは、コース上で一番標高の低いポイントだそうです。サーキットを実際に走る方達の中には、旧レイアウトの頃に最終コーナー前に置かれていたシケインの名前をそのまま使い、「Bコーナー」と呼ばれる人も多いようです。
この場所の外側には2ヵ所の駐車スペースがあり、うまく場所を確保できれば、自分の車の中から観戦することもできるという穴場になっています。予選日の夜を場内で過ごせる(富士のみ)SUPER GTのイベントでは、土曜日早朝の開門と同時にここへ直行、キャンプの敷設を行っているプロ級のマニアが多く集まるのもこの場所。

13コーナーはブラインドコーナー(photo by dkikuchi)

ダンロップから急坂を上り切った先に待つのが、上の写真にある第13コーナー。ブラインドコーナーで、微妙なうねりも路面についているという、見た目よりスピンしやすいコーナーと言われています。したがって、速度の速い上のクラスのマシンが下位クラスのマシンを追い抜くときにも、ちょっとリスクがある場所です。それを見物する我々としては、その先に写っている土手に上ると、ダンロップから13コーナーまでの流れが一望できるスポットになっています。

ストレートにつながる最終セクション(photo by dkikuchi)

メインイベントは、オープンピット

さて、季節外れとも言える寒気の中でも、何故このテストデーがかように賑わったのか? なんと言ってもその理由は、お昼休みのピットエリアを無料で見学できる「オープンピット」があるからです。

オープンピットに長蛇の列(photo by dkikuchi)

午前の走行が終了し、一度スタンド裏に戻って昼食をすませ(私の定番は、売店「松喜」のビーフカレー)遅れをとってはならぬとパドックへ下ってみれば、すでに上の写真のようにピット見学の長い行列ができています。まさに、老若男女があふれんばかり。業界の方は、日本のモータースポーツが盛り上がらないと嘆かれたりしますが、必ずしもそんなことないですよ。一瞬、全員入れるのかなぁと心配になりもしますが、ここでくじけては何にももなりません。
通用ゲートはほぼオンタイムでオープン、みなさん焦らずに急いでお目当てのチーム前へと直行です。私はまず一番奥まで行ってみることにしました。

UPGARAGE BANDOH 86(photo by dkikuchi)

こちらは、中山 友貴 / 山田 真之亮(以下敬称は略させていただきます) が運転する、UPGARAGE BANDOH 86。なんだか、あっ! と言っているように見えますね…

エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT(photo by dkikuchi)

植田 正幸 / 鶴田 和弥 組が運転する、エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT。暫定カラーリングですかね。まぁ色合いとしては、ブラック基調のこちらの方が、VIPの威厳が漂って良いように思えます。どちらにしても、AMGのGT3仕様がレースで弱い訳ないので、今年の活躍に期待です。

ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT (photo by dkikuchi)

武藤 英紀 / オリバー・ターベイのコンビで優勝を目指す、ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT。鋭い印象のボディーペイントが恰好良いです。よく見ると、フロントバンパーの角の部分に、微妙な空力処理が施されていますね。

KEIHIN NSX CONCEPT-GT(photo by dkikuchi)

塚越 広大 / 小暮 卓史のコンビがドライブのKEIHIN NSX CONCEPT-GTも、メカニックが鋭意整備中です。

Epson NSX CONCEPT-GT(photo by dkikuchi)

Epson NSX CONCEPT-GTでは、中嶋 大祐 / ベルトラン・バゲットがトップを目指します。

Studie BMW M6(photo by dkikuchi)

BMWの本気が見える? 今季新車になったStudie BMW M6を運転するのは、ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治のコンビです。BMWカラーに塗られて本物感が半端ありませんね。

JMS LMcorsa 488 GT3(photo by dkikuchi)

フェラーリからは、JMS LMcorsa 488 GT3が参戦。都筑 晶裕 / 新田 守男 / 脇阪 薫一がドライブ。

LEXUS TEAM TOM'S(photo by dkikuchi)

LEXUS TEAM TOM'S、36号車のスポンサーは「au」に。コックピットに収まるのは伊藤 大輔 / ニック・キャシディの二人。フロント回りの空力処理が、このマシンも面白いですね。

WedsSport ADVAN RC F(photo by dkikuchi)

関口 雄飛 / 国本 雄資がドライブの、WedsSport ADVAN RC F。ボンネットの中が見えそうで、やっぱりちゃんとは見えませんね。空力の開発が実質凍結され、今季のパフォーマンスアップには、エンジン開発が大きく影響すると言われています。各チーム、できれば完全に隠蔽したかったでしょうけれど、私たちファンのためにできるだけ露出してくれているようです。

TOYOTA PRIUS apr GT(photo by dkikuchi)

TOYOTA PRIUS apr GTも新型に進化。ドライバーコンビは永井 宏明 / 佐々木 孝太。ハイブリッドカーとは言え、なかなか勇ましいエキゾースト音を響かせ走ります。

MOTUL AUTECH GT-R(photo by dkikuchi)

そして、何と言っても人気No1は、ディフェンディング・チャンピオンであるこの一台。松田 次生 / ロニー・クインタレッリのチェカレンジャーコンビが運転する、MOTUL AUTECH GT-Rです。今回のテストでは、ラップタイム的には地味な結果に終わったようですが、依然として総合力はトップクラスだと思います。

フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(photo by dkikuchi)

佐々木 大樹 / 柳田 真孝というコンビで優勝を狙うのは、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。メカさんが使っているのは、アライメント調整用の治具か何かでしょうか。

シンティアム・アップル・ロータス(photo by dkikuchi)

こんな風に展示する感じでお客さんを迎えてくれたのが、シンティアム・アップル・ロータス。ペトロナスがスポンサーをするマシンを操る2人のドライバーは、高橋 一穂 / 加藤 寛規のコンビです。お茶目に、てへぺろっ、てしてますね。

塗り替わるのかGT勢力図

NISMO、チャンピオンは守れるか?(photo by dkikuchi)

今年のSUPER GTシリーズに、どちら向きの風が吹きそうか…、正直、今のところ誰にも分っていないことでしょう。500クラスで言うと、NISMO GTRはこれまで2年連続のチャンピオン、そこだけ取れば60年代のGTRの強さが再来したと言いたくなる人も居るとは思います。しかし、2014年のチームポイント差を見れば、KeePer TOM'Sとの差はわずかに1点。去年の点差では、同じ日産勢のTEAM IMPULと4点の違いしかありません。
そしてこれは、NISMOがチャンピオンとして頼りない、などと言う意味ではもちろんありません。SGTには、勝利したマシンにウェイトハンディを与えるシステムがあり、どんなに運が良くても1チームが単独でシーズンを独走ということにはならないのですね。ひとつの小さなミスにより優勝を逃す、最初から最後までドラマが展開し続けるのが、「世界一速いハコのレース」である日本のSUPER GTシリーズという訳です。

しかも、昨年は50kgまでのウェイトは燃料リストリクターにより、エンジンの出力を調整して代替していたものを、今季は上限100kgの実ウェイトが復活します。ですので、勝てば勝つほどクルマのセッティングは難しくなり、その処理にてこずったチームはかなり苦しむかもしれません。

今オフのテストでは、総じてLEXUS RC Fが好調と言われてきましたが、富士のテスト2日目後半にはKEIHIN NSXが2位のタイム(実はトップと同タイム)を記録。細かいコーナーのあまり多くない富士での好タイムは、チームにとって大きな成果ではなかったでしょうか。大英断によりハイブリッドを下したNSX CONCEPT-GT勢も、セッティングが進んでミッドシップの長所を生かせるようになれば、十分にチャンピオンを狙える位置に来るのではないかと思います。

一方GT300では、この週末の2日間ともに、B-MAX NDDP GT-Rがトップタイム。しかも土曜日は、それまでのコースレコードを破る好調ぶりを見せています。しかし、ここにきてやっと動き出したのが「高級車の皮を被ったオオカミ」、BMW M6勢です。タイムの数値としてはまだギャップがあるとは言え、1日目には3番手と4番手を占めて気を吐いています。やはり富士では、ストレートが早い車のタイムが良く出やすいとも言え、今回のテストでの成績が今後どのように展開してゆくかも楽しみですね。

まとめ

ストレートをかけ下るRC F(photo by dkikuchi)

今回は、日本で最も人気の高い自動車レースSUPER GTの公式イベントでありながら、レースではなくテストデーということで格安料金(入場料1,000円、ゴールド免許で1割引き)で見物してきました。やっぱり、一流のレーシングカーは迫力あります。そして、そんなものを見た後は本番のレースも見たくて仕方なくなりますよね。この後すぐ、4月9日、10日の週末には、岡山国際サーキットで2016 SUPER GTシリーズが開幕。そしてゴールデンウィークがくれば、お待ちかねの富士500kmレースが5月3日、4日に開催です。
みなさんの中には、「自動車レースって興味あるけどサーキットはまだ未体験」という方も多いのではないでしょうか。富士でのSGTは、土曜の夜を場内でのキャンプで過ごせるという意味でも、結構コストパフォーマンスの高いイベントだと思います。そんな話を聞くと、今年こそ見に行ってみようという気分が盛り上がってきませんか?
SUPER GT以外にも、サーキットでは様々な価格帯の自動車イベントが開催されます。ちょっと調べたら、彼女やご家族を連れて味見してみるのに良さそうな、お手軽で興味深いイベントが見つかると思います。
多くの人を新たに呼び込んで、業界の人がにっこりできるくらいに、日本のモータースポーツが盛り上がることを期待しています。

SUPER GTのエントリーリストやレースリザルトをはじめ、盛りだくさんの情報が載っている公式サイトです。

2016年のSUPER GT(スーパーGT)シリーズの開催スケジュールををまとめました。今年も熱い季節がやってきます。是非お住いの地域から近くのサーキットで開催の際は見に行ってください。最新更新:2016年3月11日

SUPER GTやスーパーフォーミュラーも開催されている富士スピードウェイについてご紹介しております。サーキットの見所や周辺の宿泊施設、グルメや温泉情報もご紹介しているので、富士スピードウェイに行く際に参考にしていただければ幸いです。