【AMC ぺーサー】醜いクルマベスト10にランクインしてしまうお茶目なクルマ 中古車情報もあり!

オイルショックのあおりから、世界中で自動車産業が疲弊していた1970年代。アメリカも同じでした。石油製品は高騰し、ガソリン価格も高騰したことからクルマに燃費性能を求めるようになりました。重たい車体を大排気量で引っ張る時代は終わり、軽量・小排気量にシフトし始めたころです。“10年先を行く”と打ち立てた計画は良かったのですが、結果はついてきませんでした。そんなAMCぺーサーをご紹介します。

ぺーサーというクルマ

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/AMC_Pacer

ぺーサーは、アメリカン・モータース・コーポレーション(AMC)が1975年から1980年に生産・販売していたクルマです。

AMCについて

1954年にナッシュ=ケルビネーター・コーポレーションとハドソン・モーター・カー・カンパニーが合併して発足した会社です。一時期は勢力をつけ、1970年にはジープの製造元であるカイザー=ジープ社(一般にはカイザー=ウィリスと呼ばれます)を買収しています。ですが70年代中盤からは経営不振に陥り、1979年にフランスのルノー資本を受け入れ傘下にはいりました。米国国防上の配慮により、米国外資本(ルノー)から軍用車部門を分離するため1982年にAMゼネラルとして独立しました。AMゼネラルはのちにハマーの製造元として有名になります。1987年にはクライスラーに買収され、AMCの乗用車部門は“イーグル”というブランドで継続されましたが、成績は振るわず1998年に消滅しました。一方ジープは、クライスラーの基幹ブランドの一つとして今も活躍しています。

ぺーサーの開発

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/AMC%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC

1970年代初頭、AMCはGM・フォード・クライスラーのビッグスリーに加え日本車との販売競争に加え、オイルショックの影響も受けて深刻な経営不振に陥っていました。この事態から脱却するため、“他社モデルとは比較にならないほど前衛的”といわれたグレムリン(Gremlin )をさらに発展させ“他社に10年先んずる”というコンセプトのもと1971年に“ペーサー”を企画しました。AMCのチーフデザイナ-、リチャード・E・ティーグによりデザインされ、全長はサブコンパクトながら幅はキャデラックといわれたサイズ、後席の乗降を楽にするための助手席側のみ長い非対称ドア、極端に低められたフード、大型の曲面ガラス(バブルグラス)の多用など、特徴あるプロポーションとスタイリングになりました。ですがデザイン優先でガラス面積が大きくなったため、フロントドアのガラスは下まで完全に下がりませんでしたし、車重の増加を招いてしまいました。その斬新なコンセプトはデザインのみならず、バンケルロータリーエンジンを搭載する前輪駆動車として計画され、名実ともに革新的なクルマとなるはずでした。しかし第一次オイルショックの煽りを受け、燃費面で課題の残るロータリーエンジン計画は中止、またコストの関係からドライブトレインも旧来のリジッドアクスルを用いた陳腐なFRになってしまったのです。

●スペック
乗車定員:5名
ボディタイプ:2ドアセダン
エンジン:3.8L直列6気筒OHV
最高出力:101ps/3,600rpm
最大トルク:25.6Kg-m/1,800rpm
変速機:3速A/T
駆動方式:FR
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後):リジットアクスル
全長:4,364mm
全幅:1,963mm
全高:1,320mm
ホイールベース:2,441mm
車両重量:1,361Kg

ぺーサーにまつわる逸話

1970年代の革新的なアメリカ車として名高いぺーサーですが、それだけにいろいろと逸話もあります。いくつかご紹介しましょう。

トミカになった!

出典:http://ken-box.com/SHOP/2010000496084.html

なんと、日本のミニカー最大手“トミカ”から1970年代後半にモデル化されているんです。これ、凄いことなんです。トミカの生産は1970年から始まりました。初版は6車種しかありませんでした。順調に車種数をのばし、1974年に100車種を達成しました。トミカに外国車シリーズが加わるのは1976年のことです。外国車シリーズは箱に入る帯が青いことから“青箱”と呼ばれます。ここから3年くらいの間に、ぺーサーが採用されたと言うことです。まだまだ外国車の輸入台数が少なかった当時、1台のクルマを採寸して製品にするまでどれだけの時間がかかったことでしょう。数ある名車の中にぺーサーが数えられたのは、それだけぺーサーというクルマのインパクトが強かったのでしょうね。

名車再生!クラシックカー・ディーラーズで取り上げられました

名車再生! クラシックカー・ディーラーズ DVD-BOX

¥10,442

販売サイトへ

ディスカバリーチャンネルの“名車再生!クラシックカー・ディーラーズ”という番組をご存じでしょうか。中古クラシックカーの購入から修復、販売までの一連の流れを追うシリーズ番組です。買い付け・販売担当のマイクと修復を手がけるメカニックのエドが、少しでも多くの利益を上げようと毎回奮闘します。ぺーサーは昨年この番組に取り上げられ、“カッコ悪い車ランキングに入ってしまうほど評判が悪い”ぺーサーを、マイクは悪評を吹き飛ばすようなクールな車にしたい! エドはこの1970年代の車を現代の人々が受け入れられるようなスタイルに変身させる計画でした。限られた予算でどのような車に仕上がったのでしょうね。

ディズニーアニメに登場!

カーズ2 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

¥3,127

販売サイトへ

ピクサーアニメーションスタジオが制作した“カーズ”をご存じですか。なんでも自分の力で手に入れてきたと勘違いしている成り上がりのレーサー“ライトニング・マックィーン”が、失敗と挫折を繰り返しながら“仲間の大切さ”を学び、真の王者へと上り詰める作品です。第2作となる“カーズ2”で、ライトニング・マックィーンの敵役としてAMCぺーサーが登場します。

中古車を探してみる

さんざん探し回ってみましたが、どこへいってもヒットするのはこの2台だけでした。とても状態の良い個体のようで、お値段は新車時を超えているのではないかと思います。気になる方はチェックしてみてください。

最後にまとめ

Photo by Tetsurrow

アメリカの自動車産業が迷走していた1970年代。その中心にいたのがぺーサーかもしれません。醜いクルマベスト10に必ずランクインするクルマ、ぺーサー。気になってしまった方は、ぜひ一度お試し下さい。