【ランドローバー ディフェンダー】不変のデザインと走破性で世界中を魅了!そのポテンシャルは?燃費?中古車相場は?

世界中のクロカンのトップモデルといえば「ランドローバー・ディフェンダー」です。デビュー当時から不変のデザイン、走破性など、今なお四駆好きを魅了する「ディフェンダー」の魅力や燃費、中古車相場はどうなっているのか調べてみました。

「ランド・ローバー・ディフェンダー(Land Rover Defender)」

イギリスが誇る「ランド・ローバー・ディフェンダー(Land Rover Defender)」は、世界の各国で軍用機や警察車両、あるいは消防車両など特殊車両として活躍している四輪駆動車です。

「ランドローバー社」の誇り?

イギリスの「ランドローバー社」が1948年という50年以上も前から製造しており、耐久性、高剛性に優れているラダーフレームを採用したシャシーに軽量なアルミニウム製ボディを組み合わせ、非常に走破性に優れた四輪駆動車として誕生し、そのポテンシャルは、世界各国で高く評価されました。その4WDシステムは、シリーズ「I」、「II」から続いていたシリーズ「III」の1979年にレンジローバー同様のセンターデフ付きのフルタイム4WDがシステムでトランスミッションはMTのみで副変速機付きが採用されています。その改良版は、2007年にゲトラグ製6MTが採用され前進12速、後進2速となっています。

ネーミングの由来

ネーミング自体は、当初から「ランド・ローバー・ディフェンダー(Land Rover Defender)」として登場したのではなく、1948年から製造していた四輪駆動車の「ランドローバー」シリーズが1990年に改良した際に付けられたネーミングでした。

シリーズの分岐点

1948年から始まる「ランドローバー」シリーズの「I」、1958年からは、シリーズ「II」、そして1971からシリーズ「III」として生産されていましたが、シリーズ「III」がマイナーチェンジした1983年に、まず「ランドローバー・90/110」とネーミングされました。「90(ナインティ)」「110(ワンテン)」という数字は、ホイールベースをインチ表記で表したものでしたが、この数字は「モデル名」のように広告やマニュアルにも堂々と記載されていました。ボディには、ラジエーターグリルの上部にセットされているエンブレムに記載されています。その後の1985年になると、バンモデル、ピックアップモデル、キャブシャシーが積載性が求められる業務用として登場します。このモデルは、ホイールベースを延長して127インチのホイールベースとなっていたために「ランドローバー・127」と呼ばれています。「ランドローバー・90/110/127」の3モデルが登場することによって「ランドローバー社」の他のモデルは、高級SUVの「レンジローバー」しかなかったために区別することは容易になりました。

シリーズ「III」との違いは?

「ディフェンダー」に続く、「ランドローバー・90/110/127」と「ランドローバー・シリーズIII」との違いは、実はエクステリアデザインにおいて差異は、ほとんどありません。ボンネットがフルレングスであること、フロントグリルの変更、ホイールアーチが拡大されているのが大きな違いです。それに対して、パワートレインには、大幅なアップデートバージョンとなっていました。4WDシステムは、フルタイム4WDによって走破性の向上が図られており、それに伴ってサスペンションシステムは、コイルスプリングがリセッティングされています。また1984年式からドアウィンドウが引き違い式からレギュレーターハンドルによる巻き上げ式を採用しています。さらにエンジンにも手が加えられ、2.3Lディーゼルエンジンをアップデートした2.5Lディーゼルエンジンが搭載され、燃料噴射システムなどにも改良が施されパワーが向上しています。それに加えて、「レンジローバー」に搭載されていた3.5Lのローバー製V型8気筒エンジンの圧縮比を下げたパワーユニットが5速MTと組み合わされて採用されました。

「ランドローバー・ディフェンダー」の誕生

1989年になると「ランドローバー社」は、「ランドローバー・90/110/127」と「レンジローバー」に加えて第三のモデルとして「ディスカバリー」を登場させます。この際にネーミングの混乱を避けるために1991年に「ランドローバー・90/110/127」のネーミングを「ディフェンダー・90/110/130」に変更し区別を明確にしました。「ディフェンダー・130」の「130」は、実際にはホイールベースに変更はなくネーミング上で分かりやすくするための変更でした。エクステリアにおいてもボディのフロントエンブレムが「Land Rover Defender 90/110/130」となりました。これによって「ランドローバー・ディフェンダー」としてのネーミングとなりました。

搭載されたパワーユニット

「ランドローバー・ディフェンダー」には、長年にわたってローバー製の200Tdiエンジンや300Tdiエンジンが搭載されていましたが、1994年に「BMW社」の傘下となり1998年にローバー製ではあるものの、「BMW社」の技術を投入した通称「Td5」と呼ばれている、2.5Lの直列5気筒ディーゼルターボエンジン(122PS/30.6kgm)を搭載しています。

2007年モデル以降は、エンブレムが付かない?

「ランドローバー・ディフェンダー」としてのネーミングとして、生産されていましたが、ボディのフロントエンブレムに飾られていた「Land Rover Defender 90/110/130」は、2007年モデルからは、何も記載されることはなくボンネットのフロント端に「Land Rover」とデザインされたステッカーが貼られるように変更されました。しかし、ボディのリアに「Defender」とデザインされたエンブレムが装着されました。アメリカ仕様やカナダ仕様と呼ばれる北米仕様の「NAS」と呼ばれるモデルの「ディフェンダー」は、1989年から1997年にかけて販売されていましたが、「90」や「110」という数字は表記はなく、単に「ランドローバー」としてネーミングされ販売されていました。またエクステリアデザインの変更は、ボンネットバルジが設けられた点です。これは、新しいエンジンをボンネットに収めるためと、歩行者保護ルールへの対応のために設定されたものです。またフロントガラスの下に設けられていたフラップもなくされました。この処理は、新しいダッシュボードデザインに加えてエアコンが装備されたためです。しかし、ボディのバルクヘッドのプレスデザインは同じなために、フラップのアウトラインは残されています。

2007年モデルからパワーユニットの変更

それまで「Td5」エンジンが10年ほど使用されていましたが、2000年から「フォード社」の傘下となっていた「ランドローバー社」は2007年になると「フォード社」のデュラトルクシリーズのエンジンに変更されています。このエンジンは、「フォード・トランジット」の2.4Lの直列4気筒エンジンで排気ガス規制の適合と安全法案の規格を満たすための選択でした。それでもオフロードでの水やホコリ、極端な角度や傾斜でも走行性を向上させるためにエンジンの潤滑システムやシーリング関係も見直しが図られました。しかも、最高出力は122PS/3,500rpmながら、最高出力のピーク回転数を落とし、加速時や牽引時のパフォーマンスの向上が図られています。また最大トルクは、可変ジオメトリーターボチャージャーを採用することによって221lbftから265lbft/2,000rpmへと向上しています。そして、このエンジンに組み合わされたのがゲトラグ製の6MTで、1速は以前のトランスミッションのギア比に比べてローギアード化されており、低速でのコントロール性能が飛躍しています。また6速化に伴って高速走行でのロードノイズの低減や燃費の向上につながりました。

2007年エンジン「ELD-PUMA」

エンジン:2,402cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ コモンレールディーゼルターボ
最大出力:122PS/3,500rpm
最大トルク:36.7kgm/2,000rpm
トランスミッション:6MT
駆動方式:4WD
サスペンションシ:F パナール・ロッド R A型フレーム
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク

インテリアの大幅な変更

インパネなどは、それまでシリーズ「III」とデザインの変更なども大きく異なることなく続いていましたが、2007年モデルからは、「ディスカバリー3」のタコメーター搭載のインパネとなり、センターパネルも「フォード・トランジット」のものがいくつか採用されることによってモダンで一新されたデザインレイアウトに変更となりました。またそれまでは、吊り下げ式のクーラーでしたが、オプションでエアコンも設定されていました。そして、最も大きな変更点としてシートレイアウトの変更です。それまでは、リアシートが対面式の内向きのリアシートを採用していましたが、EUの法律によって安全面での適合にかなわないために4つの内向きリアシートから2つの前向きシートのレイアウトとなり普通の4座シートレイアウトになりました。これによってディフェンダー90ステーションワゴンは、7人乗りから4人乗りとなりました。またディフェンダー110ステーションワゴンも9人乗りから7人乗りの乗車定員となりました。さらに5ドアステーションワゴンのボディの3列目シートやリアサイドのウィンドウが取り外され、安全面での配慮が加えられたデザインへと変更されました。

ボディサイズ

ディフェンダー・90
全長:4,040mm
全幅:1,790mm
全高:2,000mm
ホイールベース:2,360mm

ディフェンダー・110
全長:4,785mm
全幅:1,790mm
全高:2,000mm
ホイールベース:2,795mm

ディフェンダー・130
全長:5,271mm
全幅:1,790mm
全高:2,000mm
ホイールベース:3,226mm

惜しまれながらも生産終了

近年、ますます安全対策や排ガス規制が求められる中、2013年に衝突安全基準、排ガス規制への対応が難しいことを理由に2015年の12月20日に生産終了の発表がされました。そして、2016年1月29日の金曜日に最後の生産車両が生産されました。このモデルは、「ディフェンダー・90ソフトトップ」で「H166 HUE」のナンバープレートが装着されています。こうして67年の歴史に幕を下ろすことになりました。

ポテンシャルや燃費は?

「ディフェンダー」と言えば、オフロードでの走破性です。「ディフェンダー90」は、アプローチアングルが47度、ランブレークオーバーアングル33度、ディパーチャーアングル47.1度、最低地上高250mmで「ディフェンダー110」は、アプローチアングルが48.7度、ランブレークオーバーアングル28.5度、ディパーチャーアングル30.3度、最低地上高250mmによって、最大登坂能力は45度、防水処理が施されたフロアによって渡河能力は標準で水深500mmのポテンシャル発揮します。また燃費は、欧州モードで7.4km/Lから10.3km/Lで平均9.2km/Lの燃費となっています。

中古車相場は?

日本での販売は、正規輸入が1997年の4月からとなっています。当時で、「ディフェンダー・90」が500台限定、1998年に50周年記念モデルが450台販売されました。その後、「ディフェンダー・110」も輸入販売されました。しかし、生産終了しているものの「ランドローバー・ディフェンダー」は、すでにプレミアが付いています。中古車の低価格を探して手に入れるならば、1997年式などの旧型のタイプであれば280万から探すことができ、平均相場は340万円前後となっています。まだ最新モデルの2015年モデルの在庫も新車として少量あるようですが、1,000万円オーバーという価格帯となっています。これからもマニアックなモデルゆえに価値は上がっていくので中古車価格も上昇していきそうです。

まとめ

半世紀以上にわたって生産され、世界各国で活躍し車好きを魅了してきた「ランドローバー・ディフェンダー」の魅力は、シリーズ「I」から実用性重視の不変のデザイン、走破性によって確固たる地位を築き、「ランドローバー社」を世界随一の四輪駆動車専門ブランドに位置付けしたモデルといえるからです。生産終了となってしまいましたが、次世代「ランドローバー・ディフェンダー」が復活することを待望するファンが世界中にいる名車です。