スバルの人気車種ランキング(2015年版)

スバルは富士重工業が展開する自動車のブランドです。中島飛行機にルーツを持ち、現在もボーイングへの主翼の納入など世界的な航空機産業で知られる富士重工業のスバルは、四輪駆動や水平対向エンジンで熱烈なファンが多いことで知られています。今回はそんなスバルの人気車種ランキングをお届けします。

1位から3位までは、モデルの詳細も紹介します。4位以降でも、モデルの概要について紹介します。

なお、このランキングでは軽自動車は除きますが、スバルブランドでの軽自動車の販売台数は、2014年4月から2015年3月まで、約34,900台でした。(現在、スバルが販売している軽自動車は、全てダイハツから供給されています。)

1位 レヴォーグ

レヴォーグは2013年に発表されるやいなや、予約が殺到し、スバルの日本市場を代表する大人気車種となりました。元々は日本での専売車種だったのですが、2015年からはヨーロッパでの販売も行われています。

2014年から2015年3月までの1年間に、レヴォーグは日本で約40,100台を販売、日本でのスバル販売を支える屋台骨になりました。

使いやすいボディサイズ

レヴォーグの人気の秘密は使いやすいボディサイズ。かつてスバルのワゴンの販売の主力だったレガシィは、北米での需要に合わせて大型化してしまい、日本の住宅地などでは大きいと感じる人も多かったようですが、レヴォーグは全長を4.7m以内に、全幅を1.8m以内に抑えて、日本で使いやすい大きさに最適化されています。

需要に合わせた2つのエンジンラインアップと2つの足回り

レヴォーグには、2つのエンジンの設定があり、それぞれで2つの足回りを選ぶことが出来ます。つまり使い方に合わせて、2x2の4通りの選択肢を選ぶことが出来るのです。これもレヴォーグの人気の理由のひとつでしょう。

1つ目のエンジンは2.0Lの直噴ターボエンジンで、スポーツカー顔負けの221kW(300PS)と400Nm(40.8kg-m)という強烈なパワーを発揮します。高速道路での加速・合流から追い越し加速、峠道まで、日本国内で不足を感じることはないでしょう。但しパワーと引き換えに、燃料はハイオク仕様です。

2つ目のエンジンは1.6Lの直噴ターボエンジンで、アイドリングストップも装備され、燃料もレギュラーとなるなど、経済性に配慮した仕様です。スペックは125kW(170PS)と250Nm(25.5kg-m)に留まりますが、レヴォーグの従量は1.5トン程度なので、これでも実用上は十分な性能があります。またパワーを使い切って走れることなどから、敢えてこちらを選ぶ人も少なくないようです。

足回りは「GT」と「GT-S」という名称で区別されています。「GT」はカヤバ製のショックが、「GT-S」はビルシュタイン製のショックが使われています。ビルシュタイン製の「GT-S」の方がよりスポーツ走行に適していますが、なかなか硬いので、快適性を重視するなら、カヤバ製の「GT」を選ぶのも一手です。特に「GT」は年次改良でブラッシュアップが行われており、評価が高まっています。

「ぶつからない車」の最高峰

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スバル公式のアイサイトver.3のインプレッション

レヴォーグの全ての仕様で装備されている、あるいは装備できる最先端の衝突回避装置の「アイサイト」。スバルの「アイサイト」はステレオカメラを使った精度の高さと、それを応用した前車追尾式のクルーズコントロールに定評がありますが、レヴォーグに装備される「アイサイトver.3」は、新たにカメラが白黒からカラーに変更され、前車のブレーキランプなどを視認するようになりました。

結果、レヴォーグは市街地から高速道路まで、アクセルとブレーキ操作をほぼ行わなくても、走ることが出来るようになりました。(赤信号や料金所の認識はしないので、ブレーキを踏んだり減速したりする必要があります。また、実際の使用では取扱説明書をよく読むことが必要です)

更にレヴォーグのアイサイトには車線中央維持機能も追加されていて、65km/h以上で車線の中央を維持するようにステアリング操作をアシストしてくれます。その他のスバル車でも、ウィンカーを出さずに車線をはみ出しそうになったときに逸脱を抑制する機能はついていますが、積極的なアシストを行ってくれるのは、スバルの中でもレヴォーグだけなのです。

2位 インプレッサ / XV

インプレッサはスバルを代表する小型車で、トヨタ・カローラやフォルクスワーゲン・ゴルフのライバルに相当するクラスです。1992年の登場以来、使いやすいサイズで人気を博し、またラリーでの活躍でスポーティーなイメージも築きました。現在のインプレッサは2011年から販売されています。また、XVはインプレッサをベースに最低地上高を上げたクロスオーバーモデルです。

2014年度の1年間にXVを含めて、インプレッサは日本国内で約39,500台を販売しました。消費税増税前の駆け込み需要もあった前年の61,100台と比べると大幅に低下しましたが、需要の一部がレヴォーグに流れた可能性もあります。

また、同時期の海外では、日本での5倍近い196,400台を販売しています。

選べる2つのボディタイプ

インプレッサは使いやすいハッチバックの車体を持つ「スポーツ」と、コンサバティブな4ドアセダンの「G4」の2つの車体を選ぶことが出来ます。またカタログの上ではインプレッサとは異なるモデルとして扱われる「XV」は、スポーツの車体がベースとなっており、バンパー形状などは異なるものの、同じハッチバックボディです。

用途に合わせて車体形状を選べることは、インプレッサ人気の理由のひとつでしょう。

ハイブリッドモデルの設定も

インプレッサには、ハイブリッドの設定もあります。ハイブリッドは「インプレッサ スポーツ」と、派生車種の「XV」で選ぶことが出来ます。

スバルのハイブリッドシステムは、モーターの出力はそれほど高くなく、基本はエンジンで走ります。例えばトヨタのプリウスと比べると燃費の性能は遠く及びませんが、エンジンの力に+αを加えるようなスポーティーな運転感覚は、また異なる魅力があると評価されています。

アイサイトを低価格で

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インプレッサは、低価格でも最先端のアイサイトの恩恵を受けられるという点でも人気があります。

最も安いアイサイト装着グレードの「1.6i-L Eye Sight」の値段は208.4万円で、流石に200万円切りとは行きませんが、例えばスバル最上級のレガシィと比べても、自動停車後の停止保持機能(運転者の一切の操作なしに停車状態を保持する機能)が備わらないこと以外は、基本的に同じ性能のアイサイトが搭載されています。この価格で、これだけの性能の最先端の衝突帽子装置や前車追尾クルーズコントロールシステムが備わる小型車は、インプレッサの他にありません。

(ハイブリッドに搭載されるアイサイトの仕様は一部異なるのでご注意ください)

3位 フォレスター

1990年代後半から本格的なSUVとしてスバルのラインアップに加わったフォレスターは、インプレッサやレガシィと同じ路線の都会的な雰囲気と、圧倒的な悪路走破性能を両立させているのが魅力的なモデルです。

一例として2014年4月から2015年3月までの日本市場では約21,100台が販売されています。更に同時期の海外では、日本国内の10倍以上の約269,600台が販売されています。これは海外でのスバルの売上ではナンバーワンとなります。

世界規模で見ると、このフォレスターがスバルの最人気モデルで、1年間に約910,700台販売されたスバル車のうち、3割以上がフォレスターという計算になります。

本格的な悪路走破性能

スバル車の人気の理由のひとつがシンメトリカル4WDと呼ばれる四輪駆動システムです。

左右対称の水平対向エンジンから左右対称に構成される四輪駆動システムは、走行安定性の高さで高く評価されていますが、この四輪駆動システムを、悪路走破性を高めたSUVのボディと組み合わせたのがフォレスターで、舗装路からダートまで死角がありません。

特に電子制御式4WDのCVT車では「X-MODE」と呼ばれる総合的な悪路向けの制御装置が搭載されていて、未舗装の激坂でも難なく走ることが出来ます。一方、ラインアップ中ではやや地味な存在であるMT車では、機械式のセンターデフを持ち、ドライバーの腕で確実な操作が可能な構成です。

もしフォレスター以上の本格的な悪路走破性が必要ならば、この先はパジェロやランドクルーザー、ジムニーといったクロスカントリー車が必要になるでしょう。

この高い走破性を知れば、日本を超えて世界で人気があるフォレスターの人気にも納得が出来ます。

使いやすいボディサイズ

悪路走破性が高くとも、車体が大きくては悪路で持て余してしまいます。

フォレスターの車体の大きさは全長4.6m弱、全幅1.8m弱と適切な大きさで、この点でも問題はありません。ちなみに全高は1.7mを超えます。初代と2代目では全高も抑えていましたが、先代となる3代目からは、よりSUV的なルックスとなっています。全高を抑えたSUVは、現在は「XV」が代わりに役割を担っています。

勿論最先端の安全装備も

車高が高いSUVとなるフォレスターにも勿論、CVT車には「アイサイトver.3」の設定があります。性能はインプレッサのものと同様です。

更に2015年のマイナーチェンジでは、これまでオプション扱いで、設定出来る範囲も限られていたサイドエアバッグやカーテンエアバッグが、エントリーグレードを除いて標準装備化されたのも見逃せません。

そしてフォレスターでは、ハイビームを対向車の邪魔にならないように、自動で照射範囲を調整する機能も搭載されました。自動的にロービームに切り替える機能は既にレガシィなどでは実現していましたが、フォレスターのものは、邪魔になる部分だけの照射範囲を調整するという点で、よりハイテクかつ安全なものです。同様の装備は、世界でもベンツやBMW、トヨタの上級車でしか採用例がないもので、それが200万円台から買えるフォレスターに装備されるというのは、特筆すべきことでしょう。

4位 レガシィ

スバルのフラッグシップでありイメージリーダーでもあるレガシィは、現在は海外試乗に販売の主軸を置いています。

2014年度、レガシィは海外で約235,800台を売り上げました。これはフォレスターに次ぐ人気となっています。一方で、日本国内での販売台数は約13,800台に留まります。国内人気は衰えましたが、その需要は現在はレヴォーグが担っていると言えます。

5位 WRX

WRXは、レヴォーグの4ドアセダンとも言うべき存在です。ただしハイパフォーマンスセダンとしての位置づけから、エンジンは高出力のものに限られており、レガシィと一緒に、もうひとつのスバルのイメージリーダーにもなっています。

2014年度の販売台数は日本で約7,500台、海外で約38,000台に留まりましたが、これは年度の途中で発売されたので、台数は人気を完全には反映していません。2015年度はもう少し販売台数が伸びることが予想されています。

6位 クロスオーバー7(エクシーガ)

2008年に登場したミニバンのエクシーガは、2015年に最低地上高を上げて悪路走破性を高めた「クロスオーバー7」として再登場しました。3列シートのミニバンながら、ステーション・ワゴンとしての雰囲気が強いクロスオーバー7は、ミニバンでも走りについて全く妥協したくないユーザーから、根強い需要があります。

2014年度のエクシーガとしての販売台数は1,900台に留まりましたが、リニューアルを果たした2015年度は、また少し勢いが出るのではないでしょうか。

7位 BRZ

BRZは2012年に発売されたスポーツカーで、トヨタと共同開発されました。トヨタからは細部の仕様が異なるモデルが「86」として販売されていますが、生産は全てスバルが行っています。

販売当初は一気にバックオーダーを抱えたBRZと86でしたが、2年が経つと流石に国内需要は一段落したようで、2014年度のBRZの販売台数は約1,900台に留まりました。海外でも約7,900台と、前年度から半減しています。ただ、知名度の高さのおかげか、86はBRZの3倍前後売れる状況が続いています。

勢いは落ちたものの存在感は強く、BRZはスポーツカー不人気の時代に、代表的なスポーツカーとして定着したと言えるでしょう。

まとめ:スバルといえば四駆とワゴン、そして最先端の安全装備

1990年代のレガシィの人気や、インプレッサのラリーシーンでの活躍から、スバルといえばステーションワゴンや四輪駆動のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?今回のランキングでは、日本国内で値段の安いインプレッサを抑え、レヴォーグがトップに立っているのは、それを象徴しているのではないかと思います。

一方でスバルが進める最先端の安全装備は、21世紀のスバルの新たな持ち味のひとつとして確立されつつあります。「スバリスト」という言葉に代表されるように、スバルはその走りの良さから熱烈なファンが多い一方で、普段はあまり自動車に興味がない人にとっては、分かりにくいブランドでした。「アイサイト」は、スバルの新しい象徴となり、そして、その「アイサイト」は日々進化を続けています。

スバルは安全な自動車を作るメーカーとして、これからも成長していくことが期待されます。