【シボレー サバーバン】ハリウッド映画でよく見掛けるあの車!新車価格や燃費などの情報など

あまり興味のない人ならばその存在自体に気付いていないことも多いかも知れません。ただアメリカのテレビドラマやハリウッド映画で見掛けることの多いアメリカンフルサイズSUVと言えば、今回ご紹介するシボレー サバーバンは圧倒的にメジャーな存在です。ここではそんなサバーバンの魅力に迫ってみましょう。

サバーバンとは何ぞや?という人の為に

車好き、特にアメ車好きならその名前を聞いたことがないなんて人はいないだろう、と言うくらい(一部では)メジャーな存在なのがGMがシボレーブランドで販売するサバーバン。それもそのはず、同一の車名としてはアメリカで最も長く生産されている車種の一つなんです。その歴史は実に80年以上! 日本では昭和10年、あの二・二六事件が起きる前年に誕生している、と言えばその長い歴史も少しは想像が付くでしょうか? 初期から8代目のモデルまでは1/2トン積みのピックアップのフレームを使用し、外装ではボンネットやキャビン部分を共有していました。兄弟車としてはGMCブランドのGMCサバーバン(後にユーコンXLと改名)やユーコンXLデナリ、キャデラックブランドのエスカレードESV、またサバーバンのホイールベースを短縮した車種としてはシボレーブレイザー(後にタホと改名)やGMCブランドのユーコン、ユーコンデナリとキャデラックエスカレード、など多彩なバリエーションを展開しています。

バンなの?何なの?ってなりがちですけど

「サバーバン」とカタカナで書くと、どうしても頭の中では「サバー」と「バン」の二つに分かれるものだと思い込んでいる人も多いかも知れません。で、「なるほど、バンなのだな」と一人で納得してしまうパターンです。が、しかしサバーバンをアルファベットで書くとちょっと事情が変わって来ます。実はこのサバーバンという言葉は「Sub」+「Urban」となり、「郊外の」といった意味になります。初期には軍用輸送車として使われたりしていた時期もありました。現在では郊外の住宅地に住んでいる家族が一台の車でレジャーに出かけたり、ショッピングセンターでたくさん買い物をしたりという風に使われる車、それがサバーバンなんです。

意外と働く車だったりします

アメリカのテレビドラマやハリウッド映画などでサバーバンを見かけるシーンとしてはいくつかのパターンがあります。よくあるパターンでは大統領のシークレットサービス用車両として使われている場合や、FBIの車両として使われている場合、警察車両として使われていることも多いですね。実際、テレビの中だけじゃなくリアルにあちこちで使われています。こうやって考えてみると、日本国内でいうところのトヨタハイエースみたいな存在と言えなくもないと思いますが、にしては比べちゃうとやっぱりこっちの方が随分とかっこよく見えてしまいます。

サバーバンの長い歴史

歴史の幕開け

サバーバンの初代に当たる車は、当時まだサバーバンという名前ではなくピックアップを元にしたステーションワゴンでした。1933年、1934年の二年間に渡り、軍や自然保護団体向けに開発され、車体の多くの部分が木で作られた8人乗りのステーションワゴンが後に名前を変えてサバーバンとなるのです。
ちなみにこの1933年という年は、日本が国際連盟を脱退したり、ラジオの時報が手動から自動式になった年です。もうここはやっぱりサバーバンの「長い歴史」としか言いようがありません。

二代目にして初代サバーバン襲名

その後、ステーションワゴンとしては二代目となるこのモデルで初めてサバーバンという独立した名前を付けられ、いよいよその長い歴史をスタートさせることになりました。この初代サバーバンは1935年にデビューしその後5年間生産されました。

歴代それぞれに違った魅力があるんです

二代目以降のモデルではボディの全てが金属製となりました。バックドアは後々の代まで続く二種類、観音開きのタイプと、上下二分割に開くタイプから選べました。1941年のモデルチェンジで戦争中にも作られたモデルがこのタイプになります。観音開きのタイプは3106、上下開きのモデルは3116というモデルネームで呼ばれていました。
この後の三代目モデルは1947年から1955年まで生産され、モデル途中で4速オートマチックが追加されました。

1955年から1959年に作られた4代目サバーバンはその後も脈々と受け継がれるV8スモールブロックが初めて搭載されました。ちなみに当時はシボレーサバーバンとGMCサバーバンとではエンジンを載せたりしていたようです。

その後も5~6年ごとにモデルチェンジを繰り返しサバーバンは進化を続けました。その時代を反映しながら少しづつ少しづつ変化を続けます。その結果、他の車同様搭載されるエンジンはどんどん排気量を増やしていきました。
そして7代目サバーバンが1973年に発売されました。このモデルはサバーバン史上一番長いモデルサイクルを誇り、1991年までの18年という期間中ほとんど変わるこのなかったスタイリングは、いかにも70年代というノスタルジックさを漂わせています。しかし、今見ると逆に新鮮でかっこよく見えてしまうのは無い物ねだりというものでしょうか? 

日本で一番見掛けたサバーバン

過去に日本国内の車好きの間でこのサバーバンが流行した時期がありました。当時のモデルは「サバーバン」という名前になってから数えて8代目、GMT400プラットフォームを採用したモデルで、特徴としては純粋なピックアップベースとして最後のモデルでした。本国で生産されていた期間は1992年から1999年までの7年間、C/Kシリーズのピックアップをベースに生産されていました。エンジンは「スモールブロック」と呼ばれるV8、350キュービックインチ(5.7L)エンジンが1,500シリーズに標準、よりヘビーデューティ仕様の2,500シリーズには「ビッグブロック」と言われる454キュービックインチ(7.4L)エンジンが採用されていました。また全てのモデルで396キュービックインチ(6.5L)ディーゼルターボエンジンがオプション設定されていました。筆者が唯一乗った事のあるサバーバンはこの頃のもので、エンジンは標準のスモールブロックを積んだタイプでした。その乗り心地はゆったりと大らかで、大排気量のエンジンはトルク感満点、踏めばどこからでも息の長い加速を味わうことが出来るという心の余裕から、マナーの悪い車に突然追い越されても全く腹が立たないという当時の筆者としては珍しい経験をしたのを覚えています。

スペック 1999年モデル

エンジン:Vortec5.7L V8OHV(255hp/4,600rpm、45.6kg・m/2,800rpm)
全長:5,575mm
全幅:1,948mm
全高:1,811mm
ホイールベース:3,340mm
車両重量:3,084kg
乗車人数:8~9人
燃費:市街地走行時6.0km/L、高速走行時7.7km/L
新車販売時価格:$25,775から

偽8ナンバー車が続出 ブーム終了

当時の背景としては、8ナンバーのキャンピングカー登録等(他には放送宣伝登録や移動事務所登録等)が現在と違って簡単に取得出来たこともあり、キャンピングカーとして登録することが流行しました。通常5,700ccの自家用車登録でかかる税金が年額88,000円だったところ、キャンピング登録であれば16,000円程度で登録出来た為です。キャンピングカーとして登録する上で最低限の要件を満たす為の「キャンピングキット」と言われるものが売っており、車雑誌の通販などでも簡単に手に入れることが出来ました。しかし、普段キャンピングカーとして使っていないユーザーの間では「車検時のみ乗せておけば良い」という間違った認識が横行し、「税金逃れ」と取られても仕方がない状況となってしまった為、見かねた当局がキャンピングカー登録の規制を強めるのと同時に、税金も段階的に上がることとなり、結果として一時期溢れたサバーバンをはじめとする大排気量車たちは波が引くようにその姿を消してしまいました。

日本でのアメ車ブーム以後

プレミアムSUVへの進化

とは言え、日本国内には一度も正規輸入されたことのないサバーバンですから、この狭い日本で中古車が売れなくなったことなど全く関係なく、その後も相変わらずシボレーの看板車種の一つとしてモデルチェンジを続けます。ベースとなるピックアップのシルバラードがモデルチェンジした後の2000年にはサバーバンもモデルチェンジをします。外観上のイメージは全体的に丸みを帯びたものに変更され、若干いかつさは薄れたように思いますが基本的にはキープコンセプト、変更点は外観よりも内部の方で大きな進化を遂げ、エンジンが新設計のVoltec5.3Lに変更され、小型軽量化されたことと搭載位置の見直しも図られたために物理的な旋回性の向上に寄与しました。またリアの足回りがリーフリジットからコイルリジットに変更されたため、より乗用車的な乗り心地を手に入れました。2003年にはスタビリトラックという横滑り防止装置が初めて導入され、大きな車体を今まで以上に安全に走らせることが出来るようになりました。

またこの頃から車内のインテリアの質が格段に良くなり始めます。それまでのモデルではプラスチックを使っていたような部分に革製のトリムなどを使い始め一気に高級感が増しました。兄弟車のGMCユーコンXLに高級グレードであるデナリが追加されたり、そのデナリをベースにキャデラックブランドから初代エスカレードが発売されたのもこの頃からでした。周りを見回しても、ライバルのフォードエクスペディションをベースにしたリンカーンナビゲーターが発売されたりとプレミアムSUVが流行の兆しを見せ始めたのがちょうどこの頃のことでした。

兄弟車のGMCユーコンXLデナリ。元になったユーコンと比べクローム多用の外装と独自デザインのラジエーターグリルを持ち、内装はベースと比べてグッと豪華に。

着実な進化を遂げる、看板車としての役割

2006年の一月にロサンゼルスオートショーで発表された2007年モデルの10代目サバーバンは新たにGMT900プラットフォームを採用していました。先代モデルのデザインを踏襲しつつも更にエアロダイナミクスを取り入れたデザインとなり、より洗練されたイメージに生まれ変わりました。外観だけではなく、足回りもフロント、リア共に初のコイルスプリング仕様となりより自動車らしい乗り心地を実現し、先代でフロントセクションに取り入れられたハイドロフレームをシャシー全体に採用することで車体のねじれ剛性を大幅にアップさせました。プレミアムSUV市場に続々とヨーロッパ車が参入してきた為、競争力アップを余儀なくされたサバーバンは、今までのトラックベースのSUVという自らのイメージを払拭するかのように進化を遂げました。余談ですが、オプションで防弾ガラスと装甲を施すことが出来るというちょっと変わった面を持っているのもこのモデルの特徴です。

世界中にライバルは多数!エコに、豪華に、と忙しい限りです

2015年にモデルチェンジを果たした11代目サバーバンは、ここのところ丸くなっていたボディから、まるで無駄なぜい肉をそぎ落としたかのようなマッシブないかつさと、クロームのアクセントによる精悍でありながら高級感の漂う佇まいを持ってデビューしました。またインテリアに関しても、コラムシフトレバーを無視する事さえ出来ればまるで高級セダンのような雰囲気さえも漂います。また排気量こそ今までのモデルと変わらず5.3Lですが、エコテック3という呼び名に進化し、355hpの最高出力を実現しながらも、直噴システムや4気筒を休止させるアクティブフューエルマネジメント、可変バルブシステム等と6速ATシステムを組み合わせることで旧モデル比で10%近くも燃費向上を図っているとのこと。

今までのアメリカンSUVのイメージからはちょっと想像が付きにくいインテリアです。

エンジン(2015モデル):5.3L エコテック3 V8(355hp/5,600rpm、52.9kg・m/4,100rpm)
全長:5,689mm
全幅:2,044mm
全高:1,889mm
ホイールベース:3,302mm
乗車人数:7~8人
燃費:市街地走行時6.3km/L、高速走行時9.3km/L
新車販売価格:$49,700から

シボレーサバーバンのまとめ

さあ、ここまでシボレーサバーバンの長い歴史をサラッとなぞって来ましたが、最後まで読んで頂いた方はこの車に興味を持つことが出来たでしょうか? 筆者はこのサバーバンに出会うまでは「車はパワフルで軽量コンパクトが偉いのだ!」と声高に叫んでおりましたし、そこについては今でも意見を変えるつもりはさらさらないのですが、このサバーバンに初めて乗った時に「こういうのがあっても良いんだな」と素直に認めることが出来ました。ボディサイズも室内空間も排気量も、全て無駄と言えば無駄なんですが、その無駄を無駄と知った上で余裕として楽しむことが出来るのが、これらのフルサイズSUVであり、サバーバンという車なのだと思っています。結局その後筆者はサバーバンのピックアップ版と言えるC1500を手に入れたのも束の間、不幸にもそれほど経たずに手放してしまうことになるのですが、今でもたまに窓に肘を掛けて、片手運転でゆったり流すように走りたいなと無性に思う時があるのです。