【ブガッティ EB110】ブガッティ創始者の生誕110年目に作られた「夢をかなえた車」

ブガッティ EB110。ご存じの方は相当の車好きな方ではないでしょうか。この車はブガッティ創始者のエットレー・ブガッティの誕生から110年目に作られたクルマなのです。

夢のEB110作成へ夢のプロジェクトが発進。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%AC%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BBEB110

ブガッティの創立者である”エットーレ・ブガッティ”の誕生から、ちょうど110年目にあたる1991年。フランスのヴェルサイユとパリ近郊のラ・デファンスにある高層ビル「グランダルシュ」で話題の車が同時に発表されます。その名は「EB110GT」。その車名はエットーレ・ブガッティのイニシャル「E」と「B」、それに生誕110年の「110」をとってその名が付けられました。

このEB110は、ロマーノ・アルティオリという、イタリアで日本の自動車メーカー「スズキ」のインポーターを経営している男が、様々な世界から資本をかき集め、ブガッティブランドを手に入れたことから始まります。この車を作り上げたのは、ランボルギーニカウンタックの設計者であるパオロ・スタンツァーニ。スタイリングは同じく、ランボルギーニ・カウンタックのデザイナーであるジャンパオロ・ベネディーニが担当。そしてデザインは鬼才、マルチェッロ・ガンディーニという、まさにイタリア人の血で作り上げられた車でした。

チームの分裂と再生。そして試作品の完成。

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そのイタリア人連合も、経営者ロマーノ・アルティオリと幾度となくぶつかり、やがてこの計画から去ることとなります。その後の開発については、フェラーリ F40の開発で知られるニコラ・マテラッツィがエンジニアとして、建築家のジャンパオロ・ベネディーニがデザイナーとして、それぞれ引き継いだのです。

そして、完成した試作品は、排気量3,499 cc V型12気筒DOHC60バルブエンジンに、なんと、4基の石川島播磨重工業(現IHI)製ターボチャージャーを装着しているという、まさに「怪物」とも呼べる車でした。このエンジンは、ミッドシップに縦置きに搭載されていました。このエンジンのすごいところは、1気筒あたりの排気量が少なく、ボア×ストロークは81 mm×56.6 mmとショートストロークであったことから、8,000rpmという高回転域で、最高出力560PSというハイパワーなのエンジンに仕上がっています。
また、トランスミッションは6速MTとなっていて、長いV12エンジンの横に並行して配置されています。駆動方式は機械式フルタイム4WDとなっています。

シャーシ・燃料タンク、そしてエクステリアデザインへと突き進む。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%AC%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BBEB110

シャーシについては、撤退したスタンツァーニがこれまで設計していた「カウンタック」のプロトタイプで、モノコック構造を採用していたのですが、重量と剛性を両立できなかったということもあったことから、このEB110へのモノコックシャーシの採用には、その「カウンタックへのリベンジ」という意味もふくまれていました。
また、左右の2つの燃料タンクを接続するパイプを取り止め、それぞれのタンクが、V12エンジンのそれぞれの側のバンクを受け持つという、「左右独立燃料供給システム」というものを採用しました。このように、かつてのカウンタックで発生した問題点を、できるだけ克服するための設計を採用していたのです。

そして、エクステリアデザインは、当初マルチェロ・ガンディーニが極秘裏に進めていて、全高を抑えた低重心フォルムに、ガルウィングドアを採用。室内のスイッチからもコントロールできる速度感応式の可変リアスポイラーや、V12エンジンを奥に望むガラス製のエンジンカバーなど、当時の流行をくまなく取り入れたデザインとなっていました。ガンディーニもカウンタックで果たせなかった、デザインや空力といったことに対しての、リベンジを果たしたいという気持ちがあったのでしょう。そのエクステリアデザインを表に出すことはせず、徹底的に研究をし続けていたそうです。

日本ではこの車は販売されたの?

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では日本では販売されたのでしょうか? 日本では輸入代理店の「ニコル・オートモビルズ」が正規輸入元として販売を行っていました。そんな中、1992年にはエンジンの出力を向上し、車体の軽量化に成功した「EB110SS」を追加投入しています。この車の最高出力は611馬力にもなり、最高速度は「GT」の342km/hに対して、355km/hと13km/hも上がったのです。

しかし、1995年、ブガッティ・アウトモビリSpAの倒産とともに製造が終了となり、結局同社がブガッティブランドで製造した唯一の車種となったのです。

日本の中古車市場には出回っているの?そして、一体新車価格はいくらしたの?

この、ブガッティEB110は、現在日本の中古車市場には存在しません(2016年3月13日現在)。そして、新車は日本円で、5,000万円以上したとされ、「ディアブロとテスタロッサと、さらにお釣りでGT-Rが買える」とまでいわれていました。いかに手に入りにくいものであったかが分かりますね。

まとめ

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ブガッティ EB110についてご紹介しました。創業者をリスペクトしてモノを造る。非常に良いことだったのですが、やはり、こだわりがぶつかって妥協点を見いだせなくなると、なかなか続くものも続かなくなる、ということでしょうか。かなりのモンスターマシンですが、惜しいことに日本にはもう数台しかないようです。中古車市場には出てくることは、まず間違いなく皆無なので、お目にかかることは難しいかもしれないですね。