【オースチン A35】丸くて小さくカワイイ名車、イギリス生まれの実力派

「丸くて小さくてかわいらしい」、目にした誰もがそんな印象を持つでしょう。今回は、愛くるしさと実力を兼ね備えたA35の魅力はもちろん、オースチンというメーカーについても迫ってみましょう。

オースチンってどんなメーカー?

ハーバート・オースチン

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「オースチン」というメーカーの祖となったのが、「ハーバート・オースチン」です。彼は1866年11月に、イギリス・バッキンガムシャーにて農家の息子として生まれました。17歳までをイギリスで過ごしたオースチンですが、その後オーストラリアに渡り、移住しました。叔父の手伝いから彼の仕事はスタートし、21歳で結婚します。いくつかの会社を渡り歩いたのち、とある機械工房の工場長となりました。その頃に出会ったのが、フレデリック・ヨーク・ウーズレーです。彼は羊毛刈り取り機を扱う仕事をしており、その機械の改良をオースチンが行いました。それをきっかけにウーズレーの会社と関わることになります。ウーズレーの会社がイギリスで事業を開始したのにともない、オースチンも帰国しました。1893年、オースチン26歳のときでした。

オースチン・モーター・カンパニーの誕生

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有能な技術者であったオースチンは、ウーズレーの会社で自動車事業の責任者として実力を発揮しました。1905年に退社することになりますが、その後、自分の会社を創業します。「オースチン・モーター・カンパニー」です。1989年まで続く、オースチンブランドが誕生しました。

黎明期のオースチン

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1908年までに、オースチンはいくつもの異なるモデルを生み出しました。その数は17種類にのぼりましたが、1914年に第一次世界大戦が勃発すると、彼の会社も戦時操業体制となりました。そして、大砲や飛行機などの戦時物資を製造することで会社の規模は大きく成長することになりました。
しかし、第一次世界大戦後には自動車の生産が苦しくなります。そんなときに生まれたのが、オースチン・7です。この車は1922年から1939年に生産・発売された小型乗用車で、第二次世界大戦以前のイギリスにおいて、最も売れた車となりました。
そして、1941年にハーバート・オースチンが亡くなり、レナード・ロードが会社を率いるようになりました。

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第二次世界大戦後のオースチン、A35の誕生

1947年、排気量:1,200cc、最高出力:42馬力のオースチン・A40の製造・販売が開始されました。4年後にはA35の先代モデルである、A30が生まれています。この車は排気量:803cc、最高出力:30馬力でした。前輪独立懸架やモノコックボディの採用で、当時としては革新的なモデルでした。
1952年には、オースチンとナッフィールド・オーガニゼーションが合併し、ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が設立されました。オースチン、モーリス、MG、ウーズレー、ライレーのブランドを所有し、イギリス資本により、同国最大の自動車メーカーとなりました。そして、1956年に今回の主役である、オースチン・A35が誕生します。

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A35ってどんな車?

A30のエンジンをパワーアップさせたモデルが、A35です。排気量は948ccとされ、最高出力は34馬力となりました。
見てください、このフォルム。やはり、何と言っても最も特徴的で印象的なのは、この外観ではないでしょうか。コンパクトで独特な丸みを帯びたボディラインはとても愛嬌があり、見ていると自然と笑みがこぼれてしまいそうになります。どうしても見た目のイメージから、かわいさばかりに目がいきますが、軽量な車体のおかげで最高時速は約115キロと、当時の車としてはなかなかの実力派でした。


車両スペック
エンジン種類:直列4気筒
ボア:62.9mm ストローク:76.2mm
排気量:948cc
圧縮比:9:1
最高出力:34HP
全長:3,467mm
全幅:1,397mm
ホイールベース:2,019mm

いくつかのボディバリエーションがありました

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2ドア、4ドアの他に、カントリーマンやデリバリーバンなどのボディタイプがありました。車高もあり、室内の広さも確保されていたため、見た目の小さい印象とは異なり、必要十分な実用性を持った車でした。

映画にも登場

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!スペシャル・エディション [DVD]

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イギリスの人気クレイアニメーションである、ウォレスとグルミット。そのシリーズの一作、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」の作中で、主人公の愛車としてA35バンタイプのミニチュアモデルが用いられました。とってもかわいらしいですね。

A35って今でも手に入るの?

生産が終了してから長い年月が過ぎていますが、現在も入手は可能のようです。しかし一般的に流通しているわけではないようなので、海外のオークションや個人売買、専門店を通じての購入になるでしょう。昔の車全般に言えることかもしれませんが、良い縁に恵まれるかどうかが、入手への大きなポイントになるのかもしれませんね。

まとめ

「かわいい!」初めてオースチン・A35の写真を目にしたときの感想は、まさにその一言でした。そして、多くの人が私と同じ印象を持たれるのではないかと思います。これまで、各国のメーカーがコンパクトで愛嬌のあるデザインの大衆車を生み出してきました。後のMINIのご先祖様と言われるこのA35も、そんな小型乗用車の歴史の中で重要な一台であり、もっと注目されてほしい一台だと感じました。