ブレーキオイル交換について知っておこう!

自動車の運転で一番重要なのはブレーキです。止まれなければ大変なリスクが生じます。そこで今回はブレーキオイル交換について掘り下げていきましょう! 交換の目安は? どんなオイルがあるの?

まずはブレーキの仕組みについて知っておきましょう!

ブレーキには二つの種類があります。どちらも一台の自動車に採用されています。その違いを知っておきましょう。

サイドブレーキ(パーキングブレーキ)

まずはサイドブレーキ(パーキングブレーキ)です。これは車が動かないようにするときに使用します。マニュアルミッション車はもちろんオートマチック車にも採用されています。自動車の免許を取る時に一生懸命サイドブレーキを使って坂道発進を練習した覚えはありませんか? このブレーキはてこの原理とワイヤーを利用してリアブレーキのみに摩擦を起こし、作動します。この力はフットブレーキに比べてとても弱いです。ほぼ人力が頼りになりますので力の弱い方ですと上手くブレーキを効かせられないことがあります。
あくまでも車が動かないようにするだけの装置であって走行中の使用は考えられておりません。駐車時や坂道発進時の使用が主な役割です。サイドブレーキにはブレーキオイルは使用しません。
ワイヤー式なので多用するとワイヤーが伸びてきますので効きが弱いと感じたら車屋さんで調整してもらいましょう!

フットブレーキ

サイドブレーキのほかにフットブレーキがあります。これはみなさんが良く使うブレーキです。このブレーキはなんのために使うかと問われると、たいていの場合『スピードを落とすために使う』とおっしゃると思いますが、それは間違いではないのですが、厳密に言うと『スピードを熱に変えるもの』です。つまり、摩擦力によってスピードという運動エネルギーを熱エネルギーに変換していると言うことです。これは自動車を乗るうえで非常に重要なので覚えておきましょう。
このフットブレーキは、サイドブレーキのようにほぼ人力で車を止めようとするととてつもない踏力が必要になります。時速30キロ程で走行している車を止めるには鍛え上げられたマッチョマンが思いっきりブレーキペダルを踏みつけてやっとゆっくり減速する程度です。
ですのでこれでは運転にならないので油圧を使い人間の踏力を倍増させているのです。これを倍力装置と言い、どんな自動車にも採用されております。ここで使用されるのがブレーキオイルといってこの油圧に関わるとっても重要な役割を担っております。

ブレーキオイルの呼び方

ブレーキオイルにはさまざまな呼び方があります

ブレーキオイルにはさまざまな呼び方があります。ブレーキフルード、ブレーキ液とどれも同じものを指します。覚えておきましょう!

ブレーキオイルの交換時期

ブレーキオイルの交換時期の目安は2年に一度です。ですので車検毎に交換しておきましょう。通常の使用であればそのペースでいいと思います。そうしないとイザと言うときにブレーキの性能が発揮されません。これを怠ったことにより事故に繋がったケースも少なくありません。そのほかにブレーキオイルの劣化を早める条件があります。それをご紹介します。

ブレーキオイルの劣化を早める原因その1

まず1つ目は下り坂でブレーキを多用した場合です。行楽シーズンでは日常を忘れて木々の多い山道を使いドライブされる方も多いと思います。有名な絶景スポットへ行くために長い峠道を登ったり下ったり...。この時普段このような道を走りなれていない方はエンジンブレーキ(*1)を使わずにフットブレーキを多用されると思います。
フットブレーキばかり使用すると本人はあまり気付いておりませんが、ブレーキの多様によって熱が上がりブレーキオイルが沸騰してしまいます。
前述でも触れましたがブレーキはスピードを熱に変えるものです。その熱は200度にもおよぶ高熱になります。その熱がブレーキオイルに伝わり最悪の場合沸騰してしまいます。沸騰したブレーキオイルはやかんでお湯を沸かした状態を想像していただければわかりやすいと思います。ブレーキペダルとブレーキまでの間にホースがありその中をブレーキオイルが隙間なく通っております。しかし沸騰したことによって泡が発生します。泡が発生するとブレーキが効きません。泡の数だけブレーキが効かなくなります。これをベーパーロックと言います。
具体的に言うと、通常のブレーキオイルを交換するときはエア抜きといって、ブレーキホースの中には泡の一つも入っていない状態です。ではそのブレーキラインにわざと一泡入れたとしましょう。たったそれだけでブレーキの効きは激減します。
峠道の下り坂でブレーキを多用した場合、最悪はブレーキペダルを床まで踏んでもスカスカで全く減速しない状態になります。実際にそれが原因で対向車と正面衝突した事例もあります。なるべくベーパーロックを起こさないためにも状態の良いブレーキオイルを維持しておきたいです。劣化しているとベーパーロック現象が起こりやすくなってしまいます。

(*1)エンジンブレーキとは…エンジンブレーキとはエンジンの回転を利用したブレーキのことでギアをダウンさせることによりエンジン回転が制御され起きる現象です。これにより自然と車にブレーキを効かせたように減速します。このエンジンブレーキを併用することによってフットブレーキの発熱を抑えることができます。

ブレーキオイルの劣化を早める原因その2

ブレーキオイルは放っているだけで劣化していきます。特に水気に弱く、昼夜の寒暖差で起きる水滴や湿気によってその性能は下がってしまいます。性能が下がるとどうなるかというと、ブレーキオイルの沸点が下がってしまいます。これによりベーパーロック現象が起こりやすくなります。そのほかブレーキの効きが悪くなってしまいます。よくブレーキの効きが悪くなるとブレーキパッドの減りを気にされる方が多いのですが、ブレーキパッドの減りは関係ありません。これはブレーキオイルの劣化が原因です。
そうなった場合は車屋さんでブレーキオイル交換かブレーキオイルエア抜きを実施しましょう。エア抜きとは知らぬ間に『泡』が発生している場合があります。この泡が発生していると効きが悪くなることはもちろんベーパーロックにも繋がりやすいです。
もし峠道や長い下り坂やブレーキを多用するような場合は前もってブレーキオイルの点検を車屋さんで行うことをオススメします!

ブレーキオイルの種類

ブレーキオイルと言っても種類があります。その特徴をご紹介しましょう!

ブレーキオイルの種類

ブレーキオイルのベースとなるオイルには数種類あります。鉱物油、シリコン油、グリコール系とあります。一般的にはグリコール系がカー用品店やディーラーで売られています。シリコン系はゴム類の劣化を早めてしまうので手に入りにくいのですが、沸点の高さからレーシングカー系のショップで売られています。劣化が早いのも特徴です。1レースに1回交換といったところです。
鉱物油は珍しい部類です。一部の超高級車に使われているので一般っ的には手に入らないようです。

ブレーキオイルのグレード

ブレーキオイルの缶やボトルに良く書かれているDOT3やDOT4といった表記にはアメリカの交通省が定めた規格に従い性能の基準が定められております。以下にまとめてみました。

【DOT3】 ドライ沸点205度以上 ウエット沸点140度以上 グリコール
【DOT4】 ドライ沸点230度以上 ウェット沸点155度以上 グリコール
【DOT5.1】ドライ沸点260度以上 ウェット沸点180度以上 グリコール
【DOT5】 ドライ沸点260度以上 ウエット沸点180度以上 シリコン

このドライ沸点とは新品状態です。要するに交換した直後の沸点です。ウェット沸点とは約3.5%の水分を含んだ状態です。これは使用中の多少劣化した状態を再現した状態です。このDOTは1から規格がありますが、基本的に上記の規格から選ぶことになると思いましたのでほかは省きました。
ではベーパーロックを防ぐためにメーカー指定よりもDOT数の高い物を選べば良いじゃないか! と思いたいところですが、DOT数が上がるにつれて劣化の速度が早くなるので適正なオイルを選びたいところですね!

ブレーキオイルの劣化の見分けかた!

こんな場合は即交換!

あくまでもこの見分け方ではブレーキオイルの劣化を見わけるものであり気泡の混入具合はわかりません。
ではまずはボンネットを開けましょう。ブレーキオイルを入れるところはどこかわかりますか? ブレーキオイルリザーバータンクといものです。それは一般的には運転席側近くのボンネット内の端にあると思います。車種によって場所が違いますので説明書等でお調べください。
ではリザーバータンクを見つけられましたら中に入ってるオイルの色を見てみましょう。タンクは透明なので外からわかると思います。オイルの色がもし黒だった場合は即交換しましょう。新品は金色です。劣化するにつれて黒色っぽくなっていきますので、黒味かかっていれば劣化していることになりますのでそのときは交換しましょう。

ブレーキオイルの量はどうでしたか?

ブレーキオイルリザーバータンクからわかることがもう一つあります。それはブレーキオイルの残量からブレーキパッドの減りがわかります。ブレーキオイルのリザーバータンクの上限にはMAXと書かれた線があると思います。そこまで入っていれば問題ありませんが減っているようであればブレーキパッドが減っている証拠です。これはブレーキの構造的にそういった現象が起こるようになっております。
もしブレーキパッドが減っていないのにブレーキオイルが減っていれば要注意です!! その車両はブレーキが効かなくなる可能性があります。本来ブレーキオイルが自然に減るといったことはないのでどこからか漏れている疑いがあります。
もしブレーキオイルが一定量まで減ると完全にブレーキが効かなくなってしまいますのでそうならないためにも車両の運行は停止し、即座に点検修理してもらいましょう!

DIYで作業される方は要注意です!

失敗しないためには...

最近ではインターネットでなんでも検索できるようになり、車関係ではDIYといった言葉が溢れています。DIY関係グッズもカー用品店や工具屋さんで多数手に入るようになったと思います。ブレーキオイル交換もネットで検索してやってみよう! と思っておられるのであればやめておいた方が良いでしょう。そもそもブレーキオイル交換は2人でする作業です。もし自動車整備に詳しい方と作業をされるならまだ良いのですが、経験の浅い方だとなにかトラブルがあった場合に対処しきれず二次的な故障を誘発する恐れがあります。特にABS搭載車ではブレーキオイル交換時にリスクが多く、失敗したためにABSシステムを分解しなくてはいけないとなれば予想外のお金が必要になります。
一人でブレーキオイルを交換する方法を選択される場合は特にオススメしません。本来ブレーキオイル交換は経験のある人間がブレーキペダルのタッチ感に異変はないかを確認しながら、経験者がブレーキキャリパー側から流れ出るオイルに異常はないかを確認することによって安全な作業ができます。
そのほか交換時に車の状態の条件が車種によって変わってきます。エンジンを止めたままが一般的ですがエンジンをかけながら交換する車両や、エンジンを吹かしながら行う車両とさまざまです。業界ではそれが当たり前なのですが、なぜかインターネット上ではそれと違うやり方が広まっていたりしますのでご注意ください。

お店でブレーキオイル交換される方へ注意です!

これは少なくない話です。

大手ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンド、個人経営店でブレーキオイル交換をされるときは要注意です! お客さんの知らないところでちゃんと交換していないお店があります! なぜなら手を抜いてもお客さんにバレないからです。どこまでが手抜き作業かといった境目は微妙なところですが、これは明らかに詐欺だろ! といった事例を上げますと、ブレーキオイルリザーバータンクに入っているオイルだけを新品に交換し、肝心のブレーキオイルラインの中身は古いままにしているといった手抜き作業が多く目立ちます。このやり方ではなんの改善にもなりません。この方法をすると、作業をしたようにできるのと、作業時間と労力を大幅に減らせます。
最近ではこの被害に遭われた器用な方がブレーキキャリパーのオイル抜き穴から出てきたブレーキオイルの色でこの被害を確認、報告しインターネットで公開している例もあります。この被害に遭わないためにも作業風景が見渡せるピットで、作業を見ていた方がそういったいい加減な作業もしにくいと思います。整備工場も選びましょう!

まとめ

いかがでしかた? ブレーキオイルについてご理解いただけましたか? ブレーキは非常に重要な機構なので生半可な知識では触らない方がでしょう。そのほかブレーキは無駄に踏まずに走ることが低燃費運転にも繋がりますのでこれを機にエンジンブレーキを積極的に使用する運転を心がけましょう! 最後までありがとうございました!