【マツダ CX-9】今春北米から販売開始!マツダミニバンの雄「MPV」の実質的後継車!3列シート7人乗り大型SUV!

2016年2月28日にマツダはミニバン撤退を公式発表しましたが、その兆候はすでに北米で現れていました。北米のマツダディーラーではモデルが古くなったMPVの代替車として現行型CX-9を販売してきました。そのCX-9がこの春、モデルチェンジを行います。果たしてどんなモデルとなっているのでしょう。また2016年3月末をもってMPVの生産が終了します。日本にも実質的後継車として導入されるのでしょうか。

マツダ CX-9とは?

マツダのフラッグシップSUVで、日本国外専用モデルです。

広島市・宇品第1工場で生産を開始した新型マツダ CX-9

マツダ CX-9は、マツダのクロスオーバーSUV車「CXシリーズ」のトップモデルです。2016年3月現在、日本国外専用モデルとなっています。北米では2017年より初代モデルが販売されており、2016年4月に2代目モデルへとモデルチェンジされます。
現行型マツダ CX-9は3列シートを備えた7人乗りモデルであるため、北米ディーラーではマツダミニバンのトップモデル「MPV」の代替車種として販売されています。2016年3月末をもってマツダ MPVの生産が終了するため、7人乗りモデルという点で次期マツダ CX-9は、実質的なマツダ MPVの後継車と言えます。

ターゲットユーザーは、開発責任者であるマツダ商品本部主査の大塚正志氏いわく「人生の中である程度成熟したファミリー」だそうで、筆者が思うに社会の中心を担う40代以上の大人をターゲットとして想定しているようです。そのためデザインの質感を高め、厳選素材を用いた上質な仕立てとなった次期CX-9は、特に室内の上質感・高品質感は従来のマツダのイメージを超え、レクサスにも迫る勢いです。マツダでは「センティア」以来久しく途絶えていた、Fセグメントに属するラグジュアリーカーです。

-マツダは19日、多目的スポーツ車(SUV)「CX-9」を全面改良した新モデルを2016年春に北米で発売すると発表した。新開発した排気量2.5リットルの過給器(ターボチャージャー)付きガソリンエンジンを搭載した。

新型CX-9のベースとなった「越KOERU」

マツダのコンセプトカー「越KOERU」を忠実に再現したCX-9のデザインスケッチ

東京モーターショー2015に出品されたマツダのクロスオーバーコンセプト「越KOERU」が、マツダ CX-9のベースモデルです。存在感のあるフロントグリルやプロポーションは、量産車量にも生かされています。

マツダ 新型CX-9のボディサイズ・エクステリア

アメリカらしい巨大さで安定感あるデザインです。

全幅1,969mmの堂々としたデザイン。魂動デザインに採用されているフロントグリルでは最大級です。

現在のところ、判明しているボディサイズは以下の通りです。

全長 5,065mm
全幅 1,969mm
全高 1,716mm
ホイールベース 2,925mm
タイヤサイズ 255/50 R20

現在北米で販売中の現行型モデルと比較すると、全長で30mm短く、ホイールベースは60mm長くなり、主に後席空間の拡充に充てられているとのことです。また、車重も現行モデルより最大130kgの軽量化が行われており、1,850~1,920kg程度ではないかと推測されます。

新型CX-9のリヤビュー。台形フォルムがどっしりとした感じを与えます。

ボディのフォルムとしては台形で、255mm幅のタイヤと相まってどっしりとした安定感を感じるデザインです。

新型CX-9のサイドビュー。重厚感があります。

新型CX-9のサイドビューも、全体的には台形でどっしり構えた安定感を感じるデザインです。ウエストラインより上のガラスの高さが低くルーフも低い印象を感じますが、全高1,716mmの巨大さです。成人男性の身長ぐらいの高さです。

シンプルな面構成で、大人の上質さを表現。

マツダの同じCXシリーズのCX-3やCX-5と比較してみると、ボディの面構成がシンプルであることにお気づきでしょうか。ボンネット上の起伏はなだらかで、ボディサイドのキャラクターラインも水平基調。躍動感のあるCX-3やCX-5とは、完全に異なるデザインテイストです。
水平基調のボディデザインは落ち着いたイメージを与える高級車によく見られるデザイン手法です。若々しさを感じるCX-3、CX-5よりも高い年齢で社会的地位のある方をターゲットユーザーとしている狙いを、デザインからも読み取れますね。

マツダ 新型CX-9のインテリア

上質で高品質、仕立ての良さに圧倒されます。

2-3-2で7人乗りのシートレイアウト

フロントと2列目シートに、大人2名は余裕で座れそうです。3列目に大人は厳しそうですね。屋根が下方に下がりながら、リアハッチゲートガラスも頭上にかかっています。3列目はお子さんかエマージェンシー用でしょう。

助手席から望む運転席

水平基調のダッシュボードが伝統的な趣を与え、大型のトランスミッションノブを備えた大型センターコンソールが大型SUVらしい重厚感を醸し出します。

本革をシート表皮に採用したフロントシート

シート表皮に採用される本革はナッパレザーで、特に最高級のものが使用されています。触り心地、風合いともラグジュアリーカーに相応しい仕上がりです。

室内に採用されているウッドパネルはフジゲンとの共同開発

ウッドパネルはフジゲンとの共同開発品で、クリアーを薄くすることで木の手触りや風合いを再現しています。フジゲンはレクサス車のウッドパネルを手掛けているサプライヤーとしても有名です。

新型CX-9の運転席

新型CX-9の運転席です。ダッシュボード上には8インチモニターが備え付けられており、マツダコネクトのサービスを受けることができます。画像には映っていませんが、メーター上部にはヘッドアップディスプレイが設置され、走行情報をフロントガラスに投影します。

新型CX-9の運転席廻りは最新デバイスの集合体なのですが、全体的なデザインとしてはクラシカルな感じもします。近未来的でモダンなデザインの運転席とは相対するデザインですが、このクラシカルな雰囲気が新型CX-9の魅力の1つでもあります。

ダッシュボードにもナッパレザーやフジゲンのウッドパネルが使用されています。クローム調加飾の配置具合が控えめで、デザイナーのセンスの良さを感じます。

【SKYACTIV-G 2.5T】アテンザのエンジンをベースに新開発

マツダ アテンザに搭載される「SKYACTIV-G」を改良した「SKYACTIV-G 2.5T」

新型マツダ CX-9に搭載されるエンジンはダウンサイジングターボの「SKYACTIV-G 2.5T」です。マツダ アテンザに搭載される「SKYACTIV-G 2.5」をベースに改良を加えました。ベースエンジンの基本スペック、インジェクター、燃料ポンプなどの燃料計部品は共通化しており、「SKYACTIV-G」の高効率燃焼を受け継いでいます。

ダイナミック・プレッシャー・ターボでは、エンジン回転数が1,620rpm以下の状態に排気ガスの排出圧力が生み出す脈動をターボのタービン駆動力として利用します。高速域では排気ガスの流速をタービン駆動力として利用するので、全域でターボの過給効果が得られます。

クールドEGRは排ガスを低温不活性ガスとして、再度吸気させ燃焼温度を抑えます。これによりノッキングの発生を防止し、理論空燃比領域を拡大し、点火タイミングを最適化し燃費を改善します。

SKYACTIV-G 2.5T スペック

種類 直列4気筒2,500cc直噴ガソリンターボエンジン
使用燃料 レギュラーガソリン / プレミアムガソリン
内径 89.0mm
行程 100.0mm
総排気量 2,488cc
圧縮比 10.5
最高出力
 227HP(169kW)/ 5,000rpm
 ※レギュラーガソリン使用時。日本の表記では224PS程度です。

 250HP(186kW)/ 5,000rpm
 ※プレミアムガソリン使用時。日本の表記では246PS程度です。

最大トルク 310ft-lb(420Nm)/ 2,000rpm
※日本の上記では42.8kgf・m程度です。

※スペックは北米モデルのものです。

マツダ 新型CX-9の新車価格・ライバルは?

世界を見渡してもライバル不在!?唯一無二の存在

排気量、ボディタイプ、プレミアムブランドという点では、レクサス・NX300hに通じる?

ベースモデルで45,000ドルからスタートです。1ドル110円とすると、日本円にしておよそ500万円からという高額車です。従来のCXシリーズも車格よりは幾分高めの値段設定ですが、新型CX-9はさらにその上を行きます。

この価格帯で2,500ccクラスのプレミアムブランドのクロスオーバーSUVとなると、レクサス・NX300hが思い当ります。
新型CX-9がダウンサイジングターボを採用しているのに対し、レクサス・NX300hはハイブリッドを採用しています。動力性能、燃費とも良い勝負です。しかし、新型CX-9に採用されている3列シートはレクサス・NX300hには設定がありません。
2,500ccクラスで7名乗車ができるクルマとなると、1.5BOX系のミニバンとなりますが、プレミアムブランドに属する車種はありません。

新型CX-9と真っ向勝負できるライバルは不在と言って良いでしょう。対抗車種が現れるかは新型CX-9の販売実績にかかっています。

マツダ CXシリーズとは?

市街地を快適に走行できるクロスオーバーSUVシリーズです。

マツダの新世代商品。CXシリーズも含まれます。

マツダの商品ラインナップを見ると、乗用車のアテンザ、アクセラ、デミオのライン、スポーツカーのロードスターとRXシリーズ、そしてクロスオーバーSUVのCXシリーズとなります。CXシリーズはボディサイズとエンジンの排気量によりBからFセグメントまでフルラインアップされています。CX-9以外のCXシリーズをご紹介します。

マツダ CX-3

マツダ CX-3

2015年2月から販売されている、Bセグメントに属するマツダのクロスオーバーSUVです。ヤングファミリーをターゲットとしています。エンジニアリング的にはマツダ デミオをベースとしており、室内寸法はマツダ デミオとほぼ同一です。日本国内では、1,500ccディーゼルエンジンのみが搭載され、ディーゼルエンジン専用車という珍しい存在になっています。

マツダ CX-5

マツダ CX-5

2012年2月から販売されている、CセグメントとDセグメントの中間サイズのマツダのクロスオーバーSUVです。お子さんが中学生くらいのファミリーがターゲットユーザーです。エンジニアリング、室内寸法、車格はアクセラと同格です。日本国内ではCX-7の事実上の後継車であり、SKYACTIV-TECHNOLOGYを全面搭載した市販車第1号です。

マツダ CX-7

マツダ CX-7

2006年から2011年まで生産されていた、Eセグメントに属するマツダのクロスオーバーSUVです。CXシリーズの中ではひと際スポーツ色が強く、搭載エンジンは2,300cc直噴ターボで、マツダスピード・アテンザやマツダスピード・アクセラに搭載されていたMZRエンジンでした。

マツダ CX-9の中古車事情

現行モデルのマツダ CX-9は北米専用車です。従って、日本国内で入手するには並行輸入車しか選べませんし、そもそも在庫がほとんどありません。2016年3月現在、グーグル検索でヒットしたのは2台です。そのうちの1台がこちらです。

出典:http://autoc-one.jp/used/detail/4067927/

米国マツダ CX-9
年式 2008(H20)
走行距離 78,000km
本体価格 198.8万円(消費税込み)

平行輸入車なので日本国内の車検が通るのか不安ですが、平成29年8月まで車検が残っているとのことなので、国内法規に合わせた仕様となっています。安心して購入できますね。8年落ちで走行距離が7.8万kmですから、標準的な使われ方がされていると考えられます。

左ハンドル仕様なので、日本国内では不便も多いですが外車に乗っている感満載です。エンジンは3,700ccなので自動車税も高額ですね。さらに燃費も日本基準ではかなり低いです。最新型のFFモデルで17/24MPGなので、日本流に直せば市街地走行では7.2km/ L、高速走行では10.2km/ Lです。エンジンがレギュラーガソリン仕様なのが、せめてもの救いです。

ガソリンが安いアメリカなので、この燃費でも許されていたのかもしれませんが、日本国内で維持するには少々ハードルが高いですね。しかし、それを補って余りある希少性の高さがあります。珍しいクルマに乗ってみたい方には注目の1台です。

【まとめ】日本導入はあるのか?

新型CX-9には魂の叫びともいえる獰猛さをも感じます。

マツダ 新型CX-9は、2016年春から北米で販売をはじめ、次いで中米、オーストラリア、ロシア、中東などで導入が予定されています。

では、日本への導入はあるのでしょうか?

おそらくは「ない」と思われます。その一番の原因はボディサイズです。全幅1,969mm、全長5,065mmです。日本の道路事情には、特にプレミアムカーが喜ばれそうな都市部では、まるで適合しないボディサイズです。一番売れそうな地域で取り回しに苦労しそうなクルマでは、商品として成立しません。

しかし、わざわざ日本国内で新型CX-9や新型SKYACTIV-G 2.5Tの生産をアナウンスしています。これは何かの布石と見てよいのではないか、と思います。それこそが日本の道路事情にマッチした7人乗りのCXシリーズではないでしょうか。まだうわさは聞こえてきませんが、おそらくマツダミニバン3車を統合した実質的後継車の開発が行われていることでしょう。どんなネーミングになるかわかりませんが、SKYACTIV-G 2.5Tの素性からして新型「CX-7」を名乗ってもよいのではないか、と筆者は(勝手に)考えています。