【トヨタ・スプリンターカリブ】時代を先取りした、元祖クロスオーバーSUV!

現在のSUVの主流となった、クロスオーバータイプ。このような呼び方がまだない頃に、そのコンセプトを実車化していた、スプリンターカリブ。歴代モデルを振り返りながら、その魅力に迫ってみます。

スプリンターカリブって、どんな車?

1982年に発売された、ステーションワゴン。それが今回の主役、「スプリンターカリブ」です。乗用車をベースに作られたその車は、街中や高速道路でも快適性を損なうことなく、雪道やオフロードでは4WD車としての走破性を発揮しました。乗用車にはない積載力と魅力的なデザインも相まって、新たなマーケットの開拓と、ブランドの確立に成功しました。

車名の由来

「スプリンター」は英語で「短距離走者」、「カリブ」は英語で「トナカイ」という意味です。俊敏性や力強さ、躍動感を表し、4WD車としての走破性の高さ、雪道走行のイメージをもとに名付けられました。

初代 AL25G型

「面白4WD」の誕生

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AToyota-SprinterCarib.JPG

1982年8月、一般の乗用車感覚で扱える4WDのモデルとしてデビューしました。ベースとなったのは当時のターセルで、1,500cc・3A-U型エンジンを搭載し、エクストラロー付きの5速トランスミッションを組み込んだパートタイム4WDでした。高めのルーフのワゴンボディには、大きいリヤクォーターウィンドウや非対称デザインのテールゲートが用いられ、リヤコンビネーションランプや特徴的なフロントグリルとともに個性的なイメージを主張していました。これらのイメージは2代目にも引き継がれていくことになります。
1983年10月には、3速AT車が追加されました。また、1984年8月にマイナーチェンジが行われ、一部モデルのエンジンが、1,500cc・ツインキャブ仕様の3A-SU型に換装されました。1986年5月には、フロントグリルやヘッドランプのデザインが変更されました。


車両スペック(代表グレード)
形式:E-AL25G
車重:1,015kg
全長:4,310mm
全幅:1,615mm
全高:1,500mm
ホイールベース:2,430mm
エンジン形式:3A-U
エンジン種類:水冷直列4気筒OHC
排気量:1,452cc
最高出力:83PS

2代目 AE95G型

アウトドア好きに人気の実力派

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AToyota_Sprinter_Carib_001.JPG

1988年2月にフルモデルチェンジされた2代目がデビューしました。初代のベースがターセルであったのに対し、今回はその名の通り、スプリンターがベースとなりました。全長が60mm、全幅が40mm大きくなり、エンジンも1,600cc・4A-FE型にアップされました。駆動方式も変更され、これまでのパートタイム4WDに代えて、フルタイム4WDとなりました。一部車種には、路面状況に応じて走行中に車高を30mmリフトアップできるハイトコントロールが装備されました。
1989年8月に、フロントブレーキをベンチレーテッドディスクに変更する改良が行われ、その他にもウィンドウスイッチの変更などの細かい改良が加えられました。1990年9月にはマイナーチェンジが行われ、バルブタイミングや排気系の改良がされた1,600cc・4A-FHEエンジンに換装されました。これにより、出力が10PSアップしています。また、大型バンパーの採用で全長が10mm大きくなりました。1991年9月と1993年8月には安全に関する改良が加えられ、全車に運転席エアバッグが標準装備されました。
初代のイメージを引き継ぎ、ユニークなデザインなどでカリブらしさを表現しつつ、内容の充実と安全性の向上が図られた2代目となりました。


車両スペック(代表グレード)
形式:E-AE95G
車重:1,160kg
全長:4,370mm
全幅:1,655mm
全高:1,450mm
ホイールベース:2,430mm
エンジン形式:4A-FE
エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC
排気量:1,587cc
最高出力:100PS

3代目 AE110G型

カリブ最後のモデル

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AToyota_Sprinter_Carib_011.JPG

1995年8月、7年6カ月ぶりにフルモデルテェンジを受けた3代目が発売されました。ベースは当時のカローラ、スプリンターであり、これまでのカリブのイメージを踏襲しつつ、車室・ラゲッジともにスペースが拡大され全幅で40mm、全高で20mm大きくなりました。エンジンは1,600ccと1,800ccの2種類が設定され、駆動方式はこれまでの通り、フルタイム4WDとされました。そんな中、1996年5月に初の2WD車(前輪駆動)が設定され、「BZツーリング」というスポーツグレードが誕生しました。また、1998年4月には欧州向けとされた「ロッソ」が追加され、丸型2灯ヘッドライトやメッシュグリルの採用で、これまでとは異なるイメージで拡販が狙われました。
多くのSUV車の誕生や、一般乗用車に4WD車が増えたという背景もあり、2002年8月で生産終了となり、この3代目がカリブ最後のモデルとなりました。


車両スペック(代表グレード)
形式:E-AE115G
車重:1,180kg
全長:4,360mm
全幅:1,695mm
全高:1,505mm
ホイールベース:2,465mm
エンジン形式:7A-FE
エンジン種類:直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,762cc
最高出力:120PS

まとめ

改めて初代カリブを見てみると、角ばったデザインや特徴的なマスクなど、現在にも通用するかっこよさ、おしゃれさがあると感じました。その独特なデザインとコンセプトは2代目、3代目と受け継がれ、実用性はもちろん、当時のアウトドア好きのニーズを満たす魅力的なモデルであったと思います。「家族でカリブに乗ってキャンプに行った」や「友人たちとカリブに乗ってスキーに行った」なんていう思い出がある方も、たくさんおられるのではないでしょうか。残念ながら生産は終了してしまいましたが、たくさんの思い出と記憶の中に生き続ける、そんな車だと思います。