【シェルビー・マスタング】エレノア&スーパースネーク、ジ・アメリカン!なチューンドカーに憧れる

画一化に向かうというのは、自動車が抱える大きな宿命の一つだと言えます。作ってなんぼの大量生産商品としては、これは避けがたいことなのです。そしてそこにサードパーティーとしての、ドレスアップおよびチューンアップの商売が生まれる余地がある訳ですね。彼ら匠の技をもった職人たち、中には、キャロル・シェルビーのようなカリスマも居ました。今回は、そのシェルビーと彼が生み出した一台ムーブメントについてです。

きっかけは一つのエンジン

大きなムーブメントや歴史の流れが、意外と小さな偶然とか出会いによって生まれることがあります。最初の一つのきっかけがなかったら、あるいは違うものだったら、人々から大いに愛されている一つの商品が存在しない世界だって、あり得るということですよね。
登場以来、50年間を超える長い歴史を持つという、アメリカのスポーツカー、フォード マスタングも、そのオリジナルタイプが発売された当初に、キャロル・シェルビーが率いるレーシングカー・ファクトリー、シェルビーアメリカンInc. からレース用のチューンアップ版が発表されなかったとしたら、今の様な存在感を持つ自動車に成長しなかったかもしれません。
カリフォルニア州はサンタ・フェ・スプリングスにシェルビーアメリカン社が開業したのは、1962年のこと。丁度そのころ、イギリスのスポーツカーメーカー『ACカーズ』から、米国が輸入していた製品、『コブラ』が、それまで使用していた、古いBMW製の直列6気筒を変更する必要に迫られていました。そこでACが選択したのは、英国フォードが作る乗用車ゼファーの直列6気筒2.6Lだったのです。
このことに着目したシェルビーは、まずACカーズとの間で、コブラの車体をV8用にモディファイしてもらうよう話をまとめます。そして、アメリカ国内で適したV8エンジンを探し始めた彼が、まずコンタクトをとったのはシボレーでしたが、これは却下されてしまいます。と言う訳で、彼が次におもむいたのが、後にマスタングのチューンアップを担当することになる、米国フォード社だったのです。
ちょうどそのとき、米国フォードは、そのラインアップ上でシボレーに対抗する自動車の必要性を感じており、さらには、それに使える新型4.2LV8エンジンを持っていたこともあり、シェルビーの提案を受け入れ、その結果、ACコブラのV8版が誕生し、同時に、この後しばらく続くシェルビーとフォードの密接な関係も、そこから始まったのでした。

シェルビー・マスタングのはじまり

コブラ、GT、スーパースネーク。そういった名称をからめて、マスタングの存在と同義語に語られやすいシェルビーかもしれませんが、実はまったく独立していて、強いポリシーを貫く一つの会社なのです。

GT350の誕生

マスタングがはじめて世に姿を現したのが1964年のこと。シェルビーアメリカン社はさっそく、そのチューンアップ車両である、マスタングGT350を作ります。使ったエンジンは、ACコブラとほぼ同型の4.7LV8を、275psから310psへパワーアップしたものでした。コブラおよび、この高性能マスタングには、共通のエンブレム(コブラ)が張られていたため、当時のシェルビー・マスタングのことを、コブラ(英語では複数形)と呼称することも多いそうです。GT350には、SCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)のレース規則に合わせた、GT350Rという限定生産タイプもありました。このクルマは、3年連続でクラス優勝を成し遂げています。
1965年型のGT350は、後席の位置にフルサイズのスペアタイヤを設置したために、搭乗人数が2人となっている他、サスペンションの構造(アーム配置)までも改造され、エキゾーストは車体のサイドへ排気する様に変更されていたという、手の入った改造車でした。ちなみに、車名にマスタングを名乗っていたのは、この第一世代のモデルだけで、翌年からはシェルビーのブランド名称となっています。
発売初年度で563台を出荷したというGT350は、翌1966年にも新型として継続生産され、このタイプはトータルで2,378台(これには、2台の試作車、4台のドラッグレーサー、そして4台のコンバーティブルを含みます)まで生産数を伸ばしました。こちらの新型は、両サイドに開いたブレーキ冷却用エアスクープが外観上の特徴で、3速のオートマチックトランスミッション、スーパーチャージャー(機械式過給機)、リミテッドスリップデフ、そしてノーマル仕様のリアシートなどがオプション設定されました。
GT350にとって第一期の生産は、1969年まで続きます。しかしながら1966年頃から販売成績は下落しはじめ、同時に品質改善のためにフォードモータースの関与が強くなり、マスタングの車体が大型化の方向へ向かったこともあってか、ハイパフォーマンスカーを作る、という、シェルビーのポリシーはだんだんと脇へと追いやられて行きます。

ハートレンタカー

「レーサーをレンタルしよう」。これが、特別注文のシェルビーGT350のために、1966年にハートレンタカーが考え出したキャッチコピーです。この車体は、レンタカーの使用期間を終了したら、フォードへと返却され、GT350-Hというモデル名で再版されたものだそうです。外観で最も特徴的なのは、ボンネットからルーフ、そしてリアエンドまでの中央部分を、縦に貫くストライプのペイント、『ルマンストライプ』でした。
一般大衆に、チューンアップ車両をレンタルする、というのも、なかなか自由な発想のビジネスだったと思うのですが、このスキームが21世紀にはいって復活しているのも、アメリカの凄いところと言えばそうです。2006年に作られ、GT-Hと命名されたこのモデルは、ハートレンタカー向けのみの販売でした。とは言うものの、フォードのレーシング部門(Ford Racing Performance Group)が、マスタングGTを25馬力パワーアップして、マフラー関係などを付け替えた『FR1パワーパック』、さらに、ダンパーのチューニングやスプリングの交換や短めにした減速比など、走行性能関係を強化した『フォード・レーシング・ハンドリング・パック』というオプションが適用され、もとから、なかなかのスポーツバージョンとなっていました。2007年には、これにコンバーティブル版も加わっています。

GT500の誕生

シェルビー・マスタングのもう一つの顔、シェルビーGT500が生まれたのは、1967年のことで、ファストバック型のマスタングをベースにしたこのマシンには、当初355馬力を発生する7.0LのV8エンジンを用意していましたが、のちのアップデートで出力650HPを誇るレース用エンジンも搭載され、サイドパネルやボンネットをFRPに交換し、150mph(約240km/時)以上という最高速度を達成しました。スーパースネークという名称が初めて与えられたのは、このクルマだそうです。
様々なバージョンがあり、多種の呼び名が交錯しているのが、シェルビー・マスタングの歴史でもある訳ですが、1968年型のモデル(GT350&GT500)には、ボディーサイドに『コブラ(Cobra)』のバッジが張り付けられ、それが通り名として使われるようになりました。このタイプに換装されたエンジンは、約233psを出す5.0LV8(GT350)と、約365psの7.0LV8などです。

1967年型 GT500エレノア

シェルビーGT500の存在感が光った映画があります。2000年にニコラス・ケイジ主演で制作されたハリウッド映画、「60セカンズ(Gone in 60 Seconds)」です。そのあらすじはというと、以下のようなものになります。

どんな車でも60秒で盗み去る、それが伝説の自動車泥棒メンフィス・レインズ。一度は盗み家業から足を洗った彼が、弟の仕出かした失態を繕うために再び請け負った仕事、それは50台の歴史的名車を4日間の内に盗み、闇ディーラーに引き渡すという無茶な話でした。それでも、古い窃盗仲間と結託し、往年の手腕を発揮しながら順調に盗みを働いてゆく彼でしたが、彼が最後に残した大仕事、それこそが1967年製シェルビーGT500を頂戴することだったのです。メンフィスが、エレノアという愛称で呼び、特別な愛着と執着を見せるこのマシンは、総計で300台しか製造されなかったという、まさに、伝説の動物ユニコーンなみにお目にかかることすら難しい一台です。そしてこのクルマが、彼とその仲間達を、予期せぬ運命へと向かわせることになります…。

といったストーリー仕立てなのですが、派手なアクションが売り物であるこの映画の中、実際にGT500エレノアを演じたのはノーマルのマスタングをモディファイした、12台のレプリカモデルでした。その内5台はクラッシュシーン撮影のために大破、他も破損が大きく、結局、完全な形で生き残ったのは、車内での演技撮影のために使用した7号車のみだったそうです。
映画の大成功とともに、特別な存在感を演じて見せたエレノアは、世界中のマスタングファンの心に火をつけ、1967年型 GT500を模倣するレプリカキットなども多く販売されました。そして、実際に映画で使われ、現状でも機能するこの一台は、2013年のオークション(Mecum Auction)で、100万ドルの値段がつき落札されていった、ということです。

GT500KRの系譜

1968年になり、シェルビーGT500へ追加された改良版が、GT500KR(King of the road)です。このモデルには、通称『コブラジェット(Cobra Jet)』と呼ばれる7.0LV8エンジンが搭載され、出力340psでトルクは60.8kgmというスペックでした。シェルビーは、これにアルミダイキャストのバルブカバーを特製し、そこには、1966年と1967年にかけルマン24時間でフェラーリを打ち負かしたことを記すための、「コブラ・ルマン」という文字が刻まれています。
1969年に、シェルビーとフォードの関係が途切れていら、このモデルも実質姿を消しますが、2007年のニューヨーク国際自動車ショーに、フォードからGT500KRの新型が出展されました。21世紀のGTへと生まれ変わったこのタイプでは、5.4Lにスーパーチャージャーを加えたV8エンジンから、約547psを発揮、シェルビー・マスタングの40周年記念として、『40th Anniversary』の記念バッジ付きで1,000台が生産されるとアナウンスされました。(実際の台数は1,712台)
この2008年型GT500KRには、1968年型と同様にツイストロック式のピンで固定される、カーボンファイバー製のエンジンフードや、同じくカーボン製のエアスプリッタ―、ミラーキャップなど、モダンな新素材が多用されています。

21世紀のシェルビー

1969年当時、開発手法に関するフォード社の行き過ぎた介入を嫌い、キャロル・シェルビーが契約を打ち切って以来、停止していたシェルビー・マスタングの歴史ですが、その40周年を記念した2005年に再び動き出します。
最初の記念モデルとなったのが、パクストン・スーパーチャージャーによりパワーアップしたマスタング、V6版のCS6と、V8版のCS8(こちらは、改造キットのみ)です。これらのホイールセンターには、『Shelby』のサインが、ボディー両サイドには、あのコブラのバッジも復活しました。

エンジンの効率化

フォードおよびシェルビーのマスタングにとって、そのエンジン技術が本質的に飛躍したのは、2011年の大幅な改変の時だったかもしれません。ここで新たに採用されたのが、シリンダー内のプラズマコーティング技術を導入したオールアルミ製のV6で、シェルビーには排気量5.4Lのものが用意されました。素材の全面変更では、旧来の鋳造鉄製エンジンより46kgもの軽量化を成し遂げています。
このGT500用エンジンでは、約557psの出力と、約70.5kgmのトルクを発生しつつ、その燃料消費は市街地で15MPG(6.3km/L)に留まっており、当時この値はアメリカの『ガス食い自動車税』から逃れる性能を達成していたそうです。

GT500 から生まれたシェルビーGT500s/c1000と普及版のGTS

2012年のニューヨーク国際自動車ショーにシェルビーが出展した、GT500 のハイパワーバージョンが、このシェルビー1000というシリーズで、排気量5.4Lの32バルブV8を搭載したこの車種には、一般車道向けとサーキット向けという、2つのグレードがありました。公道走行可能なタイプでも約932psを出しましたが、これが『S/C』と名付けられたレース用の方になると1,115psという恐ろしいパワーを誇ったのです。
そのため、ドライブシャフトは強化され、ブレーキにも前6ピストン後4ピストンのものが採用されています。さらに、サスペンションでは、スタビライザー、ブッシュ、ストラットを新型としています。
シェルビー1000は、2013年にエンジンのフル換装を受け、新たに搭載された排気量5.8LのDOHC32バルブV8は、スーパーチャージャーによる過給を受けて最大1,217psを発揮しました。これには、アルミニウム製の高性能フライホイールやツインクラッチ機構なども組み込まれています。
2012年に生まれた別の新たなシェルビーは、シェルビーGTSという名の廉価盤です。33,000ドルという現実的な価格で販売されたこのパッケージは、それでも、ガラスファイバー製のエンジンフードに、伝統的な『ルマンストライプ』のペイント、さらにコレクター受けしそうなシリアルナンバー銘版と、シェルビーの刻印があるフロアマット、など、新たな顧客の心をくすぐるに十分な演出がなされています。エンジンは、DOHC24バルブのV6で排気量5.0Lのタイプでしたが、吸排気のバルブタイミングを個別に可変する、Ti-VCTなども装備されています。

最強のGT500

派生モデルのシェルビー1000s/cという、真のモンスターの存在は別として、2011年のロサンゼルス自動車ショーに出展されたモデルにより、シェルビーGT500本体の方は、そのパワーのピークを迎えます。この時積み込まれた動力源は、スーパーチャージャー付きで排気量5.8LのDOHC32バルブV8、そこから約670psのアウトプットと約87.2kgmという恐ろしいトルクを絞り出しています。
2012年から販売開始されたこのモデルは、翌2013年になると早速のアップグレードがなされ、燃料供給系の強化に加え、クラッチ、冷却ファンの大型化、2列から3列になったインタークーラーの採用などがなされました。また、この強力なエンジンを充分冷却するために、フロントの開口部からはグリルが削除されたりもしています。さらに新しい空力処理は、このクルマを容易に時速320kmまで加速するものでした。
さらに、これらの高性能に付け加えて、ビルシュタイン製ダンパーやトルクセンシングLSDなどを含む『パフォーマンスパッケージ』や、エンジンオイル、トランスミッションなどのクーラーを付け加える『トラックパッケージ』も用意されています。
これだけでも、パワーカーにハングリーなシェルビーファン達を納得させる内容だと思われますが、このころのシェルビーは、そうとう前のめりでGT500の強化に取り組んでいました。そして生まれたのが、2012年のバレット・ジャクソン・オークションで発表された、GT500スーパースネークです。
このモデルでも、サイド下面のトリム、リアフェンダー内部のストーンガード、エンジンフードから、リアのディフューザーまで、カーボンファイバー素材がふんだんに使用されています。

最新シェルビー・マスタング

現状では、シェルビーアメリカンInc.の公式ページが紹介している、マスタングベースのチューニングパッケージは、以下の4車種になります。

シェルビーGT(Shelby GT)

フォード マスタングGTに、シェルビーが外観、インテリアのみならずエンジンパフォーマンスをもグレードアップを施したのが、このシェルビーGTです。オフィシャルのパンフレットによれば、「最も能力が高く多目的性にすぐれたマスタングGT」となるのが、このシェルビー・アップグレード版だそうです。そして同時に、V8マスタングという最も基本的要件を満たす一台で、多分(23,995ドルのパッケージに自動本体は別、という価格を除き)最も購入の決断がしやすいのが、このシェルビーGTと言っても良いかもしれませんね。
その改造点は、エンジンフード、サイドステップ、スポイラー&ディフューザーなどのカーボンファイバー化、エンジンのインテークには『コールド・エアー(Cold Air)』という温度制御装置、さらには、シェルビーのバッジと、ル・マンのマシンを想起させるような、あのストライプという外装のドレスアップが含まれます。
そして、シェルビーなりのスパルタンカーを求める向きには、エンジンへのスーパーチャージャーの追加(これで出力が670hpへアップ)と、過給、燃料、オイルの圧力を表す計器の追加(オプション設定)、更にはロールゲージといったレース向け装備(オプション設定)も有料で追加できます。

シェルビー GT Ecoboost(Shelby GT Ecoboost)

21世紀の今、やはり原油価格の先高予想もあるでしょうし、それ以上に世の中から寄せられる、温室効果ガスの削減要請には、いかなフォード マスタングと言えども無視できないものがあります。そこで登場した最新型が、マスタングとしては禁じ手とも言える、直列4気筒エンジンを搭載した『Ecoboost』です。同時にシェルビーは、ちょっと賢くなったこのマスタングのオーナーにも、その本質的な魅力であるパワーと装備を加えるパッケージを設定しています。
その改造点としては、エンジンフード、エアロパーツ系のカーボンファイバー化から、特別チューンのサスペンションと、強化したブレーキ(前6ピストン/後ろ4ピストン)、エキゾースト系の交換だけでなく、エンジンパワーのアップ(ノーマル310hpを330hpまで増強)が含まれます。パッケージ基本価格は23,995ドルです。

シェルビー スーパースネーク(SHELBY SUPER SNAKE)

ハイパワーにしてスパルタンな、チューニング版マスタングの代名詞が、このシェルビー スーパースネークだと言えるでしょう。時代に応えて大人っぽく装った『Ecoboost』とは、これまた真逆のシェルビーがこのモデルと言うことになります。
スーパースネークと名乗るからには、そのクルマには、なまじっかなスポーツチューニングなど決して許されません。そして、このパッケージにシェルビーが用意したのは、機械式過給による670hp超と750hp超という、2つのハイパワーチューンパッケージです。加えて、他のシェルビー・マスタングと同様のカーボンファイバー製外装パーツや、航空宇宙工学レベルと謳われている空力性能、強化されたブレーキ系統(前6ピストンが基本で、後4ピストンがオプション設定)、特別設計されたサスペンションなど。他にオプションとしては、ミッション&ディファレンシャルギアのクーラー、5点式ハーネスとレーシング仕様のシート、さらにロールゲージなど、スパルタンカーを超えた本物の改造が満載されたえいます。このスーパースネーク、パッケージ基本価格は49,995ドルからです。

シェルビー 1000、1000s/c(SHELBY 1000)

このシェルビー 1000は、名前から想像がつく通りに1,000馬力というパワーを想定されたモデルで、そのチューニングパッケージも限定された台数のみ生産される、真に過激なモンスターカーです。タイプとしては、ノーマル(の改造)と、モデル名にS/Cというエクステンションが付くハイパワー版の2段階があり,S/CモデルのV8型5.8Lエンジンからからは1200hpのトップパワーを発揮します。
まさに、選ばれた者のみがステアリングホイールを握ることが許される、そんな畏怖の念さえ抱かせるようなモンスターマシン、それがこのシェルビー 1000シリーズになります。改造点としては、エンジンに、スーパーチャージャーの装着はもちろん、バルブスプリングやカムシャフト、200Aオルタネーターの装備など、エンジン部品レベルでの強化もなされ、さらにはバランスを取り直すアセンブリも行われます。燃料供給系もパワーに合わせてもちろん増強され、前6ピストン後4ピストンのブレーキなどなど、モンスターを飼い慣らしたいという英雄にとっては、至れり尽くせりなのがこのシェルビー 1000です。価格は、オリジナルパックが149,995ドル、S/Cパックが154,995ドルとなっています。

フォードからもシェルビーが買える

実は、フォード本体からもシェルビーの名を冠したマスタングが売られています。1967年の頃のように、フォードが車体をシェルビーの工房へ送って、改造をさせるという体制ではないので、双方が、得意分野を受け持っているということかも知れません。そのフォード版シェルビーが、GT350とGT350Rという2タイプのモデルとなります。
歴史上、はじめて登場した350GTは、レース向けハイパワーバージョンに、Rのエクステンションを加えた名称だった訳ですが、現在、フォードから販売される350GTは、そのパフォーマンスに差がなく、両タイプともに、現状でマスタング最大の5.2LのV8エンジンを搭載した自動車です。その意味で言うと、ハイパフォーマンスを求めてチューンしたというより、シェルビーの名前をトリビュートした、マスタングの1グレード、ということになるのでしょう。
ともあれ、エンジン出力は526hp、トルクは59,3kgmを発揮、フロントサスペンションは、オリジナルのマクファーソンストラット式にアルミニウム製フロントナックルを追加した、という特別チューンで、ダンパーには磁気粘性流体を封入した『MagneRide 』も選べます。さらに、運動性能関係で言うと、『ESC(エレクトロニック・スタビリティー・コントロール)』は、マスタング全車に標準装備です。
実際、シェルビーがリリースするチューンアップパッケージは、パフォーマンスアップが主眼であり、あえて経済性は問題にしていないのが売りですが、フォードが販売する350系のモデルは、メーカーとして、その辺りにもちゃんと責任を持ってくれているが良いところです。その燃費性能として、米国EPA(環境保護庁)の出した市街地&高速の混合走行パターンにおける公式推定値では、6.7km/Lのデータとなっています。また、英語版の『カーアンドドライバー』電子版が、このGT350をサーキットに持ち込んで、全開加速や最高速度テスト(時速280kmでたそうです)を繰り返した際の実燃費も、6.3km/Lというデータを残しています。

シェルビーGT350の公式ページ(英語)

【基本情報(参考値)】
名称:シェルビーGT350
エンジン排気量:5.2L
エンジン出力:533ps/7,500rpm
エンジントルク:59kgm/4,750rpm
全長:4,783mm
全幅:2,080mm
全高:1,376mm
重量:1,705kg
ホールベース:2,720mm
サスペンション:ダブル・ボールジョイント・マクファーソンストラット式(前)/ インテグラル・リンク式(後)

中古車で購入するなら

多分、基本的に、シェルビー本舗のリリースした車体は、球数が少ないところが良いところですので、中古市場でも、本当の本物はなかなか見つからないかもしれません。いっそのこと、ビンテージ物のシェルビーに人生の夢を託してしまう、という、男気のある生き方もあるかもしれませんし、それはそれで、素敵だとも思います。
さて、そんな中、『Goo-net』で見つけたのが、1967年型シェルビーGT500、という品で、お値段は1,280万円というタグがついております。まぁ、67年型は、存在が希少な上に人気もありますので当然の価格と言えばそう、ですがしかし、日本にもあるんですねぇ、この一台…。
さて、より現実的で日常でも使えるのは、昨今フォードの後ろ盾により復活したシェルビー達だと思います。たとえば、2010年型のGT500(1オーナーもの)だと価格が563.7万円とか、2013年式の5.8Lモデルで818.0万円などが見られ、かなり現実的なところから無理な値段まで、範囲は広いですね。

シェルビー マスタングの中古車 情報です

まとめ

モータースポーツへの参加や、チューニングカーの所有などについては、日本では未だに、ややガラの悪い印象を持つ人が多いの、というのが事実でしょう。しかし、元F1パイロットであったという、キャロル・シェルビーが、1962年に立ち上げたシェルビー・アメリカン社は、そこらの普通の企業が追い付けない程の伝統をもち、ハイパフォーマンスの追及というポリシーを貫き通したファクトリーです。その彼らがリリースするモンスターマシンには、フォードやマスタングのファンだけでなく、一般の自動車ファンからも、相応な経緯を払われてしかるべきだと考えます。
その高性能だからこその価格、彼ら、現代に生き残る最後のモンスターには、ぜひ節度を脇ままえた大人のオーナーが付いていただきたいものです。
、、、と、これで絞めたいと思ったのですが、何年か前に作られた某アイドルグループのPVで、当時のポニーカー(マスタング系のマッチョカー)が洗車されているような画像が混ざっているのを、偶然今、発見しました。ポニーだけに登場した?、さて、どの楽曲かは皆さんのセンスで検索してください。

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