【シボレー シェベル】ワルの愛車として人気の秘密は、伝説が由来?

1970年モデルは、伝説のモデルとして今なお人気モデルとして映画でも活躍するほどのモデルです。なぜ伝説と呼ばれているのか「シェベル」の魅力に迫ってみたいと思います。

「シボレー・シェベル (Chevrolet Chevelle)」

「シボレー・シェベル (Chevrolet Chevelle)」 は、アメリカのゼネラルモーターズ社(GM)が1964年から1977年にかけて生産していたミドルクラスのモデルで、販売においては最も成功を収めたモデルと言われています。

1thモデル(1963年-1967年)

1thモデルの「シェベル」は1963年に発表され、1964イヤーモデルとしてデビューしました。シャシーは、ペリメーター型タイプの「GM社」のAプラットフォームを改良したものをベースとしていて、これは「モンテカルロ」にも流用されたシャシーです。「シェベル」は、同サイズボディの「フォード・フェアレーン」に対抗することをコンセプトとして開発されました。そして当初は「シボレー」が大変良好な販売実績を上げていた「シボレー・ノバ」のニューモデルとして販売される予定で開発が進められていたモデルでした。エクステリアスタイルは、大衆モデルらしいシンプルでクリーンなボディデザインのシルエットでした。加えて取り付けられていたグリルやバンパー、エンブレムなどの装飾も控えめな仕様となっていました。「シェベル」のラインナップは、経済的なファミリーモデルを軸として、パワフルなハイパフォーマンスモデルまで存在していました。しかもボディータイプも、2ドアが、「クーペ」「ハードトップ」「コンバーチブル」「セダン」「ステーションワゴン」を揃えており、4ドアモデルが、「セダン」「ステーションワゴン」と、非常にバリエーションの多いラインナップでした。

充実した装備

当時のアメリカの購買層の多くは、「シェベル」を経済的で、手ごろな値段のファミリーモデルとして見ていました。実際に「シェベル」は、5人乗りの家族向けの大きさのボディが与えられて居住性は、快適でした。大衆モデルでシンプルでありながら、パワーステアリング、パワーブレーキ(ブレーキ力倍力装置)、オートマチックトランスミッション、エアコン、ステレオなどの人気装備が整ったモデルでした。

派生モデルが人気となった?

「シボレー・シェベル」をベースとしてハイパフォーマンスモデルやピックアップトラックなども登場していました。しかもそれらのモデルは、人気モデルとして顧客に受け入れられていきました。

「マリブSS」

1964年初頭と1965年にかけて「シボレー社」は、「シェベル」が非常に幅広い顧客層を狙って販売するために「シボレー・シェベル」をベースにハイパフォーマンスモデルの「マリブSS」を登場させました。搭載されていたパワーユニットは、350PSを発生させる「327キュービックインチ」、375PSを発生させる「396キュービックインチ」のエンジンが搭載されていました。

「エルカミーノ」

「シボレー社」は、「シボレー・シェベル」をベースとして、派生モデルの「エルカミーノ」を開発しています。このモデルは、「ピックアップトラック」のモデルで「シェベル」をベースモデルとしているために、フロントマスクやインテリアデザインやパーツも共通点が多くなっています。実質、「シェベル」をピックアップトラックのデザインにボディを手直ししただけといえるモデルです。実際、1964年モデルの「エルカミーノ」は、基本的に、Bピラーまでが「シェベル」と同じエクステリアとなっています。また、当初は実用性を重視したモデルとして登場したために、「シェベル」の最もパワフルなハイスペックエンジンは必要ないと考えられていました。しかし、顧客の要望によってハイパフォーマンスユニットが用意されることになり、1965年には350PSを発生させる「327キュービックインチ」のエンジンが追加され、1966年には325PS/375PSを発生させる「396キュービックインチ」のエンジンが搭載されています。また人気を博した「エルカミーノ」は1967年には、新しいフロントグリルやフロントバンパーなど、エクステリアにおいてスタイリングに変更が加えられただけでなく、リアサスペンションにエア・ショックアブソーバーが追加されるほどの人気モデルとなりました。

2thモデル(1967年-1972年)

1967年に2thモデルが発表されフルモデルチェンジされました。これに伴ってハイパフォーマンスモデルは「シェベル・マリブSS」という名称から「シェベルSS」へと改称されました。このモデルの名称変更によって、「シボレー社」はモアパワーが求められ、アメリカの自動車メーカー各社からマッスルカーと呼ばれるハイパワーエンジン搭載モデルが次々とデビューする中、ハイパワー市場に本格的に参入することになりました。これに伴って、エクステリアデザインは、2ドアハードトップのスタイルがコークボトルラインのセミファストバックのデザインとなりました。

「SS」はレース仕様エンジンだった?

「SS396」のモデル名でシリーズ化されていた「シェベルSS」は、ハイパフォーマンスモデルとして、独自のエンジンが搭載されていました。V型8気筒エンジンは、「327キュービックインチ」「350キュービックインチ」「396キュービックインチ」が設定されていました。しかし、1970年以前は、ミドルクラスの中型車のエンジンは「400キュービックインチを越えて搭載しないこと」にしていましたが、1968年、1969年は「COPO(Central Office Production Order)」 と呼ばれる販売戦略を採用しました。これは、レース用として使用するためのディーラーへの注文として、400キュービックインチ以上のハイパワーエンジンを搭載することを可能としていたのです。

伝説の後期型モデル

1969年から「シェベルは」ハードトップのリアクォーターウインドウとリアピラーの形状が変更され、「後期型モデル」となり斜め後方視界が改善されました。1970年には、フェイスリフトが行われ、ヘッドライトが丸形4灯から丸形2灯にデザイン変更されました。また、「SS454」が新たにラインナップされることによって、「COPO(Central Office Production Order)」は実質的に意味がなくなりました。この新たにラインナップした「SS454」のV型8気筒の454キュービックインチのエンジンは7,400ccの排気量で450PSものパフォーマンスを発生するエンジンでした。それゆえに1970年式「シェベル・SS454」モデルは「シェベル」の伝説的なモデルとなり、非常に価値あるモデルとして現在でも人気のあるモデルです。しかし、排出ガス規制が導入されたカリフォルニア州では「307キュービックインチ」のエンジンは販売が打ち切られ、そこから排出ガス規制が厳しく強化されていき、1972年は270PSの「454キュービックインチ」エンジンが搭載されると同時に、2thモデルの「シェベル」にとって最後の年となりました。

「シェベル」は、乗り手を引き立てる

「シェベル」は、乗り手を引き立てるために映画で使用されることが多いようです。特に450PSを発生させていた1970年式「シェベル・SS454」は、伝説のモデルとして知られているゆえに映画にもよく登場し、映画をインパクトを残すものとし、「シェベル・SS454」に乗る俳優を引き立てています。

「ワイルドスピード」シリーズ

「ワイルドスピード」シリーズの中で、主人公ドミニク(ヴィン・ディーゼル)が、「シボレー・シェベル」を愛車として使用している場面をよく見ます。しかも1970年式「SS454」です。ハイパフォーマンスモデルでワルなイメージがあるゆえに、ワイルドでイカツイ主人公ドミニクをよく引き立てているモデルです。

「アウトロー」でのトム・クルーズ

映画「アウトロー」の中で、使用されていた「赤いシェベル」は、1970年式でした。映画の中では、元軍の秘密捜査官だった男(トム・クルーズ)が「シェベル」に乗り込み、一匹狼として悪に制裁を加えていくというシナリオです。この映画ですは、過激なアクションのために「シェベル」が8台も廃車になったという映画でもあり「シボレー・シェベル」が好きな人の間では、伝説の1970年式が登場することと、複数の「シェベル」を廃車にしているという2つの意味で「伝説」になっています。

「トランジット(Transit)」は、1972年式

映画「トランジット(Transit)」は2012年のアメリカのサスペンスアクションです。この映画では1972年式のヘッドライトが2灯式「シェベル」が登場しています。強盗犯と犯罪に巻き込まれた一般家庭におけるアクションの中で使用されており、「シェベル」のパフォーマンスによってスリル満点の映画に仕上げられています。

1970年式「シェベル・SS454」主要諸元

1970年式「シボレー・シェベル SS454」
エンジン:7,440cc(454cu.in.)水冷V型8気筒 OHV
最大出力:450PS/5,600rpm
最大トルク:69.1kgm/3,600rpm
トランスミッション:4MT
速駆動方式:FR
サスペンション:F ダブルウィッシュボーン/コイル R 4リンクリジット/コイル
全長:5,029mm
全幅:1,930mm
全高:1,336mm
車両重量:1,762kg

3thモデル(1972年-1977年)

1972年にフルモデルチェンジして「シェベル」は3thモデルとなります。ボディスタイルのラインナップからコンバーチブルが廃止されました。

最終モデル

エクステリアデザインは、2ドアボディーは大きなリアクォーターウインドウが目立つ「コロナード・ハードトップ」というデザインが採用されています。これはBピラーを持つピラードハードトップで、実質的な構造はクーペタイプに属するスタイリングです。サスペンションシステムは、フロントに「カマロ」のサスペンションをベースとしたものが採用され、乗り心地や直進安定性などのパフォーマンス向上が図られています。3thモデルの「シェベル」は、廉価版モデルの「シボレー・デラックス」、量販グレードの「マリブ」、上級グレードの「ラグナ」に分けられました。ハイパフォーマンスモデルの「SS」は1973年までは「マリブクーペ」と「ステーションワゴン」に設定されていましたが、1974年モデルでは、「シボレー・デラックス」が廃止され、「マリブ」がエントリーモデルへと格下げされてしまい、「SS」モデルは、「ラグナ」と置き換えられることになりました。また「454キュービックインチ」エンジンが搭載されたモデルとして1974年モデルは最終モデルとなります。さらに、デザインが変更されているフロントエンドのスタイリングを持つ「ラグナ・S3クーペ」が追加モデルとして発表され、このモデル名とスタイリング形状でNASCARに参戦しました。

マイナーチェンジ後、縮小に向かっていく

1976年にマイナーチェンジでフェイスリフトを受けた1977年モデルが発表され、ボディースタイルはセダンとクーペのみに変更され、グレードも「ラグナ」と「ラグナクラシック」のみへと縮小され、他のグレードは廃止されてしまいました。マイナーチェンジでエクステリアデザインは、上下二段に配置された角形4灯式ヘッドランプに変更されたことやクーペのランドウトップやオペラウインドウが特徴となりました。1978年になると、「シェベル」は生産が中止され、後継モデルとして、初代「シェベル」から最上級モデルに用いられていた「マリブ」の名称となりました。また「シェベル」の派生モデルのピックアップトラック「エルカミーノ」は、これ以降、他車種のシャシーにスイッチしながら1987年まで生産・販売が続けられました。こうして「シボレー・シェベル」は、ヒストリーにピリオドを打ちました。

シェベルの中古車情報

日本ではなかなか目にすることのない車ですが、アメリカンな出で立ちで国内では大いに存在感のある車です。中古車としても多くは流通してはいないので見つけたら現車確認をしてから検討してみてください。下記にリンクを貼っておきますので是非チェックしてみてください。

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まとめ

「シボレー・シェベル」は、幅広いユーザーに受けるファミリーモデルとして登場するも、ユーザーの要望に応えるためにパフォーマンスモデルを投入し、450PSを超えるエンジンを搭載し、いつしか伝説のモデルまで言われる名車となりました。現在「マリブ」として販売されているモデルに再び「シェベル」の名称が復活する日も来るのかもしれません。また新たな伝説を作り出して欲しいものです。