【アルファロメオ146】FF化を進めるアルファの変革期を支えたプレミアムハッチ

フィアット傘下に入り、アルファロメオが長らく続けてきたFRレイアウトを捨てなければならなくなりました。当時は“FFのアルファなんて”という声もありましたが、乗って見ればしっかりアルファロメオの車でした。先行デビューした145・155とあわせて“FFだってアルファロメオ”であることを世間に知らしめた車、それが146です。

アルファロメオの変革

出典:http://www.alfaromeo-jp.com/

1910年発祥のアルファロメオ。レース参戦を中心に活動しレースカーを少量生産する会社でしたが、さすがに経営難に陥り国有化され量産車メーカーとして歩き出します。1954年の初代“ジュリエッタ”の成功から、後のジュリアシリーズなど商業的にも力を付けていきます。工業中心のイタリア北部に比べて農業中心の南部が貧しかったため、南部での雇用促進を目的とした工業展開という国策に従い“アルファスッド”を設立しますが、商業的には失敗に終わります。1986年、再度売りに出されたアルファロメオはフォードに競り勝ったフィアットに買い取られ、フィアットの技術と経済力に支えられながら今日まで発展を続けています。FRスポーツを伝統的に貫いてきたアルファロメオにとって、146は、145、155とともにFWD化を推し進める役目を担ったモデルです。

アルファロメオ146とは

アルファロメオ146は、アルファロメオがフィアット傘下になって間もなくの1995年にデビューしました。先にデビューした155の“ティーポ3”計画と並行して“ティーポ2”計画として開発が進められました。先代にあたる33の後継車種で、 開発段階では3ドアハッチバックと5ドアハッチバックが計画されていましたが、3ドア版は“145”という独立したモデルとして開発されています。フィアット・ティーポがベースで、155など兄弟車種と多くの部品を共有しています。デザインは、内外装ともにアルファロメオ・チェントロスティーレ(アルファロメオ社内デザインセンター)が担当しました。兄弟車の145とは内装が異なったデザインになっています。

スペック

ボディサイズ
全長:4,257mm
全幅:1,712mm
全高:1,425mm
ホイールベース:2,540mm

エンジン
水平対向4気筒OHC1.3L・1.6L
水平対向4気筒DOHC1.7L
直列4気筒DOHC1.4L・1.6L・1.8L・2.0L
※直列4気筒DOHCモデルは、ツインスパーク(Twin Spark )エンジン
 欧州の環境基準をクリアするために1気筒あたり2本の点火プラグが配置されています。
以上ガソリンエンジン
直列4気筒ターボ1.9Lのディーゼルエンジン

駆動方式:FWD

サスペンション:前輪 マクファーソン・ストラット 後輪 セミ・トレーリングアーム

日本での販売

当時のアルファロメオ正規輸入元だったフィアット&アルファロメオ・モータース・ジャパンでは輸入されず、並行輸入というかたちでのみ販売されました。しかも輸入されたほとんどが左ハンドルで、右ハンドルはごくわずかです(1.6リットルの右ハンドル仕様が業者オークションにて1台確認されているそうです)。

マイナーチェンジ

1999年に145と同じようにマイナーチェンジを受けました。各モールとドアミラーがボディ同色になり、フロントバンパーとグリルのデザインが変更されました。ホイールデザインも変更されています。

先代はアルファロメオ33

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB33

アルファスッドの後継車種として、1983年に投入されたアルファ33です。アルファスッドとはプラットフォームや一部の部品を共有しています。エンジンはアルファスッドから引き継がれた1.3L、1.4L、1.5Lの水平対向4気筒OHVガソリンエンジンと1.8リットルの直列3気筒OHVディーゼルエンジンでした。ガソリンエンジンにはシングルキャブレター仕様、ツインキャブレター仕様、インジェクション仕様が存在し、このスモールボクサーエンジンは後継車種となるアルファロメオ・145/146にも引き続き搭載されました。

後継はアルファロメオ147

145/146(145のノッチバックセダン)の後継車種は、2000年のモンディアル・ド・ロトモビルでデビューした147です。先にデビューした156と同様に、2001年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。この美しいスタイリングは、当時アルファロメオ・デザインセンターに在籍していたワルテル・デ・シルヴァ、アンドレアス・ザパティナス、ヴォルフガング・エッガーの共同作業によるものです。ワルテル・デ・シルヴァは、156のデザインも担当しています。

デザインと走りの両立

アルファロメオ146の魅力は、なんと言ってもこのデザインではないでしょうか。ボンネットの先端をV字に落とし込み、そこへ伝統の盾型グリルを配置してあります。このまとまり具合がなんとも言えず素敵なのです。全体的には角張った印象のデザインですが、サイドのプレスラインはリヤに向かって跳ね上がり、強烈なウェッジシェイプを演出しています。テールエンドをすっぱりと切り落とした145とは違い、トランク風のノッチを持つ146はCピラーの傾斜が緩やかで美しいデザインになっていますね。
155psを引き出す2.0Lツインスパークエンジンなら、走りの質はとても高いレベルを達成しています。可変バルブタイミング機構の導入で、全域でパワフル&スムースなフィーリングなエンジンと、組み合わされる5速M/Tのギヤレシオ設定が秀逸で、グイグイ引っ張りながら加速していきます。クイックな設定のステアリングと相まって、右足にもハンドルを握る腕にも自然と力が入ってしまうのです。その反面、オーバードライブ設定の5速では、意外なほどに静かでコンフォートな走りに徹してくれます。このあたりが“さすがアルファロメオ”といいたくなるところですね。

中古車情報

並行輸入でしか日本に入ってきていない146。市場にあるのでしょうか。

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最後にまとめ

残念ながら正規輸入がありませんでしたので、日本にいる個体は多くありません。ほとんどの部品を145と共有していますし、フィアット傘下の兄弟車も多いですから部品に事欠くことは無いでしょう。意外に不安無く使えるクルマだと思います。最近少なくなった“乗って楽しい車”ですので、機会があればぜひ乗ってみてください。