【シトロエンC6】これぞシトロエンの真骨頂。フラッグシップの今後はどうなる?

シトロエンと言えば、フランスを代表する“かわったクルマをつくるメーカー”第1位ですよね。なんと言っても水と空気のサスペンション“ハイドロニューマチック”は他社には真似が出来ないようです。初めて搭載したのは20世紀の名車に名を連ねた“DS”です。大きなボディに非力なエンジンを積んでいましたが、ハイドロサスのおかげもあってとても軽快に走る車です。その流れを汲む現代のフラッグシップがC6なのですが...

シトロエンC6というクルマ

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%BBC6

なんと横の長い写真なのでしょう。このことがC6の素性を物語っていますね。見た目の印象はとにかく“平ぺったい”の一言に尽きます。4,910×1,860×1,465という数字だけを見れば、国産車の高級大型サルーンよりも小さいくらいなのですが、低く抑えられたウェストラインや美しくリアへ流れるルーフラインのおかげで、ロング&ワイド&ロースタイルが強調されて見えます。
一見するとハッチバックのように見えますが、実際にはとても短いトランクリッドがあるので4ドアセダンと呼ぶべきでしょう。

●シトロエンC6 スペック
ボディタイプ:セダン
ドア数:4ドア
乗員定員:5名
型式:ABA-X6XFV
全長:4,910mm
全幅:1,860mm
全高:1,465mm
ホイールベース:2,900mm
トレッド前/後:1,585/1,555mm
室内長:1,950mm
室内幅:1,560mm
室内高:1,170mm
車両重量:1820kg
エンジン型式:XFV
最高出力:215ps(155kW)/6,000rpm
最大トルク:30.5kg・m(290N・m)/3,750rpm
エンジン種類:水冷V型6気筒DOHC
総排気量:2,946cc
内径×行程:87.0mm×82.6mm
過給機:なし
燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量:72リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン
サスペンション形式(後):マルチリンク
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前):245/45R18
タイヤサイズ(後):245/45R18
駆動方式:FF
トランスミッション:6A/T

シトロエンC6のデビュー

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1998年のパリサロンで発表されたコンセプトカー“C6 LIGNAGE(リナージュ)”をベースに開発されました。2005年3月のジュネーブショーで市販モデルが初公開され、同年末から欧州で販売を開始しています。フロントマスクには、シトロエンのエンブレムでもある“ダブルシェブロン”をあしらわれています。フロントが長くリアが短いボディライン、縦長のヘッドランプ、サッシレスのサイドウィンドウ、凹面のリアウィンドウなど、独特なスタイリングが特徴的です。速度感応式のリアスポイラーを装備しています。サスペンションは、前輪がダブルウィッシュボーンで後輪はマルチリンクです。それに加えてシトロエン独自の電子制御スプリング&ダンピングシステムである“ハイドラクティブIIIプラス”がおごられています。
エンジンはV型6気筒3.0LのES9ガソリンエンジンと、V型6気筒2.7LのHDiディーゼルがラインナップされていました。安全面では、運転席ニーエアバッグやリアサイドエアバッグなど合計9個のエアバッグと、むち打ち防止のためのアクティブヘッドレスト、万が一歩行者を跳ね上げた際自動的にボンネットを浮かせて衝突ショック軽減をはかるアクティブボンネットなどを標準装備しています。その評価はユーロNCAPでは5星の36点、歩行者保護では4星の28点という評価を受けています。

日本での販売 新車価格

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日本での販売は2006年10月末より開始されました。2006-2007日本カー・オブ・ザ・イヤー“インポート・カー・オブ・ザ・イヤー”を受賞しました。日本仕様では空調の吹き出し口を一部変更して、日本仕様のカーナビゲーションシステムと本来のエアコン等の情報画面の両立を図る等の変更がなされています。またオプションとして、リア電動スライドシート・後席シートヒーターなどを装備した“ラウンジ・パッケージ”仕様も用意されていました。

シトロエンC6エクスクルーシブ:6,820,000円

日本に正規輸入されていたのはV型6気筒3.0Lのガソリンエンジンのみで、1.8トンを上回る重量の割りには出力・トルクが小さなエンジンを搭載しています。同じクラスの欧州車をはじめ、日本車やアメリカ車と比べても動力性能面に関して劣るという指摘もありました。前述のガソリン仕様の生産中止にあわせて2010年度前半に輸入停止が決定し、日本国内にある在庫車の完売をもって販売終了となりました。日本での正規輸入が終了した後は本国でもラインアップがディーゼルのみに縮小され、C6の生産は2012年12月18日に終了しました。2012年4月に、後継セダンのコンセプトモデルとなる“Numero9”が発表されています。なおフランスの前大統領ニコラ・サルコジは、公用車としてC6を使用していました。日本では宇崎竜童や椎名林檎が新車で購入したことも一部で紹介されています。

ディーゼルエンジンの“HDi”は新車で手に入る?

デビュー当初はV型6気筒2.7Lの“HDi”ディーゼルがラインナップされていましたが、2009年に240psの出力を誇る3.0LのHDiに置き換えられています。また2010年以降は、フランス国外仕様は基本的に3.0HDiに一本化されています。この3.0LのHDiは日本の平成22年排出ガス規制を通過出来るので、並行輸入業者による輸入はごく少数ながら行われていましたが、すでに生産を終えています。

DSの流れを汲むフラッグシップカー

出典:http://www.gizmag.com/citroen-ds-set-for-reprize-as-ds6/21878/pictures#44

シトロエンC6は、20世紀の名車ランキング第3位に選ばれた“シトロエンDS”の子孫でもあります。大きなボディと非力なエンジンの組み合わせは、すでに50年以上も前からこのDSで完成されていたのです。ハイドロニューマチックの搭載も、このDSが最初でした。

先代にあたるのはXM

出典:http://www.roadsmile.com/image-model/1332-citroen-xm_black_3.jpg.html

シトロエンC6の先代にあたるのは、このシトロエンXMです。1989年に登場したXMは、ベルトーネらしい直線で構成された美しいウェッジシェイプからなる全長4,710mm×全幅1,795mm×全高1,395mmのボディに、進化したハイドロニューマチック“ハイドラクティブ”を搭載し、名実ともにシトロエンの次世代を担うフラッグシップモデルでした。
XMは最上級車でありながらハッチバックデザインでしたが、リヤシートと荷室の間にガラスの仕切りがあり、リヤハッチを開けても室内の気密性を保てるようになっています。これは、ステーションワゴン(ブレーク)を追加する構想があったからでしょう。1991年に全長を195mm伸ばしたブレークがデビューしています。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%BBXM

DS6の存在

シトロエンにはメインストリームとなるCラインと、古くからのシトロエンファンに向けたDSラインが存在します。C3とDS3、C4とDS4、C5とDS5と、それぞれに両方のラインナップが存在します。当然C6に対してDS6が用意されると思いきや、ちょっと勝手が違いました。“DS6”というクルマは存在します。でも、日本では販売されていません。それどころか、シトロエンのお膝元であるフランスでも販売されていません。

出典:http://www.autoexpress.co.uk/89589/citroen-ds6-suv-review-pictures#0

これが中国で販売されているDS6です。どう見てもSUVですよね。残念ながら詳細は全くわかりませんが、エンジンはガソリン仕様のみで、PSA製直列4気筒1.6Lターボで160psと200psの2バージョンが存在するようです(いずれも6速A/T)。しかも、この出で立ちながら4WDの設定はなく、FFのみということです。プジョーの3008もFFのみで、“グリップコントロール”よ呼ばれる制御システムが搭載されていますから、同じような仕組みになっているのかもしれません。そう考えると、もしかしたら三菱RVRのOEMかもしれません。プジョーには4008と言う三菱RVRのOEM車輌が存在しますから。同じPSAグループのシトロエンにもあってしかりです。

クセになるC6の乗り味 試乗してみましょう

とにかく個性的なスタイリングと広々とした室内。さらには伝統の油圧サスペンションによる独特の走行性能と快適性。そのすべてがシトロエンC6の特徴と言えるでしょう。シトロエンに欠かせない強烈な個性を纏って現れたC6に、ファンの期待がとても大きかったのは間違いないでしょう。私の回りでもC6に乗っている方が数名いらっしゃいます。なぜか医療関係者が多いのが面白いのですが、長距離を快適に移動できる走行性能+ドイツ車にはない魅力が惹きつけているのでしょうか。

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Citro%C3%ABn_C6

スタイリング

ロングノーズ&ショートデッキ、ビッグキャビンという3つの要素を見事に満たしたスタイリングです。基本シャシはC5と同じ“プラットフォーム3”ですがかなりの胴長スタイルです。シトロエンの歴代ビッグサルーンと比較すると、1970年代から80年代に君臨した“CX”の後期モデルに登場した“プレステージュ”や“ファミリアール”などのロングホイールベース版に近いことが分かります。そういえば、CXもリアガラスが凹面ガラスでした。XMよりもCXにこそ共通点が多く見いだせるかもしれません。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%BBCX

シトロエンCX

上級過ぎる室内

出典:https://grrc.goodwood.com/columnists/dan-trent-parisian-glamour-daily-commute#e3szHM8Mh8kiIl1G.97

ドアを開けてみると、面白いことに気がつきました。サッシレスのサイドガラスは樹脂を中間層にラミネートした二重ガラスで、密着性を高めるためにドアの開閉に伴って数十mm自動的に昇降します。以前に乗っていたプジョー406クーペも同様の構造でしたが、車内の静粛性を求めての採用なのでしょう。FFなので室内スペースを確保するには有利です。しかも、ウエストラインが低くサイドウインドウが大きいのでとても広々としていて、そこに大ぶりなシートが鎮座しています。シトロエンで初採用のヘッドアップディスプレイは、車速だけでなくシフトポジションなどの情報を映し出します(本国仕様はナビ情報も表示する模様)。内蔵式のドリンクホルダー(回転しながら、ゆっくり展開します)や電動パーキングブレーキは、過去のシトロエンからは想像しがたい気の利き方ですね。2,900mmのホイールベースのおかげで抜群に広い後席もすばらしい。リアドアとその開口部が真四角なので乗降性も抜群の良いのですが、これは後輪が室内に影響していないということの証でもあります。

その乗り味は素晴らしい 最高の評価

出典:http://www.carmagazine.co.uk/car-reviews/citroen/c6/

V型6気筒エンジンが発する215ps・30.5kgmという数字は、C5よりも5psと0.5kg-m 多いのですが、車重を比べればC5より290kgも重いのです。“ここ一発”のダッシュ力を期待すると、じれったい思いを味わうことになります。ただ強いて言えばと言うレベルで、静かでスムーズな走りはまさにイメージどおりです。もともと大きなボディを小さなエンジンで走らせるのがシトロエンの流儀です。そして”ハイドラクティブIIIプラス”は期待以上の出来で、今までのハイドロでは少し気になる“低速でコツコツと不整を拾う”感じがありません。“スポーツ”モードを選ぶと多少引き締まる感じはありますが、シトロエンらしく乗るにはノーマルの方がそれらしくていいと思います。
言うまでもなく、高速巡航はおてのもので、素晴らしい静粛性とハイドロがもたらすフラットライドや独特のスムーズさが相まって、ずっと走り続けたいと思えます。100km/h巡航で2,000回転程度ですから特にハイギアードではありませんが、エンジン音も排気音も聞こえてきません。高速コーナーでの圧倒的スタビリティはさすがと言うほかありません。走行速度が65km/hに達するとリアのトランクリッドがスポイラーに変身します。さらに110km/h以上では車高が12mmダウンしますし、125km/hを超えるとスポイラーがもう一段ポップアップし、FF車にありがちなリアの浮き上がりを抑制します。空気を切り裂いて走るのではなく、スルッとその下を滑り抜けて行くような感覚は他のクルマでは味わえないかもしれません。

維持する上で気になる トラブル 燃費 カスタム情報など

トラブル

あまりたくさんの個体をみていませんから一概に言えませんが、トラブルらしいトラブルはみたことがありません。ハイドロサスですからトラブルになりやすいイメージですが、ハイドラクティブII以降はLHMオイル漏れの話も聞きませんし、街中で立ち往生した話も聞きません。強いて言えば、このV6エンジンはイグニッションコイルの寿命が少々短いです。

燃費は?

オーナーさんの記録を見てみると、ガソリンエンジンで7.93km/Lとのことです。この重量でこの排気量を考えれば立派な数字ですね。ただクルマの性格上、全体的に高速移動が多いのかもしれません。気になるディーゼルモデルの燃費ですが、10.08km/Lとのことです。これはもう少し良いスコアを期待していただけに意外でした。とは言え燃料代が安いですから、トータルで考えれば差は歴然ですね。

カスタムメイク

十分個性的なシトロエンC6。このままで十分だと思うのですが、さらにカスタムメイクする人もいるようです。

ツートーンに塗り分けた人です。

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リヤフェンダーを作っっちゃった

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最後にまとめ

とにもかくにもそのデザインが放つ存在感が素晴らしいです。高い静粛性と抜群の乗り心地、そして高速安定性、さらに高速コーナリング性能は絶賛に値します。大振りなボディにちょっと非力なエンジン、そしてハイドロサスの組み合わせはまさにシトロエンの真骨頂とも言うべきで、フラッグシップたるキャラクターを与えられています。すでに生産が終了してしまっていることが残念でなりませんが、なによりも一番の悲劇は後継車がいないという事実かもしれません。