【トヨタ コロナ】懐かしいアノ人気車種について内容と歴史を振り返る

一つの市場が生まれた瞬間に消費者の支持を得ると、その商品は市場が成長して行く間の長い時間、大きなシェアを握り続けることができるのだと思います。おそらく、トヨタ コロナという車もそうやって成功を手に入れた一台だったでしょう。そのルックスがまさに全世紀の遺物と言いたくなるクラシックモデルから、最終的にはDOHC16バルブ搭載まで網羅し、長すぎるといっても過言でない歴史があるのがこの一台なんです。

コロナはやっぱり日本を作ったクルマ

第2次大戦が終わって、全部を失った日本の社会を、復興に向けて動かし続けてくれた人達の気概には、いまだに頭も上がらず感謝のみ、なのですが、同時にそんな時代なら、新たな商品を生み出すためのトライがたくさんできたんだろうな、と少しだけうらやましい気もするんです。
トヨタ コロナの最初のモデルが登場したのが、戦後たかだか十数年経った1957年7月のことですから、その時代の雰囲気にはまさに、なんにもないなら作り出してやろう、というモチベーションが感じられる気もしますし、モノはないけれど明日がある、なんてキャッチフレーズが似合うんじゃないかと、勝手に思ってしまう訳です。
ともあれ、長大なるコロナの製品寿命の中でも、そのボディーシェイプや構成などによって、クラシカル期、高度成長期、そして完成期と3つに分かれそうな気がします。ここでは、そんなふうに時代を分けながら、あなたも子供の頃にひょっとしたら乗ったかもしれない、コロナの長い歴史を振り返りたいと思います。

クラシカルデザインの時代

誕生当初のコロナは、トヨペット コロナと命名されていました。そんな、1950年代から1960年代という古い時代に作られた自動車は、いま振り返るとレトロな価値がいっぱいの、クラシカルなデザインが魅力です。
では、そんな時代のトヨタ コロナから見てゆきましょう。

初代コロナ

1957年に発売された最初のコロナは、クラウンがカバーしていない小型車市場からの求めに応えるため、1.0リッターエンジンを搭載した小さ目のボディーを持つモデルとして、既存のコンポーネント(クラウン用のサス、トヨペットマスター用のドアなど)を流用して製造が企画されたというクルマでした。戦後の復興期が終わったと宣言された翌年、まさに、需要があるから作るし作れば売れる、と言うこの頃については、現代の世界経済から振り返って見ると羨ましいというより少しずるいっ、とボヤきたくもなるかも。その意味では良い時代だったんですね。
流用部品が多いと言っても、それはただのつぎはぎという意味ではなく、トヨタとして初のモノコックボディーが取り入れられていたし、発表から2年程経過した1959年には、それまでのサイドバルブ式エンジンを、さらに効率と出力を高めたOHV型の水冷直列4気筒へと変更していて、このパワーアップのおかげで、5人乗り自動車へとグレードアップもはたしています。
こうした基本設計と後の効果的なテコ入れが効果を発揮して、コロナに不動の人気を与えることになったと言っても、過言ではないでしょう。カタログで、クラウンとの共通部分を積極的に謳っているのも、差別化など宣伝手法にテクニックが要求される今からすれば、なんとなく平和なPR作戦だったんだなぁ、という感じで、良い印象を受けます。

オリジナルのカタログです。

【基本情報】
名称:トヨペット コロナ
型式:ST10
エンジン排気量:995cc
エンジン出力:33ps/4,500rpm
エンジントルク:6.5kgm/2,800rpm
全長:3,912mm
全幅:1,470mm
全高:1,518mm
重量:960kg
ホールベース:2,400mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ 半楕円型板ばね(後)

2代目コロナ

どんな時代でも、自動車ボディーの進化とは、低く、広くを目指すようで、1960年4月に登場した2代目のコロナでも、初代に比べ見た時の伸びやかさが強調されています。個人的には、初代コロナのシェイプも嫌いではないのですが、クルマとしては、この2代目の変化は正常進化と呼ぶべきものだったでしょう。依然としてクラシカルな形ですが、前後に伸びたボンネットとトランクが、優雅さをプラスしています。
特徴的なのはサスペンション系で、前輪にダブルウィッシュボーン式を採用しているのは変わりませんが、そのばねには長く後ろから伸びたトーションバー(捻じればね)が使われ、また、後輪は4リンク式の車軸ですが、これまたリーフスプリングの前端にコイルを付加する、という、ちょっと面白い構成になっています。このシャーシ性能については、「悪路でも車輪だけが大きく動いて、室内には殆ど衝撃が伝わらない」と、なかなかな自信を示すのもこの時のコロナです。
そのシャーシに搭載するエンジンは、当初1.0リッターのタイプだけが用意されましたが、発売後1年した時点で、60psを発生する1.5リッターも追加されました。

オリジナルのカタログです。

【基本情報】
名称:トヨペット コロナ
型式:PT20
エンジン排気量:997cc
エンジン出力:45ps/5,000rpm
エンジントルク:7kgm/3,200rpm
全長:3,990mm
全幅:1,490mm
全高:1,440mm
重量:940kg
ホールベース:2,400mm
サスペンション:トーションバーばねダブルウィッシュボーン式(前)/ コイル&板ばね併用トレーリングリンク式(後)

3代目コロナは100万台達成

いわば急作りからはじまって、改良が加えられつつ進化してきたコロナが、モダンな世界への架け橋を渡り始めたのが、1964年9月にこの3代目が発表された時だったでしょう。パネルの整形技術も発達してきたそのボディーシェイプは、かなりまとまりの良く曲面で覆われたものとなっています。まぁ、同時に、ちょっとお堅い雰囲気を手に入れたかもしれません。
先代までは、イラストで構成していたカタログも、この頃になると鮮やかなカラー写真がふんだんに盛り込まれ、夜の街で大人の遊びに付き合うコロナの姿など、さまざまなシチュエーションが提案されています。
しかし、このコロナの本分はやはり自動車としての品質と性能です。当時、開通した直後の名神高速道路で連続10万kmの走行テストを行い、走りの技術の確かさを証明してみせたと言うのも、時代性を感じさせる面白いエピソードですね。その走りを支えるシャーシでは、前輪のスプリングをコイル式に変更、リアは、「もっとも合理的なリアサスペンション」と主張する、半楕円非対称多層板ばねを使う方式に改められました(この方式は、後々しばらくの間継承されて行きます)。エンジンとしては、1.5リッター直列4気筒OHVから70psを発生するものからスタートし、後に、1.6リッターSOHCも追加されています。その動力源に組み合わされたのは、4速のマニュアルと、2速のオートマチックという2種類のトランスミッションです。
このクルマは、発売後4か月で大ヒット商品となり、日本車で初めてミリオンセラーになったり、また、日本発の2ドアハードトップが投入されたりと、カタログの色鮮やかさに負けない、なかなかにぎやかな経歴を持つ自動車であったのが、3代目コロナでした。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨペット コロナ
型式:RT40
エンジン排気量:1,490cc
エンジン出力:70ps/5,000rpm
エンジントルク:11,5kgm/2,600rpm
全長:4,110mm
全幅:1,550mm
全高:1,420mm
重量:945kg
ホールベース:2,420mm
サスペンション:コイルスプリング付きダブルウィッシュボーン式(前)/ 半楕円非対称多層板ばね式(後)

産業立国日本とともに成長した時代

大阪で万国博覧会が盛大に開催され、実質的に日本が産業立国へと成長しはじめたとも言える、そんな1970年2月、4代目トヨペットコロナの発表と同時に、コロナはさらなる成長期へと向かいます。

デザインイメージも一新の4代目コロナ

世界中から賓客と観光客を集め、戦後の日本の存在感を一気に高めようと、国をあげての大イベント(万博)が開催される直前に生まれた4代目コロナにも、時代なりの新たな設計・製造技術が取り入れられたはずです。それを示すように、ボディーデザインはかなりモダンな雰囲気になり、樹脂製が採用されたと言うフロントグリル周辺をはじめとして、クルマのデザイン、という技術スキームがいよいよ表面で活躍しはじめた、そんな印象を与えます。
トヨタのマーケット部門が、新たに『シルエット70』と命名し生まれた、そのファミリーサルーンの車体に搭載されたエンジンは、1.5リッターのOHVと、パワーが2種類ある1.6リッターOHC、の計3種類が採用されていました。そして、さらに画期的だったのは、走行モードが選択できる電子制御式の3速オートマが開発されたことです。一方で、その動力を路面に伝えるサスペンションには、前輪ダブルウィッシュボーンと、後輪半楕円リーフスプリングの車軸、という従来の方式を踏襲してもいます。
セダン投入の半年後には、しばらく前に一度生産を止めていた2ドアのハードトップが復活、それを期に、エンジンの改良に拍車がかかり、まず1.6リッターOHCの排気量をアップして1.7リッターとしたものが投入され、翌年にはハードトップへ1.9リッターのバージョンを追加、さらに翌1972年8月には、その1.9リッターを2.0へグレードアップすると同時に、電子制御式燃料噴射のEFIを搭載しています。
このハードトップ、カタログ上で、パワーウィンドウについて『窓ガラス自動開閉装置』との注釈が付いたり、写真に出ている男性モデルが気取ってたばこを加えていたり、と、なかなかレトロな雰囲気も味合わせてくれるのですが、個人的にこの容姿は、この代のコロナに非常にマッチしていて、自動車の存在感としても格好良くまとまっている、歴史に残すべき良いデザインだと思います。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨペット コロナ ハードトップ
型式:RT94S
エンジン排気量:1,707cc
エンジン出力:105ps/6,000rpm
エンジントルク:14.5kgm/4,000rpm
全長:4,170mm
全幅:1,570mm
全高:1,385mm
重量:970kg
ホールベース:2,430mm
サスペンション:コイルスプリング付きダブルウィッシュボーン式(前)/ 半楕円非対称多層板ばね式(後)

異常を自動で検知し知らせる5代目コロナ

1973年8月になると、トヨペットコロナは再びのフルモデルチェンジを受けます。この時に採用された中でも先進性を感じさせるのは、ただ良く走ることだけをクルマに求めるのでなく、搭乗者の安全を積極的に配慮した設計までもが導入された、ということでしょう。そのボディーには、内部にショックアブソーバーを内蔵した衝撃吸収バンパーなどが取り付けられるなど、車体の前後で事故の衝撃を吸収し、室内の被害を最小にとどめる構造が採用されています。
また、安全がらみで登場した別のギミックの一つとして、『OKモニター』という異常検出装置もありました。カタログではこの装置、「11の安全項目を電子頭脳が診断」なんて売り込んでいる機能で、バッテリー、エンジンオイル、ラジエーターなどの液量レベルから、各灯火類の断線の有無、そして。ブレーキブースターの内圧からパッドの残量までを監視し、一定レベル劣化がすすむと警告ランプでドライバーに知らせる、という、特撮番組チックな超面白い装備だったんですね。
ただ、サイズを広げられた(幅で+50mm、ホイールベースで+70mm)ボディーのデザインとしては、先代のコロナがもっていたまとまり感にやや欠けて、よけいな飾りが増えてしまった印象もあります。まぁ、人間というのは、一つの形を完成させると、それに何かを付け加えたり、また壊したりしたくなってしまうものなのでしょう。ボディータイプとしては、4ドアセダン、2ドアハードトップ、4ドアバンと、2ドアセダンの4種類です。
エンジンとしては、1.6リッターに100psのOHV、105psのOHC、110psを出す1.8リッターOHC、130psの2.0リッターOHCに加え、145psを誇るDOHC2.0リッターまでが揃えられました。そのパワーを伝達するギアボックスには、5速マニュアルの他、2,3速のATと、3速EAT(電子制御式オートマチックトランスミッション)までありました。このEATには、『ドライブレンジ』、『スポーツレンジ」、そして『マニュアルレンジ』の3通りの使い方があるという、なかなかオツなギアボックスとなっています。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨペット コロナ セダン200GT
型式:RT104
エンジン排気量:1,968cc(直列4気筒DOHC)
エンジン出力:145ps/6,400rpm
エンジントルク:18.0kgm/5,200rpm
全長:4,250mm
全幅:1,610mm
全高:1,390mm
重量:1,090kg
ホールベース:2,500mm
サスペンション:コイルスプリング付きダブルウィッシュボーン式(前)/ 半楕円非対称多層板ばね式4リンクタイプ(後)

6代目から名称がトヨタ コロナへ

1978年9月に受けたフルモデルチェンジによって、ペットがタに変わりました。つまり、車名がトヨ”タ” コロナとなりました。同時にこの時、セダンのリアをウィンドウ一体の大きな一枚のハッチとした、5ドアリフトバックが新設されています。他のボディタイプは、4ドアセダンと2ドアハードトップで、基本デザインは先代の正常進化型です。ただ、シャーシ関連の内容では、前輪をマクファーソンストラット式、後輪をラテラルロッド付4リンク式へ改良し、ブレーキも前には全車、上級グレードには後輪へもディスク式が導入されました。新規採用のストラットサスについては、コイルスプリングが長くとれ柔らかいセッティングが可能で、結果的に悪路での追従性が良くなる、とのことで、このあたりの路面状況を踏まえた訴求文句も時代を感じさせますよね。
搭載されたエンジンは、OHV式として1.6リッターと1.8リッター、そして1.8のEFI仕様、加えてOHCの2.0リッターに、トップモデルとして2.0リッターDOHCという5種類でした。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ コロナ ハードトップ2000GT
型式:RT132
エンジン排気量:1,968cc
エンジン出力:135ps/5,800rpm
エンジントルク:17.5kgm/4,800rpm
全長:4,445mm
全幅:1,655mm
全高:1,375mm
重量:1,130kg
ホールベース:2,525mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ トレーリングリンク車軸式(後)

セリカとプラットフォームを共用の7代目コロナ

それまで、6世代に亘り進化を続けてきたコロナが、少しばかり若返りを図ったと思わせるのが、1982年1月発売のこの7代目です。この時、先行して登場し基本構造を共通としていた、カリーナ&セリカに加え、コロナもその兄弟車種に加わったのです。ボディータイプは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、そして4ドアバンの3種類で、優れたユーティリティーを持っていたはずの5ドアハッチバックは、この時ラインアップされませんでした。
その代わりと言う訳ではありませんが、ハードトップモデルには、セリカに通じるスポーティーさが与えられていて、若干、遊び人のような魅力のあるオーラを発しているのが、この代のコロナですね。サスペンションにも、後輪へセミトレーリングアーム式が導入され、かなりグレードアップしています。
そんな車体を前進させる動力源には、新型のレーザーエンジンが採用され、排気量は1.5、パワーの違う1.8リッター2種に加え、2.0のDOHCも存続し、後には1.8リッターのディーゼルが追加されてもいます。さらに同年の10月になると、2000GTに代えて、日本車初となる1.8リッターDOHCターボがラインアップしたのも、この代のコロナについて明記すべき点でしょう。
1980年代のこの頃は、自動車のFF化が加速していった時期であり、もともとファミリーサルーンとして生まれたコロナにも、その波が忍び寄っています。

公式解説ページです

現代に通じるクルマとしてコロナが完成した時代

もし、開発者の方に詳しく話を聞ければ、FFだって別に車の格が下がる訳じゃないよ、と仰るのだろうと思いますが、ともあれ、自動車販売戦略にとって駆動方式を変更すると言うのは、吉と出るか凶と出るかリスクの高いことだと思います。そして、そんな大転換点が、我がトヨタ コロナにもやってきます。

FF化に踏み切った8代目トヨタ コロナ

1983年1月に、5ドアハッチバック車として初のFFコロナがリリースされます。この時のトヨタは、若干おっかなびっくりの感もあって、当初用意したエンジンは1.8リッターOHCの一種類のみ、ボディータイプの方は、同年の10月にやっと4ドアセダンを、1985年になってクーペの追加が行われましt。エンジンラインアップはと言うと、最終的に1.5リッター、1.8リッターのセントラルインジェクション、1.8リッターのEFI-D、2.0リッターディーゼル、そして2.0リッターDOHCまで拡大されました。
慎重な戦略、という意味では、この8代目が登場してからも、先代のFRコロナの車種を整理しつつ、6年近くの間も継続販売したというのも、一つ面白い話だと感じます。そんな風に希少価値が上がるモデルには、今の様に投機マネーがあふれかえっているご時世だったら、そのスジの人々が高い値を競って購入したかもしれませんね。まぁ、80年代は、そんなことより別のお金の使い道がたくさんあったのです。
さて、初のFFコロナ、そのシャーシには、前マクファーソンストラット式、後ろは2本のロワーアームをほぼ平行に配置して、トー変化の制御性を高めたデュアルリンク式と呼ばれるストラットの、4輪独立懸架が導入されています。またカタログ上で、ドライブシャフトが左右等長であることも謳われていて、この辺りは、FF化することへの疑念を少しでも払拭しようとの作戦が感じられます。5ドアでCd値0.35というデータも、近代的なクルマであることを主張しているようです。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ コロナ
型式:ST150
エンジン排気量:1,832cc(EFI-D)
エンジン出力:115ps/5,400rpm
エンジントルク:16.7kgm/4,000rpm
全長:4,330mm
全幅:1,670mm
全高:1,365mm
重量:965kg
ホールベース:2,515mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

9代目コロナはツインカム16の時代へ突入

FF化が一つの大きな進歩だとすると、8代目コロナが登場した1987年の頃は、日本の自動車エンジンに大きな前向きの風が吹いている時代だったでしょう、そう、DOHC16バルブの普及です。当然、この年の12月に発売された新型トヨタ コロナにも、その追い風があたり、なんとディーゼル以外の全車の動力がDOHC化されました。それを推進した一つの力が、吸排気バルブのはさみ角度を狭くして、燃焼室の壁面積を削減し高性能と燃費効率を両立する、という、ハイメカツインカムの登場だったと思います。
サスペンションは、先代の形式を踏襲した前ストラット&後デュアルリンクの4輪独立懸架ですが、これに、ショックアブソーバーの減衰力を3段階に電子制御する、TEMSという機構が組み合わされています。ほかには、ボディーへの高張力鋼板使用の推進とか、1988年8月にはフルタイム4WD(4ドアセダン)が追加されたりして、ますます近代的な自動車へと変わってゆくのが、この時代です。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ コロナSF-GT
型式:ST171
エンジン排気量:1,998cc
エンジン出力:140ps/6,200rpm
エンジントルク:17.5kgm/4,800rpm
全長:4,440mm
全幅:1,690mm
全高:1,370mm
重量:1,140kg
ホールベース:2,525mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

より上質志向を手に入れた10代目トヨタ コロナ

ボディータイプに、リフトバックと呼ばれる5ドアハッチ、そして、フルタイム4WDも選択できた4ドアセダンの2系統を与えられ、これまで以上に上質な印象を大切にしたのが、1992年2月搭乗の10代目コロナです。拡大されたボディー(全長で80mm、全高で40mm、ホイールベースは55mmをプラス)は、クラスでも最大級のラゲッジスペースを提供、4輪ABSやTRC(トラクションコントロール)もありました。ガソリンエンジンは、すべてハイメカツインカムEFIとして、排気量は1.6、1.8、2.0リッターの3種類(ディーゼルは2.0リッター)をラインアップしています。
たぶん、この頃のセダン系トヨタ車は、クラウンに寄せたイメージを打ち出そうとしていたように思います。そのためかどうか、カタログを見る限りでは、今現在走っていてもおかしくないかなぁ、と思わせる程の仕上がり具合になっています。ただ、5ドアのセレクションが2タイプなのに対して、セダン系は15車種も選べるというのも、コロナに堅いイメージを求める客が増えてきた、ということを物語っているのかも。時代とともクルマと顧客も成長しているのですね。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ コロナ EXサルーンG
型式:ST191
エンジン排気量:1,998cc
エンジン出力:140ps/6,000rpm
エンジントルク:19.0kgm/4,400rpm
全長:4,520mm
全幅:1,695mm
全高:1,410mm
重量:1,210kg
ホールベース:2,580mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

最後のコロナ プレミオは安全性能でアピール

1996年1月に、とうとうトヨタ コロナの最後にして完成型の、プレミオが発売になりました。この時は、ボディーサイズなどの大きな設計変更をアピールするより、時代にみあった先進的な安全性能を備えたことを訴求ポイントにすえていたようです。全車種にABS、運転席・助手席SRSエアバッグを装備し、キャビンの強度を高め乗員を守る、新衝突安全ボデーGOAなども取り入れられました。
この車に用意された、1.6リッターと1.8リッターのDOHCエンジンは、ガソリンを超希薄な状態で燃焼させるリーンバーンの技術が使われ、燃費を従来比で25パーセントも改善したと言います。この希薄燃焼エンジンは、2つあるエンジンの吸気口と、その手前に追加したスワールコントロールバルブ、さらに燃焼圧センサーなどを巧みに使い、低出力時でも燃焼室内の気流を維持することで、薄い燃料の状態でも安定燃焼させるという技術です。排気に含まれるNOxは吸蔵還元型三元触媒で浄化しました。
エンジンとしては、それらに加え、ディーゼルにはターボ付きのものを、トップバージョンには2.0リッターエンジンも投入されています。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ コロナ 1800 プレミオE
型式:AT211
エンジン排気量:1,762cc
エンジン出力:115ps/5,400rpm
エンジントルク:15.8kgm/2,800rpm
全長:4,520mm
全幅:1,695mm
全高:1,410mm
重量:1,120kg
ホールベース:2,580mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

トヨタ コロナからの派生車種

トヨタ コロナの売れていた時代は、消費も熱くて厚かったですから、自動車のラインアップ体系もいろいろなトライがなされています。選択集中、というよりは逆に拡大路線が普通だったんですね。という訳で、コロナからもいくつか、子供というか兄弟が生まれています。

コロナ クーペ(FF)

ほぼ同時期にFF化した、カリーナとセリカ、その2車種とプラットフォームを共用して設計されたのが、このクーペバージョンのコロナです。当初エンジンは、1.6リッターのDOHC、1.8のOHC、2.0リッターのDOHCでしたが、のちに1.6は消えています。このクルマは、セリカにはないノッチバックのボディシェイプにスポーティーのある車種、という位置づけを与えられていた一台です。そのサスペンションには、この頃のトヨタの得意技である、前マクファーソンストラット式、後デュアルリンク式の4輪独立懸架を採用していました。
この車種は、1985年に登場し、1989年まで生産されて後継モデルはなく消滅しました。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:コロナ クーペ(FF)
型式:ST162
エンジン排気量:1,998cc
エンジン出力:160ps/6,400rpm
エンジントルク:19.0kgm/4,800rpm
全長:4,415mm
全幅:1,690mm
全高:1,295mm
重量:1,100kg
ホールベース:2,525mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

新たなスタイル性の潮流、コロナ EXIV

Bピラーを無くした開放的な見栄えと、うんと低く設定した車高で大人気となった4ドアハードトップ、カリーナEDの顧客層をくみ取ろうと、1989年にコロナ クーペに代わって登場したのが、このコロナ EXIVです。と言う訳で、その中身はカリーナEDと同じと言って良く、フロント回りなどの外観的な衣装を、コロナの存在に合わせて調整したのみとなっています。
エンジンは、1.8、2.0リッター、そしてDOHC16バルブの2.0リッター、3種類が投入されました。そしてこのクルマが持つ機構の中で最も興味深いのが、2種類のステアリング特性を選択できるという、電子制御4輪操舵が備わっていたことですね。これは、前輪の操舵操作に合わせて、後輪にもわずかな舵角を与えるというシステムで、高速時には前後が同じ向きにステアし、レーンチェンジの走行安定性を生み出し、低速時には、前後が逆向きの舵角となることで、小回り性能を向上させるというものです。
このEXIVのシリーズは、一度フルモデルチェンジを受け、1998年まで生産されました。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:コロナ EXIV 2000ツインカム
型式:ST183
エンジン排気量:1,998cc
エンジン出力:165ps/6,800rpm
エンジントルク:19.5kgm/4,800rpm
全長:4,500mm
全幅:1,690mm
全高:1,320mm
重量:1,250kg
ホールベース:2,525mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ デュアルリンクストラット式(後)

まとめ

1957年にはじまり2001年まで継続した、このトヨタ コロナの長大なる系譜。普通に考えても、44年も経過するということは、おぎゃあと生まれた赤ちゃんが、相当立派なおっさんに変身するのに十分な時間です。と言うことは、自分が生まれた産婦人科からコロナに乗せられ帰宅し、自分の子供を再びコロナで家へと連れて帰る、なんていう、オツな体験をされた方もいらっしゃるはずですよね。
今回、その長すぎる歴史を振り返って、人間でも、自動車のような道具であっても、長く愛され、付き合い続けられるということが、多分、一番素敵なことなんだろうなぁ、と、そんなことを思った次第です。