【日産ムラーノ】世界一美しいSUV

初代ムラーノほど美しいと感じたSUVはありません。大型サイズのSUVにもかかわらずそのエクステリアには色気があり、他に類がないSUVとなっています。なぜ初代ムラーノはこんなにも美しいと感じるのかをそれを考えた時に出てきた答えは、日産の窮地というキーワードでした。なぜムラーノには色気を感じるのか、今日はそのあたりを、ムラーノ開発時期の日産のことも踏まえたうえで、迫っていきたいと思います。

窮地の日産が作り上げた意欲作ムラーノ

ルノー傘下となり転換期を迎えていた日産

日産という会社のことを考えたとき、近年ある節目がありました。カルロスゴーン率いるルノー・日産大成を取る以前と後です。日産の車を年式毎に見ていくと、買収以前に開発された車と買収後の車とでは明らかにデザインの方向性、ラインナップの方向性が異なります。今も昔も日産を代表するスカイラインで見て見ると、買収前に最後に開発されたR34型スカイラインと、直列6気筒エンジンからV6エンジンへとシフトしたV35型スカイラインがちょうど買収前と買収後になります。
V35発表当時は伝統の丸型テールランプの廃止やその丸みを帯びたこれまでのスカイラインとはまるで異なる系統のデザインに、スポーツ性に劣るさせペンション設定からそれまでの車好きからは不評を買っていましたが、スカイラインをBMW3シリーズとも競合するプレミアムなセダンと見たとき、34型に比べて35型は性能面では煮詰めが足りないものの、そのコンセプトや方向性は間違っていなかったため、現在日産は親会社のルノーを凌ぐ世界販売台数を誇るまでに発展を遂げることができたのでしょう。
V35型スカイラインを初め、今回取り上げるムラーノやZ33フェアレディZといった車達は、どの車もこの転換期の日産が作った意欲作ばかりです。特にそういった車達のエクステリアには、それまでの日産と決別し、新しい良いものを作ろうという意気込みが見ていて感じられる車ばかりです。

転換期の日産が生み出した名車ムラーノ

そんな日産の転換期の中で、世界一の自動車市場北米へ向けて開発された大型SUVが初代ムラーノで、その魅力はなんといっても迫力のエクステリアです。このムラーノは元々北米市場へ向けて開発され日本市場への導入予定はなかったのですが、自動車ショー発表されるや日本や世界各国から大きな反響を呼び、日本へもそれまでV6エンジンしか設定のなかったラインナップに急遽4気筒エンジンモデルを設定し、日本導入が決まったという稀な車です。
元来北米市場向けの大型SUVのような自動車は日本国内仕様の車や欧州者に比べて大きく取り回しが辛いため販売が奮わないものですが、この初代ムラーノには大きさなど関係ないと、車の取り回しに毎度苦労している日本のお父さん達をその気にさせるだけの魅力をもっていたということになります。
いや、本当に初代ムラーノはでかい癖に品があって格好いい。筆者も欲しいSUVです。

初代ムラーノ

日産が経営不振に陥っていた調度そのころに開発が進められていたのが初代ムラーノです。ムラーノの名前の由来はムラーノガラスの名産地として有名な「ムラーノ島」から来ています。非常に美しいガラス工芸品から由来を取るほど、美しいエクステリアを持つ車としてムラーノという名が付けられました。
実際にムラーノのエクステリアは非常に練られており、派手ではありませんがパッと見ただけで存在感を感じ取ることができます。車自体もその他の日本車に比べて大型なため、実車を見ると本当に存在感のある車だと感じます。
東京モーターショーに北米仕様車が展示されたことから反響が巻き起こり、日本へも正式導入が決定された経緯をもつ、ある意味異色の車です。そういったユーザーの声に耳を傾けるメーカーと考えると、なんだか日産の印象が良くなります。
メインとナルプラットフォームとティアナと共通、エンジンもティアナと共通のQR25DEもしくはスカイラインと共通のVQ35DEエンジンを搭載します。
国内でも評価されるのはやはりそのエクステリアでして、2004年には国内でグッドデザイン賞を同車が取得しています。

【主要諸元】

ボディタイプ:SUV・クロスカントリー・ライトクロカン
ドア数:5ドア
乗員定員:5名
型式:CBA-PNZ50
全長×全幅×全高:4,770×1,880×1,685mm
ホイールベース:2,825mm
トレッド前/後:1,620/1,620mm
室内長×室内幅×室内高:2,080×1,560×1,265mm
車両重量:1,780kg

■エンジン・燃料系
エンジン型式:VQ35DE(NEO)
最高出力:231ps(170kW)/5,600rpm
最大トルク:34.0kg・m(333N・m)/2,800rpm
種類:V型6気筒DOHC
総排気量:3,498cc
内径×行程:95.5mm×81.4mm
圧縮比:10.3
燃料供給装置:ニッサンEGI(ECCS)電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量:82リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

■環境仕様
10モード/10・15モード燃費 8.9km/リットル

■足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):独立懸架ストラット式
サスペンション形式(後):独立懸架マルチリンク式
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前):225/65R18 103S
タイヤサイズ(後):225/65R18 103S
最小回転半径:5.7m

■駆動系
駆動方式:フルタイム4WD
トランスミッション:CVT(無段変速車)
変速比 CVT:2.371~0.439
変速比:第1速 2.371、第2速 1.526、第3速 1.110、第4速 0.858、第5速 0.683、第6速 0.439、後退 1.766
最終減速比:5.173

2代目ムラーノ

2008年よりフルモデルチェンジを果たし、2代目ムラーノがデビューしました。先代が世界的なヒット車種となったこともあり、2代目からは世界170カ国で半場される世界戦略車という位置づけで開発・販売されています。
プラットフォームやエンジンは引き続きティアナやスカイラインと共有しているが、メインプラットフォーム自体の剛性が飛躍的に向上しており、そのことから車自体の剛性感・操舵の応答性など基本性能が初代に比べて向上している。
エクステリアに関しては個人の意見の分かれるところではあるが、インテリアに関しては質感・デザイン共に初代より洗練されており、車を日常的に使うドライバー視点での満足感は確実に先代を超えるものに仕上がっています。
なぜかこの2代目ではルーフを切ったガブリオレが設定されており、オープンエアをムラーノで楽しめるモデルが存在しています。筆者ではまだその意義を見出すことはできていませんが、それだけ多様なニーズを持つ車として世界中に受け入れられているのだと考えると、この2代目ムラーノは新生日産を代表する、新たな日産の顔となる車となったといって良いのかもしれません。
日本国内では2015年3月で販売を終了しており、大型SUVの日本撤退という日産方針から、後継となる3代目ムラーノは日本未導入となる見通しとなり、残念なような、仕方がないような気分になります。

【主要諸元】

ボディタイプ:SUV・クロスカントリー・ライトクロカン
ドア数:5ドア
乗員定員:5名
型式:CBA-PNZ51
全長×全幅×全高:4,825×1,895×1,730mm
ホイールベース:2,825mm
トレッド前/後:1,610/1,610mm
室内長×室内幅×室内高:2,065×1,550×1,235mm
車両重量:1,850kg

■エンジン・燃料系
エンジン型式:VQ35DE
最高出力:260ps(191kW)/6,000rpm
最大トルク:34.3kg・m(336N・m)/4,400rpm
種類:V型6気筒DOHC
総排気量:3,498cc
内径×行程:95.5mm×81.4mm
圧縮比:10.3
過給機:なし
燃料供給装置:ニッサンEGI(ECCS)電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量:82リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

■環境仕様
10モード/10・15モード燃費:9.3km/リットル

■足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):独立懸架ストラット式
サスペンション形式(後):独立懸架マルチリンク式
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前):235/65R18 106S
タイヤサイズ(後):235/65R18 106S
最小回転半径:5.7m

■駆動系
駆動方式:フルタイム4WD
トランスミッション:CVT(無段変速車)
LSD:標準
変速比 CVT:2.371~0.439
変速比:第1速 2.371、第2速 1.334、第3速 1.134、第4速 0.918、第5速 0.703、第6速 0.439、後退 1.766
最終減速比:5.173

3代目ムラーノ

日本での未導入となり、北米で2014年12月より販売を開始しています。
流行の攻撃的なフロントマスクとともに、全体的にやや攻撃的なシルエットを手に入れた3代目ムラーノですが、基本となるコンセプトはこれまでどおりプレミアムSUVであり、多少のデザイン変更はありつつもキープコンセプトな車と言えます。特にインテリアは高い評価を受けており、実際非常に洗練され快適な室内空間を実現しています。こういったところに力を入れ評価されていることは、現在の日産がプレミアムブランドとして力を付けてきており、経営不振の転換期から見事にプレミアムブランドとして日産が成立しつつあると感じさせてくれます。
車自体はティアナ等と共有のプラットフォームにQR25もしくはVQ35という初代・2代目と同じ手法で製作されていますが、3代目ではトピックとして2.5Lエンジンにハイブリット機構を搭載したムラーノハイブリットが設定され、現時中国市場で販売されています。

【主要諸元】

・レシプロ
乗車定員:5人
ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
全長:4,887mm
全幅:1,915mm
全高:1,692mm
エンジン:3.5L V6 VQ35DE
最高出力:260hp
最大トルク:33.2kgm
トランスミッション:エクストロニックCVT
JC08モード燃費:10.5km/L


・ハイブリット
乗車定員:5人
ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
全長:4,887mm
全幅:1,915mm
全高:1,692mm
エンジン:2.5L直列4気筒スーパーチャージャー+モーター
最高出力:250hp
最大トルク:33.6kgm
トランスミッション:エクストロニックCVT
JC08モード燃費:15km/L

お勧めはエクステリアが魅力の初代 でも2代目も悪くありません

3代目が導入されていない以上日本でムラーノを購入するには初代もしくは2代目どちらかの中古車しか選択肢はありません。初代なら予算100万円で選びたい放題、2代目でも150万円から300万円という価格帯で、200万円予算を用意すれば排気量・駆動方式の違うモデルでも十分選択肢にあがります。
筆者としてはムラーノの価値は初代のエクステリアにこそありと感じています。ですので、筆者のお勧めはムラーノが評価されるきっかけとなったエクステリアを100万円ほどで購入し愛でるという楽しみ方がお勧めです。60万円台でも良い玉を探すことは十分可能ですし、コスパ抜群です。
車としての出来は高年式である2代目のほうが当然良いです、市場の価格を見ても初代に比べて2代目が飛びぬけて割高ということもないため、2代目にほれ込んだり、日本製の大型SUVにとにかく乗りたいという方になら、予算が見合えば2代目も十分選択肢に入れて良いと思います。

下に初代と2代目の中古車リンクを張っておきます、2016年2月現在のものになります。

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ムラーノの魅力は初代のエクステリアにこそあり

私見が過分に混じってしまいますが、ムラーノ魅力は初代のエクステリアにこそあるのだと思います。
フロント・リアのどちらもが個性的で目を引きながらも、サイドビューを通してから全体を見て見ると、なんとも統一感が取れている。フロント・リアを個別に見ても美しく・全体を俯瞰しても美しいという稀有な車です、しかもそれが北米市場を意識した大型SUVであるため、はっきりいって迫力がものすごい。
フォードあたりの大型SUVを初めとして、迫力あるSUVやRVは探せばたくさんあるのですが、初代ムラーノような色気と巨体を併せ持つ車は見たことがありません。
どんな車種でもそうですが、コンセプトが明確な初代がヒットした後、2代目・3代目と代を重ねるごとに輝きを失ってしまう車というのはあります。初代ムラーノが2代目3代目と比べて魅力的に映るのは、窮地の日産を立て直そうという意気込みの元、初代ムラーノのエクステリアが開発されたからなのかもしれません。