【ポンティアック ファイヤーバード】モア・パワー!アメリカンマッスルカーの代表格

「ポンティアック ファイヤーバード」は、「シボレー カマロ」の姉妹車としてアメリカンマッスルカーを牽引してきたました。今なおファンを増やす各モデルの魅力に迫ってみたいと思います。

「ポンティアック ファイヤーバード」

「ポンティアック ファイヤーバード(Firebird)」は、アメリカの「ゼネラルモーターズ社」が製造していた「ポニーカー(スペシャルティカーのカテゴリー)」で、「シボレー社」の「カマロ(camaro)」の姉妹車になります。

1thモデル(1967年-1969年)

1thモデルの「ファイヤーバード」は、1967年に登場しました。
プラットホームは、「GM製 Fボディ」で「シボレー・カマロ」と共用することで姉妹モデルとして発売されました。

ボディスタイル

ボディスタイルは、「コークボトル」と呼ばれるスタイルが特徴で、緩やかで伸びやかな曲線を描くシルエットです。
姉妹車の「カマロ」とは違い、フロントバンパーがボディデザインの一部に組み込まれていました。
ボディスタイルは、2ドアハードトップとコンバーチブルが設定されていました。
駆動方式は、FR方式を採用しています。

搭載ユニット

「ファイヤーバード」のベースモデルに搭載されているユニットは、シングルバレル・キャブレターを装備した「230 キュービックインチ SOHC 6気筒」エンジンを搭載し、最高出力は165PSを発生しました。
セカンドモデルの「スプリント」は4バレルのキャブレターが装着され「230 キュービックインチ SOHC 6気筒」だったものの、最大出力215PSのエンジンを標準装備していました。
しかし実際は、オプションのV型8気筒エンジン搭載モデルが大半でした。
V型8気筒エンジンは「326 キュービックインチ(5.3L)」に2バレル・キャブレター装備で250PS仕様モデル、「400 キュービックインチ(6.6L)」エンジンに4バレル・キャブレター装備で285PSを発生するモデルがありました。

1968年モデル

1968年モデルには、ラムエアーがオプションに追加されました。
ボンネットスクープ、強化されたバルブスプリングとチューンド・カムシャフトを装備したエンジンヘッドにより、従来の「400 キュービックインチ」エンジンの「H.Oパッケージ」より高回転型となりました。
また「230 キュービックインチ(3.8L)」エンジンは「250 キュービックインチ(4.1L)」に変更され、最大出力は、シングルバレル・キャブレター装着で175PS、4バレル・キャブレター装着が215PSを発生させています。
「326 キュービックインチ(5.3L)」エンジンが「350 キュービックインチ(5.7L)」エンジンに変更されています。
ハイカムを装備した同エンジンのH.Oバージョンも登場しています。

エクステリアの変更

1968年モデルには、サイド・マーカーが法規対応で追加されています。
またフロントウィンカーが大型化し、リヤ側部にV型のポンティアックエンブレムを装着するようになっています。

1969年モデル

1969年モデルは、ハンドリング・パッケージとして「トランザム」がオプションで登場しています。
「トランザム」の名称は、「SCCA」による市販車レースから取られたものだったのが、「GM」が無許可で使用したため、「SCCA」側は告訴も辞さないと申し入れが入ったために、「トランザム」が一台売れるごとに「GM」から「SCCA」に5ドル支払うことで合意されるという経緯がありました。
リアスポイラーが特徴の1thモデルの「トランザム」は、ハードトップが689台とコンバーチブルが8台製造されました。
1969年は、「ラムエアーIII」最大出力345PS仕様と「ラムエアーIV」最大出力370PS仕様が「400 キュービックインチ」エンジン用に設定されることになりました。

エクステリアデザインの変更

エクステリアデザインの変更があり、1969年には大幅にフェイスリフトされ樹脂製フロントエンドが付くようになりました。
内装はインパネとステアリングホイールが変更となり、イグニッションがダッシュボードからステアリングコラムに移設されています。

2thモデル

2thモデルは、1970年の2月に登場しました。
コークボトル・スタイルのボディデザインから大幅に変更されました。
リアウィンドウのトップからトランクリッドに向けて、直線に流れるラインが特徴でした。
「Fボディ」で最も長期間に渡って製造され、「ファイヤーバード」といえば、2thモデルのデザインスタイリングというほど綺麗なシルエットを持つボディデザインです。
リアウィンドウが大型化される1975年モデルまで、大きなCピラーも特徴となっていました。

1970年モデル

1970年モデルには、1969年モデルの「ラム・エアーIII(345PS仕様)」と「ラム・エアーIV(370PS仕様)」の2タイプの「ラム・エアー400」エンジンが用意されました。

1971年-1972年モデル

1971年モデルには、マッスルカー世代の最後ともいえるハイパフォーマンスユニットの「455 キュービックインチ(7.5L)」エンジンが搭載されていました。
「ホーリー製」キャブレター装着で最大出力540PSを発生させています。

1973年モデル

1973年と1974年に「スーパーデューティ455(SD-455)」型エンジンの特別バージョンも設定されました。
「SD-455」型エンジンは、「ポンティアック」の「366 キュービックインチ」エンジンの「NASCAR」仕様からのコンポーネントを利用して、540PSを発生するレース用エンジンとして造られていましたが、環境保護庁と「GM」の協議の結果、300PSを上回らないことに義務づけられることになりました。
結局、290PSで「SD-455」型エンジンを登場させることになりました。
しかし実際には、抑えることができずに371PS(グロス440PS)を発生していました。
同エンジンが魅力的でありチューニングメーカーに好評だったのは500PS以上の仕様に楽に戻すことができたことにありました。
そのために「SD-455」型エンジンは、これまで「ポンティアック社」が製造したピュア・スポーツカーエンジンの最終形で最強のエンジンとして位置付けられています。
「ポンティアック社」は「455 キュービックインチ」を数年間提供したが排出ガス規制が強化され生産終了となりました。

1974年モデル

1974年モデルには、「I6」エンジン「350 キュービックインチ」V8エンジン(185PS)「400 キュービックインチ」エンジン(175PS-225PS)をラインナップしました。
「SD-455」型エンジンが290PSを発生させる中で、「455」型エンジンは、215PSと250PSを発生させています。
「400」「455」「SD-455」のエンジンは、1974年の間に「トランザム」に供給されていました。

1975-1976年モデル

1975年-1976年モデルは、「400」型エンジンと「455」型エンジンがモデルの唯一のオプションとなっていました。
1976年は、「ポンティアック社」の50周年となり、黒塗りに金のアクセントを配した「ファイヤーバード」の上級グレード「トランザム」の特別仕様モデルをリリースしています。
これが「トランザム」最初の記念パッケージかつ最初のブラック&ゴールドの特別仕様モデルとなりました。

1977年モデル

1977年モデルは、特徴的な角型四灯の「イーグルマスク」のフロントマスクとなって登場しました。
「ポンティアック社」は通常の180PSの「400 キュービックインチ(6.6L)」エンジンに対して、200PSを発生する「T/A 400 キュービックインチ」エンジン(オプションコードW72)を設定しました。
またカリフォルニア仕様モデルと高地仕様モデルには、「ポンティアック」のエンジンより高めの圧縮比と扱いやすいトルクバンドを持つ「オールズ 403 キュービックインチ」エンジンが搭載されました。

1978年モデル

1978年、より小さな燃焼室を持つシリンダーヘッドがポンティアック「400 キュービックインチ」エンジンに装着され圧縮比が向上しています。
これにより長年落ちる一方であったパワーを10%向上させ、最高出力は220PSになっています。
「400 キュービックインチ」エンジン「403 キュービックインチ」エンジンのオプションは1979年まで搭載可能で、「400 キュービックインチ」エンジンには4速MTが装備されました。

1979年-1981年モデル

1979年モデルには、シルバーの内外装を持つ10周年モデルが発売され、ボンネットの火の鳥のデカールがフロントフェンダーまで広がるデザインに変更されています。
1980年モデルは、「トランザム」のエンジンが大きな変更を受け、1979年にオプションだった「301 キュービックインチ」エンジンが標準となりました。
オプションはターボ付き「301 キュービックインチ」エンジン、「スモールブロック」と呼ばれる「シボレー製」の「305 キュービックインチ」エンジンです。
1981年モデルは、前年モデルと同じエンジンを搭載し電子制御の燃料供給システムを追加しただけの変更でした。

3thモデル(1982年-1993年)

3th「ファイヤーバード」は1982年に登場しました。
先代モデルより軽量になり、フェラーリを意識した洗練されたデザインとなりました。
グレード設定は、「ベースモデル」「S/E」「トランザム」の3タイプのグレードです。

スタイリングデザイン

ボディデザインは、「フェラーリ・308」のイタリアン・デザインを意識したボディスタイルです。
これは風洞実験によるもので、フロントガラスは62度と大きく寝かされ、リヤにはガラス製ハッチバックを備えたスタイルになりました。
「カマロ」とのエクステリアデザインの最大の相違点はリトラクタブル・ヘッドライトです。
この低いフロントノーズによって、Cd値0.323と、「カマロ」の0.368を凌ぐ空力性能の向上が図られました。
インテリアにおいては、航空機のコクピットをモチーフにしたデザインとなっています。

1983年モデル

1983年モデルは、デイトナ500ペースカーに選ばれたのを記念し、ペースカーのレプリカが限定生産されました。
「白/チャコール」のツートンカラー塗装、特製デカール、車体全体を囲む「グラウンド・エフェクト」スカート、フロントグリルに代わる樹脂パネル、15インチエアロ・ホイール、本革/スエードのレカロ製シート等が装備されていました。

1984年モデル

1984年モデルは、デイトナペースカーのスカートが「トランザム」にオプション設定となりました。
同じくオプションで新デザインの15インチ・アルミホイールが登場しました。
また「トランザム」15周年記念特別仕様として、白いボディに青のピンストライプを施した限定モデルが生産されました。
ターボバルジ用デカール、白の16インチ・アルミ、オフホワイト/グレーの本革レカロ、白の本革ステアリング、シフター、パーキングブレーキレバー、白のストライプ入テールライト、後部スタビ径を23mmから25mmに増大させた独自の「WS6」ハンドリングパッケージ、4輪ディスクブレーキ、Tバールーフ等を装備する豪華仕様でした。

1985年モデル

1985年モデルは、パワートレインの変更が行われました。
ファイヤーバードには従来のフロントグリル、リアバンパーの代わり「バンパーレッツ」と呼ばれるバンパー・インサートを導入しています。
「トランザム」は15周年記念モデルと同スペックの「WS6」パッケージが標準化しています。
さらに全グレードで16インチ・アルミが装備可能となりました。
ボンネットのターボ・バルジが廃止され、代わりにエアーインレット/アウトレットが2個ずつ装備されるようになりました。
レカロパッケージは消滅したものの、レカロシート自体は選択可能でした。

1986年モデル

リヤハッチ上部にハイマウント・ストップランプを装備しました。
ベース車のテールランプが変更となり、1967年以来続いたスリット/ルーバー処理のテールライト・レンズが廃止となりました。
エンジンは、「MPI 2.8L V型6気筒」が標準装備になりました。
「トランザム」に、ゴム/ビニール製ラップラウンド型リアスポイラーが標準装備されました。
ウィング型スポイラーも選択可能でした。
「トランザム」のオプションとして軽量クロスレース・ホイールの設定もありました。

1987年モデル

ハイマウント・ストップランプがスポイラーとリアデッキの間へ移動しています。
火の鳥デカールのオプションが廃止されてしまいました。
V8エンジンは、ローラーカムシャフトが標準装備となっています。
「TPI 5.7L V型8気筒」エンジンをリリースしています。
ATのみの組み合わせでしたが、210PSを発生しました。
「トランザムGTA(Gran Trismo Americano)」が登場しています。
「LB9 305TPI」エンジン(215PS)、「L98 350TPI」エンジンが搭載されていました。
「S/E」に代わり「ファイヤーバード・フォーミュラ」も再登場しています。
軽量・廉価なV8モデルという位置付けでした。
エンジンは「LG4」「LB9 305 TPI」「L98 350 TPI」が選択でき、16インチホイールと以前のトランザム用「ターボ・バルジ」付きボンネットを備えていました。
また「コンバーチブル」もこの年登場しました。

1988年-1989年モデル

1988年モデルは、ノッチバックが「GTA」にオプション設定となります。
グラスハッチに代わるFRP製リヤハッチで、小型のガラス製リヤウインドウ付きで、ノッチバック車には再設計されたヘッドレスト付き後部座席が装備されていました。
1989年モデルは、新しい二重層触媒により「LB9」「L98」のパワーが13%向上しています。
Tバールーフがレキシマーによるアクリル製に変更されました。
リヤディスクブレーキ装着車にはPBRブレーキ・キャリパーと大型ローターが装備されました。
「トランザム」20周年を記念して「ターボ・トランザム」が登場しています。
「ビュイック製 V型6気筒 3.8L ターボ」エンジンを搭載し、白外装とタン内装のみでインディアナポリス500のペースカーにも選ばれました。

1990年-1993年モデル

1990年モデルは、内装に変更を受けました。
1991年にはフロントノーズが「バンシーIV」コンセプトカーをモチーフとした、ヘッドライト直前のスリットを廃止したものに変更され、「グラウンド・エフェクト」スカートの形状も変更されました。
1992年モデルは、変更なしですが、「SLPパフォーマンス・パーツ」によってファクトリー・チューンされた、「ファイヤーホーク」が登場しました。
1993年に「ファイヤーホーク」は、300PSに増加し機能的なボンネットと他の機能強化で「SLPパッケージ」を供給し、201台が製造されました。

4thモデル(1994年-2002年)

1994年に登場した4thモデルは、エアロ・ダイナミクスに磨きがかけられたボディスタイルとなりました。
「ファイヤーバード」はリトラクタブル・ヘッドライトを採用し先代モデル「バンシーIV」コンセプトを引き継いだものでした。
「LS1 ファイヤーバード」は、「コルベット C5」の「アルミニウム製 V型8気筒(5.7L)」エンジンから、305PS(2000年以後の310PS)、「WS-6 ラム・エアー・バージョン」で320PS(2000年以後の325PS)を発生させていました。

1994年モデル

1994年モデルは、ホワイトに塗られたボディの下側に青い1本のストライプが描かれた25周年記念エディションが発売されましたが、それは1970年モデルをモチーフとしたモデルでした。

1998年-2002年モデル

1998年は、「ファイヤーバード」はフロントのデザイン変更を受けました。
また最新のコルベットのスモール・ブロックV8エンジン(LS1)を搭載していました。
1998年-2002年の間、「ポンティアック」はヘビー・デューティーなブレーキとステアリングギア比、燃料ポンプとショックアブソーバーが装備され、エンジンはV6型とV8型が搭載可能で、かなりスポーツ志向になっていました。
1999年モデルは、「トランザム」の30周年記念モデルが発表されました。
このモデルは、1969年の「トランザム」を意識したカラーデザインが採用されています。
2002年モデルには、黄色いボディのコレクターズ・エディションが設定されました。
そして、2002年に「Fボディ」をベースとした4th「ファイヤーバード」の生産終了となり、工場も閉鎖されることとなりました。

まとめ

「ポンティアック ファイヤーバード」は、「シボレー カマロ」の姉妹車として「カマロ」ともにスポーツカーを支えてきたアメリカンマッスルカーの代表モデルでした。再び「ファイヤーバード」が「カマロ」ととスポーツカージャンルを賑わせる日が待つファンが世界中にたくさんいます。