【高齢者の運転まとめ】年齢とともに衰えていく能力と増える危険

毎日のように運転していると、年齢とともに気づかないうちに衰えていく運転技術。もっとも、正確には技術の衰えではなく、視力や判断力といった、技術に直結した能力の衰えが主な原因ですが、これらによる運転時の危険性や、高齢者講習などについて紹介したいと思います。

交通事故発生件数は減少しても高齢者の交通事故は増加している現在

そうなんです。日本では交通事故発生件数は年々減少傾向にあるのに、高齢者が引き起こしてしまう交通事故は逆に増加しているんです。これは、日本が高齢社会に突入したことも原因としてありますが、それ以外にも原因はちゃんとあります。

体は年齢とともに衰えていくもの

認めたくないですが、人は年齢とともに体力だけじゃなく、多くの身体能力が衰えていきますよね? 一般的に「老化」というわけですが、これを食い止めることは残念ながらできないわけです。
いわゆる「老化」する中で、運転に関係しているものとして、

1:【視力・動体視力】
視力の衰えは、単に「目が悪くなる」というだけでなく、視界そのものが年齢とともに狭くなっていくといわれています。そして視力の衰えとともに進行していく「動体視力」の衰えによって、周囲のものや景色の動きに目がついていかないといったことが起きます。

2:【反射神経】
ハンドル操作や(マニュアル車なら)ギアチェンジなど、周囲の状況の変化に対して反射的に行う動作が悪くなっていきます。

3:【判断力】
脳が周囲の状況を整理し、危険であるかないかを判断する能力…「判断力」もまた、年齢とともに衰えてしまいます。当然、危険と脳が判断し、回避する動作を手足へ伝える速さだって遅くなっています。

こういった要素が重なりあった結果、今までなら普通に対応できた状況のハズなのに、反応が遅れてしまったり、あるいは誤った操作をしてしまったりして、交通事故を起こしてしまうわけです。

「まだまだ若い」と思っていることがそもそもの原因

先に紹介したように、人の能力は時間の経過とともに衰えていってしまうわけですが、厄介なのは「無自覚」であることなんです。「ワシはまだまだ若い!」と、言うだけならいいのですが、本気でそう思っている人こそ危険なんです。

豊富な経験も交通事故を引き起こしてしまう原因に!?

高齢者の方は、それだけ長い時間車に接し、運転をし続けているわけですから、20代のドライバーと比べたらその経験値はとても豊富なのは言うまでもありません。しかしながら、これが邪魔していることもあるんです。実際、身体能力の衰えを経験でカバーできると思っている人もいます。でも、年齢による反応速度の低下は、経験ではカバーしきれないものなんです。

運転免許に年齢制限はつけられないのか?

実は、運転免許に年齢の上限を設ける話し合いは過去に行われてきました。しかし、更新をしないとか、自ら返納しない限り、免許が失効することはありませんよね? 実際、80代や90代で車を運転されている方がいるのはそのためです。

年齢による上限を設けることができないのには、それなりの理由があって、

1:年齢による身体能力の衰えには個人差がありすぎること
2:山深い土地に住んでいるなど、場所によっては車がないと生活が立ち行かなくなってしまう人もいる

といったような理由が挙げられます。まあ、確かに人里離れた山奥に住んでいて、歩いて買いものに行けない人にとって、車はライフラインを支える大切な手段ですからね。

「高齢者講習」いつまでも安全運転をしてもらうために実施

というわけで、免許に年齢の上限が設けることが難しい今、抑制するのではなく、より安全に運転を続けてもらうために「高齢者講習」が行われています。これは法令で義務化されているものなので、紹介しておきますね。

高齢運転者は自動車の運転のベテランです。しかし、年齢とともに視力や体力、記憶力や判断力などが変化し、若いときと同じではなくなってきます。そうした体の変化を理解し、変化に応じた運転を行うことで安全運転を続けることができます。 現在、70歳以上の運転免許取得者には、免許証更新時に「高齢者講習」を受講することが義務づけられています。この講習は、視力や運転操作につき問題がないかを診断したり、実際に車を運転したりしながら、自身の運転技能についての認識・理解を深め、その後の安全運転に活かしていただくためのものです。 また、75歳以上の方が免許証を更新する場合には、高齢者講習の前に「講習予備検査」を受けることが義務づけられています。講習予備検査は、記憶力や判断力を測定する検査で、同じ日に、その結果に応じて、従来よりもきめ細かな高齢者講習を実施します。

高齢者講習についてまとめられていますので、ぜひ参考にしてください。

1:【講習の対象者】

「免許の更新期間満了日の時点で70歳以上で免許の更新を行う方」に対して、この講習を受講することが義務付けられています。受講は更新期間が満了する日の6ヵ月前からできるので、時間のあるときに受けるようにするといいと思います。
また、75歳以上の方は、講習の前に「講習予備検査」というのがあるので、こちらも該当する人はしっかり受けましょうね。ちなみに、これらの講習を受けないと、免許は更新されないので嫌がっちゃダメですよ?

2:【手数料】

70歳~74歳の方:5,200円(講習手数料のみ)
75歳以上の方:5,850円(検査手数料650円+講習手数料5,200円)

3-a:【講習内容(70歳~74歳の方)】

高齢者講習

【内容】
交通ルールの再確認(ビデオ)
動体視力や夜間視力などなどの計測
実際に運転(運転後に指導員からアドバイスあり)

3-b:【講習内容(75歳以上の方)】

講習予備検査(記入式による、記憶力や判断力などを見ます)
高齢者講習

検査結果次第では、免許の更新が認められないこともありえます

これらの検査の結果、「記憶力や判断力がかなり低下している」と判定され、かつ一定の期間に特定の交通違反がある場合、専門医の診断を受けなけれダメで、そこで認知症と診断されてしまうと、悲しいことに免許が取り消されてしまいます。

運転時には「高齢者運転標識」を忘れずに!

初心者マークが「若葉マーク」と呼ばれるのに対し、これは「もみじマーク」や「シルバーマーク」あるいは若葉に対抗(?)して、「枯れ葉マーク」なんて呼ばれ方をしていますね。当初は75歳以上だったものが、2002年の道路交通法改正により、70歳からと引き下げられているので間違わないようにしてくださいね。
もっともこのマークは「若葉マーク」と違って「努力義務」なんです(2016年2月現在)。つまり「付けなくてもよい」ということですが、付けていれば周囲のドライバーにはこのマークを付けている車を保護する義務が発生するので、事故回避のためにも付けることをおすすめします。

まとめ

「高齢者の運転まとめ」いかがでしたか? 確かに、高齢者の方は長年培ってきた経験がある、超ベテランドライバー。技術だけでなく、車に関する知識だって豊富にあります。いつまでも元気で事故もなく、楽しいドライブを続けられるようにするためにも、年齢とともに衰えていく体の現実は受け止めて、そのうえで「今現在の身体能力」で安全に運転するための技術を身につけるようにしていただければと思います。慢心は禁物です!