【トヨタ カリーナ】走り屋から一家庭人へと成長したクルマ

トヨタ カリーナは、その体系全体を網羅してみると、31年間もの間、製造・販売が続いたという20世紀のトヨタを代表する車の一つです。もちろん、その長い歴史の途中では、いくつもの分岐点や転換点を通過していますが、そのこと自体を今振り返ってみても、世の中とクルマの関係性がどう変容したのかを、如実に物語ってくれている気もするんです。今回は、そんなカリーナの系譜について見て行きます。

カリーナは1970年発売

個人的趣味の話で恐縮ですが、私は、アマチュアレースを見物しに、ちょくちょく富士スピードウェイへでかけます。こういうレースは、マイナーイベントということで観客自体もそれほど多くありませんし、従って通常、メインのコース以外でも多種の競技や走行会などが併催されているんです。たとえば、ドリフト走行などというのが代表的な競技。それで、第一コーナーの脇にあるドリフト場で走行すべく集まる車両を、入場ゲートでよくお見掛けしたりする訳です。
ドリフトとあって、彼ら(ドリフトドライバーは圧倒的に男性が多いと思います)のクルマは、エンジンの搭載位置に関わらず後輪駆動が大前提でしょう、したがって私が目にする車両も、クラシカルとまでは行きませんが、ちょっと前のクーペなどが主流派と思われます。それなりのテクニックを駆使しての走行で、車の消耗や損失も想定するべきでしょうし、加えて、装備とか足回りをドリフト用に代えることを考えると、86などの新車にこだわるよりも、中古で良い出ものを見つける方が合理的なのでしょうね。
振り回せる車というのも、最近のマーケットでは存在自体を受け付けない感もあり、マシン探しは結構大変なんじゃないかな、と余計なお世話で思ったりするのですが、たとえば、時代をさかのぼって1970年を見てみれば、その年に登場したトヨタ カリーナが、ドライバーが居のままにあやつり、ワイルドに疾走するというイメージで、顧客に訴求していたりします。まぁ、その時代にはドリフト大会もなかったはずですし、逆に、今現在、サーキット走行に応える車で、1970年代製のものは残っていないでしょうから、ドリフトドライバーさん達の選択肢には成り得ませんね。。とにかく、クルマ使いにとっては、この頃はとてもワクワクできた良い時代だったろうと思います。

初代:2ドア&4ドアセダンで登場の、足のいいやつ

そのカタログの表紙には、チェッカードフラッグと翼を合わせたような、独特なデザインのシンボルが印刷され、1ページ目をめくると、5speed transmission、と大きく書かれた下にシフトノブの写真が配置されており、さらにその横にはエンジンの出力特性グラフが印刷されている。カリーナの商品アピールdえは、そんな風に、走ることの魅力が前面に押し出されていました。赤と青、2種類の鮮やかなカラーで強い印象を与えるそのカタログには、人間のモデルが映った写真は最低限で、車のメカニズムなどの情報が潤沢に載っているというのも、なかなか硬派で時代を感じさせる所でしょう。

ツインキャブの1600STがトップグレード

このカリーナには、1.4リッターのベーシックグレード(3段ゴラム&4段フロアシフト)、その上位グレードとして1.4リッターのデラックス(トヨグライドという2速オートマがプラス)、さらに1.6リッターのデラックス(5速MTに加えトヨグライドが3段)と、その上に位置する1.6スーパーデラックス(4速、5速のMTに加え3段トヨグライド)、最上位の1.6リッターST(5速MT)のグレードが設定されています。のエンジンとしては、全て直列4気筒OHVで、STにはツインキャブ装備により105psを発揮する、パワフル版が搭載されていました。
カタログのコピーには、「走るカリーナ、それは静かなるアニマル」との文言が躍るこのクルマですが、内装としては、大きなステアリングホイールや長いレバーが露出したシフトノブなどが、時代を映すかのようなレトロイメージを伝えます。ダッシュボードパネルにある装備は、走行に関する計器(タコメーター装備)の他、停車中も換気が可能だというブーストベンチレーションなど、実用的なものばかりで、一方、シートベルトには3点式が標準でした。
走りを支えるサスペンションには、前輪にストラット式独立を、後輪にはラテラルロッド付きの4リンク車軸式が採用されました。スプリングは前後ともコイルです。この時代では当然ですが、駆動方式は、エンジンをフロントに縦置きし後輪を駆動するFRとなっています。ルックスとしては、そのエンジンを収める都合上か、ややフロントヘビーな印象もありますが、ヘッドライトは段差で分離された4灯の丸目という、後々のカリーナとして受け継がれる個性が、ここで作り出されているのも特徴的です。
リアからのルックスは、2ドア、4ドアともにノッチバックの形状で、その両脇に配置されたバックライトも、個性的な縦長の形状を与えられて、このクルマの存在感を強めています。

初代カリーナの追加車種&グレード

発売の1年後、1971年になると、1.6リッターにDOHCエンジン(出力115ps)を搭載したGTというグレードが、2ドアセダンに追加され、1972年には2ドアハードトップという車種も生まれました。この時、同時に4ドアにも1.6リッターのGTができます。Bピラーの無いハードトップの容姿は、特に真横からむこう側を透かして見た時、クラスを超えたスペシャルティーな格好の良さを発揮していたことでしょう。またハードトップのテールランプは、セダン系と逆に横長のものが二つ並ぶものになっており、個性生み出すのに一役かっています。
エンジン系のパワーアップとしては、1974年に2.0リッターのものが追加搭載され、さらにハードトップにはDOHC2.0リッター、出力は145psのタイプが与えられ、1.6のGTも継続販売されました。そんな性能をアピールするカタログを開くと、結構緻密なメカニズムのイラストが掲載されていたりして、当時の自動車が、その仕組みの上でも人々の憧れになっていたのだなぁ、と感じさせる所です。そうやって、あえて主張する機構の数々が、足のいいやつカリーナを支えることになっていたのですね。
この頃は、自動車排気ガスへの規制が強まった時期で、カリーナには1975年にTTC-Vという排ガス浄化技術が導入されていますが(2.0リッターエンジン車)、実はこれは、ホンダからライセンスを受けたCVCC技術だったのだそうで、トヨタと言えども、公害対策には苦慮していた様子が、少しうかがえます。
1975年になると、カリーナのラインアップへ、営業用をターゲットにした、カリーナバン、加わってもいます。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ カリーナ 1600・ST
型式:TA12
エンジン排気量:1,588cc
エンジン出力:105ps / 6,000rpm
エンジントルク:14.0kgm / 4,200rpm
全長:4,135mm
全幅:1,570mm
全高:1,385mm
重量:910kg
ホールベース:2,425mm
サスペンション:ストラット(前)/ ラテラルロッド付きの4リンク車軸(後)

2代目〜3代目:正常進化

初代のトヨタ カリーナは、実に7年間も製造・販売が継続したヒットモデルとなりました。そのフルモデルチェンジが最初に行われたのは1977年のことです。この時も、人気のあった先代のイメージを手堅く踏襲しつつ、セダン系はよりコンサバティブなボディーに改められ、スタイリッシュな魅力を発揮する任務はハードトップに託されることとなりました。セダンの車体がより四角くて固いイメージとなったため、その煽りを受けた2ドアモデルは、少しやぼったい雰囲気になったとも言えます。基本的には、初代の段差がついた丸目4灯のヘッドライトを継承していますが、セダン系のテールランプは特別な個性のない形状へ変更されています。

グレードも豊富に用意の2代目

2代目トヨタ カリーナでは、GTも含めるとセダン系に13グレード、ハードトップ系には14グレードが設定されました。セダンで2ドアが選べたのは、1.6リッターエンジン搭載車のみです。DOHCエンジン搭載のGTにも、1.6リッターEFIと2.0リッターの二通りがあって、セダンとハードトップ両方から、それぞれ選択することができました。
発表時点で、昭和53年度規制に合格していたのは、シングルカムの1.6リッターエンジン(88ps)だけで、残りのグレード、1.8、2.0のシングルカム&DOHC系のエンジンは、遅れて1978年までに53年規制をクリアしています。その中の最高峰エンジン2.0リッターDOHCは、当初キャブレター仕様で130psの出力を発揮、その後排ガス対策のためEFIが導入されています。EGR(排気ガス再循環)、2次空気導入、そして酸化触媒などが実用化にめどを付けたことで、以前使用していたCVCC技術はここで消えています。
カタログには、アクティブファミリーカーの誕生、と謳われている2代目カリーナでは、足回りの構成は基本的に成功した先代のものを継承していますが、リアのトレッド幅を55mmと一挙に広げ、スタビライザーで強化したものとなっています。

3代目はFR最後のカリーナ

1981年のフルモデルチェンジで、カリーナバンから派生したステーションワゴンのサーフが登場します。同時に、2ドアハードトップは3ドアハッチバッククーペとなり、2ドアのセダンは無くなりました。セダンとクーペは外観で差別化が図られ、角型4灯式のセダンに対して、クーペ系およびサーフには、異形2灯のヘッドライトが与えられて、全体的なルックスは、時代にあったモダンな雰囲気を発するものになりました。
思い返すと、この時代のセダンは、タクシーとしてかなり使われていたのを、目にした気がします。4ドアに保守的な印象を与えて、落ち着いたムードへの需要に応えると同時に、スペシャリティー色はクーペとワゴンで担当する、という、戦略全体の整理がなされたのが、この時のカリーナでしょう。カタログでは、3ドアハッチに統一され、スラントノーズやヒップアップテールのシェイプを与えられたクーペのボディを、「クーペとはこういう車のことを言う」、なんて言葉でかなりプッシュしています。
動力系で言うと、ガソリンの全車が、新世代のLASREエンジンへ換装されたのがこの代のカリーナですが、まだ燃料噴射(EFI)とキャブレターが混在していたのもこの時代です。EFI化はDOHCの2種類(1.6と2.0リッター)に加え、SOHCを採用した1.8リッターのものでした。別の言い方をすると、1980年代に入ってもOHVとキャブレターの組み合わせが(必ずしも悪いということではないにせよ)生き残っていた訳で、自動車技術の大きな転換期を生きていたのが、この頃のクルマ達とメーカー、そして自動車ユーザー達だったのだなぁ、と、変な感慨が湧いてきたりします。
カタログの表紙には、富士スピードウェイのオールドコースにあった、30度バンクの傾きを思わせる構図でカリーナが疾駆する写真が掲載されていて、やはり、走りの良さがこの製品の訴求ポイントの中心に据えられていたことも解ります。この代ではサスペンションにもちょっとした変更が見られ、ETI搭載車の後輪にはセミトレーリングアームの独立懸架が導入されていました。その他のバージョンは、旧来通りの車軸式です。
この3代目カリーナは、1984年に次の世代が登場しても車種体系に若干の整理を受けつつ、1988年まで継続生産されました。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ カリーナ 2000・GT
型式:RA63
エンジン排気量:1,968cc
エンジン出力:135ps/5,800rpm
エンジントルク:17,5kgm/4,800rpm
全長:4,390mm
全幅:1,650mm
全高:1,400mm
重量:1,135kg
ホールベース:2,500mm
サスペンション:ストラット(前)/ セミトレーリングアーム独立(後)

4代目:ブレークスルーはFF化

1984年と言えば、日経平均株価が市場初めて10,000円を突破したり、ロサンゼルスでオリンピックが開催されたり、写真週刊誌の『フライデー』創刊や、トヨタからはMR2が日本初のミッドシップカーとして発売されたりと、1949年にイギリス人作家のジョージ・オーウェルが予見した、暗い管理社会とは真逆の、とても華やいだ雰囲気があった年に思えます。そんな時、トヨタ カリーナも新しい時代のために大きく生まれ変わりました。
ちょっと前に、駆動方式をFFに大変更していたコロナとプラットフォームを共通化することとなり、我がカリーナもFFとなったのです。同時に、車種体系も大幅に削減され4ドアのセダンのみとなりました。エンジンバリエーションは、1.5リッターSOHC、希薄燃焼技術を導入した1.6リッター、可変吸気機構を持つ1.8リッターに加え、2.0リッターのディーゼルタイプも追加となっています。ガソリン系に使われた燃料噴射はCi(セントラル・インジェクション)と呼ばれ、スロットルボディーにインジェクターを一つ置いて、空気と燃料の混合を促し、さらに吸気弁の直前に配置したSCV(スワール・コントロール・バルブ)によって、燃焼室内で協力な渦流を発生させ、燃焼を改善するという方式を取っています。カタログには、エンジンの電子制御を図式的に表したブロックダイヤグラムが載っていたりして、PR戦術にも、なかなかハードな横顔が見られます。とにかく、自動車にいろいろな技術が試されていたのが、この時代だっということも分かりますね。
FFになりましたから、足回りも大きく変更されていて、後輪にはデュアルリンクストラットの独立懸架が用いられています。前輪、後輪ともにキャンバー角をネガティブとして、コーナリング時のタイヤ接地力を確保。さらに、ディファレンシャルから駆動輪へつなぐドライブシャフトも、左右の長さが同じ等長型となっていて、荒っぽいアクセルワークでもトルクステア(ハンドルが左右どちらかに取られる現象)の発生を回避しています。このように様々な工夫が組み合わさっている所など、新・FF足のいいやつ、の本領を発揮したのではないでしょうか。

横置きエンジンで車室は広く

無理にエンジンを縦置きした場合は別ですが、FFとすることの最大のメリットは、なんといっても車室内サイズが大きくとれる所でしょう。カタログのアイキャッチコピーに、「男らしく、セダンらしく」と書かれている、この4代目トヨタ カリーナでも、もちろん室内のゆとりをアピールしています。たとえば、フロントの2座席は供にフルフラットまで倒す事ができる上、シートスライド幅が245mm、リクライニング自体の角度も2度づつ32段階設定が可能なことや、420リットルあるラゲッジスペースなどがアピールポイントです。
他の快適装備には、パワーウィンドウは当然のこととして、チルト&スライドの電動サンループがあるタイプも選べました。ダッシュボードパネルには、全面カラー液晶のデジタルメーターというのもオプション設定されています。エアコンとセットとなるクールボックスもありました、冷やさない時はカセットテープ置き場になる、ということで、いろいろな意味で懐かしいですね。
セダン系の路線に方向転換したカリーナ、エクステリアを見ると、人目につくのを嫌うかのように大人しく保守的なイメージを強く感じさせると思います。2ドアクーペやハードトップの存在で売ってきた、以前のカリーナ像からは、かなり違う方向性となってきたようです。FFコロナと基本コンポーネントを共用するということで、カリーナが対象にする顧客も、成熟した家庭人層にシフトしていたのでしょう。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ カリーナ 1600・ST
型式:AT151
エンジン排気量:1,587cc
エンジン出力:100ps/5,600rpm
エンジントルク:14.0kgm/4,000rpm
全長:4,335mm
全幅:1,670mm
全高:1,365mm
重量:930kg
ホールベース:2,515mm
サスペンション:ストラット(前)/ デュアルリンクストラット(後)

カリーナEDは、4枚扉にも格好良さを提案

1985年に生まれたカリーナの派生車種、カリーナEDは、自動車のデザインが持つ本当の力を世の中に示した、そんな一台だったと思います。1,310mmという異例な程に低い車高で設計されたボディーからは、当時のセダンの持つある種の野暮ったさが消えて、むしろスタイリッシュでした。さらに、Bピラーを無くして開放的なハードトップとしたことも、このデザインの意味合いを大きくしていたと思います。このデザインによる斬新な提案は、その時のマーケットに広く受け入れられて、4ドア車の全体にハードトップブームを巻き起こしました。
実は、FFセリカと同じプラットフォームを使っていて、本流のFFカリーナとは別のクルマであったのが、このカリーナEDです。EDの系列は、2度のフルモデルチェンジを受け、1998年に生産終了となっています。

5代目〜6代目:立派に家庭を守る一台として…

FF化して、誕生当初に見せていた、ワインディングロードへの拘りが消えていったトヨタ カリーナではありますが、その後も、特定の顧客層の心はしっかりと掴み続け、同時に、時代にみあった新技術も継続的に投入されました。

デザインはモダンな路線へ

1988年に5代目トヨタ カリーナが登場すると、それまで並行販売されていたFR系列が全て廃止されました。カリーナ サーフとバンは、このときFF化されています。この時期になると、ガソリンエンジンへのDOHCの導入が盛んになり、1.5、1.6、1.8リッターの16バルブエンジンが用意されました。この1.8リッターDOHCは、トヨタがハイメカツインカムと呼んだ、従来のDOHCより吸排気バルブの挟み角度を狭くして、燃焼室の表面積を削減し熱効率を高めようとしたという、環境時代に目を見据えていたようなバージョンです。このハイメカツインカムは、カムシャフトの駆動装置が窮屈になるので、タイミングベルトでは一本のシャフトを回転させ、そこからシザーズギアという歯車によって、もう一方のカムシャフトへ動力を伝達するという機構でした。
ボディーのデザインは、先代のお堅いイメージを薄めつつ曲面を多く取り入れ、全体が流れるようなシルエットとなったことで、ややモダンな中にスタイリッシュな雰囲気を取り戻しています。この辺りは、EDがヒットしたことの影響が出ているのかもしれません。発表後しばらくして、フルタイム4WDが1.6リッターモデルに投入されてもいます。

思いやりがある高性能

本来、輸送機械である自動車が、より人間や地球環境へよりそってきた、というイメージを持って生まれたのが、1992年に登場した6代目カリーナでしょう。そのデザインも、先代のコンセプトをさらに進めて、流れるような局面でウェッジシェイプを構成し、実際、その空力性能はCd0.33を実現していました。このクルマから、ハイメカツインカムは1.5リッターとなり、それに加え、1.6のリーンバーン、1.8、さらに4WD用に2.0リッターの4種類が用意されています。とは言え、カタログでも、走りの云々より快適さ、ゆとり感の方を先に押し出してアピールしているのが、このカリーナです。
サスペンションも、剛性やアライメントの見直しがあるものの、その構成は先代から引き継いだもので、前後ともにストラットの4輪独立懸架。リアにはロワーアームを独立した2本に分けた、デュアルリンク式を採用しています。上級グレードのSリミテッドには、専用チューンのダンパーも与えられました。雪道などの走破性を目的にしたフルタイム4WDは、センターディファレンシャルの直後においたビスカスカップリングが、前後駆動力の差動制限を担うという流行の方式を取り入れています。どういう訳か、これが、マニュアルだけの設定だったのも時代を感じさせますね。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ カリーナ 1600・SX-I
型式:AT190
エンジン排気量:1,587cc
エンジン出力:105ps/6,000rpm
エンジントルク:14.2kgm/4,800rpm
全長:4,455mm
全幅:1,695mm
全高:1,395mm
重量:1,080kg
ホールベース:2,580mm
サスペンション:ストラット(前)/ デュアルリンクストラット(後)

7代目:最後のカリーナ

1996年にカリーナが最後のフルモデルチェンジを受け、最終型が登場しました。セダン専用の車種となっていましたが、コンセプトもデザインも、そしてボディーサイズの上でも、ほぼ先代のものを踏襲していたのがこのモデルです。採用されたエンジンの内、1.6リッターのスポーツツインカムには、1気筒辺り5つのバルブ(吸気側に3つ、排気側に2つ)を備え、さらに可変バルブタイミング機構で武装したという、かなり凝った機構が採用され、このエンジンは1.6GTのグレードに搭載されました。他のエンジンは、1.5、リーンバーンの1.8、2.0リッターのガソリン、そして2.0リッターターボのディーゼルタイプが用意されています。ビスカスカップリング式のフルタイム4WD、そして4輪ストラットの独立懸架も、従来からのFFカリーナのものを引き継いでいます。
エクステリア的には、モダンな曲面の組み合わせに、上手くまとまったボディーを持っていましたが、GTには、前後のスポイラーなどが取り付けられ、スポーティーな走行感覚というカリーナ本来のテーマに、やや回帰していた感もあります。視界の良さをアピールしていたそのボディーには、衝突安全ボデー『GOA』も投入され、ABSやエアバッグなどの装備と合わせ、乗員への安全を強く意識したコンセプトが、見えている部分になっています。

オリジナルのカタログです

【基本情報】
名称:トヨタ カリーナ 1600・20バルブ・GT
型式:AT210
エンジン排気量:1,587cc
エンジン出力:165ps/7,800rpm
エンジントルク:16.5kgm/5,600rpm
全長:4,455mm
全幅:1,695mm
全高:1,400mm
重量:1,150kg
ホールベース:2,580mm
サスペンション:ストラット(前)/ デュアルリンク式ストラット(後)

まとめ

7代目トヨタ カリーナが登場した1990年代後半には、温暖化をはじめとする地球環境問題が、昇るのを避けて通れない坂道のように、自動車産業の前に立ちはだかりはじめた頃だったでしょう、さらに、搭乗者の安全性に対する要求も高度化するなか、いくつかの矛盾を同時に解決するため、さまざまな試みがなされ紆余曲折もあったと思います。
最終的には、おとなしいセダンへと落ち着いたカリーナですが、そのブランドの長い寿命の間に投入された新技術の数々は、すべて、今の自動車が持っているハイテク装備へと通じるものだったはずです。ですから我々も時には、そんな風に敬意と灌漑をもって、クラシックカーを見てみるのも悪くないのではないでしょうか。