ロータリーエンジンについて優しく解説!

ロータリーエンジンについてどこまでご存知ですか? おそらくこの記事を読まれている方は一度はマツダRX-7や8に憧れたことがあるハズです。 今回は専門誌でも語られないような裏話まで交えて解説していきます。

ロータリーエンジンとは?

これは一般的なレシプロエンジンです。ピストンが上下することにより動力を得ます。

ロータリーエンジンとは一般的なピストンが往復することにより動力を得るレシプロエンジン(上図)とは違い、回転動機構による容積変化を利用し、そのまま回転動力を出力するエンジン(下図)のことを言います。開発当時はヴァンケルエンジンと言う名前でした。

三角形の回転部分が回ることにより動力を得るのがロータリーエンジンの特徴です。

ロータリーエンジンの歴史

ドイツの技術者が生んだ革命的なエンジン

1951年にドイツの技術者フェリクス・ヴァンケルが開発を始めました。そして6年の歳月を経て1957年に最初の試作機が運転しました。彼が開発したエンジンにはヴァンケル本人の名前が付けられヴァンケルエンジンと呼ばれました。しかしこのヴァンケルエンジンには多きな欠点がありました。
それはエンジンシリンダー内部にできるチャターマークと呼ばれる引っかき傷のような特殊な消耗傷ができ、それが原因でエンジンが壊れてしまいました。それゆえに長時間運行させることができませんでした。

日本のメーカーが実用化させた

1960年代初頭、激化する自動車市場を勝ち抜くためには独自の技術が必要だとしてマツダはこのロータリーエンジンの開発に着手しました。やはりマツダの開発者たちもチャターマークに悩まされました。この傷は『悪魔の傷』とも言われたそうです。この『悪魔の傷』はロータリーエンジンを開発するために集められた47人の若い開発者たちを苦しめました。
それゆえに開発が一向に進まないマツダは学会や業界ではロータリーエンジンの実用化を疑問視する声が高まり、社内でも予算の無駄遣いと言われていたそうです。この『悪魔の傷』というのはロータリーエンジンにおいてとても重要な部品であるアペックスシールと言う部分がエンジン内部と擦れることにより発生する傷です。
そんな中1963年にアペックスシールの形状を工夫した試作エンジンではその傷が付かなくなり、ようやく実用化に兆しが見えました。
こうして販売されたロータリーエンジン搭載車のマツダコスモスポーツを1967年5月30日に販売。自動車業界を震撼させました。

マツダはロータリーエンジン

マツダがロータリーエンジンにかける意欲は世界一と言っても過言ではありません。しかしロータリーエンジン搭載車では大きなレースでの優勝記録がなく、その強さをどうしても世界にアピールしたかったそうです。幾度のレースでの失敗を経て、1991年ル・マン24時間レースにおいて総合優勝を果たしました。これは日本メーカーとしても総合優勝は初めてで、ロータリーエンジンが優勝したのも世界で初でした。

ロータリーエンジンの特徴は?

小さい

ロータリーエンジンは小さく設計できるのが利点です。小さいサイズで大きなパワーを得ることができるので車のデザインも融通が利きます。どれほどパワーが得られるかと言うと654cc×2(1,308cc)で2,500cc~3,000ccとほぼ同等です。

軽い

小さく設計できるのでおのずと軽くなるのですが、レシプロエンジンと違い部品点数が非常に少ないので更に軽くなります。ゆえにその小さく軽いエンジンを車体の中央よりに設置するのでマツダのロータリーエンジン搭載車はコーナリングスピードの速さも売りの一つです。

振動が小さい

ピストンが上下するレシプロエンジンと違いロータリーエンジンは内部が回転している構造のため振動も少ない傾向にあります。レシプロエンジンで例えると6気筒エンジン同等と言われています。

高回転まで回る

これもロータリーエンジンならではの特徴です。高回転まで回してもエンジンの損傷の心配がないのと、エンジンの構造上高回転まで回す方がパワーが出る傾向にあります。

改造に素直

高出力化に素直に対応してくれるのもロータリーエンジンの特徴です。エンジンチューンを進めていく際にエンジン部品点数の少なさが相まって低価格な費用で改造できるのもこのエンジンの特徴です。マツダロータリーエンジン搭載車が多く改造ベースになっているのもこういった背景があっての話です。

トルクの谷がない

レシプロエンジンのように山なりに出てくるパワーとは違い、モーターのようなフラットな出力が特徴です。このエンジン特性はロータリーエンジン車特有のもので、ロータリーエンジンにハマってしまう一つの入り口でもあるようです。一度体験するともうレシプロエンジンに戻れないかもしれません。

排気音が独特

ロータリーエンジンの排気音は独特で、その音に憧れてロータリーエンジンに興味を持たれた方もそう少なくないと思います。レシプロエンジンのようなドドドドドというエンジン音とは違いいかにも『回転しているような』排気音がします。これは文字で表現するには無謀なので割愛しますが車好きにはたまらない音がします。高回転まで回せば、猛獣の遠吠えのような奥行きのある迫力のサウンドが闘争心に訴えかけてくると思います。

マツダ以外のロータリーエンジン

ここではマツダ社以外のロータリーエンジン車をご紹介します。量産に至らなかったものから実際に販売されたものまで幅広くご紹介いたします。

SUZUKI RE-5(1975-1977)

水冷横置き1ローター。総排気量は497cc×1。馬力は62ps/6,500rpmトルクは7.8kg-m/3,500rpm車両重量は257kg。
日本製の自動二輪車で唯一市販化が実現したロータリーエンジン搭載車がこのスズキRE-5(アールイーファイブ)です。ロータリーエンジンは未来のエンジンとされていたことからこのバイクには未来を感じさるデザインのメーターが採用されたのも一つの特徴です。通称茶筒と言われている円筒形のそのメーターはイグニッションキーをオンにするとメーターカバーが開く演出も特徴です。しかし1975年のマイナーチェンジで一般的な2連式のものに変更されました。
このバイクのもう一つの特徴は、発熱量を抑えるために水冷と油冷を同時に採用したことです。これによりロータリーエンジンの弱点を補えたそうです。
このバイクはそのロータリーエンジン独特のエンジンフィーリングが特徴で全域でスムーズな回転フィールとフラットなトルク特性がユーザーに大変評価が良かったそうです。その反面ロータリー搭載車特有の燃費の悪さにオイルショックが重なって2年間で6,000台という少ない生産台数に留まったそうです。現在でも唯一のロータリーエンジン搭載バイクとしてたくさんの愛好家たちに重宝されています。

YAMAHA RZ201(1972)

水冷横置き2ローター。総排気量は330cc×2。馬力は65ps/6,500rpmでトルクは7.8kg-m/4,000rpm。三見た目はヤマハのSR400のようなクラシカルなネイキッドバイクです。その見た目の特徴は大きなラジエターです。ヤマハ製のバイクですがヤンマーディーゼルと共同開発しました。冷却と燃費の改善等の課題を残したままオイルショックの影響により開発は中止されたようです。大型ラジエターでも熱対策はできなかったようです。プロトタイプは1972年に東京モーターショーに出品されました。

KAWASAKI X99

水冷横置き2ローター。総排気量は不明。馬力は85ps/6,500rpmと高出力です。このバイクは特に詳細が明らかにされておらず真相はベールに包まれたままです。1974年には2ローター896ccのロータリーエンジンを試作しベンチテストで70ps/6,500rpmを出たという記録があったという情報程度です。他社に比べて高出力を得ていたのですが、これもオイルショックの影響により開発は中止されたようです。

HONDA 125

ホンダCB125をベースにロータリーエンジンを搭載した試作品。その排気量は125ccと言われておりますが詳細は不明です。製作時期も製作期間も不明です。

Hercules (DKW) W2000

ハーレスキュと言うドイツのメーカーのバイクです。強制空冷縦置き1ローター。総排気量は294ccで馬力は27ps/6,000rpmです。世界初のロータリーエンジン搭載の量産車ということですが、その生産台数は50台と言われています。おもなドライブトレーンにはBMW R26のギアボックスを使用していたそうです。
なお、このモデルには後期型が存在し、インジェクション仕様で販売され、その生産台数は約1,800台と言われています。このハーレスキュはレースでも活躍する程に安定した性能と耐久性があったようです。オンロードレースでは大型のラジエターを搭載し、オフロードレースでは改良したエンジンをそのまま空冷で使用していました。

BSA(1969)

強制空冷横置き1ローター。排気量は303ccで馬力は18ps/5,500rpmです。エンジンは自社製ではなくFichtel&Sachs(ドイツのメーカー)製と言われています。フレームはBSAの当時の既存モデルを流用していましたがこれもプロトタイプの段階で開発は中止されました。

BSA(1971)

これもプロトタイプで終わっておりますが、こちらは2ローターです。1969年モデルが上手く行かなかったのか、リベンジしたようですがこれも詳細は不明なまま開発は中止されました。ロータリーエンジンは魅力的なエンジンですが、やはり開発は困難を極めたのでしょう。

Van Veen OCR1000(1976-1978)

MOTO GUZZIのフレームにロータリーエンジンを搭載したモデル。水冷横置き2ローター。総排気量は497.5cc×2。馬力は107ps/6,500rpmトルクは137Nm/3,000rpm。車両重量は300kg。生産台数は37台と少ないものの、意外と知名度は高いです。日本には2台存在するそうです。

Norton Interpol (1983-1988)

なんとロータリーエンジン搭載の白バイです。空冷横置き2ローター。総排気量294cc×2。馬力は80-85ps/9,000rpmです。イギリス国内の警察、国防省、RAC等に、合計350台納入されたそうです。しかし問題だらけのロータリーエンジンです。上手くパトロールできたのかは不明です。

Norton Classic(1987-1988)

空冷横置き2ローター。総排気量294cc×2。馬力は79ps/9,000rpmで車両重量227kgです。エンジンの一部のパーツ(アペックスシール等)は日本のMazdaが供給したそうです。販売台数は100台限定。やはりマツダの技術は世界的に知られているようです。

Norton Commander(1988-1994)

水冷横置き2ローター。総排気量は294cc×2で馬力は85ps/9,000rpmトルクは75.4Nm/7,000rpm車両重量は235kgと軽量です。このバイクの特徴は、エンジンを見せないようにフルフェアリングにしていることです。フロントフォーク、ホイール、ブレーキはヤマハ製を流用しています。6年間と長い生産期間で総販売台数は300台です。ノートンはロータリーエンジンに力を入れていたようです。

Norton F1/F1 Sport(1990-1994)

水冷横置き2ローター。総排気量294cc×で馬力は95ps/9,500rpmトルクは77.3Nm/7,500rpmです。1992年には馬力が105ps/10,000rpmにトルクは83Nm/7,500rpmにパワーアップ。車両重量はなんと192kgと軽量です。まるで2ストローク250ccを彷彿させる軽量ハイパワーなスペックです。フレームはアルミによるツインチューブ、フロントフォークは倒立式にしブレーキシステムにはブレンボを採用した本格的なスポーツバイクです。
これほどのスペックがあれば現代でも十分に活躍できるはずですが、すでに生産は終了しています。その生産台数は不明ですがかなりのヒットを記録しています。このバイクが唯一レースでも成績を残したロータリーエンジン搭載のバイクではないでしょうか?

トヨタ、メルセデスベンツ

バイクの話題ばかりが続いておりましたが自動車企業ではトヨタやメルセデスベンツも試作を試みていたそうですがそれ以外のなんの情報もないのでどの段階まで進んだかも不明です。マツダが成功しているという背景もあり、開発を諦めたことですら隠したい事実ではないでしょうか? 

ロータリーエンジンは難しい

ここまでご覧になってお気付きだと思いますが、ロータリーエンジンに挑戦したメーカーはほとんどがオートバイメーカーです。これはコスト的な面で、オートバイの方が試作品として作りやすかったのではないでしょうか?
しかしほとんどのメーカーが挫折しています。これは熱対策と耐久性の問題がクリアできなかったのでしょうか。いかにマツダが努力したかがうかがえますね!

ロータリーエンジン搭載車

マツダ:コスモスポーツ 1967年 - 1972年

世界初の実用量産モデルとしてマツダの名を世界に轟かせた有名な車です。10A型 1.0L 2ローターを搭載し馬力は128ps/7,000rpm(L10B)トルクは14.2kgf·m/3,500rpm(L10B)と高性能です。車両重量もとても軽量で940kgです。この車のコンセプトは『ロータリーエンジンの長所を具現化する』でした。
このコスモスポーツの凄いところはもちろんその運動性能の高さですが、当時のレシプロエンジン車はエンジン回転を4,000回転以上に上げると振動と騒音が大きく、車内での会話もままならないほどでしたが、ロータリーエンジンではそのような振動も音もなく静かに会話ができたそうです。

マツダ:サバンナ 1971年-1973年

コスモ、ファミリア、ルーチェ、カペラに次ぐマツダ第5弾のロータリーエンジン搭載車として、1971年9月に登場しました。この車の特徴は高出力なロータリーパワーに対応するため、リヤのショックアブソーバーをバイアスマウントしていたのが特徴です。

マツダ:ルーチェ 1972年-1978年

アメリカ風なアクの強いデザインが特徴のルーチェ。ロータリー車のMTには通常の乾式クラッチの他に低速トルクの少ないエンジンの短所を補うためにトルクグライドという流体クラッチが採用されました。これは通常の5MTのパターンにATと同じPポジションが設けられています。特殊なミッション機構です。

マツダ:サバンナRX-3 1978年-1985年

このRX-3は当時スーパーカーブームだったこともあり日本を代表するスーパーカーとして大注目を浴びました。このRX-3にはもちろんNAモデルも存在しましたが、なんといっても注目すべきはターボモデルです。12A型 水冷 573cc×2ローターを搭載し、それに加えターボモデルを搭載しているので165psという大パワーを発揮しています。車両重量も1,005kgと軽量なのでまさにスーパーカーとして充分なスペックです。

マツダ:RX-7 1987-1992年

RX-7がより身近に感じられたのはこのモデルからでしょうか? 走り屋ブームにも乗っかり、人気アニメに登場したことにより大変ヒットしたモデルでもあります。エンジンパワーも215PS/6,500rpmとハイパワーなものになり、誰でもカンタンに高性能が楽しめるようになりました。この当時チューニング市場も大幅に拡大されたためさらに手軽にチューニングカーの文化が浸透しました。

マツダ:RX-7 1991-2002年

おそらくロータリーエンジン史上、ここがピークではないでしょうか。このモデルでは何度もマイナーチェンジされその度に進化し、最終的には280馬力にまでなりました。カッコよさも性能もこのモデルが一番良いと評される方も多いです。このあとにロータリーエンジン最終モデルがありますが、なぜこのモデルが一番評判が良いかというと、『規制前』だったからです。
エンジンもパワーをガンガン追求できるような環境だったからです。現在では排ガス規制が邪魔をしてメーカーが思うようにパワーを追求できないのです。ですので規制後だとどうしてもこれを越えることができないのも実情です。
それに加えこのモデルは人気アニメの影響、走り屋ブームの影響、世界的な日本車ブームの影響もあり一番売れたのがこのRX-7でしょう。

マツダ:RX-8 2003-2012年

この新設計されたRX-8はスポーツカーが売れない時代背景に考慮し、観音開きでリアシートの乗り降りしやすいといった配慮がなされ、新たな衝突安全基準に対応するべく車両重量も1,340kgと重くなりました。エンジンも従来の2ロータリーターボではなく、2ローターNAになり馬力は250PSとパワーダウンしました。今までのイケイケドンドンな車ではなくハンドリングを楽しむ車になりました。
この車の性格を変えたため、今までのRX-7が好きなファンの期待に応えることができなくなってしまい、ガソリン高騰の背景もあり、販売期間こそ長いものの先代RX-7の販売台数を越えることはできませんでした。
しかしこのRX-8は国土交通省による衝突安全性能総合評価において6つ星という最高評価が与えられるほどのものでした。

ここでロータリーエンジンの問題点を知っておきましょう

低回転域が非力

バルブ制御で吸排気を行うレシプロエンジンに比べ、吸排気をローターによるポート開閉と負圧に頼ったロータリーエンジンは、低速回転時では吸気の慣性に乏しく吸排気効率が上がらず、結果として燃費悪化とパワー不足を起こします。重量の重い車両に対してこういったエンジンは不向きとされています。ですからこの問題が解決されない限り、ロータリーエンジン搭載車は必然的に軽量ハイパワーなスポーツカーが対象になるのではないでしょうか。
歴代ロータリーエンジン搭載車を見てもファミリーユースな車は出ておりません。

発熱しやすい

ローターとハウジングによって形成される燃焼室は、いびつな形のうえ広範囲を移動するため、ハウジング壁面を通して冷却水に熱を奪われやすく、熱効率面で非常に不利です。これは数々の試作車が悩まされていました。なのでスズキのRE-5という前述で紹介したバイクでは水冷はもちろんのこと油冷も併用していました。
一般的なレシプロエンジンでは水冷か油冷の一択なのですが、ロータリーエンジンでは両方採用していたことから熱しやすさが懸念されます。

圧縮抜けしやすい

ロータリーエンジンはアペックス、サイド、コーナーと複数のガスシールの突合せで作動室を仕切っている関係上シール同士の接触部からの圧縮抜けが発生しやすい構造をしています。もっと砕けた表現をすると、柔らかい可動部が多く、簡単に擦り減ってしまいます。圧縮抜けするとどうなるかと言うと、エンジンのパワーが下がり、揚句にはエンジンが止まってしまいます。いわゆる悪魔の傷です。

ロータリーエンジンは意外にも重い

ロータリーエンジン本体は非常に軽量でコンパクトなのですが、熱対策のために大型のラジエターを導入したり、そのほかインジェクター、燃料ポンプ、燃料タンクは大型な物が必要になってきます。よって総合的に考えるとレシプロエンジンとあまり変わらなくなります。最新のロータリーエンジンを積んだRX-8ではエンジンの熱膨張対策としてエンジン本体に軽量合金が使用できず、軽量化が望めないといった欠点もあります。

では実際にロータリーエンジン搭載車を維持するには?

前述のロータリーエンジンの欠点はわかりました。では実際に購入、維持していくにはどうすればいいのでしょうか?

お店選び

まず現在ロータリーエンジン搭載車を購入するにあたって大前提が中古車になると言うことです。よってしっかり整備している中古車を購入したいことと、今後も整備を担当してもらえるのかといった問題があります。
ロータリーエンジンは特殊なエンジンであることは忘れてはいけません。一般的な整備士さんではロータリーエンジン特有の整備ができませんし、ロータリーエンジンの整備は知識と経験が物を言う世界で、いわばロータリーエンジン職人のような整備士さんに依頼することをオススメします。
なぜかというとアペックスシールという部品一つ交換するにも、エンジン一基一基それぞれの消耗の仕方を見わけて判断し、部品選びや部品の付け方もそれに合わせないと寿命が短くなってしまうなどの症状が出るからです。なのでお店選びは重要です。

下見は慎重にしましょう

中古車を選ぶ時はその車の事故歴や状態を見るのが一般的ですが、ロータリーエンジン車の場合、エンジン本体の状態が非常に重要になります。専門店ではエンジンの状態を表す圧縮比を測ったその計測値を公表しているお店があります。要するにその圧縮比が低いと、エンジン内部の消耗が激しくヘタっていますよ、といった状況です。一般的なお店ではそういった圧縮比を公開していないことが多いので、専門店でない限りは慎重に下見をしましょう。

ロータリーエンジンの特性を理解しておきましょう

これはロータリーエンジンとその中古車を購入するにあたってとても重要なことですが、ネット上でも『○○(お店の名前)でRX-7を購入したが、直後にエンジンが壊れた』という書き込みが目立ちますが、保証されているのであれば良いのですが、基本的に保証対象外であることが多いと思います。これはなぜかと言うと、新車販売されてからの期間が長く経っていることと、ロータリーエンジンであるからです。
やはりロータリーエンジンはレシプロエンジンと違い寿命は短く、いくら調子が良くとも突然エンジンが壊れることがあるからです。ロータリーエンジン搭載車を購入するときは『いつ壊れてもおかしくない』ことを前提に購入されないといけないことを理解ておきましょう。
実際に、高年式低走行のRX-8(具体的に言うと走行3万キロ未満)でもエンジンが壊れているのは中古車を仕入れている関係者であれば常識です。これはなにが考えられるかというと低グレードエンジンオイルを使用していたこと、もしくはオイル交換をしかるべきタイミングで行っていなかったことが考えられます。それほどロータリーエンジンはエンジンオイルに寿命を左右されます。
購入後もエンジンオイル交換をしっかり行うことも肝に命じておきましょう。さらにエンジンの話題ですが、ロータリーエンジンの特性上、エンジンオイルは減ります。オイル交換時期まで持ってくれれば良いのですが、スポーツ走行をすると、みるみるうちに減っていきますのでその都度足さないといけません。これはそういうエンジンです。なので常にエンジンオイルを車に積んでおいて補充体制をとっておきましょう。
こまめにエンジンオイルの残量を目視し、減っていたら補充しましょう。ですのでレシプロエンジンと違いオイルにたくさんの費用がかかります。これもロータリーエンジンの購入後の維持費として計算しておきましょう。

ロータリーエンジンはオーバーホールして乗るもの!

安心安全にロータリーエンジンと付き合うのであれば、これは必須です。通常走行であれば5万キロに一度、スポーツ走行を繰り返しているエンジンであれば3万キロに一度やっておきましょう。そうでなけでばエンジンブローの率が高くなります。この距離はそういった事例から逆算した数字です。
エンジンブローの原因は基本的には『悪魔の傷』が原因です。それはアペックスシールを代表するシール類の消耗による傷です。壊してしまってからでは修理費も、急に止まった場合ではレッカー代やそのほか二次災害の恐れもあります。オーバーホールすることによってそういったリスクを補うことができますのでぜひやっておきたいです。
ちなみにオーバーホールの費用は30~50万円が相場です。ロータリーエンジンを乗るにはお金が掛かりますよ!

燃費は望めない!

これはロータリーエンジンの宿命です。現在ロータリーエンジンが消えてしまった一番の理由はここにあると思います。例えばターボのRX-7では1リットルあたりの走行距離が4~7㎞が相場です。燃費を売りにしているRX-8でも6~10㎞と一般的には燃費は悪い方です。
しかし例外ですが、メリットもあります。それは改造したときです。ノーマルの何倍もパワーアップした車両でもそれほど燃費が落ちないのです。もしパワーアップして乗るのであれば、かんたんにパワーアップが望めるので大変オススメです。

まとめ

以上、ロータリーエンジンについておわかりいただけましたでしょうか? 一言で表すなら『お金がかかる』エンジンです。しかし魅力もたくさんあります。音やエンジンフィーリングやエンジン本体の見た目です。これは絶対にレシプロエンジンでは再現できない魅力だと思います。
現在ではロータリーエンジンに水素燃料を使い走る技術も完成されているそうです。これは、基本的にガソリンにこだわらなくても走るエンジンからくる可能性です。実際にロータリーエンジンの燃料に家庭で出た天ぷら油の廃油でも走行した実験も成功し、未来の技術の所以はここにあると思います。
今後、マツダはどんどんこのロータリーエンジンを進化させていくと思いますので今後に期待ですね!