F1と共に歩んだ歴史!世界最速のF1マシンの足元を支え続けるタイヤに注目!

時速300kmを超え、驚異的なスピードでコーナーを疾走していくF1マシン。F1の歴史の数だけF1のために作られたタイヤの歴史もあります。今回はそんなF1と共に進化し、支え続けてきたタイヤに目線を向けてみました。

F1タイヤ進化の歴史

60年以上クルマの最高峰として位置するF1。そのF1マシンを地面と繋ぐとても重要な役割を担っているのがタイヤです。
F1マシンのタイヤは開発に開発が重ねられ現在のタイヤ技術にまでなりました。圧倒的なグリップを最優先し、ノーマルタイヤでは常識の「耐久性の確保」を犠牲にする方向性が取られ続けているため、レースの距離をなんとか走りきれるギリギリの耐久性しかなかったり、刻一刻と変化する路面の状態に合うようにコンパウンドは使い分けられ、その他ゴムの材質まで研究しさまざまな状況で最大限のグリップを発揮できるように開発され続けてきました。

物議を醸したタイヤ騒動!F1 2005 アメリカGP

ここ10年くらいでタイヤ技術の開発はピークに達しました。実際にF1マシンの各サーキットでのラップタイムはかつてないほど速くなりました。その速さの源であるタイヤも安全性と速さとのバランスが取れていて最新のタイヤ技術に誰も不安や疑問を持つことなどなかった2005年、ある事件が起こりました。
アメリカGPフリー走行中、当時トヨタのF1チームに所属していたラルフ・シューマッハは超高速セクションのオーバル区間で、着用していたミシュラン製のタイヤが突如バーストし大クラッシュを引き起こしました。当初ミシュランはバーストの原因は不明だとし、自社のタイヤに問題はないとの見解を示していました。しかし、結局バーストの原因は、オーバル区間で使われている路面がタイヤに負荷をかけ、ミシュランタイヤにはその負荷に耐えうる耐久性が欠如していることが原因であるとの発表がありました。当時のF1では1セットのタイヤで決勝レースを走りきることがルールとして定められていたため、ミシュランを着用していた7チームはドライバーの安全を考慮し決勝レースをボイコットするという事態になりました。
この事件はタイヤ技術を過信していた開発者だけでなく多くの関係者にショックを与えました。

F1タイヤ レギュレーション

F1のレギュレーション上ではタイヤの使用に関しての規制やルールも定められています。昔はそれほどタイヤのルールも厳格ではありませんでしたが、近年はF1のエンターテイメント性やコスト削減のためいろいろなルールが設けられています。

去年までのF1タイヤルール

ここ10年のF1のタイヤに関するレギュレーションの変動を見てましょう。
2005年、レギュレーションの変更により決勝中ピットストップ時のタイヤ交換を廃止。ドライバーは予選と決勝を1セットのタイヤで走らなければなりませんでした。決勝中タイヤ交換が認められるのは、パンクか雨天時の交換のみ。
2006年、決勝中ピットストップ時のタイヤ交換が復活。1グランプリにつき各ドライバーはドライタイヤ7セット、インターミディエイトタイヤ4セット、ウエットタイヤ3セットの使用制限が設けられました。
2007年~2008年、それまでミシュランとブリヂストンのタイヤメーカーが参入していましたが2007年からブリヂストンのみになり、各レースの決勝中ソフトタイヤとハードタイヤの2種類のタイヤを使用しなくてはいけないタイヤ交換義務がレギュレーション変更によって定められました。
2009年~2010年、1997年以来となるスリックタイヤが復活しました。タイヤ交換義務も健在です。
2011年~2015年、タイヤサプライヤーがブリヂストンからピレリに変わり、各レースでドライバーは13セットのタイヤの使用を許可され、ピレリが開発した4種類のドライタイヤの内ピレリが指定した2種類+インターミディエイトタイヤとウエットタイヤを使用という形が取られました。決勝レース中も雨天時以外は2種類のドライタイヤの装着の義務が適用されました。

2016年のタイヤルール

2016年のF1タイヤは前年同様ピレリが受け持ちますがいくつか変更点があります。
まずこれまでの4種類のドライタイヤに加え、今年から5種類目のタイヤ「ウルトラソフト」が登場します。
さらに各レースで持ち込まれるドライタイヤは前年までの2種類から3種類に増加しました。決勝レースで2種類のタイヤを使用しなければいけないルールは変わりませんが、各チームはチーム内の2人のドライバーが違う種類のタイヤが使用でき、さらに幅広い戦略を展開することが可能になりました。

タイヤメーカーの参入と撤退

グッドイヤー

今は撤退していますが、F1のタイヤサプライヤーとして最も長く活動していたタイヤメーカーで1964年に参入し1998年に撤退するまでにF1グランプリ368勝を記録し、現在でもタイヤメーカーとして1位の記録を保持しています。

ブリヂストン

1997年に参戦以来、ライバルたちとの激しいタイヤ戦争の中勝ち星を上げ続け2010年に撤退するまで数々のタイトルを獲得しました。特にフェラーリ、ミハエル・シューマッハと築き上げたの黄金時代は輝かしいです。

ミシュラン

1977年にF1初参戦し1984年に1回目の撤退をするまでに、F1に初めてラジアルタイヤをもたらすなどタイヤ技術を促進させていました。2001年に復帰し、ブリヂストンと激しいタイヤ戦争を繰り広げた末、2006年シーズンを最後に再び撤退しました。

ピレリ

ピレリはF1の創世記から参戦している数少ないタイヤメーカーの1つで、脱退と再参戦を繰り返しながら2011年の復帰で4回目のF1参入になります。

1番速いF1タイヤはどれ!?

F1のタイヤはレギュレーションや方向性によって厳格に開発されている上、F1マシンによってもタイヤの相性があるため一概にこのタイヤが1番速いとは言えません。
例えば、1998年から2008年まで使用されたF1タイヤは4本の溝付きのグルーブドタイヤでしたが、マシンのメカニカルグリップ向上のため現在のF1マシンよりも速いラップタイムで周回していました。しかし、タイヤ単体で比較すると、現在のF1はスリックタイヤが使用されていて、溝がついていて表面面積が少ないグルーブドタイヤよりもグリップはあるはずです。ですので、どの年のどこのタイヤが1番グリップして速いかなど測定できないのです。
言い方を変えて、1番速いラップを周回していたタイヤという表現をすれば各サーキットのラップレコードを保持しているF1マシンが装着していたタイヤということになります。この条件で言えば、各サーキットでのラップレコードを保持しているF1マシンはだいたい2004年か2006年が多いので、2004年と2006年のブリヂストンとミシュランタイヤということになります。

F1のタイヤって購入可能?

現在F1にタイヤ供給を行っているピレリが開発するタイヤは1本あたり10万円ほどのコストが掛かっているそうです。ピレリはこれをF1チームに無償で提供していますから販売しているわけではありません。現在は使われていないF1のタイヤだとオークションなどで出品されていることもあり安いもので50万円ほどで購入することができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
タイヤはクルマの速さの半分の要素を担うとも言われるほどクルマにとって大切なものです。タイヤはF1と共にますます進化し、速さを追い求める上でタイヤの性能や使い方1つで大幅なタイムアップを図れるとても重要なものなのです。