【ランボルギーニ シルエット P300】世界でたったの31台!時代の影に隠れたランボルギーニ初のV8 2シーター

ランボルギーニが初めてのV8 2シーターとして発表したのがこのシルエット。発表当初から決して商業的に成功したクルマではなかったため生産台数も少なく、現在では非常に珍しいクルマです。今回はそんなシルエットに焦点を当ててみました。

ランボルギーニ シルエット

シルエットは1976年のジュネーブモーターショーにてランボルギーニから発表されました。ボディ形状は同時期に生産されていたウラッコのボディが使用せれているためその形状はウラッコに似通っています。ベースこそウラッコですがランボルギーニはシルエットを、「よりスポーティなウラッコ」「ウラッコの進化型」というコンセプトを元に開発しました。相違点として、2+2シートのウラッコに対してシルエットは完全なる2シーターに変更され、より攻撃的なスポイラーが装着されました。さらにルーフにはタルガトップを取り入れ、屋根の開閉を可能にしました。



スポーティなMR車

ミッドシップ車としてV8エンジンが搭載されました。そのエンジンも基本はウラッコと同様のエンジンが使用されましたが、いくつかの点で変更がなされ出力は260馬力まで上げられています。

生産台数わずか54台!現存するのはなんと31台のみ!

1976年に発表されたシルエットはその後3年間生産され、後継車であるジャルパに引き継ぐ形で1979年に生産が終了しました。ランボルギーニによると、その3年の間で生産された台数はなんとたったの54台!
その内12台が右ハンドルで残りは左ハンドルだったそうです。そんなシルエットですが今現在確認されている個体は世界でわずか31台しかありません!お目にかかれるだけでも、ものすごくレアなクルマですが実際に走っているシルエットは非常に美しく、見る者を惹きつけます。

シルエットはランボルギーニの駄作だった?!

そんなシルエットなのですが、一般的にはシルエットはランボルギーニの歴史の中で最も販売台数が少なかったクルマだと言われています。すでにご紹介した通り生産台数はたったの54台。つまりはシルエットは当時人気がなかったのです。

ランボルギーニとシルエットの歴史

しかしそこにはシルエットの不人気だけでなく、ランボルギーニ社自体が抱えていた問題も「シルエットはランボルギーニにとって不名誉」というイメージを植え付けたのではないかと思える時代背景がありました。
1975年、V8エンジン搭載のウラッコを発表していたランボルギーニ。彼らのV8エンジン車に対する冒険はまだまだ終わってはいませんでした。フェルッチオ社長は既出のウラッコに変わる、更なるV8スポーツカーの開発を着手しようと計画を立てていました。しかし当時ランボルギーニはウラッコに搭載していたV8エンジンの開発費のために多額の投資をすでに行っていたため新たなV8エンジンを開発をするための費用はどこにもありませんでした。
それどころかランボルギーニは深刻な資金不足に陥り、新しい車のためのボディさえ開発する余裕がないほど事態は重かったのです。事実上ランボルギーニはウラッコの生産を止めることはできませんでした。
それでもフェルッチオ社長はまだ熱心に新たなV8車の開発を考えていました。なぜなら彼は、V8車こそV12エンジンを搭載したスーパーカーよりも大成し売り上げになると信じて疑っていなかったからです。
そこでフェルッチオ社長はデザイナーのベルトーネに、ウラッコをデザインし直し全く違ったルックスのクルマをデザインできないか話を持ちかけました。フェルッチオ社長はそうして作ったクルマの売り上げで新たなV8車をつくる開発費にしようと考えていたのです。
ベルトーネはウラッコのデザインを変更し新たなクルマを作るというプロジェクトに着手し、そしてその結果1976年にシルエットは完成しました。デザインし直したといってもウラッコのボディを流用しているわけなのでウラッコの外観イメージを払拭することはできませんでしたが、それでもウラッコとは全く違ったキャラクターのクルマに仕上げることに成功しました。
開発費を削減し、あるものだけで新しいクルマを作ったランボルギーニ。そういったランボルギーニが抱えていた問題によって生み出されたシルエット。生産台数の少なさは不人気という理由だけでなくランボルギーニ自体の問題も大きな理由だったのです。

スペック

全長:4,320mm
全幅:1,880mm
全高:1,120mm
ホイールベース:2,450mm
重量:1,240kg
ガソリンタンク容量:80L

シャシー

シャシー:インテグラル
ボディ:スチール

エンジン

エンジンタイプ:90° アルミニウム L240 V8 DOHC
バルブ数:2バルブ
ボアストローク:86mm×64.5mm
排気量:2,995.8cc
馬力:260hp@7,800rpm
圧縮比:10:1
トランスミッション:シンクロメッシュ 5速+リバース

気になるシルエットのお値段は?

人気は高くなかったとは言え、シルエットが希少なことには変わりありません!では、一体この現在世界で31台しか存在しないクルマはいくらで購入することが可能なのでしょうか?
2010年8月に、RM Auctionsというオークションで走行距離3万2,000kmのシルエットが出品されました。その結果、日本円にして700万円ほどで落札されました!
なかなかのお値段ですね!走行距離や年式、希少価値を考えるとやはりランボルギーニはランボルギーニだなと感じさせられます。

購入方法は?

数が少ない上、ランボルギーニという冠を持っているクルマですのでオーナーが一般のディーラーで売ることは考えにくいです。購入方法はおそらくオークションにオーナーが出品し、それが出回るのを待つほかないでしょう。

まとめ

シルエット、いかがだったでしょうか?
ランボルギーニの中で1番のワケあり車であるシルエットですが、その美しい姿には哀愁すら感じさせられます。今のランボルギーニにはない独特なキャラクターを持っていますが、当時フェルッチオ社長がこだわり抜いたV8のDNAはしっかりと現行のV8ランボルギーニであるウラカンに受け継がれています。