【フェラーリ F430】F1チャンピオン「シューマッハ」が開発したシャークノーズ

「シャークノーズ」と呼ばれる特徴的なデザインとF1チャンピオン「ミハエル・シューマッハ」が徹底開発に加わった「フェラーリ F430」は、今でも人気のフェラーリを代表するモデルです。今回、その魅力に迫ってみたいと思います。

「フェラーリ F430」

「フェラーリ F430」は、2004年に「360 モデナ」の後継モデルとしてモンディアル・ド・ロトモビルでデビューしました。日本での価格は、クーペのMTが2,400万円、F1マチックが2,547万円、スパイダーのMTが2,600万円、F1マチックが2,755万円でした。

「シャークノーズ」マスク

ボディデザインは、「ピニンファリーナ社」のチーフデザイナー、フランク・ステファンソンが行ない、基本的に先代モデル「360」の発展型になっています。しかしボディデザインは、より空力特性が向上し空気抵抗値は「360」と変わりませんが、ダウンフォースが非常に向上しています。
特徴的なフロントノーズ回りは、1961年のF1を制した「156F1」、1961年のル・マン24時間レースで優勝した「250TR61」の「シャークノーズ」と呼ばれるデザインをモチーフとしています。
ヘッドライトは、1つのプロジェクターランプでハイ/ロービームを切り替える「バイキセノンヘッドライト」を採用しています。
また「テスタロッサ」のようなサイドミラーには、「F430」の文字が刻まれています。
テールデザインは、「エンツォフェラーリ」と同じようにテールライト上面が露出した造形となっています。
リアエンドには大型のディフューザーが装着され、走行時のダウンフォースの向上が図られています。

煮詰められたシャシー

「F430」シャシーフレームは、「360」を基本に設計されており、「360」で培われたデータをベースに剛性、軽量化が図られています。またオールアルミ製のボディが組み合わされています。

F1ゆずりのトランスミッション

トランスミッションは、MTとF1マチック(パドルシフトを備えたセミAT)から選ぶことができ、いずれも6速に設定されています。シフトチェンジの速度は、スポーツカー最高峰です。

新パーツの導入

F1参戦で培われた技術をフィードバックした3つの目立ったパーツがあります。

ローンチコントロール

CSTを解除しLCボタンで設定、左足でブレーキを踏み回転数を上げた所でブレーキを離すとクラッチが繋がり発進するシステムです。

「E-Diff」システム

「E-Diff」システムは、エレクトリック・ディファレンシャルの略で、電子制御の差動装置のことです。従来の差動装置に比べると、駆動力の損失が少ないと謳われています。

カーボンブレーキ(CCM)

「フェラーリ 360チャレンジ ストラダーレ」「エンツォ フェラーリ」で採用されていたカーボンブレーキも採用されており、冷間時の制動性は甘いが耐フェード性が高く、よりスポーツ走行に適し制動性能が向上しました。

「フェラーリ F430」主要諸元

エンジン:4,308cc V型8気筒 DOHC 32バルブ
最大出力:490PS/8,500rpm
最大トルク:47.4kgm/5,250rpm
トランスミッション:6AT(F1マチック)
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R カーボンセラミックマテリアル(CCM)
全長:4,512mm
全幅:1,923mm
全高:1,214mm
ホイールベース:2,600mm
トレッド:F 1,669mm R 1,616mm
車両重量:1,450kg

「F430」ハイパフォーマンスモデル

スポーツカーブランドの「フェラーリ社」は、ハイパフォーマンスモデルを製作し、モータースポーツに参加できるようにしています。

「430 スクーデリア」

「F430」をベースにスポーツドライビングを好むオーナーのために製作され、2007年フランクフルトモーターショーで元F1ドライバー「ミハエル・シューマッハ氏」によって発表されました。 エンジンは、ベースモデルより出力が、510PS/8,500rpmに向上しています。
車重は、軽量化され約200kg軽い1,250kg、0-100km/h加速は3.6秒以下、最高速度は320km/h以上とパフォーマンスが向上しています。
トランスミッションには60msでシフトチェンジできる「F1スーパーファスト」を搭載し、「F1-Trac」や「E-Diff」も搭載しています。
「F430」との外見の違いは、ボディの中心に2本のグレイのストライプが入っています。
またフロントノーズ左右に設けられたエアインテークの形状が変更され、リアエキゾーストがナンバープレートの高さまで持ち上げられ上方配置2本出しとなっている点です。
2008年5月に日本で3,026万円で発売されました。

F1チャンピオン「ミハエル・シューマッハ」が徹底開発

「430 スクーデリア」は、シューマッハの鋭い感性が開発に磨きをかけたモデルです。
ニュルブルクリンク旧コースで、ギアチェンジのタイミング、トラクション、サスペンションのコンプライアンス、スタビリティ、そのすべてをコントロールすることに没頭し開発しました。
その結果、ギヤボックスには60msでシフトチェンジできる「F1スーパーファスト」、「F1-Trac」や「E-Diff」を組み合わせた「新型のトラクション・コントロール」、そして状況に合った走行モードを選択することができる「レーシングマネッティーノ」などが搭載されているのです。

コーナリングマシン

煮詰められたサスペンションセッティングによって車高が「F430」より15mm低められています。
また、リアホイール直前からエンジンルームへと続くエアインテークが大型化し、軽合金ホイールが10本スポークに変更されています。
リアセクションは、空力特性を磨き上げる目的の改良を受けています。
テールのリップスポイラーはより空力的な形状になっています。
リアデフューザーは完全なデザインの見直しを受けました。新型リアバンパーでは、エグゾーストのテールパイプが高い位置につくのが特徴となります。
この変更は、ワンメイクレースで効果が実証されています。

徹底的な軽量化

軽量化のためにセンタートンネルやドアパネル、ミラーもカーボンファイバー製となってます。
またインテークのプレナムチャンバー、エンジンベイのトリムパネル、フィルターハウジングなどもカーボンファイバー製となってます。
さらにシートは完全な新設計で、最大級のホールド感とドライビングポジションをサポートします。特にこの「スーパー・レーシング」と名付けられたシートにはいくつかの特徴があります。
オール・カーボン製のこのシートは、手動式のアジャストダイヤルで、あらゆる体格にフィットするようにポジションを調整することができます。またサイドのサポート部はレーシング・ファブリックに覆われた3D構成の素材によるもので、高い通気性とホールド感を実現しています。

インテリアは、ドライビング重視

フロアには滑り止め加工されたアルミ製フットレストをはじめ、いくつかの金属製パーツはむき出しのままになっているので、ボディそのものの構成材を目のあたりにできます。計器類の表示も視認性の高い特別なグラフィック・デザインを採用しています。すべての内張とシートには3D構成の素材とアルカンタラが採用されています。

「430 スクーデリア」主要諸元

エンジン:4,308cc V型8気筒 DOHC 32バルブ
最大出力:510PS/8,500rpm
最大トルク:48.0kgm/5,250rpm
トランスミッション:6AT(F1マチック)
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク カーボンセラミックマテリアル(CCM)
全長:4,512mm
全幅:1,923mm
全高:1,199mm
ホイールベース:2,600mm
トレッド:F 1,669mm R 1,616mm
車両重量:1,250kg

「F50」より速い「16M」モデル

F1でコンストラクターズタイトル(自動車製造者部門)を史上最多16回獲得した記念モデルです。
「430 スクーデリア」ベースのオープンモデルで、世界で499台のみ製造されました。車名に「430」は付いていません。
外見の違いに、ボディ中心にブラックとシルバーの細いラインが4本(標準)が入っています。
また左右の「16M SCUDERIA」のエンブレム、テールには「F1 CONSTRUCTORS 16 2008 WORLD CHAMPIONSHIPS」のエンブレム、またセンターコンソールの上部に「16M SCUDERIA SPIDER LIMITED 499」と499台の限定生産を表すエンブレムが付いています。
最高出力510PS/8,500rpm、車重は1,340kg、パワーウェイトレシオは2.6kg/PS、0-100km/h加速は3.7秒以下、最高速度は315km/h以上です。
フィオラノサーキットにて1995年同社より発表された「フェラーリ F50」のサーキットタイムを上回った史上最速のフェラーリのオープンスポーツモデルという記録もあります。

レース仕様「F430 チャレンジ」

2006年にレースカーモデルとして、「F430 チャレンジ」が登場しました。
2006年シーズンの「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ」の参加車両です。

レーシングカーの装備

車輌の基本的な構造、エンジンは標準仕様と同じです。しかし、チャレンジ仕様のモデルには、安全装備などレースを想定した変更が多くなされています。
コックピットの「フル・ロール・ケージ」「レーシング・シート」「ヘッドレスト」「 4点式セーフティー・ハーネス」2008年シーズンから装着を義務付けられた「HANS」システムの取り付けポイントなどです。
コックピットは「カラー・デジタル・ディスプレイ」を装備したインストゥルメント・パネルに変更されています。
「クイック・リリース・ステアリング」には、ピットへ無線およびピット・レーン・スピード・リミッターのボタンが装備されています。
レースに重要な装備として、ドライバーとエンジニアが全ての周回を時系列で確認できる「テレメトリー・システム」があります。
軽量化プログラムにより、「レクサン製」フロント・ウィンドウ、「カーボン・ファイバー製」エア・インテークカバーを採用することで、 「F430 チャレンジ」は、レース用装備を搭載した状態にもかかわらず車両重量は、1,225kgとなっています。
トーション・バーのモディファイ、バネの硬さ、レース仕様の調整式ダンパーなど「F430 チャレンジ」専用のセット・アップが採用されています。
センター・ロック式の19インチホイールを装備し、エア ジャッキ・システムなどもチャレンジ仕様ならではの装備です。
ピレリのスリックタイヤは、高いパフォーマンスと耐久性を向上させた専用の仕様です。

ポテンシャル向上のための改良

2006年から「F430 チャレンジ」はF1で進化を遂げ、フィードバックされたテクノロジーによって誕生した「カーボン・セラミック・マティリアル(CCM)」ブレーキを採用しています。これにより性は格段に向上しています。
ギアボックスも、F1からの電子コントロールシステムを搭載し、5速と6速の設定は、ファイナル・ギア同様にベースモデルとは異なるセッティングです。これによってトップ・スピードを犠牲にすることなく、加速力を増加させました。
リア・エンド中央にレイアウト変更した超軽量エグゾースト・システムによって、システム周辺の空気の流れを変え、排出する熱気の流れも改善されました。

「F430 チャレンジ」主要諸元

エンジン:4,308cc V型8気筒 DOHC 32バルブ
最大出力:490PS/8,500rpm
最大トルク:47.4kgm/5,250rpm
トランスミッション:6AT(F1マチック)
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R カーボンセラミックマテリアル(CCM)
全長:4,512mm
全幅:1,923mm
全高:1,184mm
ホイールベース:2,601mm
トレッド:F 1,669mm R 1,616mm
車両重量:1,225kg

まとめ

「フェラーリ F430」は、F1からフィードバックされたテクノロジーと徹底的な軽量化、エアロダイナミクスが図られたデザイン、さらには、F1チャンピオンの「ミハエル・シューマッハ」が徹底開発したことによって優れたポテンシャルを持ち合わせた魅力的なモデルといえるでしょう。