【マツダコスモ】世界で「初」にして「唯一」のロータリーエンジン量産車はスーパースター!

マツダの「コスモ」といえば、車好きの方はやはり初代「コスモ・スポーツ」を思い浮かべる人が多いと思いますが、1967年〜1972年の5年間で1,176台した作られなかったので若い方にはちょっと馴染みのない「幻の名車」といったところですかね。量産車として世界で初めてローターリーエンジンを搭載した車としても有名で、その後に世界で「ローターリーエンジンのマツダ」というイメージを作った最初の車ですね。

日本車は欧米のマネって「誤解」ありませんか?

1966年〜1977年に生産されていたBMW2002シリーズが欧米で人気を博していた時期に、日本で生まれたスポーツカー「コスモ・スポーツ」のスポーティなデザインと先進的なロータリーエンジンは世界にインパクトを与えました。約50年前から日本の技術力が高かったことを証明する1台でもあります。1886年にドイツで設立された最古の自動車メーカーのメルセデス・ベンツや、1907年にアメリカでT型を大量生産化したフォードとは歴史的には半世紀くらいの時間の開きはありますが、実はクライスラー(1925)、フェラーリ(1943)、フォルクスワーゲン(1938)といった欧米の自動車メーカーとは歴史的には大きな開きはなく、国内メーカーの設立時期をみてもトヨタ(1937)、日産(1933)、ホンダ(1948)、マツダ(1927)といった様にほぼ同時期にスタートしていたのでした。そんな中でもマツダは1937年にはトラックを販売しておりトヨタ、日産よりも自動車メーカーとしては先輩だったのです。ちなみに現存する日本最古の自動車メーカーはダイハツでなんと1907年に創業しました。

出典:https://fr.wikipedia.org/wiki/BMW_2002

BMW2002ti(ツインキャブレターモデル)
エンジン:SOHC直列4気筒1,990cc(圧縮比を9.3:1にハイコンプレッション化)
出力:120HP/5,500rpm、17.0kg-m/3,600rpm
最高速:185km/h

出典:http://www.autowp.ru/twins/group305/pictures/npcznf/

1968年コスモ・スポーツ(後期型)
エンジン:10B型ロータリー491cc×2
出力:128HP/7,000rpm(L10B)、14.2kgf·m/3,500rpm(L10B)
最高速:200km/h

こうやって同じ時代に作られた車を並べて見てみると、内燃機の発明など基礎技術では欧米に習っていましたが、日本車が独自に技術を向上させて今日に至っていることがよくわかります。

やっぱりヒーローはテレビや映画にもしっかり登場

「帰ってきたウルトラマン」のMAT防衛隊の車

出典:http://blog.livedoor.jp/sevenhdr/archives/46211049.html

AUTOart 1/18 帰ってきたウルトラマン 「マット ビハイクル」

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このコスモ・スポーツが現役バリバリだった1971〜1972年に放映された「帰ってきたウルトラマン」の中で怪獣攻撃隊MATの戦闘車として登場したのがコスモ・スポーツでした。名前は「マットビハイクル」この名称には裏話があって、英語の「vehicle(乗り物)ビークル」を当時のスタッフが「ビハイクル」と読み間違えたのがそのまま使われてしまったという、ちょっと笑えるネーミングなんですって! ついでにいうとMATは「Monster Attack Team 」の略だそうです。このコスモ・スポーツは当時の子供達にとっては間違いなくスーパーカーだったんです。

「エヴァンゲリオン」のミサトさんが乗っていたNERV官用車

出典:http://www.evastore.jp/pc/article/G7000101.html

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 Nerv Official Business Coupe【NERV官用車 (作戦部1課管轄) 】 (1/18スケール ダイキャスト製塗装済み完成品)

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そして「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のワンシーンでミサトさんが乗っているのも、このコスモ・スポーツです。赤いラインが描かれていて監督の庵野秀明氏が「帰ってきたウルトラマン」のファンだからか登場させたのでマットビハイクル風なのかと思いきや、ご本人のインタビュー記事では「サーキットの狼」という自動車漫画の主役が乗っていたロータス・ヨーロッパのカラーリングをイメージしたそうです。言われてみれば「確かに!」といった感じですが、このコスモ・スポーツが40年後のエヴァンゲリオンの映画にまで登場しちゃうなんて…やっぱり凄い車です。

マツダの個性的なデザイン力はハンパない

マツダはいつの時代も個性的なデザインを常に世に送り出しています。
代表的な車をちょっと上げてもみんなかなり個性的で人気の車ばかりです。

・コスモ・スポーツ
・サバンナRX-7(初代〜3代目)
・ファミリア323(3ドアHB…フォルクスワーゲン・ゴルフと人気を二分していた2BOXカー)
・ユーノス・ロードスター(初代〜4代目・現行モデル)
・RX−8
・ボンゴフレンディ(屋根が開いてロフト部屋みたいになる車)

また、レースの世界では1991年のル・マン24時間レースにおいてマツダ787Bが日本メーカーとして初、ロータリーエンジン車として初、レシプロエンジン以外でも初、カーボンブレーキ装着車としても初の初物づくしでの総合優勝で快挙と呼ぶにふさわしいものでした。

二代目「コスモ」はラグジュアリーカーに大変身

コスモ・スポーツであれだけインパクトがあったから「コスモ」を冠した2代目がどんな車になるのか注目されたいたマツダでしたが3年後の1975年に発表されたのが「コスモAP」というロータリー車でした。先代のイメージとはかなり違うので不評だったかと思えば、これがマツダらしく日本にこれまでになかった豪華でパワフルなラグジュアリーカーというカテゴリーを開拓して、販売台数が半年で2万台を超えるヒット作となりました。

出典:http://www.carscoops.com/2007/05/mazdas-rotary-engine-40th-anniversary.html

コスモを冠した2台目「コスモAP」

出典:http://maz.daa.jp/history/

1977年にノッチバックスタイルのモデル「コスモL」が追加された。

1979年には、マイナーチェンジが行われヘッドライトが長方形の角型2灯にしたフロントフェイスとなりました。その後、生産終了までに累計約15万台が生産されました。

三代目・四代目の悲哀

この三代目・四代目のコスモには厳しい現実が立ちはだかっていました。二代目がセグメントしたラグジュラリーカーのヒットに他のメーカーが追随し、トヨタ・ソアラ、日産・レパードといったヒット作が次々に生まれて苦戦を強いれれることになってしまいました。この時期にコスモ・スポーツを彷彿させる国産スポーツカーとしてマツダからは初代RX-7がリリースされました。これは個人的な言葉遊びに過ぎませんが、コスモ・スポーツから二代目に切り替えたときの逆を行って、この初代RX-7を「コスモRX-7」と名付けてしまった方が辻褄が合った様な気がしてなりません。もとからクーペとセダンの2タイプを車種に持っていた「サバンナ」として三代目・四代目を出していたら、初代「コスモ・スポーツ」の系譜が今なお続いていたかも知れないと思ってしまうのです。

出典:http://www.favcars.com/mazda-cosmo-2-door-hard-top-1981-87-pictures-55727

出典:http://www.carscoops.com/2007/05/mazdas-rotary-engine-40th-anniversary.html

この四代目はセールス的にはあまり成功とは言えませんでしたが、エンジンを見てみると量産車としては世界初の3ローターエンジン+シーケンシャル・ツインターボを搭載し、最高出力280ps、最大トルク41.0kg-mを発揮して国産エンジンとしては当時最強を誇っていました。この時期に何故か各メーカー横並びで最高出力を280psまでにする様に運輸省から行政指導があったのですが、実際は330ps以上は出ていたそうです。

未来のコスモを大胆予想

これまでのマツダには「コスモ」という名を冠した車に二つの方向性がありました。一つは初代のライトウェイ・スポーツカー。もう一つは二代目のラグジュアリーカー。それからマツダという会社にとって忘れてはならない要素として「ロータリーエンジン」という要素があります。現在のマツダのラインナップにはロータリーエンジンの車がないという事実です。世界で唯一ロータリーエンジンを量産化した会社、世界で唯一ロータリーエンジンでル・マン24Hを制した会社にとって「ロータリーエンジン」はマツダブランドにとってなくてはならない存在だと思います。しかし、2012年にRX-8の生産終了をもってロータリーエンジンの量産車はなくなってしまいました。

出典:http://www2.mazda.co.jp/motorshow/2015/display/rx-vision/

そのマツダが2014年に満を持して「スカイアクティブ-R」としてロータリーエンジンの復活宣言をしました。その発表内容の一部は下記の通りです。

Mazda RX-VISION
「Mazda RX-VISION」では、マツダデザインが考える美しいFRスポーツのカタチを追求し、新しさの中にスポーツカーの正統を感じさせる、マツダのスポーツカーの歴史を凝縮したスタイリングをつくり上げています。ひと目でスポーツカーとわかるパッケージに、圧倒的に低いボンネットと全高を可能にする次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」を搭載し、オンリーワンのFRプロポーションを生み出しました。

造形では、無駄を徹底して削ぎ落としていくことでこそ生まれる、マシンとしての佇まいと緊張感を追求。キャラクターラインなどに頼ることなく、リフレクションによって「魂動(こどう)デザイン」が追求し続けている「動き」を表現し、エレガントかつ生命感あふれる造形を実現しました

出典:www2.mazda.co.jp

この発表内容とコンセプトカーをみるとロータリーエンジンの復活と「コスモ」の1代目と2代目を掛け合わせてラグジュアリー&スポーツとして系譜を受け継いだのが、この「RX-VISION」だという考え方が出来ると思います。

RX-9の存在から次期「コスモ」を考えてみた

しかしこれだと「大胆予想」にはならないので、ちょっと別の角度から見てみたいと思います。ロータリーエンジンを最後に搭載した「RX-8」を発表した際に、マツダは「RX-7」の後継者ではなく新しい車格なので「RX-8」としていると話していました。そして2014年に発表されたコンセプトカーには「RX-9」という車格が与えられています。このロータリーエンジン搭載車に与えれれる「RX」ですが「R」がロータリーエンジンを、「X」が未来の可能性を表して「RX」と付けられているそうです。これを同様に数字で車格を表しているBMWと比較して考えてみると「RX-9」はBMWi8またはホンダのNSXやトヨタの時期スープラの様な超ド級のスパースポーツカー、「RX-8」はBMW8シリーズの様なラグジュアリークーペといった位置づけになるのではないでしょうか。こう考えると気になってくるのが空白の車格「RX-7」の存在です。そしてBMWで言えば6シリーズに匹敵する車格なんですね。

出典:http://www.carscoops.com/2014/10/2018-mazda-rx9-mid-engine-design.html

出典:http://www.carscoops.com/2014/10/2018-mazda-rx9-mid-engine-design.html

マツダのライトウェイ・スポーツと言えば「ロードスター」ですが、これは元からロータリーエンジンの設定がなありませんでした。要するに「コスモ」の継承車ではなくマツダの新しいセグメントカーなんです。当時「RX-7」と「ロードスター」が並存して両方とも人気があったことがそれを証明していると思います。ここで勝手に「コスモ」の定義をしちゃいます。「パワフルなロータリーエンジン」「スポーティーな運動性能」「先進的なデザイン」をあげます。でもこれって「ロータリー」を取っちゃったらどの車にも当てはまるくらい抽象的なんです。そこでもう一つ「世界初」「世界で唯一」といった他では真似できない要素を加えて「コスモ」を定義しました。

「ロータリー」だったら「世界初」も「唯一」もマツダだけ

新生ロータリーエンジン復活

ロータリーエンジンの良さは「高回転のハイパワー」、電気モーターの良さは「瞬時に発生させられる大トルク」です。これまでのロータリーエンジンの弱点は低速域でのトルク不足と燃焼効率(燃費)といわれてきました。これはレシプロエンジンで言うシリンダーと燃焼室が常に変形しいるというロータリーエンジンの機構上の問題に大きく影響されていたからです。トルク不足はトランスミッションなどの駆動力の伝達機構である程度カバーしてきましたが「燃費」に関しては機構上ロータリーエンジン単体では飛躍的な向上は困難とされてきました。そのため「燃費競争」の現在においてマツダが生産を一旦休止せざるを得なかったのも頷けます。そこでマツダが取った行動は「スカイアクティブ=基礎技術の0からの見直し」というテーマ設定です。最近のマツダの快進撃の原動力となっている「スカイアクティブ技術」から生まれたレシプロエンジン・ディーゼルエンジンは電気(ハイブリッド)に頼らずに飛躍的に燃費性能を向上させてきました。この基礎技術の研究と蓄積がスカイアクティブ-Rに投入されるわけですから高性能を期待しても裏切ることは絶対ないと思います。このスカイアクティブ-Rで次期「RX-8」は3ローターで400ps近い数値でBMW8シリーズと真っ向勝負、RX-9は4ローターツインターボで600psで世界と勝負してもらいたいところです。

「ロータリー+ターボ+電気モーター」のハイブリッドエンジンで決まり!

「RX-8」も「RX-9」も車格に合わせて燃費については同クラスのライバルと同じレベルでいいと思うのですが、肝心の「コスモ」については要求はもっと高く設定しています。その為の方法が2ローターエンジンにシングルターボ+ERS(F1でいうMGU-H)によるハイブリッドエンジンですね。新世代ロータリーエンジンの高回転・ハイパワーはターボと相まって500psは確実だと思います。そこに回生ブレーキとターボを利用した発電システムで得られる電力とスカイアクティブDで培った直噴制御技術によってトルク不足の解消と燃費向上でリッター当り30km以上の燃費を実現。このコンパクトで高効率のハイブリッドシステムで「ロータリーハイブリッド世界初、世界で唯一」として新世代「コスモ」に搭載してもらいたいです!

新世代「コスモ」=RX-7推しの訳

こんなエンジンがあったら乗ってみたくなりますよね。でも車格のRX-8とかRX-9とかだと恐らく800万円〜1,500万円なんて値段設定になっちゃういます。だから「RX-7」の車格に新世代「コスモ」を設定してもらいたいのです。そうすれば400万円〜600万円前後で「GT-R」とか「ポルシェ」とかをカモれちゃうかもしれません。これって車格がワンランク上の車と対等に渡り合っていた昔の「RX-7」の姿そのものですよね。という訳であとはRX-7にふさわしい先進的なデザインとスポーティーな運動性能が加われば「Mazda Cosmo RX-7」の完成です。

スタイルにも注目

2007年ころにデザインコンセプトとしてマツダが公表した「マツダ流(ながれ)」は自然界にある水の流れに漂う藻のように全く抵抗していない“流”をデザインし、そこに日本的な美しさを優雅で繊細な表面処理やディテールを加えていたそうです。現在は「魂動」がキーワードで世の中のトレンドとか、そういう「何か」に逆らって出てくるデザインを目指しているそうです。下の画像は2007年当時の「ながれ」を表現したコンセプトカーですが、先に見たRX-VisionやRX-9のデザインを見ても他社にはない曲線美へのこだわりが半端なく伝わってきます。空気を受け流す洗練されたボディーワークと、一気にパワーを解放する強靭な筋肉のようなグラマラスなフォルムも曲線でなければ表現できないものだと思います。その「ながれ+こどう=「マツダ流(りゅう)」だと個人的には解釈しています。新世代「コスモ=RX-7」はどちらの初代もそうだった様にデザインでも衝撃を与えてくれると思っています。

出典:http://www.caranddriver.com/photo-gallery/mazda-ryuga-concept#6

こんな夢を抱かせてくれるのが「マツダコスモ」の系譜なのでした。また新世代コスモ・スポーツがテレビやアニメで登場してくるのを楽しみに待っている今日この頃です。マツダさん期待して待ってます!