「ランボルギーニ レヴェントン」名車カウンタックの集大成スーパーカー

1億6,000万円のプライス、世界限定20台と超ド級のスポーツカー「ランボルギーニ レヴェントン」は、驚くほど高価で希少なクルマです。「名車 カウンタック」の伝統を引き継いだ「ランボルギーニ社」の集大成のモデルの魅力に迫ってみたいと思います。

「ランボルギーニ レヴェントン(Reventon)」

「ランボルギーニ レヴェントン(Reventon)」は、イタリアの高級スポーツカーブランドの「ランボルギーニ社」が製造・販売していた「ムルシエラゴ」をベース車両として製作したスーパースポーツカーです。モデル名の由来は、「ランボルギーニ社」の伝統に従って「ドン・ロドリゲス家」が所有していた闘牛の名前から取られています。2007年フランクフルトモーターショーで初公開され、世界限定20台で販売されました。また21台目はランボルギーニ・ミュージアムに展示されています。その後、2009年フランクフルトモーターショーでは「ロードスターバージョン」が公開されました。




価格は、1億6000万円

ベースモデルの「ムルシエラゴ LP640」の4,000万円というプライスを考えると、価格100万ユーロ(日本円で約1億6,000万円)に設定されたことは、超高額プライスでした。日本国内には、わずか1台のみが正規輸入されています。

デザインモチーフは、F22戦闘機

「レヴェントン」のボディデザインのモチーフは、F22ステルス戦闘機のシルエットをモチーフにしているとデザイナーが述べている通り、ベースモデルの「ムルシエラゴ」をより戦闘的でアグレッシブなデザインに仕上げています。フロントマスク周りやリアのデザインは、後に発表された「ムルシエラゴ」の後継車「アヴェンタドール」が採用していることから「レヴェントン」は、実質的に「アヴェンタドール」のデザインスタディモデルだったといえるでしょう。エクステリアデザインは、フロントセクションにシャープなラインを強調した独特の造形の大きなエアインテークを備える専用のバンパースポイラーが備えられています。ホイールベースはムルシエラゴと共通だが全長が90mm延長されたことにより、伸びやかでありながら先端は尖ったシルエットで、まさ戦闘機のようなサイドビューが造り上げられています。
「レヴェントン(REVENTON)」のロゴもミリタリー調のもので仕上げられており独特の雰囲気が出ています。

特殊ステルスカラー塗装のボディ

ボディ構造は、角断面を持つ鋼管スペースフレームによって組まれ、外部からの応力をほぼ全てシャシーによって負担する構造に設計されています。シャシーの大部分はスチール製ですが、フロアパネルと一部の補強用補助構造体などはカーボンファイバー製が採用されています。また、ボディパネルにもカーボンファイバーが採用されています。主だったスチール製ボディパーツは、ルーフと左右のドアです。

レヴェントンカラー

「レヴェントン」に使用される塗料のボディカラーの名前はそのままレヴェントンと呼ばれ、生産される20台すべてがこのボディ色を採用しています。レヴェントン・カラーは「オパークのグリーン/グレー」という表現がなされており、表面はマットコートに見えるが実はメタリックという特赦なカラーです。
外装のボディパネルに用いられる塗料は、実際にステルス戦闘機に使用されるものと同じ、と言われています。
「ランボルギーニ社」によると「オパーク(半透明)と呼ばれる塗装はデリケートな扱いが必要です。キズや触った跡が付きやすいでの注意してください。それ以外は、ボディカラーについて基本的に従来の工程と大きく変わらない塗装です」。と述べられています。
ちなみに2007年のガヤルド「スーパーレッジェーラ」には、特殊カラーの「グリージョ・テレスト」というイタリア空軍採用カラーと同様のペイントスキームを持つボディカラーが導入されています。「ガヤルド」そして「レヴェントン」に使用された特殊カラーは、「ランボルギーニ社」が「ミリタリー」を意識しスーパーカーブランドとして独自のインパクトを市場に与えようとしていたのかもしれません。

戦闘的なインテリアデザイン

インテリアのデザインも「戦闘機」のイメージが反映され独特の雰囲気となっています。とくにメーターパネルや表示されるインジケーターなどは、他のスポーツカーには見られないデザインが採用されています。スペシャルモデルにふさわしく、メーターは3つの液晶ディスプレイで構成され、センターには3グリッド表示のGフォースメーターが備わり、エンジン特性、車体の状態などの情報を瞬時にドライバーに伝えるものとなっており、戦闘機のグラスコクピットを思わせる仕上がりとなっています。またアルミから削り出し周辺をカーボンで包み込んだというメーターハウジングは、実に凝った造りとなっています。カーボン素材はステアリング下部、パドル、センターコンソール、シートなどにも採用されています。
「レヴェントン」の車両重量として軽量化に貢献している「ムルシエラゴ」のLP640のオプションリストにもあるバケットシートの素材はレザーとアルカンターラを組み合わせています。
レザーカラーは、ダークブラウンが採用され、アルカンターラ素材はカーキとグリーンの中間色を採用しています。

熟成の域に達した伝統のエンジン

搭載エンジンは新規設計されたものではなく、名車「カウンタック」から「ディアブロ」を経て「ムルシエラゴ」まで基本構造を受け継ぐ設計のエンジンを搭載しています。アルミダイキャスト製、排気量6,496cc で60度バンクを持つ水冷V型12気筒DOHC48バルブで、無段階可変タイミング・システム(インテーク、エキゾースト両側)と、ドライブバイワイヤ・エンジン・マネジメント・システム、ランボルギーニVACSシステム(バリアブル・エアフロー・クーリング・システム)を備えた水冷システムを採用しています。

パーフェクトな精密エンジン

「レヴェントン」に搭載されるエンジンは、「6,496cc 水冷60度 V型12気筒 DOHC 48バルブ NAエンジン」で、圧縮比は11:1で最高出力650PS/8,000rpm、最高トルク67.3kgfm/6,000rpmを発揮します。「ムルシエラゴ」の最高出力が、640PS/8,000rpm、最高トルク67,3kgm/6,000rpmですから最高出力が10PSアップしています。しかし、10PSアップの違いには、数字では説明できない「熟成」された匠の技が加えられ「スペシャルエンジン」となっていることにあります。

「ランボルギーニ社」は、「20台を生産するためのエンジンは、650PS以上出るものを我々が保証して搭載します」と述べています。1台のエンジンには、精密なパーツが組み合わされて出来上がります。精密なパーツの一つ一つは、設計数値に対し、それぞれのパーツに許容誤差が存在し、ピストンやカムシャフト、クランクシャフトなど設計数値が1kgだとすれば、許容誤差が0.9~1.1kgが設けられ、誤差ゼロに近いものが組み込まれていきます。この許容誤差についていえば「ランボルギーニ社」の許容誤差は、範囲が狭いそうです。ですから「ランボルギーニ社」エンジンは、一基ごとのエンジンのバラつきが極度に少ない仕上がりとなっています。しかし許容誤差の組み合わせによって650PS出るエンジンも、逆に640PS出ないものも出来てしまう確率は理論上ゼロではありません。「レヴェントン」についていえば、この許容誤差ゼロのパーツを組み上げて造っているそうです。 つまり設計どおり100%のスペックを引き出すエンジンが組み上げられ、搭載されているのです。
ですから限定20台の「レヴェントン」に搭載されているV12エンジンは、「パーフェクトエンジン」と呼ぶことができるスペシャルエンジンなのです。

重心を下げたドライブトレイン

パワートレインの配置も「カウンタック」から「ディアブロ」を「ムルシエラゴ」を経て受け継いだもので、運転席と助手席の後ろに置かれたエンジンの出力は、運転席と助手席の間のセンタートンネルに置かれたトランスミッションを経由した上で後輪に伝えられる設計となっています。しかし、先代モデル以前にはオイルパンを貫通していたドライブシャフトをディファレンシャルギアごと車体右側にずらして設置し、潤滑方式をドライサンプにすることによって、エンジンの搭載位置を50mm下げてコーナリング性能の向上が図られているのです。組み合わされているミッションは、電子油圧式シーケンシャルロボタイズドマニュアルトランスミッション「eギア」が採用されています。

サスペンションシステム

ハイパワーな「レヴェントン」に対応するためにサスペンションシステムは、「ムルシエラゴ LP640」のものを流用していますが、リセッティングし直されています。

エンジン特性を100%引き出せるセッティング

「レヴェントン」は、「ムルシエラゴ」の4WDシステム構造のビスカス式センターデフを搭載しており、サスペンションには、前後ダブルウィッシュボーン・コイルオーバーショックが採用されています。
「ランボルギーニ社」によると「サスペンションは、スプリングはムルシエラゴのLP640のものを流用していますが、ショックは「レヴェントン」にアジャストするようセッティングされています」と述べられています。
またホイールは、「ADV.1製」18インチアルミを採用し、タイヤは「PIRELLI製」の「P-ZERO ROSSO」を標準で装着しています。
ブレーキシステムは、ハイパワーエンジンを搭載している「レヴェントン」の特性を考え、強力なストッピングパワーとなる「brembo製」カーボンセラミックベンチレーテッドディスクを装備しています。
サスペンションシステム全体が「レヴェントン」のポテンシャルを100%引き出せるセッティングに見直されています。

「ベースモデル」VS「レヴェントン」

ベースモデル「ムルシエラゴ」VS「レヴェントン」をスペックから比較すると、最高出力と最高速度がアップしています。数字では、わずかな差に思えるかもしれませんが、実際の走りに性能の差が見えてくるとともに、ベースモデルがいかに熟成されてきたのかが分かります。「レヴェントン」は、名車「カウンタック」から伝統として引き継いできた「ランボルギーニ社」の集大成のモデルといえるかもしれません。

「ムルシエラゴ LP640」主要諸元

エンジン:6496cc 水冷60度 V型12気筒 DOHC 48バルブ
最高出力:640PS/8,000rpm
最高トルク:67,3kgm/6,000rpm
トランスミッション:6MT
駆動方式:4WDビスカス・トラクション・システム(トルク配分=30:70)
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク
タイヤ:F 245/35ZR18 R 335/30ZR18
ホイール:F 8.5J×18 R 13.0J×18
全長:4,610mm
全幅:2,058mm
全高:1,135mm
ホイールベース:2,665mm
トレッド:F 1,635mm R 1,695mm
車両重量:1,665kg
前後重量配分:42:58
0-100km/h加速:3.4秒
最高速度:330km/h

「レヴェントン」主要諸元

エンジン:6,496cc 水冷60度 V型12気筒 DOHC 48バルブ
圧縮比:11:1 
最高出力:650PS/8,000rpm
最高トルク:67.3kgfm/6,000rpm
トランスミッション:6AT(eギヤ)
駆動方式:4WDビスカス・トラクション・システム(トルク配分=30:70)
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク
タイヤ:F 245/35ZR18 R 335/30ZR18
ホイール:F 8.5J×18 R 13.0J×18
全長:4,700mm
全幅:2,058mm
全高:1,135mm
ホイールベース:2,665mm
トレッド:F 1,635mm R 1,695mm
車両重量:1,665kg
前後重量配分:43:57
パワーウェイトレシオ:2.52kg/PS
0-100km/h加速:3.4秒
最高速度:340km/h

「レヴェントン ロードスター」

2009年フランクフルトモーターショーでは「ロードスターバージョン」が公開されました。クーペモデルとの違いは、リアデザインくらいです。

300km/hオーバーでも安全

安全面は、シートの後ろにポップアップタイプのロールバーを装備しています。横転の危険を感知すると、数百分の1秒で作動を完了するという代物パーツです。またボディ自体、高強度スチール・プロファイルに特殊接着剤とリベットとカーボンファイバー・コンポーネントを接続したもので剛性も確保しています。これによって300km/hオーバーの最高速度を可能とした安全性が保たれています。

まとめ

「ランボルギーニ レヴェントン」は、驚くほど高価で希少なクルマですが、名車「カウンタック」から伝統として引き継いできたエンジン、ボディ、パワートレインなど「ランボルギーニ社」の集大成のモデルと考えると納得できる価値あるモデルといえるでしょう。