【ランボルギーニ ディアブロ】闘牛の血を受け継いだ伝説の「悪魔」

「ランボルギーニ ディアブロ」は、名車「カウンタック」の血を色濃く受け継いだモデルです。10年間も現役で世界トップクラスのスーパーカーとして君臨したポテンシャルの凄さに迫ってみたいと思います。

「ランボルギーニ ディアブロ」=「悪魔」

「ランボルギーニ ディアブロ」は、「カウンタック」の後継モデルとして、1990年1月に登場しました。エクステリアデザインの雰囲気や基本構成などは「カウンタック」を継承しつつ、視界や居住性が改善され、排ガスのクリーン化や安全性の向上が図られました。また「ディアブロ」とはイタリア語で「悪魔」の意味をもっています。

進化形スーパーカー

1thモデルは、「5.7L V型12気筒」のミッドシップ後輪駆動でしたが、93年に追加された4WD仕様「VT」では走行安定性や操縦性を大幅に向上させました。また、この頃からロードスターも追加し、創業30周年記念に150台限定の軽量高性能モデル「SE30」(525ps)、高性能モデルの「SV」(530ps)、基本的にレース用の「SVR」、SVRのロードバージョンと言える「SVS」(限定 3台)、80台限定の軽量高性能モデル「GT」(575ps)等が登場しました。2000年頃から最終モデルの「6.0」、「6.0SE」に進化していきました。

伝統の血が流れる「悪魔」

「ディアブロ」のシャシーは、「カウンタック」と同様マルチチューブラフレーム構造で、ボディはアルミや独自開発によるカーボン複合素材の採用により軽量化が図られました。またサスペンション形式は4輪ダブルボーン式が踏襲されています。デザインを手掛けたのは「カウンタック」をデザインした「ガンディーニ氏」で、カウンタック同様ウェッジシェイプのフォルムやリトラクタブルヘッドランプ、跳ね上げ式のガルウィングドアが採用されました。

向上したエアロダイナミクス

エアロダイナミクスを考慮したボディによってCd値は、「カウンタック」の0.41から0.31へと大幅に向上しました。ボディサイズは全長4,460mm×全幅2,040mm×全高1,105mmで、カウンタックよりも一回り大きくなり、ホイールベースも2,650mmとなりました。しかし、車両重量はカウンタック最終モデルよりも軽量化され1,650kgとなりました。

先代を凌ぐポテンシャル

駆動方式は、1thモデルではMR方式のみが設定されました。搭載されるエンジンは、新開発された「5,707cc V12 DOHC 48バルブ 電子燃料噴射」仕様で、最高出力492PS/7,000rpm・最大トルク59.1kgm/5,200rpmのを発生し、5速MTを介しての最高速度は325km/hに達しました。

インテリア

インテリアは、2段式のメーターナセルが備わるインパネ、バックレスト固定式で全体の角度が変わる方式のバケットシートが採用されています。またエアバッグや高音質オーディオシステムも装備されました。1993年に改良され車両重量が1,576kgに軽量化、インパネデザインが一新され前方視界が向上しました。

1thモデル主要諸元

総排気量:5,707cc
最高出力:492PS/7,000rpm
最大トルク:59.1kgm/5,200rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク
全長:4,460mm
全幅:2,040mm
全高:1,105mm
車両重量:1,650kg
最高速度:325km/h

4WDモデル到来

1993年に販売を開始したのが、ディアブロ2代目モデル「Lamborghini Diablo VT」通称「VT」です。初代ディアブロとの差は、重量が25kgの軽量化によって前後のバランスが向上されたことです。またディアブロで初の4WDモデルとなりました。ビスカス式フルタイム4WD方式を採用し、電子制御式ダンパーやパワーステアリングを備えています。また1995年には、「VT」のオープンモデルの通称「VTロードスター(Lamborghini Diablo VT Roadster)」が登場しました。クーペ仕様同様の車両重量1,625kgです。エンジンの変更もなく492PSを発生させます。「VT」モデルのみ他1モデル合わせディアブロで唯一のリトラクタブルヘッドライトを採用するバージョンとなっています。

150台限定「SE30」

1993年には、「SE30」スペシャルエディション150台限定モデルが発表されます。最終的には、197台を生産出荷しています。2WD車をベースに1,450kgまで軽量化し、エンジンを最高出力525PS/7,100rpm・最大トルク59,2kgm/5,900rpmまでチューンナップしています。そして1995年に「SE30イオタ」を発表しています。パーツを軽量化したレーシングな味付けがされたモデルで「SE30」の150台中20台限定モデルです。更に同年、限定車「SE30」が発売されました。

20台限定「SE30イオタ」

「SE30」(150台限定)の中で、さらに20台だけ製造されたのが「SE30イオタ」です。スタンダードのディアブロは、最高出力490PS、「SE」は525PSで「SE30イオタ」は、可変吸気システムのコルサ・キットを装着し、595PSを発揮します。しかし、2,000rpm以上のアイドリング、スムーズに乗るのが不可能な低速、排ガス、燃費など、ストリートを走るのが、かなりキツイ性能は、レーシングカー並みのセッティングとなっています。150kgの軽量化と525PSまでパワーアップされたことにより、最高速度は330km/h以上です。インテリアは、カーボンとアルカンタラが組み合わされ、エクステリアも標準で装備されるリアウイングがフラットなものと違い、両端がボディに沿って湾曲し中央部分は角度を調整できるタイプが装備されています。

「SV(スーパーヴェローチェ)」

1996年には、「SE30」をベースにスポーツ性能を重視したモデル「ランボルギーニ ディアブロSV(Lamborghini Diablo SV)」が登場しています。ランボルギーニ車で最上ランクの名称が「スーパーヴェローチェ」です。530PS発生させるエンジンが搭載されました。343台が生産され、新車購入時には、ボディサイドに「SV」のペイント・リアウイングの装着がオプションで選べるようになっていました。2つのエアインテークは標準装着となっています。1998年には、オープンモデルであるロードスター「Lamborghini Diablo SV Roadster」が発表されました。

「ランボルギーニ ディアブロ SV」主要諸元

ランボルギーニ ディアブロ SV
総排気量:5,707cc
最高出力:530PS/7,100rpm
最大トルク:61.7kgm/5,500rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク
全長:4,470mm
全幅:2,040mm
全高:1,115mm
車両重量:1,530kg

レース専用「SVR」

1996年に「SV」 をさらにチューニングしたレース専用モデル「Lamborghini Diablo SVR」が登場しました。内装の簡潔化やフレーム・ボディの軽量素材を施し、車両重量は1,385kgにとなっています。エキゾーストマニホールドのチューンがされ馬力は540PS、最高速度は325km/hとされています。限定34台の生産でした。

公道仕様のレース車両「GT」

1999年に発表したレース車両を公道仕様にしたモデルは、「Lamborghini Diablo GT」です。世界限定80台のみの販売となっています。6.0Lにアップされた大排気量エンジンは、最高出力575PS、338km/hの最高速度、0-100km加速3.9秒というスペックです。駆動方式は2WDを採用しています。「GT」はランボルギーニが当時のFIA-GT選手権への参戦を狙って開発した、GT2をベースとしたロードモデルといえます。エンジンは5,992ccで、ロングストローク化に伴って、構成部品はその多くが専用設計となっていました。専用カムシャフト、チタン製のコンロッド、燃料供給と点火制御は、L.I.Eで吸気制御はシリンダーごとに独立して行われる仕組みで、マルチスロットル・インテーク・マニフォールドなどの新機構も採用されていました。またパワートレインは、10インチ径の強化型シングルドライプレートによるクラッチ、そして5速M/Tが組み合わされていました。また「GT」のエクステリアは、ボンネット上のエアアウトレットや、ルーフ後端に備わるシングルタイプのエアインレットが特徴です。フロントフェンダーは、トレッド拡大に伴ってオーバーフェンダー化され、ドアパネルとのクリアランスもホイールハウス内からエアを効率的に排出するアウトレットという機能を備えています。大型のリヤウイングやデフューザーが装着されています。ボディは、ルーフとドアを除いて、軽量なCFRP製となり車両重量は1490kgです。インテリアは、リヤウインドウを持たないため、センターコンソールにはリヤビューカメラからの映像を映し出す、モニターが装備されています。

「GT」主要諸元

GT
総排気量:5,992cc
最高出力:575PS/7,300rpm
最大トルク:64.3kgm/5,500rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:MR
サスペンション:F/R ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:F/R ベンチレーテッドディスク
全長:4,430mm
全幅:2,040mm
全高:1,105mm
車両重量:1,490kg
0-100km加速:3.9秒
最高速度:338km/h

7thモデル「6.0」「6.0SE」

2000年にディアブロ7thモデル「Lamborghini Diablo 6.0」が登場しました。「GT」をデチューンしたモデルです。バンパー上部には丸みを帯びたウインカー・ポジション灯が装備され、リアはエキゾーストパイプが2本出しに変更されました。4WD仕様で排気量5,992ccで最高出力は550ps/7,100rpm、最高トルク63,3kgm/5,500rpmを発生させました。
2001年にはディアブロ最終型となる「Lamborghini Diablo 6.0SE」が販売されました。重量やトルクは変わらず、最高出力が558ps/7,100rpmへアップしています。インテリアが主に変更され、カーボンの使用、カラーの種類がオプション設定されています。生産台数は43台でした。

「GT-1」市販車ベースのレース車両

レース仕様の「ディアブロ」ですが、「ティームJLOCが市販ディアブロを改造した...」などでは無く、「ランボルギーニ本社」が「JLOC(ジャパンランボルギーニオーナーズクラブ)」の為だけに特別に仕上げたワンオフのスペシャルモデルです。ランボルギーニは長らく市販車ベースでのレース活動(F1へのエンジン供給以前はレース活動そのもの)を創始者フェルッチオ・ランボルギーニの意向で禁止していましたが、この「JLOC」の「ディアブロ GT-1」の製作を機についにGTレース活動を開始することになりました。「GT-1」は桁違いの中身となっており「プロトタイプ・レーシングカー」並みのシャシー(シャシー作成は1990年のF1GPで鈴木亜久里氏を表彰台に押し上げたランボルギーニエンジン搭載のラルースF1チームの元スタッフが手がけたシャシー)にランボルギーニF1元エンジニアが仕上げたV12エンジンが搭載されていました。特にエンジンに至ってはGT500仕様でも軽く600PS以上というモンスターエンジンでした。

「GT-1」主要諸元

ランボルギーニ ノマド ディアブロ GT-1 (2000年)
総排気量:5,994cc
最高出力:600PS/7,000rpm
最大トルク:70.0kgm/5,500rpm
駆動方式:MR
全長:4,705mm
全幅:2,040mm
全高:1,040mm
車両重量:1,200kg
重量バランス:47:53
トランスミッション:6速

まとめ

10年という年月を経て進化を遂げてきた「ランボルギーニ ディアブロ」は、モデルごとに限定生産モデルを発表してきました。加えてランボルギーニの伝統が色濃く受け継がれた最後のモデルゆえに「名車」といえるスーパーカーです。