【スプリングとショックアブソーバーなど】足回りの重要パーツについて解説!

スプリングとショックアブソーバーは、サスペンションの中で最重要パーツともいえるものです。スプリングは路面からの衝撃を受け止めますが、それだけでは十分ではありません。それをサポートするショックアブソーバーとのコンビネーションが走行性能には重要になってきます。これらの基本的な動きや簡単なセッティングについて説明します。

スプリングの役割とは?

スプリングがあることによって乗り心地やコーナリング性能が保たれる。

サスペンションを構成するパーツのひとつであるスプリングは、タイヤが受けた路面からの入力を吸収してボディへの負担を軽減し、乗り心地を確保し、コーナリング中にかかる遠心力を受け止めてスムーズに曲がるために必要不可欠のパーツです。ブレーキング、コーナリングなどで荷重変化が発生した場合に、すぐに縮んだり伸びたりすることで、タイヤのグリップ力を生かす役割も担っています。ちなみに、スプリングは馬車の時代から発展してきました。

当初は強い入力があったときだけに対応できるような簡易なものしか装着されていませんでしたが、1805年にイギリス人のオバディア・エリオットがリーフスプリングを発明したのが大きな進歩となったといいます。それまでは前後の車軸を結んでいた重い連結棒が必要だったのですが、それが不要となったことで軽量化が可能となり、車高も低くすることができるようになり、乗り心地も改善されたのです。このときのリーフスプリングは楕円型をしていましたが、今でも下半分を利用した半楕円バネはトラックなどに使用されています。

スプリングは馬車の時代から発展してきた。

ただし、スプリングだけだと、一旦入力があると振動を繰り返してなかなか動きが収まりません。リーフスプリングは鉄製の板を重ねた構造をしているために、板と板の間に摩擦が起きることで、動きを抑制させる減衰力が働きます。現在、主に使用されているコイルスプリングにはこの作用がありませんが、ショックアブソーバーの発生する減衰力がこの役割を担っています。ショックアブソーバーについては後に解説します。

スプリングにもいくつかの種類があります。ちょっとリーフスプリングについて触れましたが、現在の乗用車には一般的にコイルスプリングが使用されています。他にはトーションバースプリング(ねじり棒バネ)、空気を密閉したエアスプリングや液体を利用したハイドロリックサスペンション、ゴムスプリングなどもあります。これらは特殊な部類に入るでしょう。メインがコイルスプリングなのは、計算どおりの硬さのものが比較的簡単にできること、軽量にできること、いろいろなサスペンション形式に対応できることなどが理由となっています。

スプリングの性格はスプリングレートによって決まる。

材質や線経(スプリングの素線自体の太さ)、外径、巻き数の変更によって、さまざまなスプリングレートを持たせられます。スプリングレートというのは、スプリングの硬さで、バネ定数(k:スプリングを1mm縮めるために必要な力)を表しています。例えばK=2.0kg/mmのスプリングの場合は、1mm縮めるために2kgが必要ということです。サスペンション形式にもよってきますが、このくらいのスプリングレートのものは、小型乗用車に使用されています。ただし、このスプリングレートだと、モータースポーツなどで高速コーナリングをする場合にはロール角が大きくなりすぎるので、もっとスプリングレートが高いものを使用することになるでしょう。こうしたセッティングについては、後にも解説します。

コイルスプリングにもいくつか種類があります。一般的なスプリングはストレートタイプと言われ、スプリングの線経、外径、ピッチが一定です。こういうタイプのものはスプリングにかかった荷重とたわみの量が比例する線形特性を持っています。これに対して、非線形特性をもたせたスプリングもあります。これはバリアブルレートスプリングとも呼びます。これにもいくつかのバリエーションがあって、非線経タイプ(素線の太さが一定ではないもの)、不等ピッチタイプ(素線の巻の間隔を変えたもの)、テーパータイプ(素線の巻径が変化するもの)などがあります。こうしたスプリングを使うと、例えば、荷重のかかった初期では柔らかいスプリングと同じようにたわみ、荷重が強くかかったところで硬いスプリングとすることが可能です。

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スプリング選定は、コーナリング性能アップやカスタム時などの重要項目。

スプリングは、細かなセッティングやカスタム時の車検対応などにも使用される。

そう簡単な話でもないですが、バリアブルレートならば理論的には柔らかいスプリングの方がブレーキングやコーナリング初期では荷重がかかりやすいので曲がりやすく、コーナーの中に入っていくとスプリングレートの高い部分で、しっかりロールを抑えるような特性をもたせられる可能性もあるわけです。線形特性をもっているスプリングにスプリングレートの低いスプリング(テンダースプリング)を合わせて使い、セッティングを行なうこともあります。こうしたスプリングは、セッティングのためというよりも単純にスプリングが短くて遊んでしまうのを抑えるという意味でも使われます。ヘルパースプリングと呼ばれるものがこれです。スプリングはそれ自体を短いものにすることで車高を下げることができます。ただし、こうした場合クルマをジャッキアップしたときにスプリングに遊びがでるのは好ましくありませんし、車検にも通らないことになります。

前に戻りますが、ストレートタイプのスプリングが悪いというわけではありません。このタイプのスプリングでは単純に荷重によって縮み方がきまってしまい、セッティングの幅としては狭いものになりますが、それはシンプルにセッティングが決められるという意味では基本となるものです。またスプリングは車高の調整をするためにも重要なパーツです。現在、一般的になっている車高調整機能を持ったショックアブソーバー(車高調)を使用する場合には、ノーマル形状のスプリングではなくて、直巻スプリングというものが使われることもあります。これは車種を問わず使用できることやバネレートもいろいろなものが選べるという長所があります。

スプリングによるセッティングは基本的には硬くする方向になる。

スプリングレートはクルマが安定してコーナリングするための要となる。

サーキット走行などを考えると、スプリングは乗り心地を考えたものではなくて限界時の操縦性の向上を図るものになります。ノーマルのままのスプリングは柔らかいですから、いずれにしてもかためる方向となります。コーナリング時にロールが大きくなりすぎると、タイヤの接地を考えてもよくありませんし、ブレーキング時にスプリングが柔らかいとノーズダイブしすぎて姿勢が不安定になります。特にFFの場合は前輪が駆動しているわけですから、加速時にリヤに荷重が移りすぎるとトラクションがかからないなどの現象が起きることもあります。そういう現象を抑えるためにもスプリングレートを上げる必要があるわけです。

だからといって硬くすればいいのかというとそうでもありません。コーナリングするためには適度なロールが必要ですし、硬すぎるスプリングでステアリングを切っても、フロントサスペンションがロールしなければ、いきなりタイヤに大きな荷重がかかり、タイヤは限界を超えてスリップしてしまいアンダーステアになります。その辺はスプリングの硬さ、曲がりやすさ、ロール量の兼ね合いを十分に考える必要があります。
セッティングの話が多くなってしまいましたが、一般的な走行を考えればもちろんノーマルのままのスプリングで十分ですし、下手に交換してしまうと乗り心地を損なうばかりか、サスペンションという重要な部分を担うパーツでもありますから危険でもあります。まず、スプリングがサスペンションの要であるという認識はもっていましょう。

ショックアブソーバーの役割とは?

ショックアブソーバーはスプリングの伸縮運動を速やかに収めるのに必要なパーツ。

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スプリングがタイヤからの入力が受け止めますが、それだけでは済まないのが難しいところです。特にコイルスプリングはその特性上、一旦縮むと伸び縮みを繰り返して、なかなか動きが収まりません。そこでショックアブソーバーが必要になります。ショックアブソーバーの構造は水鉄砲に例えられることが多いです。外から見ると筒状の本体(シリンダー)からロッド(ピストンロッド)が一本飛びでているかたちです。水鉄砲と違う部分はシリンダーの内部にピストンロッドからつながって接地されているピストンに穴(オリフィス)が空いていることや、水の代わりに特殊なオイルを使用していることです。

また、シリンダーの底部にあるベースバルブ部からオイルが移動するためのリザーバー室が設けられています。水鉄砲では外部に水が出ることになりますが、ショックアブソーバーは本体内部で完結した水(油?)鉄砲とといえるでしょう。シリンダー内のピストンがオイル内を行き来するためには、ピストンのオリフィスをオイルが通り抜ける必要があります。さらにベースバルブ部を行き来します。その抵抗によって、スプリングの振動を止める力が生まれるわけです。これがスプリングの動きを止めるための減衰力です。ですからオイルの通るピストンのオリフィスの大きさやベースバルブのセッティングによって、減衰特性が違ってきます。これがショックアブソーバーの役割の基本的な考え方です。

ショックアブソーバーの種類

ショックアブソーバーは大きくわけて、単筒式と複筒式にわけられる。

「モータースポーツのためのチューニング入門」(グランプリ出版/飯嶋洋治)より引用。

ショックアブソーバーには大きくわけて単筒式と複筒式があります。一般的には複筒式で、ここまでの説明も複筒式のものを前提としていましたが、もう少し詳しく説明します。複筒式はオイルが移動するリザーバー室が、ショックアブソーバー本体の周囲(=アウターシェル)にあり、二重構造になっているものです。そのため複筒式といわれるわけです。アウターシェルのリザーバー室とピストンが動くインナーチューブが別々になっているので、激しいピストンの動きがあっても、オイルの中に気泡が発生しにくいというメリットがあります。コストが安く、一般市販車にも多く採用されています。デメリットは外側にリザーバー室を作らなければならないために放熱性に難があり、オイルの粘性が下がることによる「熱ダレ」が起きやすいことになるでしょう。ショックアブソーバーに負担のかかるモータースポーツではけっこう重要な問題となります。

もうひとつの単筒式ショックアブソーバーは、フリーピストンを介した高圧のガス室をオイル室と直列に置いています。入力があった際には高圧ガス室がたわむことで、ピストンに設けられたオリフィスのオイルの移動ができるようにしています。単筒式は複筒式に比べるとオイルの量を多くできますし、シリンダーが外気に触れているために冷却性に優れ、オイルの粘性が保たれることから熱ダレが発生しにくいメリットがあります。その分、複筒式にくらべると外部からの攻撃(ダート走行による飛び石など)に弱いとはいえます。ビルシュタインやオーリンズなどがこの形式で有名です。

ショックアブソーバーには別タンク式や減衰力調整式など、路面状況や過酷な条件に耐えるものもある。

単筒式には倒立タイプと呼ばれるものもあります。これは通常オイル室が下で上部にピストンロッドが突き出ているショックアブソーバーの接地をオイル室を上、ピストンロッドを下にしたものです。そして、下部にくるケースで補強するようにして強度を確保します。これをマクファーソンストラット式に採用する場合にはメリットがあります。こうすることで外力に対する剛性が高くなり、動きが良くなるとともにバネ下荷重の低減にもつながるのです。現在では単筒式、複筒式ともに、オイル温度が上がることを想定して、別タンクを使い、オイル量を増やした別タンク式と呼ばれるものもあります。

減衰力調整期のショックアブソーバーも普及しました。これは外部に設けられたダイヤルなどで減衰力が調整できるものです。ショックアブソーバー本体の側面や下部に付けられたダイヤルや、ピストンロッド頭頂部に設けられたダイヤルによって減衰力を調整するものです。室内から調整できる機構を設けているものもあります。こうすることによって、ドライ路面、ウェット路面などのコンディションやコースのレイアウトに合わせて、その場で減衰力を調整することが可能になっているわけです。調整幅も3段階くらいのものから多いものだと20段調整などというものもあります。ただし、ショックアブソーバーの減衰力を調整したからといっても、それに組み合わせるスプリングのレートを変更しないと、やはりセッティングには限界があります。

車高調整式ショックアブソーバーは車高を下げるなどのカスタム車両には必須アイテム

減衰力調整式に加えて、車高調整機能がついたショックアブソーバーも多く見られるようになってきました。これはより正確に言えば、ショックアブソーバーのケースなどに切られたねじ山によってスプリングシート位置を変更し、車高を変更できるようにしたものです。これらは車高を調整するだけならば、自分でもできますが、細かく考えると付随してアライメント調整も必要になりますので、それなりのノウハウが必要になります。

スプリングはロール角度をショックアブソーバーはロールスピードを決める。

ショックアブソーバーに求められる性能は、スプリングの振動を抑えることですが、ことスポーツ走行(モータースポーツ)を考えて重要になるのは、ロールやピッチングのスピードをコントロールするという部分になります。単純に言いかえると、スプリングはロール量を決め、ショックアブソーバーはロールスピードを決めるとも言えます。同じスプリングを用いている場合、荷重がかかり続ければ最終的にはショックアブソーバーが持っている限界までバンプストロークしてしまいますが、そこまでのスピードがショックアブソーバーの減衰力によって違ってきますし、伸びる時も伸び側の減衰力によって、戻るスピードが違ってきます。ただし絶対的なピッチングやロール量はスプリングによってきまります。こう考えるとスプリングとショックアブソーバーの考え方も分かりやすいのではないでしょうか?

ショックアブソーバーはモータースポーツカテゴリーに合わせたものを選ぶ

レース用ショックアブソーバーはストロークは少なくても、その中でしっかりと動くことが大事。

ショックアブソーバーメーカーの中にはレース、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアル用といったカテゴリーや、個々人の好みに合わせた減衰力をオーダーで作ってくれるところもありますし、あらかじめそれぞれのカテゴリーと車種に合わせた減衰力をもったものを設定してラインナップしているところもあります。ちょっとカテゴリー別の減衰力特性にも触れます。

一般的にコーナリングスピードの高いサーキット走行ではスプリングレートが高められています。ショックアブソーバーの減衰力も硬いスプリングの動きを制御するために高められています。ただし、ただ減衰力を高めればいいということではなく、瞬間的に大きくサスペンションが動くというケースは少ないために、比較的ゆっくりとしたストロークをしたときに、しっかりと減衰力が出るようにしています。ストロークが少なく、ロール角も小さいというサーキット走行の特性をふまえて、その中でしっかりストロークする特性が求められます。

ジムカーナ用ショックアブソーバーでは細かいセクションでのコントロール性能を重視する。

ジムカーナ用の場合には、舗装された広場のような場所でパイロンを置いて設定されたコースを使用するケースが多くなります。コーナリングというよりもターンに近い走行が多くなるので、荷重移動がしやすく比較的柔らかめ(ノーマルよりは硬い傾向になりますが)のレートのスプリングがマッチするケースが多くなります。ショックアブソーバーもやはりピストンスピードが低速のときによりしっかりと減衰力が出る特性となります。ロールスピードを抑えるには、縮側の減衰力を強くする方法が一般的には用いられますが、ジムカーナのような中低速がメインになる場合には、そうすると外側のサスペンションが突っ張るような感じになり、適さない場合があります。

そのため、コーナリング時にアウト側が縮んだときに、イン側が伸び上がり過ぎないようにしてロールを抑える方向になります。アウト側の縮み側の減衰力を高めすぎると、サスペンションがストロークしないで、タイヤが早期にグリップ限界を超えてしまうことへの対処といえます。同じ舗装用だからといって、レース用のサスペンションを使って走ると、特にパイロンコースではうまく荷重移動ができずに曲がりづらいということになりがちです。ジムカーナでは、パイロンコースではなくミニサーキットを使用してイベントが行なわれることも多くなっています。その場合はサーキット用に近くなります。

とはいっても、ゴール手前にパイロンスラロームや360度ターンなどの細かいセクションが設けられるのが難しいところです。実はタイム差が出るのはこういう細かいセクションの場合が多いからです。せっかくサーキット部分で良いタイムをマークしたとしても、例えば360度ターンで大回りしてしまうとそのアドバンテージを帳消しにしてしまうことも多いのです。結論としては、やはりレース用よりもジムカーナ用のスプリングやショックアブソーバーを使うのが良いということになるでしょう。また、ケースによっては減衰力調整式のショックアブソーバーが威力を発揮する部分でもあります。

ダート用ショックアブソーバーは、速いピストンスピードに対応することを重視する。

ダート走行用のサスペンションと見てみましょう。舗装用とダート用のショックアブソーバーのち外を簡単にいうと、舗装用はピストンスピードが遅い領域(微低速)の減衰力を重視しているのに対して、ダート用の場合は、ピストンスピードが速い領域の減衰力を中心に設定しているといえます。ダート走行では、ショックアブソーバーが大きく動いている時間が長いためです。そのため、ショックアブソーバーの発熱も多くなりオイルの粘性が失われるので、容量を上げることも必要になります。

ダートコースにはどうしてもうねりがあるので、そのためにも極力タイヤが路面から離れないサスペンションが求められます。それに対処するためにはストロークが大きいことも必要になります。現在は、ラリーやダートトライアルに使用されている車種のものであれば、ショックアブソーバーメーカーから専用品が市販されているので、それを使うのが常道といえます。これらも減衰力が調整できるものも多くなっていますので、コース設定や路面状況に応じて減衰力を調整することができます。

その他のパーツ(バンプラバー、ブッシュ等)

ブッシュやバンプラバーは小さなパーツでも走行性能に影響する。

一般的に、ショックアブソーバーの取り付け部をはじめ、サスペンションを構成するアームやリンクの取り付け部分にはゴムブッシュが使われています。ノーマルの場合は、ブッシュは比較的柔らかめになっています。それは乗り心地に貢献するからです。また、最近のクルマでは、ブッシュの変形を積極的に利用して操縦性を安定させる効果を狙ったものもありますから、サスペンションの中でも重要なパーツと言えます。スポーツ走行を考えた場合には、ブッシュを強化するという手法がよくとられます。それは乗り心地を犠牲にしてもサスペンションの剛性を上げて、しっかりとした動きをさせたいからという意味があります。

スプリングやショックアブソーバーを強化しても、ブッシュが柔らかいと、サスペンションに不確定要素が出てしまい、スプリングレートや減衰力にあいまいな部分が残ってしまうといこともあります。その代わり乗り心地は悪化して、ボディに細かい振動が伝わることになってしまいます。振動がボディにダイレクトに入るということは、長期的使用で考えるとボディ剛性の低下にもつながります。スポーツ走行を考えた場合にはタイムを優先するから、乗り心地はある程度は犠牲になるのはやむを得ません。問題になるのは、柔らかいゴムブッシュによって路面からの情報が伝わってこないことや、ステアリングを切り込んでも反応が鈍く感じたり、アンダーステアやオーバーステアが出る一瞬の間隔をドライバーがうまく把握することを阻害されることになるからです。

ショックアブソーバーのピストンロッドにはバンプラバーというパーツが付いています。これは一見なくてもいいように見えますが、実は大事な役割をもっています。サスペンションはそのストロークいっぱいまで仕事をすると、いわゆる底づきという現象を起こし、ピストンロッドがシリンダー底部に強く当たってしまい、走行中に急激なショックがはいり危険でもあります。そのために、底づきを抑えるためにバンプラバーが設けられています。また、限界までサスペンションがストロークしたときの最後の支えともなるわけで、バンプラバーも硬さや長さを工夫することでセッティングも変わってきます。

足回りの有名メーカー

「KYB」は一般用を含めた国内の最大級のメーカー

日本の代表的なショックアブソーバーメーカーで、多くの純正品を提供しています。1919(大正8)年に設立された萱場発明研究所が前身となっています。当初は航空機用の油圧部品などを製作していました。1956年に萱場オートサービスが設立され、現在のKYBエンジニアリングアンドサービスにつながっています。モータースポーツにも積極的に取り組んでおり、本格的なレースはもちろん、プライベーター向けにも比較的安価で信頼性のおける製品を提供してくれています。

テインはすべてを自社で開発している高性能メーカー。

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1985(昭和60)年設立と国内メーカーとしては新規参入の部類に入りますが、モータースポーツを中心に成長してきたメーカーです。当初はWRC(世界ラリー選手権)などラリーのイメージが強かったですが、今はストリートからモータースポーツ全般をカバーしています。ショックアブソーバーメーカーとはいっても、実際はKYBなどの大手メーカーで作っているものを自社ブランドで発売しているメーカーが多いなかで、自社製品を出しているということでは特筆されます。

クスコはモータースポーツで信頼を勝ち得てきたメーカー。

1977(昭和52)年に設立されたキャロッセのブランドです。主にモータースポーツのイメージが強いですが、今はサスペンション、車高調を含めてストリート系のパーツも多くリリースしています。ラリーという過酷な条件の中で得たノウハウが多いために信頼性の高さをウリにしています。また、正常な使用方法が前提となりますが、1年1万キロ保証がついています。自社製品のショックアブソーバーのオーバーホールも行っています。

ビルシュタインはラリー、レースなどで有名なドイツのメーカー。

ドイツの有名メーカーで、レースやラリーではこの名前を聞かないことはありません。1954年にハンス・ビルシュタイン博士がガス封入式ダンパー(ショックアブソーバー)の実用製品化に成功したことから有名になります。この原理自体はフランスのド・カルボン博士が考案したものでした。それが1957年にメルセデス・ベンツのサスペンションに採用されたことから普及していきます。レースのポルシェワークスによる使用やWRCでの活躍により、揺るぎない信頼を勝ち得ているメーカーです。国産メーカーでも上級グレードにビルシュタインショックアブソーバーを採用している例が多いです。

オーリンズは、細かな対応が魅力で、ジムカーナやダートトライアルでもシェアが高い。

1976年に創立したスウェーデンのショックアブソーバーメーカーです。どちらかというと2輪レースで活躍したのちに4輪にも普及してきたイメージがあります。私も使ったことがあるのですが、減衰力調整が20段でできることや、ショックアブソーバーをメーカーでオーバーホールしてくれることなど、かなり斬新なイメージがありました。もちろん現在でも国内外のモータースポーツシーンで活躍しています。

まとめ

スプリング、ショックアブソーバー、ブッシュなどについてひととおり説明してきました。これらは理屈でいくら覚えても、実践してデータや経験値を増やしていかないと、なかなか理解には結びつかないかもしれません。ただ、仕組みや原理を覚えておくとやはり理解の助けにはなるかと思います。もちろん理屈先行の頭でっかちになっては、元も子もありませんが……。サスペンション関係のパーツをよりよく知ることにより、読者の方のカーライフの充実につながればと思っています。

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