【フォルクスワーゲンヴァナゴン】のルーツはみんなが知ってるあの車!?

今回は、ちょっと変わり種なフォルクスワーゲンのお話です。“ヴァナゴン”という名前なんですが、これは本名じゃないんです。輸出先で様々な事情でニックネームをつけられることがあるのですが、この“ヴァナゴン”という名前もそのひとつです。これは、アメリカで付けられた名前なのですが、日本でも使われるようになりました。そんな名前のいきさつも含めて、ヴァナゴンの素性や魅力を覗いてみましょう。

“ヴァナゴン”という車

フォルクスワーゲン本社のリリースの中に“ヴァナゴン”と言う名前の車は存在しません。輸出先の事情で本名を名乗ることができず、ニックネームで呼ばれる車は少なくありません。このニックネームはアメリカで付けられ、“Van”と“Wagon”をくっつけた合成語です。
日本へ入ってくる輸入車の中にもいくつか存在します。例えば...
●ルノークリオ:ルノールーテシア
●オペルコルサ:オペルヴィータ
●プジョーパートナー:プジョーパルトネール
などなど。
ほとんどの場合が商標登録の問題で、すでにその名前が使われている場合が多いですね。

ヴァナゴンの本名は?

では、“ヴァナゴン”がニックネームだとしたら本名は何なのでしょう。その答えはこんな車でした。本名は“タイプ2”です。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%972

タイプ2というのは“2型”と言う意味で、フォルクスワーゲン社での形式名称です。ちなみにドイツ語では“テュープ・ツヴァイ(Typ2)”です。この呼び方は、1960年代にアメリカで始まったようで、ドイツや周辺諸国では“Bulli・ブリ(ブルドッグ)”が一般的な愛称です。
愛称ってことは本名じゃないですよね? どうなってるの? ってなりますが、カタログの表記では次のようになっています。
●貨物仕様で前席のみ:VW Transporter(トランスポルター)
●貨物仕様で2列席:VW Delivery Van(デリバリーバン)
●多人数乗用仕様:VW kleinbus(クラインブス:小型バス、英語ではマイクロバス)
●乗用・貨物兼用:Kombi(コンビ:コンビネーション、米国でのステーションワゴンに準ずる呼称)
●後部が荷台仕様:VW Pick-up(ピックアップ)
全部を総括する総称として“タイプ2”と呼ばれています。日本では“ワーゲンバス”とか“デリバリーバン”と呼ばれることが多いようです。

つまり、あの車です

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%972

はい。“フォルクスワーゲンタイプ2”と言えばこれですよね。ヴァナゴンをさかのぼると、祖先はこの“ワーゲンバス”なんですね。フォルクスワーゲンでは、世代順にT1からT6までを連続したシリーズとして扱っていて、その総称には“Transporter”が使用されています。T3(3世代目)の発表時に、フォルクスワーゲン社自身が過去にさかのぼって世代区分を行いました。これにより、“Transporter(独トランスポルター、英トランスポーター)”の第1世代、第2世代、第3世代、略してT1、T2、T3と各世代に対してネーミングを行うようになりました。2015年に登場したT6でも引き続き使用されています。

では、初代(T1)から順に見てみましょう。

T1 初代モデル

先ほどからお話ししているとおり、上の写真の“あの”誰もが知っているワーゲンバスです。もちろん、バン仕様もありましたしピックアップもあります。
1950年に登場しました。

出典:http://www.thesamba.com/vw/classifieds/detail.php?id=1865429

もともとは、フレームの一番後ろに水平対向エンジンが搭載されているタイプ1(ビートルですね)のシャシを見て、キャブオーバー型(前輪の上に座るタイプの総称)のボディを乗せればスペースが有効活用できるかもしれないという着想から生まれた車です。

T2 2代目モデル

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%972

1967年に登場しました。T1の北米市場での成功を受けて送り出されたT2でしたが、安全基準の引き上げと世界一厳しい排ガス規制への対応、同時期に北米市場で市場規模が拡大していたオートマチックトランスミッションの開発など、北米市場での荒波にさらされることとなりました。
プラットホームとリアエンジンの組み合わせなどの基本構成はT1から受け継がれていましたが、スタイリングは一新されています。1枚になったフロントガラスをはじめ、全ての窓が大型化されて乗員の視界が改善されました。内装にはソフトパッドと樹脂製部品が採用されています。ボディーカラーもT1までのツートンカラー主体から単色が主体になりました。

T3 3代目モデル

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Volkswagen_Transporter

一番初めの写真がT3です。こちらはバン仕様ですからトランスポーターですね。1979年に登場しました。発売以前にFF化の噂がありましたが、労働組合の抵抗によってRR方式が存続されたといわれています。このモデルになって、初めて乗用仕様車に“カラベル(キャラベル=小型の帆船)”と愛称がつけられました。
日本でもヤナセが“カラベル”の名前で販売していましたが、1990年にフォルクスワーゲン・アウディ日本が設立され、北米での名称である“ヴァナゴン(Vanagon)”の名前で販売を開始しました。ヤナセがフォルクスワーゲンの販売から撤退するまで両者は競合していました。

T4 4代目モデル

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%972

1990年に登場しました。このモデルから構造を一新して、横置きのFF方式になりました。型式も“70”となって“2型”ではなくなってしまいましたが、欧州では引き続き同じシリーズとして扱われています。日本では引き続きヴァナゴンの名前で販売されていました。

T5 5代目モデル

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%972

2003年に登場しました。デザインは先代を引き継いでいます。販売車種としては、貨物モデルの“トランスポルター”、一般乗用モデルは“カラベル”、上級乗用モデルの“マルチバン”、キャンピングカーの“カリフォルニア”に分かれています。
2003年の東京モーターショーに、右ハンドル・6速A/Tのオーストラリア仕様(マルチバン)が展示されましたが、日本への正規導入は実現していません。

T6 現行モデル

出典:http://www.autosworldblog.com/2015-6th-generation-vw-transporter-t6-specs/

2014年に登場しました。先代から少し角が張ったデザインになりましたね。フォルクスワーゲン車全体のトレンドのようですね。4種類のディーゼルエンジンと2種類のガソリンエンジンが用意されているようです。こちらも日本へ正規導入はありませんので、並行輸入に頼るしかなさそうです。

日本国内ではなかなか手に入らない自動車を世界中から輸入しています。本国使用の左ハンドル車のマニュアルミッション車・CO2の排出量がとても少ないディーゼルターボ車などなど。また海外のミニカーなどのグッズやBOSCH社の正規取扱店として部品も豊富に取りそろえています。

最後にまとめ

ワーゲンバスがいまでも生産されていることをご存じでない方も多いようですね。T4までは乗ったことがありますが、とても大きくて大変だったという記憶しかありません。国産ワンボックスでは満足できないという向きにはちょうど良い車なのではないでしょうか。