【シトロエンC1】シトロエンの末っ子は日系の血筋なんです

シトロエンが“C+数字”の名前を使うようになったのは2000年のことです。それまでは“エグザンティア”とかとか“サクソ”とか、それ以前はアルファベット2文字が定番でした。そして、このC+数字のトップバッターは“C5”でした。続いて“C3”、“C4”、“C2”、“C6”とデビューします。それまで一番小さなシトロエンだったサクソの後継がC2だったので、“C1”のデビューは予想していませんでした。

シトロエンC1の生い立ち

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%BBC1

シトロエンC1のデビューは2005年です。エグザンティアの後継モデルとしてC5がデビューしたとき、これからはシトロエンの“C”とクラスを表す数字の組み合わせを車名にすることが発表されました。そして続々と次世代モデルがデビューしたのです。一番小さなシトロエンだったサクソの後継としてC3が、兄貴分のクサラの後継がC4でした。そこへC2がデビューします。サクソの後継モデルとしてデビューしたC3は5ドアハッチモデルでしたが、3ドアハッチのホットモデルとしてC2がデビューしたのです。そしてフラッグシップだったXMの後継モデルとしてC6がデビューしてすべて揃ったかに見えました。確かに“C1”の座は空いていたものの、C2よりも小さなシトロエンがデビューするとは予想していませんでした。
そこへ、兄弟会社であるプジョーが、106の後継となるスモールハッチを計画しているという噂が流れてきます。当然シトロエンバージョンも用意されるのではないかという話になりました。考えてみれば、サクソ以前にもう一回り小さなホットハッチ、“AX”という車がありました。まさかとは思いましたが、C2よりもさらに小さなハッチバックモデルC1がデビューしたのです。

日本導入は見送られ

ですが、同時に悲しいニュースもありました。このC1、日本への導入が見送られてしまったのです。残念なことにC1が日本の地を走る事はありませんでした。AXはとても楽しい車でした。あのAXの血を継ぐ車なら乗ってみたかったのですが。

シトロエンC1という車

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ではシトロエンC1とは一体どんな車なんでしょう。プジョーとシトロエンが同盟を組んでいることはご存じですよね。この2社はPSAと名乗り、プラットフォームやコンポーネントを共有・共同開発することで開発及び生産コストを抑えるという共同作業をしています。実はこの2社に歩み寄り、合弁会社を設立したメーカーがいたのです。
なんとそれは“世界のトヨタ”でした。こうして生まれた“トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービル”という会社で生産されたのがC1なんです。もちろんプジョー版である“107”と、トヨタ版である“アイゴ”も生まれました。フロントフェース及びリアエンドのデザインこそ各社の個性が出ていますが、プラットフォームとエンジンはすべて共通です。

スペック

ボディタイプ:3ドア ハッチバック及び5ドア ハッチバック
エンジン:ガソリン 1KR-FE型1.0L直列3気筒DOHC・68PS
     ディーゼル DV4型1.4L直列4気筒SOHC・55PS
変速機:5速MT
駆動方式:FF
サスペンション:前 マクファーソンストラット
        後 トーションビーム
全長:3,435mm
全幅:1,630mm
全高:1,468mm
ホイールベース:2,340mm

PSA,トヨタ お互いのメリット

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PSAとトヨタの同盟は、お互いに下心があってのことでした。PASはトヨタの持つ次世代コンパクトガソリンエンジンや小型車に先進技術を詰め込むノウハウを手に入れたかったのでしょう。おかげで2代目C3以降のプジョー・シトロエン車はダウンサイジングエコエンジンを搭載できています。
対してトヨタが手に入れたかったものは何でしょう。それは日本よりも10年先を行っていると言われていたコンパクト&エコディーゼルエンジンの技術です。日本では乗用車とディーゼルエンジンの組み合わせは人気がなく、主力商品になり得ないために開発が遅れていました。トラックをはじめ商用車に使うことが中心のディーゼルエンジンを、小さく軽く快適でクリーンに、という発想がありませんでした。
ところが欧州では、その燃費のよさからディーゼルエンジンの人気は高く、むしろガソリンエンジンよりも開発に力を入れてきたのです。気がつけばその差は歴然でした。欧州から流れ込むであろうディーゼルエンジンの波に乗り遅れるわけにはいきませんから、トヨタはこのような手法をとったのでしょう。

2度のマイナーチェンジ

2度のフェイスリフトを受けて外観が少しずつ変更されました。1度目は2009年のことです。大きく口を開けて笑っていた初期型に比べて、少し口をすぼめた印象のデザインになりました。

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2度目のフェイスリフトは2012年でした。さらに口回りのデザインが変更されました。グリルの脇にLEDのデイライトが追加されていますね。

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スポーツパッケージもありました。

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Citro%C3%ABn_C1

フルモデルチェンジをして現行モデルに

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Citro%C3%ABn_C1

2代目の登場です。なんだか素敵なデザインですね。シトロエンらしいと言いますか。もちろん、兄弟であるプジョー107は108へ、トヨタアイゴも新型になりました。

シトロエンC1(2代目)スペック

トヨタVTiエンジン搭載車
全長×全幅×全高:3,465×1,615×1,460mm
ホイールベース:2,340mm
トレッド(前/後):1,425mm/1,420mm
車両重量:860kg(ノーマルルーフ)
乗車定員:4名
トランスミッション:5速 ETG
エンジンタイプ:水冷直列3気筒DOHC 12V
総排気量/内径×行程:998cc/71.0×84.0mm
圧縮比:11.5
最高出力:69ps/6,000rpm
最大トルク:9.8kgm/4,800rpm
燃料タンク容量:35L
燃費:23.8km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ/ホイール:165/65R14
最高速度:157km/h
0-100km/h加速:15.9秒

PSAピュアテックエンジン搭載車
全長×全幅×全高:3,465×1,615×1,460 mm
ホイールベース:2,340mm
トレッド(前/後):1,425mm/1,420mm
車両重量:865kg(ノーマルルーフ)
乗車定員:4名
トランスミッション:5速マニュアル
エンジンタイプ:水冷直列3気筒DOHC 12V
総排気量/内径×行程:1,199cc/75.0×90.5mm
圧縮比:11.0
最高出力:82ps/5,750rpm
最大トルク:12.0kgm/2,750rpm
燃料タンク容量:35L
燃費:23.3km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ/ホイール:165/60R15
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:10.9秒

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Peugeot_108

プジョー108

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Toyota_Aygo

トヨタアイゴ

シトロエンC1の魅力

そんな生い立ちのシトロエンC1の魅力を探ってみましょう。

稀少な“5ナンバー”のAセグメント

街中の移動手段とファミリーユースを兼ねる日本の自動車事情を考えると、インポーターがBセグメントに注目するのは仕方がないことでしょう。ですが衝突安全基準などの関係で、Bセグメント車は軒並み3ナンバーの仲間入りをしています。普段は2人まで、しかも街中の移動がメインとなれば、後席の快適さを無視してでもよりコンパクトなパッケージでキビキビの方が良いのでは?
維持費の面でも車両重量1トン未満、排気量1.0L未満はメリットが大きいですよね。そう考えるとAセグメント車ってとても魅力的だと思うのです。残念ながら正規輸入されているAセグメント車は、フィアット500、ルノートゥインゴ、スマートくらいな気がします。

屋根がなくなる開放感“エアスケープ”

出典:https://corecars.jp/citroen-c1-import

いわゆるキャンパストップです。C3プルリエルのようにすべての屋根がなくなるわけではありませんが、天井面はすべて開口ですから、その開放感は他に類を見ないでしょう。シトロエンは2CVの時代からキャンパストップを採用してきました。C3プルリエルでは、キャンパストップのみならずそのままリアウィンドも開閉でき、さらに屋根を支えるCピラーも外せるというスゴ技をやってのけました。ただし、外したピラーを車内に積むことは出来ず、一度外して出かけたら家に戻るまで屋根は閉じらないという雨大国日本には向かない仕様でしたが。最近ではC3のゼニスフロントウィンドなど、とにかく開放感に拘っているのです。このC1のエアスケープも、その心は変わっていません。

不思議と広い室内

出典:https://corecars.jp/citroen-c1-import

小さなボディなのに、中へ乗り込むと不思議と窮屈さは感じません。フランス人が乗る設計ですから当然ですよね。楽な姿勢でポジショニングできちゃいます。とは言え、隣との距離は近いですよ。男同士というよりは素敵な女性と乗れば、その距離もまた楽しいのではないでしょうか。

手に入れるには?

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このかわいらしいC1を手に入れたい! となったらどうすれば良いのでしょう?

プジョー・シトロエン・ジャポンによる日本導入はナシ

頼みの綱である正規輸入元はC1を日本へ導入しないことを決めています。様々な事情があるのでしょう。プジョーにとって108は、208の市場を犯す危険があります。シトロエンにとってC1は...C3の市場を犯すかもしれませんね。でもC2が無くなった今、C1を導入してくれても良いのではないかと思ってしまいます。

ならば並行輸入に頼るべし

愚痴を言っても仕方がありませんね。正規導入が無い以上、並行輸入に頼るしかありません。並行輸入とは、正規輸入に対して当てられた言葉ですが、正規輸入業者(ここではプジョー・シトロエン・ジャポン)以外の人が、現地で車を買い付けて日本へ輸入することです。頑張れば個人でもできますが、排気ガス規制に対応していることの証明(日本で排ガス検査を受けなくてはなりません)などとても大変な作業が待っていますので、専門に扱っている業者さんに頼る方が得策です。
以前は並行輸入業者さんもたくさんいました。日本へ正規導入されている車でも、並行輸入されていたのです。正規輸入業者は、製造会社(この場合はPSA)から販売する権利を買って輸入・販売しています。在庫のリスクやクレームへの対応なども考えて売価設定します。もちろん輸送費や諸々の経費もかかります。対して並行輸入業者は少数しか輸入しませんし、“日本では買えない仕様の車が欲しい!”というお客さんがいるわけですから在庫の心配がありません。仕入れルートを上手に探すことが出来れば、正規輸入車よりも安価に販売することができます。
ところが製造者の正規ディーラー保護政策などが進み、関税の引き下げや日本法人化された直営ディーラー方式などにより、正規輸入車の価格が大きく引き下げられました。これにより、並行輸入業者の活路はほとんど無くなってしまいました。今では、日本では販売されていない車種にほぼ限られています。

C1を販売しているのは?

では、シトロエンC1を販売している業者さんを探してみましょう。やはり結構厳しい状況ですね。私が探した限りでは、現行モデルのC1を並行輸入販売しているのはYM Worksさんだけのようです。

欧州車の直輸入ならワイエムワークス。国内未導入モデル、海外限定モデル等、お車のご購入から整備・修理 車検・チューニングまで、コダワリのカーライフをサポートいたします。

シトロエンC1の価格は?

そんなYM WorksさんでシトロエンC1を購入するといくらなんでしょう。せっかくですから、すべて込み込み乗り出し価格が知りたいですよね。教えてもらいましょう。まず、C1には全部で6種類のグレードがあるようです。
搭載するエンジンが2種類あります。トヨタVTiエンジン搭載車とシトロエン製ピュアテックエンジン搭載車です。
VTi搭載車はFlairのみのモノグレードで、ノーマルルーフとエアスケープが選べます。
ピュアテック搭載車は、FeelとFlairの2グレードで、それぞれにノーマルルーフとエアスケープがあります。
VTiノーマルルーフ車:11,435ポンド
VTiエアスケープ車:12,680ポンド
ピュアテックFeelノーマルルーフ車:10,595ポンド
        エアスケープ車:11,840ポンド
      Flairノーマルルーフ車:11,285ポンド
        エアスケープ車:12,530ポンド
となっています。
これは車両価格(現地)のようですね。ちなみに現在の英ポンドは161,625円ですので、一番お値打ちなピュアテックFeelノーマルルーフ車だと1,712,416円です。
現地でも結構高い車なんですね。トヨタのアイゴは日本で言えばパッソですから、最上級グレードを買ってもおつりが来る金額じゃないですか。これを日本へ運んできて、排気ガス適合試験を受けて、山のような書類をすったもんだして、それから通常の新車登録作業ですからね。
自動車税、自動車重量税、自動車取得税、自賠責保険税と山の様な税金を支払って登録されます。ナンバープレートを取得して晴れて公道を走れるのです。

ちなみにYM Worksさんのホームページによれば、ピュアテックエンジンFlairノーマルルーフ車の国内乗り出し価格の目安は2,635,640円とのことです。
現地での購入価格以外に80万円くらいはかかりそうですね。

中古車も探してみましょう

某中古車サイト(2軒)にはありませんでした。さすがに正規導入されていないだけあって中古車の数は相当少ないのでしょうね。個人売買も含めて探してみましたが、現在はひとつもみあたりませんでした。過去に売買されたケースはあるようです。
ちなみに、我が家の近所のヘアサロンのオーナーが、初期型のC1に乗っていらっしゃいます。ですから時々見かけますが、他には見たことがありません。フレンチブルーミーティングというフランス車オーナーが一堂に会する大きなイベントがあるのですが、その会場でも1台か2台しかいないそうです。

最後にまとめ

残念ながら実際に乗ったことはありませんが、トヨタの技術満載ですからある意味とても安心して乗れる車でしょう。このサイズなら通勤から買い物まで抜群の機動性でしょうし、子供二人まででしたら家族での移動にも十分です。ぜひプジョー・シトロエン・ジャポンには一考いただきたいものです。