【トヨタ ハイラックス】映画「BTTF」で一世風靡したピックアップは、世界の未来も変える世界戦略車

「トヨタ ハイラックス」は、映画「BTTF」で人気となり一世風靡したピックアップトラックです。2015年には、「BTTF」仕様の北米モデルまでもモーターショーに出品されたほどです。今回は、そのヒストリーに迫ってみたいと思います。

映画「BTTF」で大人気

2015年10月21日にトヨタは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で使用された「トヨタ ハイラックス」仕様の「タコマ」を発表しました。ブラックのボディペイントに「KC HiLiTES」のドライビングランプ(こちらは現代的にLEDになっている)を装備し、TRD製ホイールも再現したモデルを発表しました。 他にも、テールゲートには「TOYOTA」のロゴが加えられていたり、標準のタコマのヘッドライトやテールライトは映画の「ハイラックス」似たものに、フロントとリアにはチューブバンパーが装備されています。カッコいい仕様のモデルですが、ショーモデルのため市販は、ないようです。一世を風靡した「ハイラックス」の魅力とは?その歴史を紐解いてみたいと思います。

世界戦略モデル

「トヨタ ハイラックス (Hilux) 」は、トヨタ自動車が生産販売するピックアップトラックです。車名の由来は「High」と「Luxury」を合成した造語で、乗用車なみの豪華さを持ったピックアップトラックを目指したという意味が含められています。日本のメーカーが日本向けに生産販売したピックアップトラックとしては最後のモデルです。7thモデルからは、2010年までにトヨタが世界市場15%を獲得するという目標「グローバル15」を目指すための方策の一つ「トヨタIMVプロジェクト」から生み出される世界戦略車「IMVシリーズ」中のピックアップトラックモデルにハイラックスの車名が引き継がれています。現在はタイ、アルゼンチン、南アフリカを生産拠点として、世界の新興国市場に向けて販売されています。

1th「10型系」(1968年-1972年)

1thモデルの「10型系」は、1968年3月に登場しました。「トヨタ ブリスカ」のモデルチェンジに際して名称が「トヨタ ハイラックス」に変更されました。「トヨタ ブリスカ」同様に、企画は「トヨタ社」が行ない、設計は「日野自動車」主導で行われていました。搭載されたエンジンは「1.5L OHV 8バルブ シングルキャブレター装着(2R型)エンジン」です。最高出力は70PS/5,000rpm、最高トルクは11,5kgm/2,600rpmを発生しています。グレードはデラックスとスタンダードの2タイプです。1969年4月に荷台長2,250㎜に延長されたロングボディを追加しています。1971年2月にエンジンを「1,587cc OHV 8バルブ シングルキャブレター装着(12R型)エンジン」に変更しています。最高出力は、80PS/5,200rpm、最高トルクは、12,5kgm/3,000rpmを発生しています。

2th「20型系」(1972年-1978年)

2thモデルの「20型系」は、1972年5月に登場しています。エンジンは「12R型」「1,968cc SOHC 8バルブ シングルキャブレター装着(18R型)」を搭載した「ハイウェイ」も設定されました。「ハイウェイ」にはハイラックス初のフロアAT車も設定されました。1975年10月のMCフロントグリルが変更されました。「ハイウェイ」は廃止、ATモデルも1983年のフルモデルチェンジまで一旦中止されています。

3th「30/40型系」(1978年-1983年)

1978年9月に3th「30/40型系」が登場しました。エンジンは、「1,587cc OHV 8バルブ シングルキャブレター装着(12R型)エンジン」で、出力は、80PS/5,200rpm、最高トルクは、12,5kgm/3,000rpmを発生しています。ヘッドランプは規格型の丸形4灯式から規格型の丸形2灯式に変更されました。1979年12月には、ディーゼルエンジンが設定されました。また、ハイラックス初の4WDモデルが標準ボディに追加されました。エンジンは負荷を考慮し「1,968cc SOHC 8バルブ シングルキャブレター装着(18R-J型)」が搭載されました。出力は、110PS/5,500rpm、トルクは、16,5kgm/3,600rpmを発生しています。1981年10月のマイナーチェンジでは、規格型角形2灯式ヘッドランプに変更されています。「ダブルキャブ」と「4WDディーゼル」を追加しています。1983年11月に廉価版のみ「ポピュラーシリーズ」として1988年9月まで継続生産されました。

4th「50/60/70型系」(1983年-1988年)

4th「50/60/70型系」は、1983年11月に登場しました。ガソリン車のエンジンが「1,998cc 直列4気筒 8バルブ OHV(3Y型)」に変更されました。最高出力は88PS/4,800rpm、最高トルクは15,8kgm/3,400rpmを発生しています。ディーゼルエンジン搭載車に2人乗りのフロア4速AT車が追加されました。1984年5月にトヨタ初の「SUV」となる、4ランナー/ハイラックスサーフ60系が登場しました。1985年8月に4ランナー/ハイラックスサーフがフロントサスペンションをトヨタ4WD初採用となる、トーションバー/ダブルウイッシュボーンの独立式に変更しています。しかし、ハイラックスピックアップはリーフ/リジッドのままでした。ただし、道路条件の悪い海外の途上国や、国内でも、業務用やクロスカントリーを楽しむユーザーには、丈夫で、ホイールストロークの大きいリジッド式が歓迎されていたため、これ以降も残されることになりました。

5th「80/90/100/110型系」(1988年-1997年)

1988年9月に5th「80/90/100/110型系」が登場しています。エンジンは「1,998cc 直列4気筒 8バルブ OHV(3Y型)」「2,779cc 水冷直列4気筒 SOHC 8バルブ(3L型)」「2,366cc 直列4気筒 SOHC 8バルブ EFI 触媒(22R-E型)出力105PS)/4,800rpm、トルク19,0kgm/2,800rpm」「2,958cc V型6気筒 SOHC 12バルブ (VZ-E型)出力150PS/4,800rpm、トルク25,0kgm/3,400rpm」が設定されました。2WDと4WDでフェンダーのデザインが異なり、左右フロントコーナーにあるコーナーランプ(ターンシグナルランプを含むランプ)は2WDモデルはフェンダーが下広がりの台形デザイン、4WDモデルのフェンダーが上広がりの台形のデザインとなっています。1995年には、輸出仕様の北米向けが「ハイラックス」から「タコマ」として独立したモデルとなりました。

6th「140/150/160/170型系」(1997年-2004年)

6th「140/150/160/170型系」は、1997年9月に登場しました。乗用仕様には「スポーツピックアップ」という名称がつけられました。
このモデルから「ハイラックスサーフ(200系)」は、「タコマ」ベースに改められることになりました。グレードタイプは、2WDダブルキャブ、2WDエクストラキャブ、4WDダブルキャブ(ワイドボディの設定あり)、4WDエクストラキャブの設定になっています。また「TRD」によるカスタマイズバージョンもありました。
2001年にMCで、ヘッドランプを規格型から異型とし、フロントグリルとエンジンフードをボリュームを増したデザインへと変更されています。

搭載されていたエンジンは、4タイプが設定されていました。
1RZ-E型「1,998cc 直列4気筒 SOHC」
(110PS/5200rpm、17,0kgm/2,600rpm)
2L-TE型「2,446cc 直列4気筒 SOHC 8バルブ ターボ 電子制御スピル弁」
(97PS/3,800rpm、22,5kgm/2,400rpm)
3RZ-FE型「2,693cc 直列4気筒 DOHC 」
(150PS/4,800rpm、24,0kgm/4,000rpm)
5L型「2,985cc 直列4気筒 SOHC 8バルブ」
(91PS/4,000rpm、19,5kgm/2,400rpm)」が設定されました。

7thモデル「海外仕様」(2004年-2015年)

7thモデルは、トヨタIMVプロジェクトのフレーム構造をベースとした単一プラットフォームを共有する世界戦略車「IMVシリーズ」としてピックアップトラック、SUV、ミニバンが設定され、このピックアップトラックモデルが「7th ハイラックス」を継承することになりました。「IMVシリーズ」はパワーと低価格が重視される地域向けに、トラックを乗用としても使用する購買層に対し、従来のトラックに比べ乗用車風の高級感を持たせるつくりとし、さらにトヨタの安定した品質を提供することで販売増を狙うという、新興国向けの「世界戦略車」として開発されました。残念ながら日本国内での販売はありません。
2011年7月に大幅なフェイスリフトを受けた新型ハイラックスがメルボルンモーターショーに出展され 、タイ、ヨーロッパで発売が開始されました。

搭載ユニット

エンジンは、
2TR-FE型「2,693cc 直列4気筒 DOHC Dual VVT-i」
(160PS/5,200rpm、24,8kgm)/4,000rpm)
1GR-FE型「3,955cc BEAMS V型6気筒 DOHC 24バルブ Dual VVT-i」
(276PS/5,600rpm、38,8kgm/4,400rpm )
1KD-FTV型「2,982cc 直列4気筒 DOHC 4バルブ」
( 170PS/3,400rpm、35,9kgm/1,800-3,400rpm)
2KD-FTV型「2,494cc 直列4気筒 DOHC 4バルブ」
( 109PS/3,400rpm、26,5kgm/1,600-2,600rpm)」
が設定されています。

テラ (Terra)モデル

テラ (Terra)モデルは、日本の代表的なキャンピングカービルダーである「バンテック社」が「HILUX VIGO」をベース車両としカスタマイズしたモデルで2006年から販売しています。トヨタタイ工場から仕入れた「HILUX VIGO」を「バンテック社」タイ工場で架装しています。ベース車としての「HILUX VIGO」は並行輸入扱いとなっています。

8thモデル (2015年-)

8thモデルは、2015年5月にタイで発表し発売を開始しています。オーストラリアでは10月から発売開始されました。8thモデルのタイ仕様には「レボ(Revo)」 のサブネームが付いており、タイでは先代モデルの「ヴィーゴ」も並行して継続販売されています。

コンセプト

8thモデルの開発コンセプトは、「道が人を鍛える。人がクルマをつくる」です。開発チームが世界中の様々な道を走り、使用環境を実際に体験して開発されました。

新開発ユニット搭載

エンジンは先代から継承している「2TR-FE型」「1GR-FE型」に加えて、新開発の「GD型」エンジンが採用されています。


環境対策「GD型」エンジン

2015年から8th「ハイラックス」に初搭載されことになりました。「GD型」エンジンは、従来の「KD型」エンジンの後継モデルになり、従来型(3.0 Lおよび2.5 L)に比べて小排気量化されています。TSWIN (Thermo Swing Wall Insulation Technology) と呼ばれる技術を採用して高断熱ディーゼル燃焼を実現を図っています。またトヨタのディーゼルエンジンでは初めて尿素SCRシステムを採用し、EURO 6およびポスト新長期自動車排出ガス規制に対応したモデルとなりました。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)が市販品として初めて採用された部品で、仕向地の排ガス規制や軽油の品質などに応じて、DPFや尿素SRCシステムなどを適宜組み合わせることで最適な排ガス浄化を図ることができる構成となっています。エンジンのバリエーションは、現在は、2.4L、2.8Lの2タイプです。
直列4気筒DOHC16バルブ 電子制御コモンレール筒内直接噴射 可変ジオメトリーターボ仕様となっています。
1GD-FTV型は、2.8L仕様「2,754cc(177PS/3,400rpm、45,9kgm/1,600~2,400rpm)」です。
2GD-FTV型は、2.4L仕様「2,393cc(150PS/3,400rpm、40,8kgm/1,600~2,000rpm)」です。

新設計が多用されている8thモデル

新開発のフレームが採用され、安全性と耐久性を大幅に向上させています。後軸のサスペンョンはリーフスプリングであるが、前軸にはダブルウィッシュボーンを採用し、3タイプのサスペンションの仕様を設定しています。スタンダード(標準)仕様、高積載に対応するヘビーデューティー仕様、積載性を保ちつつ乗用車並みの乗り心地を実現したコンフォート仕様の3タイプです。また、オートマチックトランスミッションは新開発の6速ATが採用されています。

快適性も向上している8thモデル

ボディタイプは、5人乗りのダブルキャブ、2人乗りのシングルキャブ、シングルを若干延長して荷物置き場を設けたエクストラキャブの3つが組み合わされています。また、8thモデルでは、LEDヘッドランプや本革シート、防犯対策として要望の大きいオートドアロックなど最新の装備が数多く盛り込まれており、エクステリアにおいても大幅な質的向上を果たしています。

まとめ

「トヨタ ハイラックス」は、国内のみならず世界で活躍するピックアップです。現在では、世界戦略車としてトヨタの主力モデルとして世界に投入されているモデルです。